人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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順調だぁ!

映画を見たテンションに任せて書けるだけ書こうというスタイル


Episode148 交渉-ネゴシエーション-

「断る」

 

即答だった。

ブラストショットを藤原に向けて躊躇なく撃つ。

ブラックエボルトラスターを軽く振るってブラストショットの波動弾を弾く藤原。

 

「お前はもう少し頭が良かったと思ったんだけどな」

「頭が悪いのはお前の方だ」

 

お互い、既に【変身】という切り札は使ってしまっている。

残るは僅かな武器と身体能力のみ。

先の戦いではお互い体力を重視していたために、動き自体は問題なかった。

睨み合いの状況から脱するために、速攻発動を目的とした、闇の波動の放出で一樹を引き離す藤原。

 

「ちっ…」

「さあて遊ぼうか!!」

 

闇の波動で吹き飛ばされた一樹に、ブラックエボルトラスターから濃縮された強力な波動弾を連発。

一樹もブラストショットを連発し、藤原の波動弾を迎撃する。

 

**

 

『ほう、中々面白そうなオモチャを手に入れたな』

『あの者に、あんな能力があるなんてな』

 

ダーク・フィールドからレッドキングを回収したバルタンは、仲間と円盤で合流していた。

独自の技術でレッドキングの消滅を止めると、次々とチューブを繋いでいく。

 

『あの者が言うに、コイツはレッドキングと言うらしい』

『レッド?確か地球の色の名前だな…はて?私の知るレッドは、こういう色だったかな?』

『ふむ、違うな…ならば、名に合った色になるようにしてやるか』

 

**

 

「ったく、相変わらず嫌な性格してやがる、なっ!」

 

S.M.Sの上着に隠している、小指程の大きさの手榴弾を取り出すと、気配の方向に投げる。

 

ドンッ!!

 

「ッ!?」

 

殺傷力の低い爆弾だが、驚かすには充分だ。

藤原の動揺した気配を感じた一樹は素早く木陰から飛び出し、これまた袖に隠しているオートマチック式の拳銃を左手に、回り込む。

 

「このッ!」

 

爆破の影響でまだ動転をしていた藤原は、低い姿勢で突っ込んできた一樹に向かって、ガムシャラに闇の波動を放出。

 

「クッソがァ…!」

 

流石に踏ん張れず、波動によって吹き飛ばされてしまう一樹。

ブラストショットを懐に仕舞うと、それと入れ替えに本来宇宙の無重力空間移動用ワイヤーガンを近くの木に打ち込み、何とか木陰に入り込む。

 

「(自然風じゃない以上、すぐに収まる筈だ!その後に…!)」

 

突風の中、拳銃を構え、突風の終わりを待つ。

終わった瞬間、また飛び出したかと思えたが…

 

「喰らえ…!」

 

既に藤原に位置はバレている。

出てくる所を波動弾で狙い撃たれる。

だが…

 

「よっ!」

 

ワイヤーガンを駆使し素早く移動。多次元的動きで藤原を翻弄する。

 

「なんだこの動きは…!?」

 

驚愕する藤原だが、亡国機業達のビットを避け、フリーダムのフルバーストを使いこなす程の一樹の空間把握能力ならば造作もないことだ。

 

「クッソ…おいつけ」

「遅い」

 

一樹の動きに追いつけなくなった藤原の近くにワイヤーガンを打ち込み、急接近。ハイキックを叩き込む。

 

「ガッ!?」

「まだだ」

 

また波動を出される訳にはいかない。怒涛の連続攻撃で藤原を追い詰めていく一樹。

何とかガードを続ける藤原だが、ガードに専念する余り、視界を閉ざしてしまった。気配察知の出来ない藤原は、それが悪手になる。

 

バァンッ!

 

「あぐっ!?」

 

素早く実弾のシリンダーを装填した拳銃を藤原の右肩に撃ち込む一樹。

痛みで肩を抑えようと無意識に動いてしまう藤原。

当然、一樹がその隙を逃す筈が無い。

 

バァンッ!バァンッ!バァンッ!

 

「ぎゃああああ!?」

 

右肩だけでなく、他の四肢も撃ち抜く。

痛みの余り動けなくなった藤原に、シリンダーをゴム弾に切り替えて装填。

 

「…俺の勝ちだ。そのまま動くなよ」

「ふざけ…」

 

バァンッ!

 

容赦なく、ゴム弾を先に撃ち抜いた右肩に撃ち込む。衝撃を与えるように、傷口から若干ズレた所に。

 

「グギャッ!?」

「動くなと言った筈だ」

 

冷たく告げると、藤原の懐から落ちたブラックエボルトラスターを伸ばした警棒で藤原から離すと、邪魔な藤原自体はサッカーボールの如く蹴り飛ばした。

 

ドゴッ!!

 

「ゴフッ!?」

「……」

 

冷たい目で蹴飛ばした藤原を一瞥。

すぐに拳銃からブラストショットに持ち替え、転がっているブラックエボルトラスターを、撃ち抜いた____筈だった。

 

ドォンッ!!!

