人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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よし、何とか年内に投稿出来た!

色々ぶっ込んだぜ!


…実はサブタイトルを考えるのに1番時間がかかるんだよな…


Episode122 裏切り–ビトレイ–

「狙撃での暗殺は失敗、と。やっぱあの護衛役がいたんじゃ無理か」

フォルテは信じられなかった。

目の前の相棒が…恋人が、やってる事を。

「なに…やってるんスか?」

「ん?何って…織斑一夏を暗殺しようとしてんだよ」

淡々と言うダリルに、フォルテは開いた口が塞がらない。

「ワケ…分かんないっスよ…何で、そんな…」

「何でって…それがオレの役目で、()()だからな」

「…え?」

スナイパーライフルを肩にかけ、いつもの笑みを見せながら、彼女は自分の本当の名を名乗る。

「オレの本当の名前はレイン・ミューゼル。呪われし家系の末裔さ。さて…フォルテ、お前はどうする?」

「どう、するって…」

全てを知った上で、レインに着いて行くか、残るのか。

「一緒に来いよ。このふざけた世界を、めちゃくちゃにしてやろうぜ」

それは、何て甘い響きだろうか。

恋人について来いなどと言われるなんて。

たとえそれが、世界をめちゃくちゃにする事であっても。

「わ、私は…分かんないっスよ…」

あまりに色々ありすぎて、フォルテの頭はパンクしかけていた。

「ついてこいよフォルテ。オレと一緒に、引き裂こうぜ。腐った世界を_____この呪われた【運命】を、な」

「ついて…いけないっスよ…」

「それならそれでいい。じゃあなフォルテ。お前といるの、結構楽しかったぜ?」

また寂しげに笑うと、飛んでくるテンペスタの相手をするため、ヘルハウンドを展開して飛び出した。

 

 

キィンキィンッ!

一樹の逆刃刀と宗太の刀がぶつかるたびに、火花が激しく散る。

突き出された刀を、体を反らして躱す一樹。

「ッ!」

更に突き出される刀を逆刃刀で弾き、宗太の脚を狙う一樹。だが、宗太はその状態で空中横転をして逆刃刀の一撃から逃れる。

横薙ぎに振るわれた宗太の刀と、それを弾く一樹の逆刃刀。

両者は1度距離を取る。

「…何がおかしい?」

これだけ激しい動きを、戦いをしていると言うのに、宗太の顔は笑顔のままだった。

「何もおかしくないですよ。何も…」

やはり笑顔のまま言うと、再び一樹に向かって駆け出した。

 

 

「○○、何故宗太を最初の刺客に?」

「アイツは昔から喜怒哀楽の【楽】以外の感情が欠落してるからな。【喜】の感情がないから【闘気】がなく、また【怒】の感情がないから【殺気】もない」

京都のある屋敷で、怪しげな会談がされていた。

「一流の戦い手であるほど相手の攻撃的な【気】を読んで行動するが、宗太にはその手が通じない」

 

 

超低姿勢の状態で斬りかかる宗太。その攻撃を、空中前転で宗太を飛び越えて躱す一樹。

「へえ。そんな動きも出来るんですか?」

「……」

このままではラチがあかない。そう判断した一樹は…

 

キンッ…

 

鞘に逆刃刀を納め、構えた。

「抜刀術、ですか…それなら、僕も」

宗太もまた、鞘に刀を納めて、構える…

 

 

「勝負は恐らく、抜刀術の打ち合いになる。だが_____」

 

 

ジリ…ジリ…とお互い近付く2人。

「「ッ!!!!」」

神速の一撃が、ぶつかり合う…!

だが…

 

キィンッ!!!!

ドスッ!!

 

「ッ!!!?」

逆刃刀が、折れた…

 

 

「剣速は互角でも、【哀】の感情がなく、人を殺すことを何とも思わない宗太の剣と、絶対に人を殺さないとか()()()()()()()の剣じゃ、技のキレに明確な差が出る」

 

 

「勝負あ…ッ!」

 

ドゴッ!!

