人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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セリー書くの超楽しい!




Episode63 情報-インフォメーション-

「え⁉︎一夏の誕生日って今月なの!?」

「あ、ああ。そうだけど?」

いつもの面々と夕食を食べていたら、シャルロットが急に立ち上がった。セリーに言われたショックからようやく抜け出せた一夏は、らしくないシャルロットの慌てっぷりに疑問符を浮かべる。

「い、いつ⁉︎」

「9月27日だよ。とりあえず落ち着けって」

「う、うん…日曜だよね⁉︎」

「に、日曜だぞ」

「そっか…うん!」

つぶやきながら何度も頷くシャルロットを不思議そうに見る一夏。

「何お前。誕生日みんなに教えてなかったの?」

珍しく夕食時に食堂にいる一樹。膝には当然のようにセリーを乗せている。

「いや、そんな大事なことじゃないだろ?」

「…そう思ってるのは織斑君だけだよ」

呆れながら一夏を見る雪恵。

「いやだって、俺たちってそんな誕生日祝おうって感じではないじゃん?」

「……」

「一樹さん?そんな冷たい目しないでください。メチャ怖いです」

「……」

「セリーさん?そんなに殺気を向けないでください。冷や汗が止まらないです」

確かにS.M.Sではあまり誕生日会などはやらない。が、あくまで【S.M.Sでは】の話だ。長い間一夏と過ごしてきた一樹の目が冷たくなるのはしょうがないことだろう。セリーは単純に、一樹が一夏を睨むから自分もそうするというだけだ。

「…一夏、周りを見てみな」

一樹に言われて周りを見回す一夏。すると純白の革手帳にぐりぐりと二重丸を描くセシリア。一夏の誕生日を知っていた箒と鈴を問い詰めるラウラ…と、それに便乗する楯無がいた。

「楯無さんいつの間に⁉︎」

「ついさっきよ〜♪」

相変わらずつかめない楯無に戸惑う一夏。

「…カズキ?食べないの?」

そんな一夏を無視して、一樹に声をかけるセリー。

「ん?食べてるぜ?ほら」

そう言ってゼリー飲料のパックを出す一樹。

「…だめ。ちゃんと食べないと」

「俺がここで食うと余計な金かかるんだよ。これで勘弁してくれ」

「…ユキエ」

「セリーちゃんも思うよね?」

こっちはこっちで女子同士のため息が聞こえる。

「かーくん。セリーちゃんの教育にも悪いからちゃんと食べて」

「ん。私と分ける?」

「別に良い…だあわかったよ!食うよ!買ってくるからセリーは一回降りてくれ」

「ん」

セリーを膝から降ろして渋々財布を取り出す一樹を雪恵が止める。

「かーくんどこに行くの?」

「どこって、飯買ってくるんだよ」

「私が行くよ。その方が安いし」

「…じゃあコレで買ってきて」

雪恵に行かせるのは心が痛むが、約半分の値段になるので、一樹は素直に雪恵にお金を渡す。

「良いよ。私が出す」

「それは本当にやめろ!」

「どうせ将来は私がお金の管理するし。かーくんが管理したらかーくん餓死するし」

…世間一般の考えとは真逆の考えで雪恵が財布を管理するようだ。

「「「「将来ィィィ!!?」」」」

雪恵の言葉に驚愕する専用機持ちたち。何を今更。

「???何を驚いてるの?」

「「「「驚くわ!!」」」」

そんな女性陣の会話に頭を抱える一樹だった。

 