 

「ッ!?」

 

瞬間、ブラックエボルトラスターが勝手に闇のドームを作成。ブラストショットの波動弾を跳ね返して来た。

咄嗟に横に飛び込んで跳ね返った波動弾を回避する一樹。

その隙に、ブラックエボルトラスターは宙に浮かび藤原の元へと移動。闇の力で藤原の傷口を塞ぐと、自ら藤原の懐へと収まった。

 

「ハア、ハア、ハア…!」

「……」

 

傷口が塞がったとはいえ、ダメージが消えた訳では無い。

それでも立ち上がる藤原に、一樹は変わらず鋭い目を向ける。

 

「随分と主人想いな【力】だな」

「お前の甘っちょろい【光】程じゃない…でも、こいつを消すのは、お前じゃ無理な様だね…」

 

懐のブラックエボルトラスターをポンポンと叩いて嘲笑を浮かべる藤原。

 

「…あまりやりたくないが、しょうがない。次はお前を…」

 

覚悟を決めて、一樹は告げた。

 

「お前を殺して、お前ごとその【闇】を消してやる」

「出来ると思ってるのがおめでたいな…けど、ここは退かないと、ね!!」

 

素早く煙玉を地面に叩きつけ、毒を警戒して動きを止める一樹を嗤いながら、藤原は闇に包まれ消えていった。

 

「(ミオ、あの煙に毒性は?)」

『感知した結果、無いよ。アレはホントにタダの煙だね』

「(了解)」

 

それでも吸い続けるのは良くない。

伸ばした警棒を風切り音がする程早く凪いで煙を晴らすと、開放回線が飛んできた。

 

『一樹!今どこなんだ!?メタ・フィールドが消えてるんだから()()()にはいるんだろ!?』

『かーくん!応答して!』

 

どうやらチェスター達が到着したようだ。

どっと疲れが出た一樹はその場に座り込むと、ミオに現在地を連絡させ、少し休むのだった。

 

**

 

「すいません、レッドキングをバルタンに回収されてしまいました…」

『何、君が謝る事は無い。むしろ済まなかったね。気を使わせてしまって』

「俺の過去が原因の奴ですから、それは当然ですよ…と言いたいですが、両方逃げられてしまったんで、言い訳にしかならないですけどね」

 

夜、一旦学園に戻った一樹はハヤタに報告をしていた。

何故か中々疲れが取れない体を不思議に思いながら、一夏や弾と共に大浴場で疲れを癒した後のため、髪は少し濡れている。

 

「ハヤタさん、最近の奴らの動きから察するに、次レッドキングが出てきたとしたら何か仕込まれてると思った方が良いです。しかもバルタンが回収したとあれば、絶対ハヤタさんを挑発するように近くにいる」

『そうだろうね』

「…1度逃がしてるので大きな口は叩けませんが、レッドキングは俺がやります。ハヤタさんはバルタンを見つける事を優先して貰ってもいいですか?」

『もちろんだ。その手筈で行こう』

 

**

 

「終わった?カズキ」

「ああ、待っててくれてありがとうなセリー」

 

ハヤタとの通信を終え、ひと息つく一樹。

既に寝ている雪恵を起こさないよう、静かにセリーと会話する。

そんな一樹にホットココアを差し出すセリー。

有難く受け取るとひと口。

程よい甘みに、ほぅ…と息をつく。

 

「…カズキ、もしかして疲れてる?」

「少しな…今までこんな疲労が残る事は無かったんだが…まあ、夜間警備くらいは問題無いさ」

「カズキが良ければ、マッサージでもしようか?ユキエに教わったんだ」

「…頼もうかな」

 

かつての一樹ならば、例えセリーであっても自らの体に触れさせる事は無かっただろう。

一夏に背中を拭かせていたのですら、かなり緊張感を持っていたのだ。

そんな一樹が体を任せてくれた事を、セリーは嬉しく思う。

 

「それじゃやるね。痛かったりしたら言ってね」

「ああ…」

 

うつ伏せに寝る一樹を跨るセリー。

腰の辺りにそっと座る。

 

「…重くない?」

「全然…なんか…暖かくて…寝そう…」

「寝てもいいよ?夜の警戒は私がやるし」

「……それは……だめ……だろ……」

 

マッサージとセリーの高めの体温によってウトウトする一樹。

そう、()()一樹がだ。

10分程した後、小さな寝息が聞こえてきた。

 

「…おやすみ。カズキ」

 

先はああ言ったが、セリーは戦う事は出来ても警戒は出来ない。

念の為一樹が寝たことをS.M.Sの幹部グループに伝えておくと、心地よさそうに眠っている一樹に添い寝するのだった。

 

**

 

「ずるい狡いズルいずるいぃぃぃぃ!!!!」

「不貞腐れるなよ雪…」

「これが不貞腐れずにいられるかああ!!」

「ふふ…ユキエ?カズキは暖かかった、よ?」

「ムキぃぃぃぃ!!!」

 

翌朝、珍しくぐっすり寝れた一樹は雪恵に詰められていた。

いつもの時間に起きた雪恵は、寝ている一樹に驚いたが、それ以上に幸せそうに一樹に添い寝してるセリーに嫉妬の叫びをあげていた。

 

「第一…雪とだって一緒に寝たことあるだろうが…ふあぁ…」

「屋上とかでかーくんの肩借りてるだけでしょ!添い寝なんて無いもん!それにかーくんいつも夜寝てないのに!!」

「……やっべ。セリー!!警戒はするって…」

「大丈夫。ソースケ達には連絡しといた。昨日のヤキン?のカズマが対応してくれてたよ」

「はぁ…良かった…」

 

この時、一樹は寝不足によって寝てしまったと判断していたが…それが後に、彼と彼女たちに大きな試練を与えることになる。




なお、映画の描写まで行くにはまだまだ遠い模様
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