人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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Episode41 黙示録-アポカリプス-

「現在、ボーデヴィッヒさんの所在は不明。織斑君の時と違って彼女は意識がはっきりしてる中の失踪です。理事長は『最悪の場合退学も有り得る』とおっしゃっています」

今朝、突如ラウラがIS学園から姿を消した。束が探してはいるが、流石は軍人。なかなか見つけられそうもない。

「…決定までのタイムリミットは?」

千冬の質問に麻耶は答えにくそうに…

「多く見積もって…5時間かと」

「…分かった。私が直接探す。恐らくボーデヴィッヒは溝呂木に会いに行ったんだ。あの『闇』と…再び向き合うために」

「「「「闇?」」」」

「…織斑も来い」

「了解です」

司令室を出た2人、千冬はリヴァイブを取りに行き、一夏は一樹に電話する。

「かくかくしかじかと言うわけだ」

『そうか…けど、俺はビースト探しを優先させてもらう。ラウラはお前達で探してくれ』

「ああ、分かってる」

『ひとつ確認だ。ラウラのISにメッセージが来てないか確かめられるか?』

「…束さん。どうですか?」

「なるほど。それは思いついてなかったよ。ちょっと見てみるね…」

 

『俺に会いたければ、このポイントに来てくれ』

レーゲンに突如送られたメッセージ。ラウラはそこに示されていた工場へ来ていた。その工場は、1年前任務で訪れた工場と良く似ていた…

 

『ラウラ、よく見ておけ。これが今の俺の姿…俺の力だ』

「…溝呂木、アンタと再び向き合う時が来た様だ」

 

レーゲンに送られたポイントを確認した一夏と千冬。IS学園から出撃しようとする1機の戦闘機VF-0D。操縦席に一夏、後ろに千冬が搭乗していた。

「千冬姉」

「ん?なんだ?」

発進シークエンスを行いながら、一夏は千冬に聞く。

「溝呂木って…どんな奴だったんだ?」

「優秀だったさ。正直、軍人としては私より奴の方が上手(うわて)だった」

「そんな…」

「私は溝呂木を信用していた。そしてボーデヴィッヒもな…」

くる日もくる日も訓練時間が終わっても個別トレーニングを続けていたラウラと溝呂木。溝呂木の厳しい指導もあり、ラウラは人として、軍人として着実に成長していた…

「だが私は…そんな2人の姿に、漠然とした不安を感じ始めていた…」

 

拳銃を構えながら工場を進むラウラ。その脳裏に、溝呂木との会話が思い出されていた。

 

『ラウラ。なぜこの仕事を続ける?』

『私は…生まれた時から軍属だったから…』

『そうか…』

『そういうアンタは?』

『俺は…死にたく無いからだ』

『…え?』

『俺は死ぬのが怖い。だから常に戦場にたったら殺す。だがいくら殺しても心が安らぐことは無い。むしろ不安が増すばかりだ…最近よく変な夢を見る…』

『夢?』

『ジャングルを歩いて行くと、その先に気味の悪い遺跡が現れる。そして…真っ暗な闇が、俺を飲み込もうとする…』

溝呂木はそれを思い出したのか、強く拳を握った。ラウラはそっと、その拳を包む。

『恐れることなんて無い。なぜなら…アンタは誰より強い人間だから』

 

更に奥へ進むラウラ。その正面に…

「やっと来てくれたか…」

溝呂木が現れた。ラウラは拳銃を溝呂木に向ける。気にせず溝呂木はラウラに話しかける。

「ラウラ、お前だけが俺を理解出来る…俺達は特別な存在だ。それはお前もとっくに気付いていた筈だ」

ラウラの手には、溝呂木の名が刻まれたドックタグが握られていた…

「1年前の再会の証、それを持ってこっちに来い」

「…1つ、聞いて良いか?」

「何だ?」

「あの夜、何が起きた?私を残し、闇の奥へ行った後で、アンタは何を見た?」

ラウラの質問に、溝呂木は少し間を空けて答える。

「…真実さ」

「真実、だと?」

「そうだ。あの夜、俺は本当の自分と出会ったのさ」

 

