IS学園では、一夏を筆頭にいつもの面々が集まり、新装備の説明を束から受けていた。
「は〜い、束さんが新しく開発したコレは、今までいっくん達が持ってた探知機を更に小型化、改良した物だよ。更に更に〜地球外生命体が人間に化けた場合のデジタルサーチシステムを組み込んで、より確実性を増したよ。今までかずくんの勘(?)だけで判断してきたけど、これがあればかずくん以外の人でも判断する事が出来るよ」
おぉ〜と歓喜の声を上げる面々だが、織斑姉弟は違った。
「だが束。その装備の稼働時間は?」
千冬の質問に束は固まった。
「それに、幾ら小型化しても結局はISに仕舞う…そのデータ量が大きいのはどうかと思いますが?」
一夏がさらに追い討ちをかけた。
「ちーちゃん、いっくん、勘弁して…束さんにはまだその問題点は解決出来なかったんだよ〜…」
束がortになるのを見た一夏は、ソレを入っていたアタッシュケース毎後ろに投げた。
「…出番だぜ、一樹」
「はいはい…」
結局一樹が問題点を修正、試作型なのでとりあえず麒麟に装備(一樹が外付けハードで強引に拡張領域を作った)するのだった。
新装備が一夏に渡された翌日、一樹と一夏は束の頼みでとある研究所に向かっていた。
「いきなり通信が切れたからって人を派遣するか?」
「それだけココは学園に必要な場所なんだろ」
一夏が運転する車の横で、一樹は懐かしげに機械を弄っていた。
「あ、それって…」
「ああ。小学校時代、自由研究で作ったレーダーだ。この間家を掃除した時に出て来たんだ」
一夏も見覚えがあったソレは、長い時間起動させてなかった事から少しホコリが溜まっていた。ホコリを落とし、何気なくスイッチを一樹が入れた途端…
ピピピッ‼︎
「止めろ一夏」
「へ?」
「止めろ‼︎」
「お、おう」
レーダーが反応。一樹は車を止めさせた。
「目に見えないシールドが貼ってある、だと…」
「へ?白式には反応無いぜ?」
「最新型より、旧型の方が優れてる事もあるって事だ」
証拠とばかりに、一樹は近くを転がっていた小石を正面に向かって投げる。小石はシールドにぶつかり弾けた。
「ウワッ⁉︎マジかよ…」
一樹はレーダーのスイッチを入れ、研究所を周り始める。
「…よし、ここからなら入れる」
「…了解」
一樹と一夏は研究所に突入した。途中、扉が開かないなどの問題が起こったが、ブラストショットでウイルスを撃ち抜いて強引に通った。そして、何かいる気配がした扉に突入する2人。だが___
「…あれ?織斑君に櫻井君じゃない。どうしたの?」
そこには3人の研究員がいた。特に怪しい所は見当たらない…
「いえ、いきなり通信が切れたので調査しに来いって言われたんですよ」
「あー、ごめんなさいね。ウチの人間が間違えてスイッチを押しちゃったみたいで」
一夏が研究員と話してる中、一樹はずっと無表情だった。
「…一夏、何も問題無かったし、帰ろうぜ」
S.M.S独自のアイコンタクトで『ココ、キケン』と伝える。一夏はそれを理解するとすぐにその部屋から立ち去る。2人が立ち去った途端、3人は異次元宇宙人“ギギ”となっていた。
《ギギギギ…》
「大変です!織斑君に櫻井君との連絡が取れません‼︎」
麻耶の悲痛な叫びに、千冬ではなく、束が対策を言う。
「ねえ、これから言う所にメールを送ってくれない?」
「何が起きてんだよココは?」
「知るか。とにかくココは奴らの支配下だ…ッ⁉︎」
階段を下りる2人の前に、ギギの1体が現れた。2人は同時に射撃攻撃をするが、まるで認識がズレてるかの様に攻撃が当たらない。
「「チィ!」」
すぐさま上に上がろうとする2人。だが、階段の上に2体のギギが現れ、2人の行く手を阻む。一瞬動きが止まった2人に、ギギは手に持っていた銃から怪光線を撃った。
束がメールを送らせた先はS.M.Sだった。宗介、祐人と
「何も無いな」
「ああ、平和なもんだ」
VF-0のD型に2人乗りしている祐人と智希がのんびりと言う。しかし