 

刀を折って油断した宗太の手に、鞘がぶつかる。

飛天御剣流抜刀術【双龍閃】…

飛天御剣流の抜刀術は、全て隙のない二段構え。

それによって、宗太の手から刀が離れた。

さらに逆刃刀の一撃によって、宗太の刀の刃こぼれも酷い事になっていた。

「……」

「イタた…これじゃ2、3日は戦えないや。それに、この刀も…こりゃ修復は無理だ。まあどーでもいいですけど。どうせ僕のじゃないし。今日はこれで失敬しますけど、出来たらまた闘って下さい_____」

やはり笑顔のまま、宗太は去ろうとする。

「_____次に会う時までに、新しい刀を用意しておいてくださいね」

「……」

宗太とは対照的に、一樹の表情は暗かった。

長年命を預けた相棒が折れてしまったのだから当然だ。

『マスター…』

「……」

しかし、今は止まっていられない。折れた逆刃刀を鞘に納めると、空を見上げた。

 

 

飛び出してきたヘルハウンドを迎え撃つテンペスタ。

「やる気まんまんなのサね。まぶしい若さなのサ」

「ほざいてろババア!」

テンペスタに向けて、両肩の頭から火球を放つヘルハウンド。

「華の二十代になんて事言うのサ!」

その火球を、風を操って返すアーリィ。

「教育してやるサ!」

「チィ!?」

躱せない、レインが覚悟を決める。

だが、いつまで経っても衝撃が来ない。

「あん?」

不思議に思ったレインが、辺りを見回すと…

「………」

フォルテが、そのシールドで火球を受け止めていた。

「フォルテ…」

「見てらんないっス…見てらんないっスよ!何いいようにやられてるんスか!!!?ウチら無敵の【イージス】が!!!!大体、あなたがいなくなったら、いったい誰が私の髪を編むんですか!!!?」

「…髪は自分でやれよ」

レインの思わず出たツッコミもスルーして、フォルテは泣き叫ぶ。

そして祖国を…IS学園を裏切った…

「随分遅いと思ったら、手こずっているようだな」

そんな声が聞こえた瞬間、極太ビームがテンペスタに向かって放たれた。

「ッ!!!?」

何とか避けたアーリィ。

だが、シールドエネルギーは8割程削れてしまった。

「なんつー火力なのサ!!!?」

「テンペスタも大したことないな」

「ッ!!!?」

黒い全身装甲の機体が、一瞬でテンペスタに肉薄。

凄まじい衝撃がアーリィを襲う。

「ガッ!?」

絶対防御など最初からなかったように、黒い機体はテンペスタをひたすら殴る。

「こんのぉ…」

「終わりだ」

眼前に突き出された黒いビーム砲。

その砲口の大きさに、アーリィは先程のビームはここから出た事を察する。

「チッ…」

しかし、黒い機体は突如急浮上した。

その瞬間、ブルー・ティアーズの攻撃が来た。

「また邪魔をしに来たか。雑魚共!」

ブルー・ティアーズを筆頭に、箒達専用機持ちに向かって黒い機体の装着者、エムが毒付く。

「まあ良い。貴様らから切り裂いてやる…織斑一夏の前にな!!!!」

専用機持ちたちに向かって飛びながら、その機体の真の姿を現わす。

全身の装甲が開き、金色に光るサイコ・フレームが露出する。

そして…頭部の装甲が変形して現れる、ガンダムフェイス。

「「「「なっ!!!?」」」」

その姿を見た専用機持ち達の顔に、驚愕が走る。

何故なら、その姿は…

「黒い、ユニコーン…?」

誰かがそう呟いた。

黒いユニコーンを飛ばしながら、エムは叫ぶ。

「【バンシィ】!!!!私の憎しみを流し込め!!!!」

手始めに、最も近くにいた紅椿をその左腕のクローで殴りつける。

「グッ…!!!?」

咄嗟に両手に持つ刀で受け止める箒。だが、そのパワーに押し切られて地面に叩きつけられる。

 

ドォォンッ!!!!

