人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

154 / 156
分かる人には今までの流れで登場怪獣が分かるはず!


Episode149 溶岩ーマグマー

雪恵憤慨事件から1週間後の放課後、専用機持ち達と一樹、セリーは管制室へと集められていた。

 

「全員揃ったな。実は先程、RK観測所から依頼があってな。山田先生」

 

千冬の合図に、麻耶が端末を操作。

モニターにある画像が表示される。

 

「RK観測所は、主に火山の調査を行っている機関です。その火山に、不自然な動きがあるとの事でIS学園に調査の依頼がありました」

 

画面に映されるのは、ある活火山のデータ。

もちろん自然の物なので多少誤差があって然るべきだが…

その範囲が異常だった。

 

「火山のエネルギーは、確かに膨大です。ですが…ここまで大きくエネルギーが膨れ上がったり、もしくは過去最低値をあっさり更新する程の振り幅は流石に看過できないとの事です」

 

「よって、いざと言う時ISで緊急脱出出来る諸君らに調査に行ってもらう。調査メンバーは…」

 

「「「ちょっと待て((待ってください))」」」

 

説明を終え、誰が行くかを伝えようとしてる千冬に素早くツッコミを入れるのは一樹に一夏、弾だ。

何故なら、明らか千冬は一樹達を見ずに発表しようとしているのだから。

 

「…言いたい事は分かるが、今回はあくまで調査だ。最近、お前たち3人は前線に出すぎている。余程の事態でも無い限り学園に残ってもらうぞ」

 

「……」

 

千冬の言葉に、納得していない一樹。

それも当然だ。グラフを見るに、これ程大きなエネルギーの動きがある事が示すのは…

 

「今回の調査メンバーは…デュノアと更識妹だ。デュノアがチェスターで移動。更識妹は現地で端末の操作だ。この中で櫻井と織斑、五反田の次にデバイスに強いのは更識妹だからな」

 

「「分かりました」」

 

「……」

 

**

 

会議の後、制服を着ている者は一樹と雪恵、セリー以外が部屋に戻った。

 

「説明しろ…お前程の人間なら、これ程の大きなエネルギーの動きが意味する事は分かるだろうが…」

 

冷たく鋭い目で千冬を睨む一樹。

その圧に、麻耶はもはや涙目だ。

 

「いくら自然が相手と言えど、こんな動きは文字通り不自然だ!噴火の兆候として活発化するだけならともかく、大きく減少するのは明らかにおかしい!これが意味するのは…」

 

「分かっている。だがな櫻井。最近、事が起こる度にお前達が解決しているだろう?」

 

「あ、ああ…それが?」

 

千冬の言葉に、思わず首を傾げる一樹。

雪恵もセリーも、千冬が何を言いたいのか分からない様だ。

 

「あまりにお前達…男子操縦者が活躍するあまり、それを面白く思わない機関が存在してな…」

 

頭が痛いとこめかみに手を当てる千冬。

それを聞いて、一樹も頭を抱える。

 

「…どこだ?内閣か?財務省か?IS委員会か?」

 

「…敢えて頭2つは無視するぞ。直接言ってきたのはIS委員会だ。あまりに男が活躍しすぎて、我々女のIS操縦者の立場が危うくなるのは見逃せない、との事だ」

 

「くっだらねえ…」

 

「ホント、人間ってくだらない」

 

呆れ顔の一樹とセリー、雪恵は苦笑いを浮かべる。

一樹やセリーの様な力のある者の言う事も分かるが、権力はあれど物理的な力を持たないIS委員会の上役達は一樹達男性操縦者は邪魔だろう。

タチの悪い事に、その男性操縦者達は皆、同年代の女性操縦者より強いのだから。

 

『でもマスター、宗介さん達からも『本当に我慢出来ない時以外は極力耐えてくれって言われてるんでしょ?なんでも、S.M.Sの仕事の内のいくつかはIS委員会からもらっている』って事だしね。それで生計たててる団員がいる事だし…』

 

「(うるせえよミオ。分かってるよ…だから大人しく従うわ)」

 

ミオにだけ聞こえるように悪態をつくと、苦々しく千冬に告げる。

 

「分かったよ。その調査には行かない。けど…」

 

「分かっている。ちょっとした保険を打つ。協力してくれ」

 

**

 

『チェスターγ、テイクオフ』

 

一夏の操るδ機を除いて、1番機材を詰めるだけの推力を持つγ機が出撃。

そして…

 

「えっと、トルネードメサイア、発進します!」

 