「…気に食わねえな…静か過ぎる」
宗介はそう言うと、S型のガンポッドの引き金を引いた。
「おい宗介⁉︎」
「何をして…ってアレ?」
ガンポッドの弾はシールドに弾かれた。
「心配しなくても建物は狙ってねえよ。それより、この研究所にあのレベルのシールド貼ってあったか?」
宗介の質問に2人は呆然と首を横に振った。
一樹に一夏は迷路の様な所にいた。
「くそ、また分岐か…一樹」
一夏に呼ばれなくとも一樹は目を閉じ、光の力で
「…コッチだ」
2人が行った先に、3人の研究員もいた。
「皆さん、無事だったんですね!」
「ええ…無事と言って良いかは分からないけど」
5人が合流すると…
《ギギギギ…》
あの不気味な声が頭上に響く。5人が上を向くと…ギギが3体揃って現れた。その中でも青い星の様な目をしているギギが端末を操作し、話し出した。
『我々の言葉が、理解出来るか?』
「ああ…充分にな」
代表して一夏が答える。
『我々は飛躍的に進んだ量子学を応用し、次元を移動するシステムを発明した。我々の次元は今、崩壊の危機に直面している。この次元に急いで、移住する必要がある』
「…あなた達の計画とやらを聞かせて。移住とは、何人くらいが来る予定なの?」
『移住が完了すれば、2000億人程になる』
「そんな…地球は100億人で満杯なのに…」
一夏の呟きが聞こえたのか、ギギは話す。
『心配はいらない。地球人は1/100に縮小して暮らして貰う。今回の実験の成功でそれが可能な事が分かった。今君達がいる様なモデルタウンを量産し、君達地球人はそこで暮らして貰う』
「そんな一方的な…」
研究員達が、絶望の声を挙げた。
「智希、どうにかしてシールドを破けないか?」
「ちょい待ち…レーザーを集中させれば、あるいは…」
「可能性があるならやる。行くぜ祐人‼︎」
「あらほらさっさーってね‼︎」
2機のバルキリーが急浮上。合流し、同時に急降下。同じ場所を狙ってレーザーを発射するも、シールドは破れなかった。
「ダメだ!破れねえ‼︎」
『君達の仲間が、我々の領土へ侵略を開始した。我々の解決方法は、論理的で完璧だと言うのに』
「アホ抜かせ。完璧なんてこの世にある訳ねえだろうが。な?一樹」
「ああ…一夏、コレで連絡を取ってみてくれ」
一樹が一夏に投げ渡したのは、あの古いレーダーだった。
「オッケー…こちら織斑、応答願います」
『こちら六連だ』
「祐人⁉︎ま、まあとにかく、俺達と研究員が侵略者に捕まっちまってるんだ…」
『あいよ!俺達に任せときな‼︎』
通信を切った一夏に、研究員の1人が話しかける。
「…古きを知り新しきを知る、かな?」
「ええ、なんでも最新型のこのご時世、たまには古い機械も有りでしょ?」
そんな2人の会話を見た一樹は、軽く笑うと走り出した。
「お、おい一樹⁉︎」
「脱出口を探す。心配すんな、必ず
一夏に言うと、一樹は近くの角を曲がり、エボルトラスターを引き抜いた。
「ウルトラマン…」
ウルトラマンの姿を見て、4人に安心が出来た。が、一夏はすぐに気を引き締め、ウルトラマンに言う。
「奴らとの交渉は、これ以上は不可能だ!」
ウルトラマンは頷くと、ギギ達に向かって構える。
「シェア!」
ギギは3体固まった。
『完璧な解決方法を捨てて、武力での解決を選ぶとは、残念だ』
そう言うと、3体のギギは合体し、巨大化した。
「やっと出てきやがった。攻撃するぞ‼︎」
「とっくにしてるけどな」
「けど気をつけろよ。中には一夏達もいんだから」
「分かってるよ‼︎」
2機のバルキリーの攻撃に、ギギは怯んで後ずさりするが、3つの顔全てから光線を出し、2機を牽制する。
「チッ!当たるなよ祐人‼︎」
「そっちこそ‼︎」
ウルトラマンは両腕のアームドネクサスをクロスし、前に伸ばす。音波の様な光線を出し、4人を救出した。
「た、助かった…あれ?櫻井君は?」
ウルトラマンの正体を知らない研究員がウルトラマンに聞く。