『死体が動いた…これは厄介な任務だ』

『死体とはいえ、一般人を撃つのは抵抗があるな』

『それが狙いなんだろ…ウッ⁉︎』

突如溝呂木の脳裏に、夢で見たあの遺跡が現れた。

『なぜあの夢が…』

『ん?どうした?』

『いや、なんでも…ッ⁉︎』

奥の方から唸り声が聞こえた溝呂木はラウラと一緒に物陰に隠れる。

『…俺が先に突入する』

『何?』

『2人同時に操られたら織斑達と相討ちになる。だが1人残れば最悪の状況は回避出来る』

『だったら私が先に『ダメだ‼︎』…え?』

『…俺が操られたら迷わず撃て。ラウラ、俺はお前の手で殺されるなら本望だ』

 

「あの時…もし2人同時に突入していたら、逆に俺がお前を殺していただろう…」

拳銃を向けたまま、黙ってラウラは話を聞く。

「それほどアレは素晴らしい体験だった」

 

ラウラと別れ、ライフルを構えながらゆっくり進む溝呂木。ふと背後に大きな足音が聞こえたので、振り向く。

『…誰だ?』

そこにいたのは…

《ダーク、メフィスト》

自らをメフィストと名乗る黒い巨人は、溝呂木の声を低くした様な声で話す。

『砕け散れ‼︎』

溝呂木はライフルをメフィストに向かって撃つが、メフィストには全く効いていない。

《お前は…人を殺す事を楽しんでる》

何事も無かった様に溝呂木に話しかけるメフィスト。

『…何?』

《お前らが他国の人間を攻撃するのも、他国の人間がお前らを襲うのも、全く同じだ。弱肉強食の世界に、正義も善悪も無い。あるのは…強き者が生き残ると言う結果だけ。つまり、力こそ全てに優先される真実だ》

溝呂木はメフィストの言葉を聞きつつも、ライフルを構えていた。

《戸惑う事は無い。素直に自分の心を解放しろ。そしてもっと強くなるが良い》

『貴様、何者だ⁉︎』

《私は…お前の影。溝呂木慎也…お前が望む、お前自身の姿だ》

メフィストはそう言うと、黒い雲となって溝呂木の中に入っていった…雲が入った瞬間、溝呂木の顔に邪悪な笑みが浮かぶ。

『力こそ真実、確かにそのとおりかもしれねえな…』

操られた工場の人々が溝呂木に向かって歩いてくる。

『あばよ、人間ども』

溝呂木は躊躇いなくライフルの引き金を引いた…その弾丸で工場のガスが引火、大爆発を起こしたのだった…

 

「ラウラ、こっちへ来い。そうすればお前はもっと強くなれる」

ラウラに呼びかける溝呂木。

「また一緒に戦おう。お前を理解出来るのは…俺だけだ」

ラウラはゆっくりと溝呂木に近づき始めた。そこに…

「ボーデヴィッヒ、待て‼︎」

「ラウラ止まれ‼︎」

ISを完全に展開した千冬と一夏が到着した。ラウラは振り向き、溝呂木は悪質な笑みを浮かべる。

「よう。姉弟揃ってご苦労だな」

「溝呂木…何がお前をそんな姿に変えたかは分からん。だが、ボーデヴィッヒをお前と同じ闇の世界に行かせる訳にはいかん‼︎」

溝呂木はラウラと織斑姉弟の間に入る様に動く。

「だったら力ずくで止めてみろよ」

千冬はリヴァイブのランチャーを溝呂木に向かって撃つ。だが、闇のバリアがその弾丸を受け止めた。それを見た一夏がビームマグナムを撃つが、それもバリアに受け止められてしまった。

「無駄だ。いくら足掻いてもお前達は所詮唯の人間。俺やラウラと違って、これから淘汰される卑しい存在でしか無い」

「「クッ!」」

織斑姉弟が悔しげな声をもらす。

 

 

 

「相変わらずお前の話し方はイラつくな」

 

 

 