少ししてから、弾の操作するVF-25Fも出撃。

後部座席に一樹を乗せて、だ。

千冬の言う保険とは、まだIS学園に来て日の浅い弾の試験飛行という名目でメサイアを飛ばす事だ。

試験官として、普段メサイアに搭乗している一樹が後部座席に座る事で、いざと言う時は現地に直行出来る。

 

「(ま、お約束だが効果的だな)弾、VF-25F(メサイア)の扱いはどうだ?」

 

VF-0A(フェニックス)の近代化改修は扱った事あるから操縦は出来るけど、やっぱり最新型はすげえな…装備も推力も段違いだ。正直Gがキツイよ」

 

「俺がメインで乗るから、それに合わせた調整もしてるからな」

 

「化け物カスタムじゃねえか!!そんなもん俺に乗らせるなよ!?どうりで反応速度が異常な訳だ!!」

 

悲鳴混じりのツッコミを入れてくる弾に、一樹はため息をつくと相棒に指示を出す。

 

「ミオ、いつでも操縦を代われる準備をしてくれ。万が一もあるからな」

 

『了解だよマスター。いざとなったら強制的に操作するよ』

 

本来、一樹の変身時を誤魔化すために組み込んだミオによる自動操縦なのだが…こんな事で役に立つとは思わなかった。

 

「なあ、一樹…」

 

「ん?どうした?」

 

試験飛行する場所までは少し時間がある。

多少メサイアの扱いに慣れた事もあってか、そこまでの移動中、弾が少し緊張気味に話しかけてきた。

 

「…この間、六中に行っただろう?」

 

「ああ、行ったな」

 

「あの時、俺に梓を預けた後…何をしてたんだ?」

 

「……」

 

黙る一樹に、弾は何故か冷や汗が止まらない。

今は全ての通信を切っており、しかも一樹が整備しているメサイアで盗聴器などあるはずも無く、つまり今話が出来るのは一樹だけのこの状況だから聞いたようだ。

 

「お前の指示で避難する時、梓の心配する顔が、やけに深刻だった。確かに危険な場所に行くんだから心配して然るべきなんだけど…なんて言うのかな、心配の種類っての?それが違った気がしたんだよ…しかもその後、あまりにタイミング良くウルトラマンが現れた…」

 

「……で?何が言いたいんだ?」

 

静かに腕を組んで先を促す一樹。

念の為、通信は全て切っているのを確認しながら。

 

「……お前が、ウルトラマンなのか?」

 

「……」

 

切り出した弾。

一樹は無表情のままだ。

無表情のまま、キーボードを叩き始めたのが音で弾にも分かった。

 

「(……ん?)」

 

少し気まづい沈黙の後、急にメサイアが操縦しやすくなった事に気付く弾。

相棒であるノルンのサポートか、一樹の相棒であるミオの介入が入ったのかと思えば、どうやら違うらしい。

どうやら、元々の一樹に合わされていたOSとは別に、弾用のOSが組み込まれ、適用されたようだ。

 

「……コレで、もし何かあったとしてもお前に完全に機体を任せられる」

 

遠回しに、急に自分がメサイアから離れる場合があるということを伝えた一樹。

今の弾の、欲しい答えだ。

 

「なんで知らせてくれなかったか、聞いてもいいか?あと、他には誰が知ってるかも」

 

「知ってるのはTOP7と、更識さんを除いた学園1年1組___千冬や山田先生を含めてな___後は学園新聞部の少数だ。隠してた理由は…単純に、怖かったんだよ…伝えた結果、売られたり、距離を置かれたりって考えたら…な」

 

「そっか…今までありがとうな、ヒーロー。これからはサポート任せてくれ」

 

「……頼りにしてるぜ?」

 

「おうよ…で、そういう理由があるって事は、更識さん達には…」

 

「伝えるつもりは無い。正直、これ以上知られるのはリスクでしか無い。なんとか束さんにカメラとか対策してもらってるが、更識家に知られたら面倒だ」

 

「了解。俺はお前に従うぜ」

 

**

 

「ふう、これで端末の設置は終了だよ」

 

「お疲れ様、簪」

 

活火山の近くと言うのもあって、2人の額には大量の汗が。

シャルロットから渡されたスポーツドリンクをありがたく受け取り、失った水分を補充する。

 

「…早く帰ってシャワー浴びたい」

「同感だよ。装置を起動させたら帰ろうか」

「そうだね」

 

