人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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サブタイ通り。ウルトラマンと言えば…の方が登場します。オリジナル戦闘なので見にくいところもあると思いますが、よろしくお願いします。


Episode34 宇宙忍者-バルタン-

東京のある病院。IS学園での護衛の仕事の休みを取った一樹は雪恵のお見舞いに来ていた。

コンコン

「雪、入るぜ」

部屋からは返事が無い。一樹は気にせず病室に入る。その部屋には、様々な機器を付けた雪恵が眠っていた…

「…久しぶり。俺、一夏の護衛役としてIS学園にいるんだ。そこではやっぱり篠ノ之もいたよ…会って早々睨まれたけど」

返事をしない雪恵に話しかけ続ける一樹。雪恵の脳死が発覚して早6年、定期的にお見舞いに来ていた一夏と違って、一樹は不定期で来ていた。理由は、定期的に来ていたら雪恵の両親と出会ってしまうから…それとS.M.Sでの仕事の事もあった…

「…今日は気持ちいい風が吹いてるから窓を開けるな」

太陽の良い香りと気持ちいい風が雪恵の病室に入ってくる。風によって雪恵の長く、美しい髪がさらさら流れている。その光景に、思わず息を飲む一樹。

「本当なら、お前も楽しく学生として動けた筈なのに、ごめんな…ウゥゥゥ…」

静かに泣く一樹。そんな一樹の肩に優しく触れる人がいた。一樹が驚いて後ろを見ると、懐かしく、また、会う資格が無いと思ってた人がいた…

 

「…久しぶりね。一樹君」

「本当に久々だね」

「お、おばさんとおじさん…」

6年ぶりに雪恵の両親の再会したのだった…

「ど、どうして…」

「織斑君に教えて貰ったの。『一樹が今日雪恵さんのお見舞いに行くと思います』ってね」

「一夏が…そっか」

「…一樹君、久しぶりにゆっくり話そうじゃないか」

「…俺に、そんな資格はありませんよ」

雪恵の笑顔が、戦い続けて疲弊していた一樹の心を癒した。何よりも平和を実感させてくれた雪恵の笑顔を、この2人から奪ってしまった事が、一樹の心を閉ざしている。箒にされた事など、一樹から見たら償いの1つでしか無い。そんな事はもう一樹にとって当たり前だった…

「…6年前にも言ったが、一樹君が気に病むことは無い。私達は君を恨んでなどいないのだから…」

「…だからと言って、平然としていける訳もありませんよ…心配しないでください。毎月の慰謝料はちゃんと払いますんで…」

「……」

雪恵の父親は次の言葉に悩んだ。雪恵の父親が言葉を選んでいる中…

ドックン

「ッ⁉︎」

一樹の懐でエボルトラスターの鼓動が鳴った。

「…おじさん、おばさん、俺、少し行ってきます。償いに…」

そう言うと、固まっている雪恵の父親を押しのけ、病院から急いで出た。

 

「山田先生!状況は⁉︎」

「現在、ネットにこの様な動画が出されています」

摩耶はキーボードを操作。モニターに件の動画を表示させる。

『地球人達よ、我々は惑星バルタンからやって来た。君達には、我々の貴重な資源として働いてもらう』

バルタンの一方的な宣言に、一夏はキレた。

「ふざけんな!そんなの受け入れられるか‼︎」

 

一樹は病院から飛び出すとストーンフリューゲルを呼ぶ。エボルトラスターの示すポイントにバルタンの円盤を見つけると突入した。突入してきた一樹に、バルタンは驚く。

《何⁉︎何故地球人が我々の船を見つけられた⁉︎》

「…それは企業秘密だ。地球に何の用だ?」

《決まっている。此処を我らの星にする為だ。こんな美しい星は他に無い。だが、貴様ら地球人はこの美しさを理解していない》

一樹の目を惑わせるために、バルタンは分身を使って一樹を囲む。

「…」

《価値の分からない者より、我々のような価値が分かる者が管理した方が地球も幸せだとは思わないかね?》

周りをバルタンで囲まれていても、一樹は動じない。むしろしっかりとブラストショットを握った。

「…ひとつ聞いていいか?」

《いいだろう》

「美しい物の価値が分かる者に管理させた方が地球が幸せって言ったな?なら…あんたらの故郷であるバルタン星は今どうなってんだ?」

《ッ⁉︎》

バルタンの動揺を感じたのか、一樹は続ける。

「美しい物の価値が分かる者が管理させた方がいい…それは分かる。俺たち地球人が絵画を博物館に寄贈するようにな。けど、地球は星だ。星ってのは不思議でな、絶妙な位置にいるからそこに生命が芽生える。その点は地球人の俺よりあんたらの方が詳しいだろ?」

