人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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大不評どころか、お叱りを多々受ける話が続きましたが、あの要素が出てくることはほぼありません。ご安心を。

そして、幾ら不評を喰らっていても、個人的には愛着がそれなりにあるので、アレは消しません。


そんな事より、超久々にほっこりする話です!


Episode137 安息−キュア−

煉獄での戦いを終え、激闘を繰り広げた一樹たちは成海遥香の病院で短期入院し、今日退院した。

「流石成海だな。良い腕してるぜ」

体を軽く動かして調子を確かめる一樹。

「学園までは送るよ。少しでも寝とけ」

「ありがとな一馬」

運転席に座る一馬に礼を言ってから、一樹は眠りに落ちた。

 

 

「ただいま〜」

「おかえりかーくん!」

「おかえりカズキ!」

「お?帰ってきたか一樹」

「「「「おかえりなさい!櫻井君!」」」」

「お、おう。思ってたより人数多くてびっくりした…って、なんかクラス違うひともいない?」

1組の教室に入った途端、凄い人数(一樹感覚)に歓迎された。

その理由である、他クラスの人がいることに驚く一樹。

「それは私が代わりに説明しよう!」

えっへんと胸を張って前に出てきたのは、新聞部副部長である。

「なるべく簡単でお願いします」

「了解よ」

 

以下、黛の説明。

・一樹の指名手配書が届く。

・1組の子と私で『絶対おかしい!』と抗議。

・手配書で櫻井君の顔を知った()()()()()も一緒に抗議。

・事件解決後、みんなでお出迎え⇦今ココ

 

「…ある子たち?」

「本人たち曰く、櫻井君に昔助けられた事があるって言ってるけど?主にチンピラから」

黛の言葉に、ひたすら記憶を探るが…

「思い当たる節があり過ぎてどの時か分からない…」

ズデデデッ!!!!

教室にいる女子全員がコケた。

「それに、一夏にそういう対象は押し付けてたし」

「やっぱ押し付けてたのかお前!!」

一夏の抗議をスルーして、一樹は改めて『助けられた』と言っている人たちと向き合う。

「えーと、とりあえず出迎えてくれてありがとう。それとごめん。覚えてなくて」

ペコリと頭を下げる一樹に、ブンブンと手を振る女生徒たち。

「あの…櫻井君」

その中から、西田が前に出てきた。

「あ、君は確か…」

西田の()()()()()()見る一樹に、西田はホッとする。彼が自分の体を目当てに助けた訳では無いと確信出来たからだ。

「間違えてたらごめんだけど…西田さん、だっけ?」

「覚えてくれてたの!?」

1度しか会っていない自分の名を覚えてくれていた事に驚く西田。

「いや…確か自己紹介してくれてた子だよなってだけなんだけど…」

「それでも嬉しいよ!あの時は助けてくれてありがとう!そのおかげで、こうしてIS学園に通えてるの!」

「…ここにいれるのは、君が努力したからだよ。でも、どういたしまして」

穏やかな笑みで話す一樹に、西田も笑みを浮かべる。

「あの…櫻井君」

「ん?」

「これからは…私のこと、【奈緒】って呼んでほしいな」

「…え?」

西田の言葉に、思わず奥に座る雪恵を見る一樹。雪恵はと言うと…

「……」グッ!

サムズアップを見せていた。

「…彼女さんからの許可は出たみたいだね。ね!櫻井君!」

グイグイ来る西田…いや、奈緒に若干引きつるも、すぐに…

「よろしく、奈緒」

笑顔で手を差し出す一樹。すぐさまその手を取る奈緒。

「うん!よろしく一樹君!」

奈緒をきっかけに、ドドっと迫る女生徒たち。対応に追われる一樹を、ニコニコしながら見守る雪恵。

 

と、ここまでは平穏だったのだが。

 

SHRの時間になり、連絡事項を千冬が告げる。

「…今日は、転入生がいる」

ひたすら一樹から目をそらす千冬に、一樹は訝しむ。

「では、入ってきてくれ」

千冬の指示に、入ってきた人物は…

「どうも、五反田弾と言います。紆余曲折あって世界で2()()()の男性操縦者扱いになりました。まあ…相棒しか扱えませんが。とにかく、これから一夏や一樹共々、よろしくお願いします」

「「「誰だお前ぇぇぇぇ!!?」」」

弾の芝居かかった自己紹介に、中学時代を知る3人が渾身のツッコミを入れる。

「ん?今自己紹介しただろ?五反田弾だって」

「いーや違うね!お前の素だったら『どーも!五反田弾っス!現在彼女募集中なんでよろしくぅ!』とか絶対言うね!」

「お前ふざけんな一樹!俺にはもう彼女いるわ!」

「……あ、そうだった」

一瞬で作ったキャラが壊れた弾に、全員が苦笑した。

 

 

「…んで?弾は正式にS.M.S代表候補生って言うのか?」

屋上に集まった男子3人。一夏の問いに一樹は軽く頷く。

「ああ。この前の京都で弾がS.M.S所属だってのは説明しちゃってるからな」

「了解…なあ、そろそろ「黙れ一夏」へ?」

何か言いかけた一夏を制する一樹。一瞬で屋上のドアに近付くと勢いよく開けた。

バンッ!

ドドドドッ!

見事に専用機持ちほぼ全員が出歯亀していた。

「あー…納得」

呆れた顔で理解する2人。こんな状況で一夏が続きを話したら今まで隠していた事が無駄になっていただろう。

「はぁ…帰るぞお前ら」

「「あーい」」

 

 

弾が来たのは、一樹にとっても色々利点があった。無論話し相手が増えた事もそうだが、何より…

「今日はいい風が吹くな…セリー、昼寝でもするか」

「ん」

あくまで生徒として転入した弾は基本一夏と一緒に行動するため、前以上に自由に動けるようになった。それでも夜間は警戒しなければならないが、昼だけでもゆっくり寝れると全然違う。

『マスター、私も寝て良い?』

「良いぜ…」

『やった』

木陰の、心地いい風が吹く絶好の昼寝スポットで、木に寄りかかりながら寝る一樹と、そんな一樹の右側に寄りかかって寝るセリー、膝上に座って一樹を背もたれにするミオ。

「「『……』」」

スースーと、寝息が聞こえて来るまであと数秒…

 

 

しばらくすると、本日の授業を終えた雪恵がのんびり寝ている3人に近付く。

「ふふ…良い寝顔」

穏やかな寝顔を浮かべている3人。そっとスマホで写真を撮ると、10分後にアラームをセットし、空いている一樹の左側に寄りかかると、自らも眠りに落ちていった。

 

 

「…ん?」

一樹が起きたのは、アラームが鳴る5分程前だ。全方位を雪恵たち3人に囲まれている事に気付くと、小さく笑う。

「やっぱ良いな…この感覚」

久々の平穏を、アラームが鳴るまで感じたのだった。

 




平和って大事
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