カタカタと投影キーボードを叩く簪。

千冬の評価通り、一樹程では無いが中々のタイピング速度だ。

本来なら複雑な装置の起動プログラムも、打鉄弐式の調整を自力で行っていた簪からしたら、チュートリアルでしかない。

 

「これで…終わり」

 

ピッ!と最後にエンターキーを押すことで装置を起動させると、額の汗をタオルで拭う。

 

「…うん、問題無し。シャルロット、織斑先生に報告お願いしてもいい?」

 

「もちろんだよ。ちょっと待っててね…」

 

シャルロットが解放回線で報告しようとした、その時だった。

 

ドドドドドド…

 

大地が大きく揺れ…

 

ビービービービー

 

起動したばかりの端末から、異常音がしたのは。

 

「な、何!?この揺れ…まさか噴火?」

 

「違うよ簪!!多分この揺れは…」

 

ドォォォォン!!

 

《キシャアアアアア!!》

 

「怪獣だ!!」

 

シャルロットと簪の前に現れたのは、全身が溶岩のように朱く光り、両腕が尋常ではない程巨大化している怪獣…バルタン星人に改造された、レッドキングだ。

 

レッドキングは手頃な岩2つを掴むと、その両手の熱で溶岩へと変化させ、辺り一面に投げまくる。

 

「急いで逃げるよ簪!」

 

「わ、分かった…!」

 

悲しい事に場馴れしているシャルロットが簪の手を掴むと、少し離れた所に置いているγ機に向かって走る。

今はとにかく、安全な所へ向かわなければならない。

 

**

 

『櫻井、五反田、聞こえるか?』

 

「はい、聞こえます」

 

「…何があった?」

 

一樹の指示でアクロバティック飛行の練習をしていた弾達に、千冬から通信が入った。

 

『当たって欲しくない予感が的中した。急ぎ現場に向かってくれ。織斑も直ぐに向かわせる』

 

「了解。弾!初の実戦だ、気合い入れて行くぞ!」

 

「応よ!!」

 

**

 

「簪ごめん!暫く揺れるよ!」

 

「私は気にしなくていいから、存分に暴れて…!」

 

「うん!簪も、撃てると思ったら撃っちゃってね!」

 

「分かった…!」

 

改造レッドキングが投げてくる溶岩を避けるために操縦桿を倒すシャルロット。

簪も何とかレッドキングを攻撃しようと照準を合わせようとするが、中々合わせられない。

それだけレッドキングの投げてくる溶岩の数が多いのだ。

 

「(このままじゃ…やられちゃう…!)」

 

シャルロットが諦めかけていた、その時。

 

『『お待たせ!』』

 

レッドキングの頭上に、2発のミサイルが。

ミサイルはレッドキングの頭上で弾け、超低温ガスがレッドキングを覆った。

 

『シャルに簪、無事か?』

 

『遅くなってごめんな、デュノアさんに更識さん』

 

γ機を守ったのは、一夏の操るδ機と弾の操るトルネードメサイアだ。

ガスの影響で、動きが鈍くなったレッドキングに、2機がそれぞれ攻撃を加えている。

 

「「2人とも遅い!!」」

 

言葉とは裏腹に、2人の顔は笑顔だった。

 

**

 

先程、一樹が高速でメサイアのOSを弾に合わせて調整している。

そのお陰もあって、弾もバルキリーでの初めての実戦で十二分に戦えている。

 

「弾、奴の知能はそんな高くないが、見ての通り剛腕だ。そこに気をつけてくれよ」

 

「了解!」

 

今は通信回線を常時解放している。

そのため、一樹は静かに弾の肩を叩く。

 

《タ》

 

《ノ》

 

《ム》

 

《ゾ》

 

と、思いを込めながら。

それに弾は、静かに左手でサムズアップで返す。

準備は整った。

これでいつでも、いける。

 

**

 

「「喰らえ!」」

 

《キシャアアアア!》

 

一夏と弾は、流石の連携で確実にレッドキングに攻撃を加えていくが、強化されたレッドキングには通用しない。

 

「クソ!」

 

「それならもう一度凍らせてやる!」

 

素早く冷凍ガス弾を再度装填する一夏。

引き金を引く、その瞬間に…

 

《ギャオオオオオ!!》

 

レッドキングが、跳ね上がった!

 

「なっ!?」

 

「そっちには…!?」

 

 

いまだ離脱途中の、γ機が…

 

「チッ!!」

 

一樹は舌打ちの後、エボルトラスターを引き抜いた。

 

**

 

「シャルロット!」

 

「(ダメ!避けられ…!?)」

 

レッドキングがγ機にぶつかるかと思われた、その瞬間…!

