人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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サブタイ通りだ。


奴の正体、それは…


Episode109 正体-トルー・キャラクター-

「毎回凄い量になるから勘弁してほしいぜ…」

「なら、洗濯板で洗えば?」

「それ、割とマジで考えてる」

IS学園のランドリーで大量の洗濯物を持つ一夏と、あまり無い洗濯物を持つ一樹。

「…なあ一樹、お前の洗濯物がそんなに少ないのは何でだ?」

「ん?セリーに持って行って貰ってるからだけど?」

「貴様卑怯だぞ!!?」

「いやだって、セリーから言ってきたから…お言葉に甘えてる。シャツとかだけな」

「流石に下着は無いか…ん?それは良いのか?」

「俺も気になったんだけど…セリーに『カズキは気にしすぎ』って言われた。実際、セリーは寝巻きに俺のシャツ使ってたりするからな」

「お前は1回弾にシバかれろ!」

「ところがどっこい!その弾も今や彼女持ちだ!」

「ああそうだった!畜生!もうこのネタ使えないのか!!?」

「…いや、でも弾のキャラってそんなもんじゃないか?」

「…否定はしない」

洗濯に乾燥を終え、一樹が衣服を部屋の洋服タンスにしまっていたその時。

 

ドックン

 

「ッ!!?」

エボルトラスターが、鼓動を打った。

「どうしたの?カズキ」

ゴロゴロ寛いでいたセリーの言葉も耳に入らず、一樹は駆け出した。

「ッ!カズキ!」

セリーが部屋を出た時には、一樹の姿は見えなくなっていた。

「大変!ユキエに知らせないと…!」

すぐ隣の扉を開けて、セリーは駆け込む。

 

バンッッッ!!!!!!!!

 

「ん?どうしたんだセ「邪魔!」ガフッ⁉︎」

やはり洋服タンスに服をしまっていた一夏を突き飛ばし、雑誌を呼んでいた雪恵に駆け寄るセリー。

「ユキエ!」

「ん?どうしたのセリーちゃん?」

「今カズキが飛び出したの!」

「「え!!?」」

 

 

エボルトラスターの示すポイントに駆け込んだ一樹。

そこにいたのは…

「…今度は何が狙いだ?シャドウ」

相変わらずフードを深く被ったシャドウだった。

『貴様に面白いモノを見せてやろうと思ってな…いい加減、この小芝居も飽きてきたしな」

「ッ!!?!!?」

いつもの暗くて低い声から、一樹の聞き知っている声へと変わった。

いや、()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。

「改めて、久しぶりだな…櫻井一樹」

フードを取ったその顔はとても整っており、一夏とはまた別種のイケメンと言えるだろう。だが、その顔に隠された本性を一樹は知っている。

 

何せ…一樹の体の火傷の8割は、この青年に付けられたのだから。

 

「…まさかお前がシャドウだったとはな…【藤原 修斗(ふじわら しゅうと)】!!」

 

 

「クソッ!反応が見つけられない!」

「ミオちゃんを見つける事も出来ないよ⁉︎」

一樹が飛び出したと聞いて、簪以外の1年専用機持ちが集まった。

今は様々な方法で一樹を見つけようとしているのだが、学園を飛び出してからの一樹の姿を捉える事が出来ない。

バードンとの戦闘以来、【繋がり】を切られているため、雪恵も一樹が()()生きている事しか分からない。

「いっくん!雪ちゃん!私も捜索に…」

見かねた束が、捜索入りしようとするが、千冬が止める。

「駄目だ!お前は例のソアッグ鉱石のエネルギーをチェスターに乗せておけ!詰めるだけな!」

千冬は今回の敵がシャドウであると予測し、束に例のエネルギーを準備させるように言った。

 

 