《…ああ》

「それでも、この地球のような星は少ないのは分かるさ。なにせ、この太陽系で今生命が確認されているのは地球(ここ)だけだしな。それを踏まえて聞く。あんたらが地球に目をつけたのは何だ?『美しいから』それも嘘じゃないだろうさ。けど、本当は…」

ブラストショットを構えながら一樹が言い放つ。

「あんたらの星が滅びそうになった。だからあんたらの星から1番近くて、生き物が生きていられる星がここだった…違うか?」

 

「各システム、オールグリーン。クロムチェスター隊、発進準備完了」

『クロムチェスター各機、発進準備完了しました』

IS学園では、一夏を筆頭にクロムチェスター隊が出撃の準備をしていた。

『クロムチェスター隊、このポイントに向かえ』

千冬は解放回線で空中にあるポイントを指示した。

「ここは?」

一夏の疑問の声が聞こえたのだろう。千冬は一夏、シャルロット、ラウラに個人回線を送った。

『櫻井の機体のポイントだ』

「「「ッ⁉︎」」」

『櫻井は既にバルタンの船を特定したということだ。ポイントに着いたら櫻井の指示に従え』

「「「(了解)」」」

『よし…クロムチェスター隊、出撃せよ‼︎』

 

《地球人にしては頭が回るようだな。確かに、我々の星は滅亡に向かっている。我々の技術の発展にバルタン星はついてこれなくなった…》

「それで、バルタン星の人々が住める場所を急ぎ探す必要があった…」

《そうだ。地球を初めて見た時、私は感動したよ。ぜひともこの星に住みたいと思った》

「…あんたらの技術にどういった物があるかは知らないが、地球人に化けることも出来るんじゃないか?」

《ああ、出来るな》

「それで共存すれば良かったじゃないか。それで一緒に地球をより良くした方がお互いのためだったはずだ」

《我々より知識の劣る地球人と共存しろと?しかも姿を変えてまで?》

「下につけとは言わないぜ?直接争ったらこっちが負けるのは分かり切ってるしな。だけど、元々住んでたのはこっちだ。それくらい譲歩してくれよ。後、化けてくれって言ったのはその姿はこっちの人々にとって正直怖いからだ」

《先住民であるそっちに合わせろと言うのか?ふざけるな。我々の方が格が上だ。格の劣る地球人は我々の下に着く。地球人も動物を同じように扱っているだろ?それと同じだ》

 

「一夏、このポイントに敵がいるのか?」

ポイントに到着したクロムチェスター隊。α機に乗る箒が一夏に聞いてくる。

「ああ、9割の確率でな」

「だが、姿が見えないぞ?」

「それは今見つける。セシリア、鈴。β機には光学迷彩を解くレーザーが搭載されている筈だ。やってくれ」

『『了解(ですわ)!』』

 

《…ふん、貴様の仲間がこの船を見つけたようだな。だか、ほとんどの地球人は貴様のように理性は保たない。いつ攻撃してくるかな?》

「…(一夏、絶対に攻撃すんじゃねえぞ)」

フリーダムの個人回線を使って一夏に言う一樹。

『(分かってる)』

一夏の返しも聞けた。だが…

《仲間の中には理性的な者も3人程いるようだが、他の3人はどうかな?》

 

『バルタンの船を確認しましたわ!』

「よし、攻撃するぞ‼︎」

『分かってるわよ!』

「ッ⁉︎やめろ!攻撃するな‼︎」

一夏の制止も虚しく、α機とβ機は円盤を攻撃してしまった…

 

攻撃を受けた円盤は激しく揺れた。

「ッ⁉︎」

《やはりな。所詮貴様ら地球人はそうだ。自分たちの知らない存在は滅ぼさなければ気がすまない。そちらがその気なら、こちらもそうするだけだ‼︎》

目の前のバルタンが両腕のハサミから怪光線を撃ってくる。一樹は横に飛び込んで回避。説得は無理と判断した一樹はやむを得ずブラストショットを撃つ。ブラストショットの攻撃はバルタンをすり抜けた。