 

「デェアッ!!」

 

ウルトラマンの飛び蹴りが命中。

レッドキングを強制的に大地に叩き落とした。

 

《グオオオンッ!?》

 

「シュッ!」

 

軟着陸したウルトラマンが、レッドキングに向かって構える。

ヒーローの、登場だ。

 

**

 

《現れたか》

 

《あのウルトラマンの情報は録に無いのでな》

 

《あの怪獣には頑張って貰わねばな》

 

**

 

《グシャアアアアア!》

 

「フッ!」

 

レッドキングは前回のお礼とばかりに溶岩を次々と投げてくる。

ウルトラマンはそれを側転からのバック転で避けると、レッドキングの持っている溶岩にパーティクルフェザーを放った。

 

「シェアッ!」

 

パーティクルフェザーは溶岩を砕く。

その結果、レッドキングの足に落ち…

 

《ギャオッ!?》

 

自ら用意した溶岩で足を打つ事になったレッドキング。

腹立たしげにその脚で蹴ろうとするが、当然ダメージが入る。

 

《グギャアア!?》

 

「シュッ!ハアァァッ…デェア!」

 

痛みに悶えてるレッドキングに向かって走り、勢いのついたドロップキックを決める。

 

《ギャッ!?》

 

ドロップキックによって数歩下がるレッドキング。

まだ大地に転がっているウルトラマンに向けて、その大きな腕を振り下ろそうとするが、γ機達の援護により更に数歩下がった。

 

「シュッ!ハッ!」

 

それによって出来た隙を活かし、素早く立ち上がって構えるウルトラマン。

 

《グルル…》

 

ここでレッドキング。

その紅い両腕を更に紅く光らせると頭上で組み、勢いよく大地を殴りつけた。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

「フッ?」

 

ウルトラマンが訝しげに首を傾げた、その時。

 

ドォンッ!!

 

ドォンッ!!

 

ドォンッ!!

 

「グアァァァ!?」

 

ウルトラマンの足元が連続で噴火。

小規模とはいえ、自然のエネルギーは凄まじくウルトラマンに大きなダメージを与える。

 

《キシャアアアア!》

 

そのダメージによって動きが止まったウルトラマン。

レッドキングはそれを見逃さず、その剛腕を左右に振るってウルトラマンを殴りつける。

 

「グッ!?グアッ!?」

 

更に右腕を紅く、朱く発光させると、炎を纏ったアッパーを放った。

 

「グアァァァァァァ!!??」

 

防御が間に合わず、まともに喰らってしまうウルトラマン。

体から火花が散り、大きく吹き飛ばされてしまう。

 

「グゥッ!?」

 

背中を強打し、中々立ち上がれないウルトラマンに迫るレッドキング。

なんとか立ち上がろうとしたところを、無造作に蹴り飛ばした。

 

「グオッ!?」

 

転がされた先で、レッドキングの大きな両拳が振り下ろされた。

 

ドォンッ!!

 

「グアァァァッ!!??」

 

その両拳の衝撃だけでなく、それに合わせた噴火も起こった事で、上下両方の大きなダメージを受けてしまう。

 

**

 

「合わせろ弾!」

「合点!」

 

ピンチのウルトラマンを助ける為に、δ機とトルネードメサイアが攻撃し、レッドキングを怯ませる。

なんとかウルトラマンが脱出したのを見て、一夏は叫ぶ用にγ機に指示を出す。

 

「簪!あの怪獣の弱点を見つけてくれ!このままじゃウルトラマンがやられちまう!」

 

「わ、分かった!」

 

**

 

ピコン、ピコン、ピコン

 

「グッ、グゥッ…」

 

エナジーコアが鳴り始め、ウルトラマンの限界が近い事を知らされる。

フラフラの状態で、なんとかレッドキングの大きな拳を受け流すが、完全には捌ききれていない。

 

《キィィィィ!》

 

「グアァァァ!?」

 

紅く燃えている巨大な拳を何度もくらい、とうとう倒れてしまうウルトラマン。

 

**

 

「(この巨大なエネルギー、必ずどこかで制御してるはず!そこをたたけば、怪獣は…)…見つけた…!」

 

マグマという大きなエネルギーが動いているのだ。必ず、何か制御するための器官があると踏んでサーチしていた簪。

すると、レッドキングの右胸を中心に、マグマエネルギーが循環していることを突き止めた!