 

「よくも箒さんを!」

バンシィを狙撃しようと構えるセシリアだが、バンシィの速さに対応出来ない。

「居場所が分かっているスナイパーなど…」

瞬時加速でセシリアに急接近。

いつのまにか右手に持っていたビームサーベルを振り下ろす。

「恐るるに足らん!!!!」

「ッ!!!?」

インターセプターで受け止めようとするが、ビームサーベルに簡単に破壊されてしまう。

「ああッ!!!?」

ビームサーベルの攻撃で、ブルー・ティアーズのシールドエネルギーが7割削られてしまった。

「セシリア!!!!」

追撃しようとするバンシィに、甲龍の衝撃砲が命中する。

「チッ…」

流石のバンシィも、衝撃砲を無視する事は出来なかったようだ。

持っていたビームサーベルが弾かれ、セシリアは助かった。

「はあぁぁぁぁ!!!!」

弾かれたビームサーベルを拾い、己のビームサーベルとの二刀流で挑むシャルロット。

「人の武装を奪うとは、頂けないな」

「君たちには言われたくないね!!」

振り下ろされたビームサーベルを、その左腕で受け止めるバンシィ。

「ラウラ!!」

「任せろ!!」

動きが止まったバンシィにレールカノンを向けるラウラ。

「落ち…ガッ!?」

だが、背後から飛んで来た火球に姿勢を崩される。

「エム、助太刀するぜ?」

「いらんことを…」

火球を放ったのは、ヘルハウンドを駆るレインだった。

「貴様ら…裏切るのか!!!?」

激昂したラウラが、レインに…その後ろにいる、フォルテに叫ぶ。

「裏切る?なに言ってんだ?オレは元々こっちの人間だ。それとフォルテは…」

絶え間無く火球を放ちながら、レインは言い放つ。

「オレに付いてきてくれるってよ!!」

火球を避けながら、シャルロットがビームライフルをレイン達に向けて撃つ。

「無駄っス」

しかし、コールド・ブラッドを操るフォルテによって止められる。

「その程度の出力、私たち【イージス】の敵じゃないっス」

シャルロットが表情を曇らせる…

 

 

「じゃあ、これならどうだ?」

 

 

そんな声が聞こえた瞬間、極太ビームがヘルハウンドとコールド・ブラッドを襲う。

「「ッ!!!?」」

慌てて避ける2人。

だが、そこには…

2本のビームサーベルを持ったフリーダムが待ち構えていた。

「あーばよッ」

一瞬だった。

ヘルハウンドとコールド・ブラッドがコアとPICを除いてズタズタにされたのは。

「クソっ!覚えてやがれ!!」

「おう、忘れるまでは覚えておいてやるよ」

フォルテを連れて去ろうとするレインの捨て台詞を、装甲の下で笑顔を浮かべながら飄々と返す一樹。

「さて…」

レイン達は撃退した。だが、厄介な敵が残っている。

「…随分と攻撃的なフォルムだな」

「貴様らを堕とすには、丁度良いくらいだろ?」

ストライクフリーダムとバンシィ・デストロイモード。

共に動力炉を持つ機体が、ぶつかろうとしている…

 

 

合流地点に駆け込んだ一夏に雪恵、セリー。

そこでは、ゴールデン・ドーンとアラクネに対して奮闘するミステリアス・レイディと打鉄弐式の姿があった。

「ッ!織斑君!」

「ああ!行くぞ雪恵!」

各々の機体を展開し、突っ込む。

麒麟は雪片弐型を、アストレイ・ゼロはソードストライカーのシュベルトゲーベルを構える。

「あら?こっちには織斑一夏が来たのね」

「つーことは、エムのとこにフリーダムかよ。つまんねえな」

「ほざいてろ!」

雪片を構えた麒麟が、アラクネに急接近。

「いい加減お前との決着をつけねえとな!」

「クソガキが吠えてんじゃねえ!」

雪恵も、シュベルトゲーベルをゴールデン・ドーンに向かって振り下ろす。しかし、それは右手のクローに受け止められる。

「熱っ…!」

ゴールデン・ドーンのプロミネンス・コートに怯む雪恵。

「あら?あなたの王子様は、この熱さを物ともしなかったわよ!」

シュベルトゲーベルを受け流し、ガラ空きとなった背中に拳が叩き込まれる。

「あぐっ…」

「戦えないお姫さまは、舞台から降りてちょうだいな!」

更に蹴りを入れられ、アストレイ・ゼロは京都の大地に叩きつけられる。

「ユキエ!」

更に追撃しようとするスコールとの間にセリーが入り、その両手から火球を連続で撃ち出す。

「残念、私も出来るのよ」

スコールもまた、両手から火球を連続で撃ち、セリーの火球を相殺した。

 

 

バチンバチンバチンッ!!!!