「やっとあの面倒な声やめれる…それにフードが外せるのが嬉しいね。この暑苦しい中、結構しんどかったんだぜ?」

飄々と語る藤原。

一樹はその本心を読み取れず、普段以上に警戒する。

「…正体をバラすのが、そんな下らない理由なのか?」

「まさか。一応お前の心理的トラウマが掘り起こせるかと思ったんだよ。なのにそういう反応はナシ。相変わらずつまんねえ奴だ」

「……」

確かに、常人ならトラウマ級の事を、一樹はこの男とその手下から受けている。

「…一応、トラウマ級の事をしていた自覚はあったんだな」

「はッ!お前にそんな気遣いなんかするかよ!僕の好きな雪恵さんを傷つけたお前なんかにな!」

そう、藤原は雪恵に惚れていた。クラスの女子達も、『修斗君が雪恵ちゃんの相手なら納得なのに』と言う程見た目も良く、教師達にも信頼されていた。

「…織斑のクソ野郎が真実を黙ってたおかげで、馬鹿な連中にはお前が雪恵さんを殺したって思わせる事が出来た。更に教師共にもマインドコントロールをしてお前を追い詰める様にした!学校全体でだ!なのにお前は耐えた!雪恵さんの大切な時間を奪ったお前が!平然とな!」

藤原が一樹に向ける視線は、昔から変わらない。嫌悪から始まり、憎悪や殺意…悪感情と分類される感情全てを、一樹に向けている。

「…今やっと分かったよ。雪が脳死じゃなくて、死んだと誰が言ったのか。一夏じゃないのは分かってた。どう言った経緯で知ったのかは置いておく。マインドコントロールって言葉から察するに、お前がシャドウの力を得たのは俺とほぼ同時期…雪が脳死した時期だな」

「お前が気安く雪恵さんの名を呼ぶな!雪恵さんから6年という時間を奪ったお前が!」

「……」

整っている顔を、憎悪に歪ませながら藤原は怒鳴る。

そして、右手を高く上げて指を鳴らした。

 

パチンッッ!!!!!!!!

 

藤原を中心に、空間が書き換えられる。

そこは、光を感じさせない無限の闇…

「…ダーク・フィールドか」

「今日こそ、お前を殺す。ただ死ぬだけじゃ足りない…殺した後、この世の人全てからお前の記憶を奪う。お前という存在を誰1人覚えて無くしてやる…お前みたいな汚れた存在など、最初から無かったように惨めに死んでいけ!!」

それぞれの変身アイテムを引き抜き、ダーク・フィールドでの戦闘を開始した。

 

 

ひたすら、探した。

ひたすら、試した。

ひたすら…祈り続けた。

 

ピピピピピピピピピピ!!!!!!!!

 

「ッ!!?見つけた!!!!」

雪恵のレーダーが、漸く振動波を感知。

「この反応…なんか、メタ・フィールドと逆みたいなんだけど…」

「「「「ッ!!?!!?」」」」

メタ・フィールドと逆…そんな雪恵の言葉に、ダーク・フィールドを知る面々の顔が険しくなる。

「千冬姉!」

「ああ!行け!今のアイツにあの空間は危険すぎる!」

ただでさえ、学園前で戦った時の例があるのだ。更に戦闘力を落とされるダーク・フィールドで戦うということは…

 

 

『デュアッ!』

「フゥッ⁉︎」

シャドウ・デビルとジュネッス形態のウルトラマンはダーク・フィールドで激しくぶつかり合う。

シャドウの重いハイキックを何とかガードするウルトラマン。だが、そのあまりの威力にガードは崩され、後方に大きく飛ばされてしまう。

『フンッ!』

「グオッ!?」

ガードが崩れたウルトラマンの隙を見逃さず、ストレートパンチをウルトラマンの顔面に決めるシャドウ。

「フッ!シェアッ‼︎」

『グゥッ!?』

だが、ウルトラマンもただやられっぱなしではない。

更に踏み込んで殴りかかってくるシャドウの腕を掴み、一本背負い。

更に起き上がったシャドウに、強烈な回し蹴りを決めた。

「ハァッ!」

『グオッ!?』

シャドウの体から火花が散り、後方に大きく吹き飛ぶ。

 