 

「みんな!あの怪獣の右胸を狙って!多分!そこがこのマグマエネルギーを制御してるんだと思う!」

 

『サンキュー簪!』

 

『分かった!やってみるよ更識さん!』

 

「ナイスだよ簪!」

 

操縦桿を握る3人はすぐに行動。

それぞれのレーザー攻撃を準備。

 

「ウルトラマン!なんとかその怪獣の動きを止めて!」

 

**

 

「フッ?」

 

簪の声が聞こえたウルトラマンは、γ機に頷いてみせる。

 

《ギャオォォ!》

 

「シェアッ!」

 

レッドキングが右腕を振り下ろして来たのを避けると、拳の重さで下がった胴体を利用。

跳び箱の要領でレッドキングの背後に廻る。

 

「フアァァァ…!」

 

《ギャッ!?ギャァァァ!!》

 

レッドキングの両肩を掴み、動きを止める…!

 

**

 

『カウント3で行くぞ!3…2…1…』

 

「『『発射!!』』」

 

3機のレーザー攻撃が、見事レッドキングの右胸に命中。

瞬間、レッドキングの身体が急激に膨張しだした。

 

**

 

《ギャオ!?ギャオォォォォ!?》

 

「フッ!?シュッ、ヘェアッ!」

 

紅く点滅しながら膨張していくレッドキングを見たウルトラマンは、すぐさま行動。

アームドネクサスに触れたあと、レッドキングの頭上に青い光線を放ち、ドーム状のバリアでレッドキングを閉じ込めた。

その後、セービングビュートでドームを掴むと、ハンマー投げの様にぐるぐる回り始めた。

 

「ハアァァァァァァ…」

 

遠心力が大きく働いたタイミングで、ドームを宇宙に向かって投げ飛ばした。

 

「デェアァァァァァァ!!!!」

 

成層圏を超えた、その瞬間。

 

ドオォォォォォォォォン!!!!!!!!

 

その爆発はかなり大きく、宇宙ゴミの7%程を一気に消し去ったという。

 

「グウッ…ハァ、ハァ…」

 

爆発を見届けた後、ウルトラマンは膝を付いて消えていった。

 

**

 

「あ!ウルトラマンが消えちゃった!は、早く消えた地点に助けに行かないと…」

 

ウルトラマンの正体を知らない簪が、慌ててシャルロットに言う。

ヒーロー物を見てきた知識が故に、その地点に行けばウルトラマンの正体が分かると察しているのだ。

実際、その方法でウルトラマンの正体を知ったシャルロットだ。

助けに行くのはシャルロット個人としては問題無いのだが…

 

『簪、悪いが今はチェスターもバルキリーも着地することは出来ない』

 

それを、一夏が止めた…

 

「なんで!?ウルトラマンが消えちゃったのに!今助けないと、立てないかもしれないのに!?」

 

必死に叫ぶ簪に、ある人物から通信が入った。

 

『落ち着いて。更識さん…』

 

通信状況が悪いのか、弱々しく聞こえるその声は…

 

「櫻井君!?でも!!」

 

『ウルトラマンを助けたいって気持ちは凄く分かるけど…ねえ更識さん。更識さんは自分の【立場】をよく理解してる?』

 

「…え?」

 

『ウルトラマンは…正体を知られたく無いと思うよ?更識さんの【家】の事を考えると特にね』

 

「そんな、助けたいのに…そこまで政府は…」

 

『この間の海岸での事があっても?』

 

「…あ」

 

そうだ。日本政府は、藤原の圧力に屈し、一樹を処刑しかけている。

あの政府が、人道的に動くとは思えなかった。

 

『だから…そっとしといてやろうよ…ウルトラマンのためにも』

 

「……うん、そうだね」

 

**

 

『……うん、そうだね』

 

その言葉の後、通信が切れた。

一樹の体が限界だったのだ。

後部座席でスースーと寝息をたてている上司に、弾はそっと言う。

 

「……お疲れ、ヒーロー」

 

**

 

あのウルトラマンの実力、我々は甘く見ていたかもしれん。

 

我らの宿敵との対決時、奴に邪魔されては面倒だ。

 

ならば、奴には次で消えてもらおう。

 

そうだな。奴も1人では倒せなかった、あの怪獣を使ってな…

 

念の為、少し手を加えたい。その為には、地球にいるという()()()()を探さなければ…




ドンドン不穏になっていくなぁ

今回はEXレッドキングでなく、あくまでFERに出てきた改造レッドキングとして登場していただきました。

理由は単純にバルタンが出て、扱いやすいから!

次話ものんびりお待ちくださいませ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。