夕食後、一樹は整備室にいた。一夏と個人回線を使って話しながら、先ほどS.M.Sから届いたメールを確認する。

『一夏。つい先ほど北アメリカの軍事拠点が亡国機業に襲撃されたそうだ』

『!?マジか!?』

『ああ。狙いは臨海学校の時の機体…覚えてるか?』

『福音だろ?でも、アレは俺が…』

『あくまでシールドエネルギーを無くしただけだろ。機体自体は修復して返したんだよ。元々あっちの物だしな』

メールを見ながら説明する一樹。

『…襲撃した機体は?』

恐らく次はここに来る。それを理解した一夏は敵ISの特徴を問う。

『…不確定情報で良ければあるが』

『それで良いぜ。当たってたらラッキー程度で』

『あいよ』

メールをスクロールして敵ISと思われる機体名を告げる。

『襲撃した機体は…イギリスのBT2号機の【サイレント・ゼフィルス】らしい』

『イギリス…?』

『オルコットが使ってる【ブルー・ティアーズ】の姉妹機だな。オルコットのが1号機で、今回のが2号機』

『…違いは?』

一樹は傍らに置いていたパソコンでイギリスの公式情報を見る。

『公式情報では、《IS学園で得られたデータから、よりBT兵器の実戦仕様を前提としたビット搭載型》らしいな』

『あまり悪く言いたくないが、()()で?』

一夏の言うアレとは、セシリアのビットの扱い方だろう。未だにビット制御時に動きが止まるセシリアに、一夏は何度麒麟のシステムで動かしそうになったか分からない。

『おいニュータイプ。誰でもお前たちみたいにサイコミュ兵器を扱えると思うな。現に弾はビットを放出することすら出来ないんだから』

『サイコミュとISは似てるようで違うんですけど…』

『それは出来る者からの話だ。【思考展開】なんて、知らない奴からしたらサイコミュ扱ってるのと変わらない訳だし』

『それはそうだけど…っと、もう部屋だ。一旦切るぜ?』

『ああ』

一夏との通信を切った一樹は、慣れた動きで蛇口にホースを付ける。

「…カズキ。私もシャワー浴びたい」

セリーの言葉に一樹はピシッと固まる。諸事情でセリーも整備室暮らしとなってしまったのだが、流石に女の子(その正体は宇宙恐竜だが)に冷水シャワーを浴びせる訳にいかない。

「…セリー。ちょっと待っててくれ」

一樹は急いで携帯を取り出した。

 

「…ふぅ。お待たせ雪恵。部屋入ろうぜ」

「あ、うん。かーくんとのお話終わった?」

「おう」

雪恵に返事をして、一夏が部屋の鍵を開ける…

 

「あ、お帰りなさい」

 

バタン

すぐさま扉を閉める一夏。そして扉の表札を確認する。

「…うん、1025室だよな。雪恵、俺の目おかしくなってないよな?」

「…大丈夫。私も1025室に見える」

「よし、今のは聞き間違いだよな。俺と雪恵の部屋に楯無さんがいる訳が…」

ガチャ

「おかえりー」

「やっぱりいやがったァァ!!!!」

「もう一夏くん。そんな乱暴な言葉遣いはいけませんよ」

「誰が原因だと思ってるんですか誰が」

「まあまあ落ち着いて一夏くん」

「落ち着けませんよ!雪恵も何か言って…」

一夏が雪恵の方を向くと…

「うんうん、分かった。これからセリーちゃんを連れて来て。今まだどっちも入ってないから」

一樹と電話してる雪恵がいた…

「あらあら雪恵ちゃーん?旦那様と電話中かな?」

獲物を見つけたとばかりに、目を光らせて雪恵に詰め寄る楯無。

「あ、はい」

それに対して雪恵の答え方はあまりにアッサリしていた。

「あ、あれ?」

思ってたリアクションではなく、楯無も反応に困っていた。

「…楯無さん。雪恵相手にその手のからかいは通じませんよ」

「そ、そうなんだ…と、ここに来た目的果たさなきゃ。一夏くん。非公式な情報なんだけど、例の亡国機業がアメリカの軍事施設を襲撃したわ」

楯無は、先ほど一樹から聞いた情報を話してくる。確かに、一夏がS.M.Sに所属してることを知らない以上、自衛のために情報を提供するのはおかしくない。おかしくないのだが…

「(情報量少ないよ…)」

襲撃した機体等は話してくれないのだ。これでは『ただ警戒しろ』と言われただけに思ってしまう。

「…情報ありがとうございます。次来た奴は必ず生け捕りしますから」

当然そんなことを思ってるのは表情には出さずに、楯無に礼を言う一夏。

「いやいや生け捕りとか気にしなくて良いから。私としては…一夏君より櫻井君の方が心配」

「「は?」」

楯無の口から予想外の言葉が出た事に驚く一夏と雪恵。

「おふざけと真面目なの、2つあるんだけど、どっちから聞きたい」

「…じゃあ、おふざけからで」

疲れた顔で促す一夏。

「うん、まずはおふざけね。また亡国機業がこの学園に襲撃した場合、バーサーカーにならないか心配」

「「あぁ〜」」

納得してしまう2人。確かに最近の一樹は時々バーサーカーになっているので、その予想は分からなくはない。

「…ちなみに織斑君、何でかーくんがバーサーカーになってるか知ってる?」

「んにゃ全く」

即答する一夏にため息をつく雪恵と楯無。

「…私が言うのもなんだけど、櫻井君がキレるのもしょうがないわね…これじゃ」

「でしょ?なのであまりかーくんの前で箒ちゃんたちを煽るようなことはやめてくれます?」

「…私も命は惜しいから、今度から気をつけるわ。と、次は真面目な話ね」

真面目な話、と聞いて一夏と雪恵は姿勢を正す。

「私が心配なのは…亡国機業の狙いが櫻井君になること」




楯無の心配とは…

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