声が聞こえたと思ったら、横から波動弾が飛んで来て、溝呂木のバリアを破壊した。全員が波動弾が飛んできた方を向くと…

「一樹…」

そこにはブラストショットを構えた一樹がいた。

「溝呂木。人の心を踏みにじるのがそんなに楽しいのか?」

溝呂木にブラストショットを向けながら一樹は言う。溝呂木は初めて表情を変えた。

「また邪魔しやがって…」

溝呂木を中心に異層を書き換えられていく…その空間は…

「ダーク・フィールド…」

一樹の声に満足げな顔をする溝呂木。

「驚いたか…?俺はこの姿でも異層を自由に操作出来る。更に」

そこで溝呂木は指をひと鳴らし。溝呂木の背後に…

「ガルベロス…」

ガルベロスまでも現れた。

「どうする?ここは光を飲み込む闇…お前に不利な空間で戦うか?」

溝呂木の挑発を受けた一樹は胸ポケットからエボルトラスターを取り出した。

「…下らない事を聞くな」

鞘から引き抜き、天空へ掲げる。ウルトラマンに変身、一回転左後ろ蹴りを決めた。

「シュウ‼︎」

《クアァァァ⁉︎》

ガルベロスは吹っ飛ぶ。ウルトラマンはそれを見るとすぐにジュネッスにチェンジした。

「フッ!シェア!」

《グアァァァ!》

ガルベロスはウルトラマンに突進。ウルトラマンはそれを受け止めるが、ガルベロスに振り払われてしまう。

 

「バカが…罠にかかりやがって」

 

ガルベロスの右頭の目が赤く光ると、ウルトラマンの左腕も光った。

「グッ!グアァァァ⁉︎」

 

「あの傷は…前回の時のか!」

一夏は原因に予想がついた。

「あの目か!あの赤い光が!」

「一夏!櫻井を援護するぞ‼︎」

「ああ‼︎」

千冬、一夏はそれぞれの射撃武器でガルベロスを攻撃するが、バリアに止められてしまう…

「ちくしょう!何で⁉︎」

「驚く事は無いさ、織斑弟。ここは俺が作り出した闇、お前達に手出しは…ッ⁉︎」

突如溝呂木の体が撃ち抜かれた。溝呂木が後ろを向くと、ラウラのレールカノンから煙が出ていた。

「ラウラ…何故お前が俺を…?」

「何故?決まってるだろう」

ラウラは持っていたドックタグを溝呂木に向かって放り投げた。

「今のアンタは…私達の敵だからだ」

ラウラはもう一度レールカノンを撃つ。溝呂木に見事命中すると…

「最高だぜ……ラウラ……」

後ろに倒れ、消えて行った。

「溝呂木が消えた…今だ‼︎」

今度は3人でガルベロスを攻撃。バリアに拒まれる事なく命中し、ガルベロスの片目は潰れた。

《グアァァァ⁉︎》

 

ガルベロスの目が潰れた事で、左腕の痛みは弱まった。念力で一時的に痛みを抑えるとウルトラマンは立ち上がり、ガルベロスに向かって構える。

「ハッ!」

ガルベロスに向かって走り、近づいたところでジャンプ。前方一回転中にエルボーカッターで斬りつけた。

「シュアッ!」

《クアァァァ⁉︎》

ウルトラマンはガルベロスに向かって再度走り出す。ガルベロスはウルトラマンの突進を受け止めるが、ウルトラマンはガルベロスの中央の頭にニーキックを決める。

「シェア!」

《クアァァァ⁉︎》

怯んだガルベロスにボレーキックを放った。

《クアァァァ⁉︎》

ガルベロスが倒れている間にエネルギーを貯めるウルトラマン。

「ファッ!シュウ‼︎フアァァァァ…フンッ!デェアァァァ‼︎」

オーバーレイ・シュトロームを放つ。ガルベロスはそれを喰らい、水色の粒子となって消えた。ウルトラマンも左腕を抑え、左膝をついて消えて行った…

「ファッ、ファッ…」

ウルトラマンが完全に消えると同時に、ダーク・フィールドも解除されていった。

 

「っ…」

左腕を抑えながら工場から離れようとする一樹。

「待ってくれ!」

一樹を制止する声が聞こえた。一樹がそちらを向くと、千冬がいた…




ではまた次回。









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