人と光の“絆”   作:フルセイバー上手くなりたい

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展開が中々進まねえ!


やったるでぇ!


…頑張りますはい。


Episode74 依頼-リクエスト-

一樹が学園を去ってから早数日、俺と箒は黛さんから話を聞いていた。

「雑誌のインタビュー…?」

「そうそう。あれ?2人はこういうの初めて?」

「「はい」」

息を揃えて頷く俺たち。箒の顔が赤くなってる。何故だ?

「そっかー。専用機持ちっていうのは結構モデルとかやる人が多いんだよね〜」

「へえ。ってことはセシリアとか鈴とかやってるのか?」

何気なく後ろにいるセシリアと鈴に聞いてみる。箒は気付いてなかったのか、ギョッとしていた。おいおい、気配を感じただろ?

「当然ですわ!」

腰に手を当てるお約束のポーズが決まっている。

「私ほどの者になれば…」

うんたらから

「…というわけでして…」

うんたらから

「長いよ⁉︎『やったことがある』の一言で良いじゃん!男の子は長話する人は嫌いなんだよ⁉︎」

雪恵が渾身のツッコミを入れた。いやまあ、確かにあまりにも長い話は嫌いだけどさ。雪恵のソレは一樹のじゃないか?アイツは射程以外、長すぎるのは嫌いだったような気が…

「ッ⁉︎し、失礼しましたわ!」

雪恵の言葉を聞いた途端、セシリアは話すのをやめた。すごいな雪恵。

「まあ、セシリアの話が無駄に長いのは置いといて」

「無駄⁉︎無駄とおっしゃいましたね鈴さん!」

鈴の言葉が聞き捨てならなかったのか、セシリアが大きな声を上げる。そんな大声出すと喉に悪いぞ?

「代表候補生ってのは、その国、企業のアイドル的扱いになってたりするからね。アタシもやったことあるし」

「へー。シャルは無理だったとして、ラウラは?」

「わ、私は一度だけ雑誌のグラビアを飾ったぐらいだ…」

恥ずかしがながら言うラウラ。そんなに嫌だったのか?

「ねえ一夏。僕は無理だって、どういう意味なのかなかな?」

はっ⁉︎シャルの顔から黒いオーラが!笑ってるのに笑ってない⁉︎

「い、いやだって、シャルは非公式のパイロットだって言ってたし、あの時は男装してたみたいだし…」

理由を必死に説明する俺を、雪恵は冷たい目で見てくる。俺にMっ気はないぞ⁉︎

「今のは織斑君の言い方が悪いよ」

「大変申し訳ありませんでした」

自分が悪いと思ったら謝るのは大事だよな、うん。

…あれ?さっきのシャルのオーラって、確か雪恵にも…ハッ⁉︎

「……」ニコッ

元祖来たぁぁぁぁぁ⁉︎こ、怖い…マジギレした時の一樹並みに怖い…

「…次は無いよ?」

「イエス、マム」

専用機持ちの中で、実は雪恵が1番強いのではないかと思う今日この頃。

「それは織斑君だよ?私むしろ1番弱いよ」

どの口が言ってるんですか!

…というかさっきから思考が読まれてる件。

「なんか、こうして見てると雪恵ちゃんってお母さんみたいだよね」

ふと思ったのか、シャルが言ってくる。

「シャルロットちゃん程じゃないよ。女手一つで13年間も子供を育てたシャルロットちゃん程じゃ」

「ねえちょっと待って!それ僕じゃないから!僕まだ高校生、分かる⁉︎」

「えーっと、どこかにクリーム色の長髪を、尻尾の様に肩に掛けてる男子生徒が…」

「一夏もノらないで⁉︎」

「そういえばシャルロット。アンタいつからブロンドだったっけ?茶髪じゃなかった?」

「鈴まで⁉︎」

シャルがみんなからいじられていると、痺れを切らした黛さん。

「あのー、そろそろ本題に戻っていただけると…」

「あ、すみません!雑誌のインタビューですよね?」

「そう!放課後にまた聞くから、少し考えといて。あと…」

黛さんは声量を落とすと、俺と雪恵に小さく聞いて来た。

「…櫻井君のことで、何かわかったら連絡するね。今、楯無(たっちゃん)が調べてるところらしいから」

「「⁉︎」」

俺と雪恵の顔に、驚愕が走る。つまり…

「櫻井君がいなくなったのが、あまりにも急すぎるから…誰か、裏工作をしてるのかもしれない。2人は特に櫻井君と親しかったから、気をつけて」

「「お気遣い、感謝します」」

 