《フォッフォッフォッ…》

バルタン星人は巨大化し、円盤から飛び出した。

「くそッたれぇ‼︎」

 

『なぜ攻撃した⁉︎』

千冬の怒声がクロムチェスターに響く。

「目の前に敵がいれば撃つ。当たり前ではないですか⁉︎」

箒が叫ぶ。もう既にバルタンは都市部に向かってしまった。今それを責めている時間はない。一夏は仕方なくα機の操縦権を奪い、バルタンを止めに向かう。それを察したシャルロットもγ機をα機を追う様に飛ばす。

『何をしてるセシリアに鈴⁉︎早く来い‼︎』

未だ動く気配の無いβ機にラウラが叫んだ。その言葉にハッとしたセシリアは、ようやくβ機を向かわせた。

 

都市部に向かおうとしている円盤。わざと墜落し、都市部を攻撃しようとしているのだ。一樹はコクピットでコンソールを操作しようとするが、もう操作は受け付けないよう設定されていた。

「なら!」

その場でエボルトラスターを引き抜き、一樹はウルトラマンに変身した。

「シェアッ‼︎」

ウルトラマンは円盤の下部に移動。円盤を宇宙に押し出す。

「キュアァァァッ‼︎」

 

「櫻井君が円盤を押し出しています‼︎」

「そうか!円盤を宇宙で破壊しようということか‼︎」

ウルトラマンの意図を理解した千冬は、すぐさまウルトラマンの正体を知っている3人に個人回線を送った。

「櫻井は円盤を破壊してから来る!それまでなんとしてもソイツを食い止めろ‼︎」

『『『了解!!!!』』』

 

《フォッフォッフォフォフォ…》

両手のハサミから怪光線を撃ち、都市を破壊していく。人々が悲鳴を上げながら避難していく。そして、バルタンの進行方向には、雪恵のいる病院があった…

「(何としても食い止める‼︎)」

3機が一斉にバルタン星人に攻撃する。しかし、バルタンは攻撃を喰らった瞬間、脱皮する様に攻撃を受け流した。

「変わり身の術⁉︎」

一夏が驚きの声をあげる。変わり身の術…それが、宇宙忍者と呼ばれるバルタンの得意技だ。

「クソッ!どうすれば‼︎」

 

円盤を成層圏から押し出したウルトラマンは、円盤を念力で更に遠くに飛ばす。

「シュ!」

充分に地球から離れると、クロスレイ・シュトロームを円盤に放った。

「ファァァ…デェアッ‼︎」

クロスレイ・シュトロームは円盤に直撃。大爆発を起こした。ウルトラマンは円盤が完全に破壊された事を確認し、アームドネクサスを交差。

「シュウッ‼︎」

マッハムーブを使って急ぎ地球に戻る。

 

地球ではバルタンを止めようとクロムチェスター隊が四苦八苦していた。しかし、クロムチェスターの攻撃は全く効かず、バルタンは着々と病院に近づいていた。

「くそッ‼︎止まれぇぇぇぇ!!!!」

一夏の叫びも虚しく、バルタンはそのハサミで病院を破壊しようとする…

 

「デェアァァァァ‼︎」

《フォッ⁉︎》

間一髪ウルトラマンが間に合い、飛び蹴りでバルタンを吹き飛ばした。

「「「「ウルトラマン‼︎」」」」

 

「櫻井君が間に合いました‼︎」

「よしっ!クロムチェスター隊につなげろ‼︎」

「はいッ!」

摩耶はすぐに解放回線を繋げた。

「クロムチェスター隊の火力ではバルタンは倒せない。ウルトラマンの援護に徹しろ!」

『『『『分かりました‼︎』』』』

 