 

『対シャドウ用のエネルギーは、ジェネレーター出力の都合上1発撃ったら次弾を撃つためのチャージがかなりかかるから…基本1発しか撃てないつもりでいてね』

苦しそうに言う束に、チェスターに乗る面々は頷いた。

「……」

雪恵は、いつになく不安げにα機の後部座席に座っていた。

「…雪恵、怖いなら無理に行かなくても良いのだぞ?櫻井も、そんな雪恵を攻めたりはしないさ」

前部座席に座る箒が、そんな雪恵に声をかける。

「…ありがとう、箒ちゃん。でもね、違うの。確かに、今私はすごく怖い…けどね、それは戦いの場所に行く事じゃないの」

「…というと?」

「…なんていうのかな。()()()()()()()()()()()()()()()()っていう感じに近いかも。この怖さは」

ガタガタ震えながら語る雪恵。

『…雪恵、今回お前は待ってろ。そんな恐怖を感じてるお前を、あそこに行かせる訳にはいかない』

一夏も降りる様言う。

このままでは一夏達の足手まといになると思った雪恵は、素直に降りた。

「うん…ごめんね織斑君。かーくんをお願いね」

『おう、任せろ!』

 

 

『フンッ!トゥオッ‼︎』

「フッ⁉︎」

シャドウは巨大なエネルギー弾を空中高く上げると、大量の闇の雨を降らせる。

「シュッ!」

それを側転&マッハムーブで避けるウルトラマン。

更にマッハムーブで急接近し、ストレートパンチをシャドウに決めた。

「ハッ!」

『グッ⁉︎』

完全に対応が遅れたシャドウは吹き飛ぶ。

シャドウが吹き飛んでいる隙に、ウルトラマンは両手を胸の前でクロス。エネルギーを貯める。

「シュッ!ハアァァァァァァ…」

それを見たシャドウは起き上がり、右拳に闇のエネルギーを貯める。

『フンッ!フゥアァァァァァ…』

そしてウルトラマンはコアインパルス、シャドウはシャドーレイ・シュトロームをそれぞれ撃ち出す。

「デェアァァァァァァァァ!!!!」

『デュアァァァァァァァァ!!!!』

2人の光線は丁度中間でぶつかる。数秒ぶつかり合った結果爆発が起こり、2人の巨人はそれぞれ背中を強打した。

「グゥッ!!?」

『グオッ!!?』

打ちどころが悪かったのか、中々立ち上がれないウルトラマン。そんなウルトラマンの首に、シャドウはダークセービングビュートを伸ばした。

『デュアッ!』

「グッ!?」

何とか振り払おうとするウルトラマンだが、闇の鞭は更に首を絞める…

 

 

『Set into strike formation‼︎‼︎』

ストライクチェスターとδ機がフィールドに突入しようとする。

「『ジェネレーター、フルドライブ‼︎』」

 

 

『デュアッ!』

「グゥッ!?」

闇の鞭で引き寄せられ、ダーク・フィールドの大地に叩きつけられるウルトラマン。

『死ね!死ね!死ねぇぇぇぇ!!』

闇の鞭は首から離れるも、今度は連続でウルトラマンの体を打ちつける。

その度に、ウルトラマンの体から火花が散る。

「グッ⁉︎グオッ!?」

更に両手首に鞭が絡まり、受け身がとれないウルトラマンを、背中から大地に叩きつけた。

「グアッ!?」

 

ピコン、ピコン、ピコン…

 