「一樹は先に救出してくれたのか?」
一夏がフォローを入れた。それにウルトラマンは頷く。そして、ウルトラマンの体が光に包まれ、巨大化していった。
「シェア‼︎」
《ギギ?》
ウルトラマンはギギに向かって走り、チョップを放とうとするが、ギギは瞬間移動の如く動いてそれを回避。ウルトラマンは突っ込む、ギギ避ける。ウルトラマン突っ込む、ギギ避ける。ギギはウルトラマンの周囲を高速回転し、ウルトラマンを惑わす。そしてウルトラマンの背後に現れると、怪光線を放った。
「グァッ⁉︎」
吹っ飛ばされたウルトラマンだが、すぐに体制を整え、再び走る。
《ギギギギ…》
次々と撃たれる3色の光線を避け、確実にギギに近づくウルトラマン。
《ギギギギ!》
今までに無いスピードで放たれた光線をサークルシールドで受け止めるウルトラマン。が、ギギはそんなウルトラマンの背後に瞬間移動し、怪光線を放った。サークルシールドを貼るのが間に合わず、ウルトラマンはまともに喰らった。
「グゥアァァァァ⁉︎」
ピコン、ピコン、ピコン…
「一樹を援護するぞ!」
「あいよ!」
「奴の頭上はガラ空きだ。祐人!さっきのをもう一度やるぞ‼︎」
「了解‼︎」
2機のバルキリーから放たれたレーザーが見事ギギの頭に命中。
《ギギギギィ⁉︎》
突然受けたダメージにギギは戸惑う。その隙にウルトラマンはアンファンスからジュネッスにチェンジした。
「シュウ!ヘェア‼︎」
チェンジ完了と同時にギギに向かって駆け出す。ギギの右パンチを右腕で受け流すと、その場で一回転し、強烈な左裏拳を決める。
「デェア!」
《ギギィ⁉︎》
更に両腕パンチを連続で決める。
「シェア!ヘェア‼︎」
《ギィ⁉︎》
最後に右回転蹴りを喰らわす。
「トゥアァ‼︎」
《ギギィ⁉︎》
殴りかかろうとするギギの腕を掴む。ギギもウルトラマンの腕を掴み、投げようとするが側転でその勢いを殺すと、右ストレートキック。
「デェア!」
《ギィ⁉︎》
前屈みになったギギの頭にかかと落とし。
「トゥアァ‼︎」
《ギィ⁉︎》
「あれです。あの円板状の物から奴らは現れたんです」
「あれを壊せば…」
「恐らく奴らのこの次元での存在は不安定になるわ…でも、ここには確実に壊せれる物なんて…」
研究員達は途端に暗くなるが、一夏は違った。
「皆さん、忘れてません?俺が唯一の男性IS操縦者だってこと」
「「「あ…」」」
麒麟を展開し、マグナムで撃とうとするが、研究員が止める。
「待って織斑君。出来れば形は残して欲しいの。だからその盾で殴って壊して」
「…了解しました!」
麒麟のシールドでぶっ叩き、装置を破壊した。
《ギギィ⁉︎ギギギギギギギギ…》
一夏が装置を破壊した途端、ギギは苦しみ出した。まるで3体に分離したかの様に見えるほど体を震わせるギギに、ウルトラマンはクロスレイ・シュトロームを放った。
「フッ!シュアァァァ…ヘェア‼︎」
《ギギギギギギ⁉︎》
クロスレイ・シュトロームをまともに喰らったギギは爆散した。ウルトラマンは光に包まれ、消えて行った…
「また遊びに来てね。この研究所は、あなた達のおかげで助かったから」
「いえ、俺は大した事はしてませんよ」
「ねえ織斑君」
「はい?」
その瞬間、一夏の頬に暖かい何かが触れた。
「私、今度から週1回IS学園の理科を担当する『
「え、えと…」
「ああー、今回は俺たちが来て良かったかもな。余計な仕事増えずに済んだし。なあ一樹」
祐人がそう呟く。祐人の言葉に、一樹は苦笑いを浮かべるしかなかった。
「さて、帰ろうぜ。皆」
「「「だな」」」
「ちょ、待ってくれよ‼︎」
S.M.Sはゆっくりとその場を後にした。
「んで?結局何の役にも立たなかったのか?コイツは?」
束の作ったレーダーを指して千冬は聞いてくる。
「…まあ、そうだな」
「うう〜。今度はもっと改良するよ…」
レーダーの再設計を千冬に命じられた束だった。
次回からネクサスに戻ります。
クライマックスだぜぇ!!!!