ウルトラマンとバルタンは睨み合う…

《フォッ!》

先に動いたのはバルタンだ。両腕のハサミからミサイルを連発する。

「シュ!ハッ!」

ウルトラマンはそのことごとくを迎撃。後ろの病院には1発も通させなかった。

「シュウッ!」

ミサイルを迎撃しきったウルトラマンはマッハムーブでバルタンに急接近、バルタンの右ハサミと首を掴んで投げ飛ばした。

「フッ!シェアァァ‼︎」

《フォッ⁉︎》

ウルトラマンはバルタンが立ち上がろうとしてる間に、クロスレイ・シュトロームを撃つ。

「フゥゥゥ…ヘェアァ‼︎」

しかし、バルタンは分身の術でクロスレイ・シュトロームを受け止めた。

「ファッ⁉︎」

《フォッフォッフォッ…》

不気味に笑いながら、ウルトラマンを中心に回るバルタン。ウルトラマンを囲む様に複数のバルタンが現れた。

「フッ⁉︎」

《フォッ!》

ウルトラマンの後ろのバルタンがその巨大なハサミでウルトラマンを叩きつける。ウルトラマンの背中に火花が散った。

「グアッ⁉︎」

前に倒れかかるウルトラマン。そこに正面のバルタンの前蹴りが来る。

「グォッ⁉︎」

その後も四方八方からバルタンの攻撃を受けるウルトラマン。

「やめろォォォォ‼︎」

一夏のクロムチェスターαがバルタンの一体に攻撃。すると、バルタンの分身が全員怯む。バルタン達の感覚は全て共有されていたのだ。その隙を見逃さず、セービングビュートでバルタンをまとめて縛るウルトラマン。

「フッ!シェア‼︎」

《フォッ⁉︎》

バルタンは光の鞭の中で一体に戻る。ウルトラマンは右手でバルタンを抑えながら、左手をエナジーコアにくっ付け、下ろす。

「フッ!シェアッ‼︎」

光の波動がウルトラマンを包み、波動が晴れると、ウルトラマンはアンファンスからジュネッスにチェンジしていた。セービングビュートを右手から離すが、光の鞭はバルタンを縛ったままだ。ウルトラマンはメタ・フィールドを展開する。

「シュ!ファァァァ…フッ!ヘェアァ‼︎」

バルタンとウルトラマンはメタ・フィールドに移動した。それを見た一夏は指示を出す。

「Set into strike formation‼︎」

「「「「了解‼︎」」」」

ストライクチェスターに合体し、メタ・フィールドに突入する。

 

「ヘェアァ!」

《フォッ⁉︎》

メタ・フィールドを展開後、ウルトラマンは強烈なストレートキックでバルタンを蹴飛ばした。その勢いでバルタンに絡まっていた光の縄は消えた。

《フォッフォッフォッ…》

バルタンは再度分身の術を使おうとするが…

《フォッ⁉︎》

メタ・フィールドの効果によって、バルタンは分身の術が使いにくくなっていた。いつもの感覚で分身の術を使おうとしていたバルタンは、術が使えずに戸惑う。

「フッ!ハァァァァ…デェアァァ‼︎」

ウルトラマンはバルタンに向かって走り、途中で跳び上がる。右足を突き出し、強烈な飛び蹴りをバルタンに放つ。

《フォッ⁉︎》

術が発動出来ない事で止まっていたバルタンは、ウルトラマンの飛び蹴りをまともに喰らってしまう。しかし、直ぐに起き上がると両手のハサミからウルトラマンの足元へ怪光線を放つ。すると、ウルトラマンの足が凍ってしまった。