高速戦闘を繰り広げるフリーダムとバンシィ。

時折見えるスパークが、2機がぶつかり合っているのを周りに認識させた。

「今のうちに、アタシたちは箒とセシリアを連れて離脱しましょう」

「そうだね…このレベルの戦闘に、僕たちが入ったら邪魔になるね…」

鈴の提案に同意するシャルロット。

ラウラもそれには概ね同意だが…

「…私は残るぞ。流れ弾が、京都に来ないようにな」

しかし、状況が変わる。

「…ッ!!!?」

『マスター!!!!雪恵さんが!!!!』

「分かってる!!!!」

雪恵の危機を()()()一樹とミオ。

すぐに向かおうとするが、バンシィが邪魔をする。

「戦いの途中に、他のことを気にするとは余裕だな!!!!」

左腕のクローがフリーダムに迫る。

咄嗟にビームシールドで受け止めるが、バンシィの想像以上のパワーに押し切られる。

「くっ…」

「その程度か、フリーダム!!」

右手に再度構えたビームサーベルを振り下ろしてくるバンシィ。

「墜ちろ!!」

だが、フリーダムもやられっぱなしではない。

バンシィの右手首を掴んで斬撃を防ぐと、超至近距離でレールガンを撃った。

 

ドンッッッ!!!!

 

「ガッ!!!?」

怯んだバンシィに急接近して背後に回り、強烈な回し蹴りを放つ。

 

ガンッッ!

 

「ゴッ!!!?」

バンシィに大きな隙が出来た。

すかさず両手にビームライフルを持ち、武装を撃ち抜こうとするフリーダム。

だが…

 

バチィィンッ!

 

ビームライフルの攻撃は、バンシィのサイコ・バリアーに阻まれてしまった。

「チッ…」

「残念だったな!」

振り向きざまに、極太ビームを放つバンシィ。

難なく避けるフリーダム。

「さっきから別の事に気を取られているようだな。そんなにあの女が大事か?」

「テメエとの決着なんかとは比べ物にならないくらいにな!」

「ならば死ね!」

「お断りだ!」

しつこくフリーダムを狙うバンシィ。アストレイ・ゼロの元に向かいたいフリーダム。

膠着状態となった戦いの場に、黒い機体が近付く。

黒い機体は両手に持ったビームライフルショーティをバンシィ目掛けて連射する。

「ッ!!!?」

慌ててビームを避けるバンシィ。

「貴様は、あの時の…!」

それはキャノンボール・ファストの時、割り込んできた機体…

「お前の相手は俺がしてやるよ」

黒い機体、ストライクノワールを操る弾の声がその場に響く。

「貴様が私の相手をするだと?」

「ああ、そうだぜ」

飄々とバンシィに言い放つと、後ろのフリーダムに個人回線を送る。

『ここは俺が引き受けるから、一樹は雪恵さんのところに!』

『…悪い、助かる』

『気にしなさんな!』

弾の力強い言葉に背中を押された一樹は、フリーダムのスラスターを全開にする。

「行くぞミオ!!」

『うん!!!!』

 

 

「チクショウ!機体性能の差がなければ…!」

亡国機業のアジトに何とかたどり着いたレインとフォルテ。

着いて早々毒づくレインに、亡国機業のメカニックが近付く。

「レインさん、スコールさんから新たな機体が届いています」

「ん?おばさんから?」

「はい」

メカニックから案内されたレインの前には、既に人型になっている機体があった。

「…なんじゃこりゃ。どうやって乗るんだよ」

「触れていただければ、レインさんの体をデータ化、吸収します。これにより、従来のISの3倍以上の反応速度に加えて、人体構造を無視した動きが可能となります」

「ほお…面白いじゃん。で、機体名は?」

「__________です」

その名に、レインは皮肉を感じる。

自分の背負ってる物が、機体名になっていることに。

「…まあ良いや。さっさと調整を終わらせるぞ」

「了解です」

その機体…【デスティニー】に触れ、レインは憎悪の篭った目で呟く。

「フリーダムは…オレが倒す」




最近、原作タグを【ガンダム】にした方が良いのか悩む今日この頃。

ではみなさん、多分コレが今年度最後の投稿のなります。
今年はお世話になりました。
また来年もよろしくお願いします。


ではみなさん、良いお年を!!!!
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