 

「___って訳だ。地球(こっち)より、宇宙(そっち)の方が適任だろ?」

『了解、完成したら報告するよ』

一樹はS.M.S社長室から、宇宙にいる祐人と通信で会話をしていた。ほぼタイムラグが無いのが不思議で仕方ない。

『にしても、フリーダムもダメだったとなると相当シビアな反応速度になるぞ?』

「むしろそれが丁度良いよ。俺には」

『それもそうか。じゃ、こっちは作業に移るな』

「ああ、頼んだ」

祐人との通信を切ると、一樹はトレーニングウェアに着替え、灼熱地獄へ向かおうとする。

『マスター、今日はダメ。昨日のダメージが残りすぎてる』

先日、再会を果たしたミオが一樹を止める。

「……」

『ちょマスター⁉︎なんで無言で首飾りを外そうとしてるの⁉︎』

「…協力してくれるんじゃないのか?」

『それはそれ、これはこれ』

しれっと言い放つミオ。一樹はコアである首飾りを外すと、部屋へと向かう。

『ああマスター⁉︎置いてかないで‼︎』

 

 

放課後、部活に向かおうとする箒に俺は話しかけた。

「なあ箒。さっき黛さんに言われた件、どうする?」

「当然断る。見世物など、私の主義に反するからな」

「ま、そうだよな。俺もそういうの苦手だし」

良かった、箒も断るみたいだ。俺がほっとしていると、その黛さんがやってきた。

「やっほー、お待たせ〜。それでね、取材の件なんだけど」

「ああ、すみませんけど…」

俺が断ろうとしたところを、黛さんの言葉に遮られる。

「じゃん!この豪華一流ホテルのディナー招待券が報酬よ。もちろん、ペアで」

そう言って、黛さんはホテルのパンフレットを俺と箒に渡してきた。

…うわ、このホテルかよ。一樹と宗介と行って、『バーの雰囲気は良いけど、レストランはダメ』の共通認識のところじゃねえか!余計行きたくね…

「受けましょう」

おいコラちょっと待て

「え?ほんとに?篠ノ之さん、こういうのイヤかなーって思ったのに」

「何事も経験ですから」

だから…

「そっかぁ。じゃあ決まりね。織斑君もそれで良いよね?じゃあ明後日の日曜日に取材だから、この住所にお昼の2時までに来てね」

そう言って、黛さんは去っていった。

…俺の意思を聞かずに。

「…おい箒」

「何だ?」

「主義はどうした」

「わ、私は柔軟な思考を持っているのだ!」

そう言って目をそらす箒。なんだそりゃ…

「い、一夏!」

「ん?」

「こ、このディナー、一緒に行かないか⁉︎」

うーん…正直あまり乗り気じゃないんだけど…断るのも悪いし。何より折角の高級店のタダ飯だ。行かないと勿体無いな。

「おう、強制的に受けさせられるんだ。これで報酬も貰えないなんて言ったら怒るぞ」

まあ、少しくらい皮肉を入れても良いだろう。

 

「(よし…よし!一夏と高級ホテルのディナーだ!)」

恋する乙女には、一夏の皮肉が聞こえていなかった。なんとも都合のいい思考回路である。

 

 

「はぁ…面倒くせえ…」

「いやまあ、気持ちは分かるけどさ?箒ちゃんの前でそれはやめてあげてね?」

その日の夜、夕食を取り終えた俺と雪恵は部屋でくつろいでいた。取材の件を話すと、雪恵は苦笑いを浮かべる。

「隠し通さなきゃいけないのも大変だね?織斑君」

「一応、在学中はどこにも所属してないって事にしておかないと、面倒だからな」

しかし、S.M.S以上の企業から声が来るわけないしなぁ…俺的にはもうバラしても良いと思うけどな。

「かーくんが頑張ってるんだから、織斑君も頑張らないと」

「そこなんだよなぁ…」

俺以上にこの学園、この世界に振り回されている一樹に比べれば、全然楽なんだけど…俺が喋らなければ良い話だし。

「…あれ?セリーちゃんから電話だ」

雪恵が視線で俺に出て良いか聞いてくる。

「出てやれよ。セリーも寂しがってるだろうしな」

「…ありがと」

雪恵が電話をするために、少し離れると…

 

コンコン

 

扉がノックされた。誰だろうな、こんな時間に。

「はーい、どなた…」

「こんばんは♪」

扇子を持った水色の髪を見た瞬間、俺は扉を閉め、鍵を閉め、チェーンロックもかけた。

「ちょ、フル締め出し⁉︎流石のお姉さんも泣くわよ⁉︎」

「はぁ…」

渋々扉を開けると、泣きそうな顔の楯無さんがいた。

その手に握られている扇子には、『鬼畜』の文字。あなた最近メンタル弱すぎませんか…?