ウルトラマンのコアゲージが鳴り響く。

背中を強打し、動けないウルトラマンにシャドウは馬乗り。

何度も何度も殴りつける。

『デュッ!デェアッ!!』

「グッ、グゥッ…」

そこに、ストライクチェスターとδ機が突入してきた。

すぐにストライクバニッシャーとクアドラブラスターを撃ち、シャドウの気をひく。

『グッ!?』

「シェアッ!」

その隙を逃すウルトラマンではない。

素早くシャドウの背中に蹴りを入れ、シャドウを転ばせる。その隙に起き上がり、シャドウの両足を掴んで大回転。シャドウをジャイアントスイングで投げ飛ばした。

『グオッ!?』

「ハッ!」

シャドウに向かって構え、走り出すが…

『調子に…乗るな!!!!』

シャドウは起き上がりと同時に破壊光弾、ダークレイ・ジャビロームを放つ。

「シュウッ!」

空中に飛び上がってそれを避けようとするウルトラマン。だが…

『フンッ!!』

「グアァァァァァァァ!!?!!?」

シャドウは右拳を振り上げる。その動きに合わせる様に、破壊光弾はウルトラマンを追尾し、命中した。

「グッ!?」

大地に倒れるウルトラマンに、シャドウは容赦なく足を振り落とす。

『デュッ!』

「グオッ!?」

酸素を肺から強制的に吐き出される感覚に、動きが止まったウルトラマン。

そんなウルトラマンを、シャドウは空高く蹴り飛ばす。

『ハァッ!!』

「グアァァァッ!!?」

 

 

いつの間にか合体していたハイパーストライクチェスター。

今はソアッグエネルギーをチャージしているところだ。

『一夏!ソアッグエネルギーのチャージ終わったよ!!』

シャルロットからチャージ完了の報を聞き、一夏はロックオンシステムを起動する。

「前回よりもエネルギー出力は上だ!さぞや効くだろうよ!!」

ウルティメイトバニッシャーの様に、ソアッグエネルギーを撃った。

 

 

ソアッグエネルギーのレーザーは、ウルトラマンにトドメを刺そうとしたシャドウの背中に見事命中した。

『グゥゥッ!!?またか!?何なんだよこのエネルギーは!!!!』

ソアッグエネルギーに苦しむシャドウ。

「フッ、フゥッ…シュッ!」

そしてフラフラながらもウルトラマンは立ち上がる。そして、両腕にエネルギーを貯める。

「フッ!シュッ‼︎キュアァァァァァァァァ…フンッ!!デェアァァァァァァァァァァァァ!!!!」

必殺のオーバーレイ・シュトロームがシャドウに命中。シャドウは弾ける様に消えていった。

「ファッ…」

そして、ウルトラマンも片膝をつき、消えていった。

2人の巨人が消えたことで、ダーク・フィールドも消えていった…

 

 

「はあ、はあ、はあ!」

「一樹!!」

変身を解き、ボロボロの一樹に駆け寄る一夏。

「立てるか?」

「悪い…肩貸してくれ」

「おう」

何とか一夏の肩を借りて立ち上がる一樹。

「…ナイス援護だったぜ」

「へへ。だろ?」

ゆっくりδ機へ向かおうとする一夏だが、一樹は止まる。

「一樹?」

「……傷の具合はどうだ?」

どこへとも無く語りかけた一樹。一夏が疑問に思っていると、長めの木の枝を杖の様にして立つフードを目深に被った藤原がいた。

「ッ!!?」

麒麟を展開しようとする一夏の左手を掴んで止める一樹。

「幾らボロボロでも、ISじゃアイツを倒せない。エネルギーの無駄になるだけだぞ」

「……」

一夏が強く右拳を握っているのを視界の隅に起き、藤原の方を向く一樹。

『感謝しろ…今日はここで退いてやる』

「……」

無言で対峙する一樹に、藤原は舌打ちすると、今度は一夏の方を向く。

『次に会うときまでに、遺書を作っておくんだな…』

それだけ言い残すと、闇に包まれて藤原は消えていった…




一樹「心を強く持て。でないとここからの戦いは…」
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