「フッ⁉︎」

足が凍って動けないウルトラマンに、バルタンはハサミを振り上げた。

《フォッ!》

「グァッ⁉︎」

氷からは逃れたが、ハサミの一撃は相当重かったらしく、ウルトラマンの動きが鈍い。そんなウルトラマンに回転ドロップキックを放つバルタン。

《フォッ‼︎》

「グアァァァッ⁉︎」

キックを喰らった衝撃でウルトラマンの体から火花が散る。更に受け身も取れず、背中をメタ・フィールドの大地に強打する。

「ガッ⁉︎」

身動きが取れないウルトラマンを連続で踏みつけるバルタン。

《フォッフォッフォッ…》

「グッ⁉︎グォッ⁉︎グァッ⁉︎」

ピコン、ピコン、ピコン

そこに、ストライクチェスターが突入してきた。

「見つけた!スパイダーミサイル、発射‼︎」

ストライクチェスターから大量のミサイルが放たれ、バルタンに命中した。

《フォッ⁉︎》

ミサイルの集中攻撃を喰らい、バルタンは怯んだ。

「シュッ‼︎」

バルタンが怯んだ隙にウルトラマンはバルタンの脚を掴んで持ち上げた。

「キュオォォォォ…」

そしてそのまま大回転。

「デェアァァァァ‼︎」

ジャイアントスイングでバルタンをメタ・フィールドの大地に叩きつけた。

《フォッ⁉︎》

バルタンは背中を強打。だが、すぐ起き上がってウルトラマンに冷凍光線を放つ。

「シュウッ‼︎」

ウルトラマンはマッハムーブで冷凍光線を回避。バルタンの背後に回り込んだ。

《フォッ⁉︎》

すぐさま振り向くバルタンに、ウルトラマンの強烈な回し蹴りが極まった。

「デェアッ‼︎」

《フォッ!?》

バルタンの体から火花が散る。ダメージの大きさに動きが止まっているバルタンをウルトラマンは頭上高くに持ち上げ…

「デェアァァァァ‼︎」

投げ飛ばした。

《フォッ!?》

そして、両腕にエネルギーを貯める。

「フッ!シュウッ‼︎ファァァァァ…フンッ‼︎デェアァァァァ!!!!」

オーバーレイ・シュトロームを放つ。オーバーレイ・シュトロームはバルタンに直撃し…爆散した。

「よっしゃぁ‼︎」

ストライクチェスターの搭乗者がそれぞれ喜ぶ。ウルトラマンはストライクチェスターにゆっくり頷くとメタ・フィールドを解除して消えていった。

 

「ハア、ハア、ハア…」

バルタンを倒した一樹だが、かなり体にきてる様だ。

「なんとか…守れた…」

そのまま壁に手をつき、ゆっくりとその場から離れようとする。しかし、手が滑り、倒れてしまう。

「…今回は、少しばかりキツイな…」

震える右手で、ブラストショットを取り出し、天空に向けて撃とうとする一樹。しかし、それを止める手があった。

「…一夏…」

「…まだ、“呼ぶ”のは待ってくれ」

そう言うと、一樹に肩を貸し、雪恵の入院してる病院へ向かう一夏。病院の前では、雪恵の両親が2人を待っていた…

「…お待たせしました」

「ありがとう一夏君。一樹君、さっき戦ってた巨人は君だろ?」

雪恵の父親が確認する様に聞く。

「…何の事ですか?」

巻き込みたく無い一心で、必死でごまかす一樹。

「ごまかさないでくれ。私達2人は君が飛行機を呼んだのを見たんだ。それに、戦っていないなら何故傷だらけの状態で一夏君の肩を借りてるんだね?」

「……」

一樹は既に正体がバレていると確信した。

「…ええ、アレは俺ですよ」

「…いつからだね?」

「…今はちょっと…一夏、そろそろ門限がやばいだろ?早く帰った方が良い」

「え、ちょ、酷くね⁉︎」

「…ここまで連れてきてもらったのは感謝するよ。けど、ここからはIS学園組にはまとめて説明したいからさ…頼むよ」

「それは理解したけどお前の帰りは⁉︎」

「“呼ぶ”から大丈夫だ」

「…分かったよ」

そう言うと、一夏は渋々IS学園に帰って行った。その後、雪恵の病室に移動して話し始める。

「…まずは『いつから』ですね。ざっくり言えば6年前です」

一夏が去った後、雪恵の両親に光を得た経緯を話した。2人とも真剣に聞いてくれていて、特に雪恵が一樹を導いた事には驚いていた。

「…そんな事が…」

「そして、2年前のザ・ワンに繋がる訳か…」

「ええ…」

ザ・ワン事件は雪恵の両親も知っていたが、まさか娘の幼なじみがウルトラマンとして戦っていたとは思わなかったろう…

「…ありがとう、話してくれて」

一樹が全て説明し終えると、雪恵の母親が一樹に礼を言った。一樹は訳が分からず、首をかしげる。

「…どうしてお礼を言われたのか、分からないんですけど…」

「あなたは雪恵ちゃんが生きてる事を証明してくれた。それだけでお礼を言うには充分よ」

雪恵が一樹に光を与えた…つまり、雪恵は()()()で必ず生きている…それを知る事が出来ただけでも、雪恵の両親には嬉しかったのだ。

「…俺の話が少しでも役に立ったなら幸いです。ではまた」

雪恵のさらさらした頭をひと撫ですると、一樹は病室から出て行こうとする。

「一樹君、一緒に夕食を食べに行かないか?」

「…お誘いはありがたいんですが、そろそろ…ヤバイんで。また次の機会に」

雪恵父の誘いを丁重にお断りすると、今度こそ病院から出る。ストーンフリューゲルを呼び、病院から去っていく一樹。だから一樹も雪恵の両親も気付かなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………かー…………く………………ん………………」




ではまた次回
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