「うぅ…折角櫻井君の情報が入手出来たのにぃ…」

「何やってるんですか楯無さん、早く入ってください。あ、お茶淹れますか?」

「いっそ清々しい程の手の平返しね⁉︎」

何言ってるのやら?お客にお茶を出すのは当たり前でしょ?

 

 

『グスン、グスン…』

「いつまで泣いてるんだよ…」

本日の修行を終えた一樹は、タオルで汗を拭きながらミオに話しかけていた。

『だって…だって、再会してすぐに放置プレイって…マスターの鬼!鬼畜!ドS‼︎』

「ひどい言われようだ…」

改めて剣の首飾りをかけると、猛抗議してくるミオ。

『ふんだ。こんな事するんならもう協力してあげないもん!』

「そうか。ならフリーダムのままで何とかするだけだな」

『ごめんなさいお許しをぉぉぉぉ‼︎』

「素直でよろしい」

一樹の手にかかれば、最強のISコアと言えど、子供と同じだった。

『うぅ…これでも私は篠ノ之博士の最高傑作なんだよ?』

「知ってる」

『それを扱えるってことをもっと考えてさ…』

「最強のISコアだからって萎縮してたら、お前を乗りこなす事なんて出来ねえだろうが」

『…あ、ちょっと今のキュンって来た』

「ああそうかい」

 

S.M.S本社に戻ってから毎日、一樹は暖かい風呂に浸かっている。暖かい風呂がどれだけ贅沢なのか、この数日で改めて実感した。

「あ"あ"あ"あ"生き返るぅ〜」

『もう、マスターったらおじいちゃんみたい』

「…お前は俺の実年齢知ってるはずだが?」

『そうなんだけどね。マスターの動きとか見てるとそうは思えないんだよ』

「まあ、俺自身そんな気はしてないしな。ふとした瞬間に『そういえば俺、何歳だっけ?』と思うけど」

『ふうん』

 

 

「つまり、一樹がいなくなったのは教頭の独断であって、生徒からの訴えではないんですね?」

「うん。櫻井君は極力他者と関わらないようにしてたから、クレームが来るはずが無いんだ。あったとしても、1()()()()()()()1()()1()()()()だね」

「…ん?1学期だけ?」

一樹が退去する前日は含まれてないのだろうか?

「私もそう思ったんだけど、()()()()()2()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()の。なんだかんだ、櫻井君のことを認めてるみたいね」

「…ってことは」

「うん。櫻井君がいなくなったのは教頭の独断」

「じゃあ、かーくんは戻ってこれるんですか⁉︎」

興奮気味に楯無さんに聞く雪恵。

まあ確かに、一樹がいなくなって1番悲しんだのは雪恵だしな。

「…分からない」

しかし、楯無さんの答えは疑問だった。

「独断とはいえ、櫻井君は1度追い出されたのよ?『こちらの判断ミスだったので戻ってくれ』って言われて、戻って来ると思う?」

「「……」」

確かに、普通は戻ってこないよな…

「私も、櫻井君はこの学園に必要不可欠だと思うの。だけど、戻ってきてもらうには、何かが足りない…今はそんな状態なの」

ただ、希望があるというだけ気持ちは楽になった。俺は楯無さんに礼を言う。

「ありがとうございます、楯無さん」

「ありがとうございます、楯無先輩」

「ううん。私は櫻井君に恩を返したいだけだから…ところで、話は変わるのだけれど」

「「はい?」」

「『全学年専用機持ちタッグマッチ』が行われることは、もう知ってるわよね?」

「ええ、まあ」

そういえば、そろそろ組む相手を決めないとな…と、俺が考えていると、楯無さんは両手を合わせて頼んできた。

「お願い一夏くん!私の妹、簪ちゃんと組んで!」

「「…は?」」

 




はてさて、どうなることやら。
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