一夏が楯無から依頼を受けてる頃、一樹はセリーとダンのレストランで遅めの夕食を食べていた。
「カズキ、美味しいね」
「だな。やっぱりダンさんの料理は美味い」
「はは。そう言ってくれると、作った甲斐があるよ」
ダンが笑顔でそう言う。
「…?」
ふと、一樹の首元から火傷が見えた。それだけで、一樹がどんなことをしているのか、分かってしまう。
「……本当にやってるんだな」
「ええ、まあ…」
「俺たちがあまり動けないがために、君には苦労させてしまう…すまない」
「謝らないでくださいよ。その分、ダンさん達には私生活を支えてもらってますから」
「…どうするの?織斑君」
楯無さんが帰ってすぐ、雪恵が俺に聞いてきた。楯無さんの依頼を受けるのかどうかと。
「んー…まだ分かんねえな」
「そう…」
「雪恵はどうしてほしいんだ?」
「んー…こればっかりは簪ちゃんの気持ちもあるからなぁ…」
「そう、そこなんだよ。しかも俺は嫌われてるから、余計にな」
「…多分そこは何とかなると思うよ。
ん?今何か変なルビを振られた気がしたぞ?。
「ちょっと待つんだ雪恵。今、変なルビ振らなかったか?」
「ううん、全く」
『…と、言うわけなんだ』
一夏から、電話で楯無からの依頼を受けようか迷ってることを聞いた一樹。
「…で?何が聞きたいんだ?」
『いや、その…』
「やりたいならやれば良いし、やりたくないならやんなきゃ良い。簡単な話じゃねえか。わざわざ人のまったりタイム潰しやがって」
そう、一樹は珍しく暖かい風呂(2回目)に入り、マッサージチェアを使っていたのだ。微睡んでるところに電話が来たと思ったらコレだ。
『これ、俺個人で考えて良いのか?』
「おう、好きにしてくれ。別にそれの結果でS.M.S所属だって知られる訳じゃないしな」
サイダーを飲んで喉を潤すと、更に続ける。
「別にそこまで気にしなくても良いぜ?『俺はS.M.S所属です』って言わなきゃ、そうそうバレないさ…束さんが口を滑らせなければ」
『一気に不安になったんだが⁉︎』
「こればっかりは仕方ない。まあ、普段束さんは引きこもってくれてるから大丈夫だと思うけど。とにかく、それに関してはお前の好きに動いてくれ。不安なら、雪を通して俺に連絡すればいい。雪ははっきりS.M.S所属だって言ってるから、教室で俺に電話しても問題ないし」
『あ、そっか。その手があったか』
「ひとつだけ。基本最初にはセリーが出ると思う。それを伝えておいてくれ」
『了解、悪かったな』
通話を切ると、一樹は再びマッサージチェアに身を預ける。
「はぁ…極楽極楽」
「はいカズキ。コーヒー牛乳」
「お、サンキューセリー。ちゃんと自分のも選んだか?」
「うん、オレンジジュース貰った」
「なら良し」
セリーからコーヒー牛乳とお釣りを受け取り、マッサージをゆったりと受ける一樹。
『マスターがどんどんジジくさくなってる…私は悲しいよ』
最強のISコアは、嘘泣きも出来る様だ。
「じゃあミオはどんどんおばさんになつてくんだな。時が経つのは早いぜ」
『酷い!マスターは女心を分かってると思ってたのに!』
「え?女心は分からんぞ。分かってるのは、ミオがたまに俺にいじめられてる場面を想ぞ『わーわーわー!
「本音が漏れてるぞ。俺にバレるの知っててやってると思ってたんだけど?」
「カズキ、ちょっとそのアクセサリー貸して。一回焼く」
『セリーちゃん許して!』
「ダメ。ユキエに許可無くそんなことした罰」
『そこを何とか!』
何故ミオとセリーが会話出来てるのかと言うと…ミオは非戦闘時、意識が実体化してるのだ。
…一樹が許可し、一樹から半径3メートル以内と制約はあるが。
「『最強のISコアはなんとドMだった…』って束さんに教えたらなんて返ってくるかな?」
『ドMじゃないよ!マスターに弄られるのがちょっと気持ちいいとか考えてないよ!』
「…カズキ。私そろそろ泣くよ?」
「大丈夫だ。今俺が泣きたい」
『ああああああああああしまったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
ミオがどんどん変態扱いされてる件。
『うう…ただ私はマスターに甘えたいだけなのに、何でこんな目に…』
「なんだ、それならそうと早く言えよ」
『へ?』
一樹はマッサージチェアを止めて、ミオを膝上に乗せる。
『ヘァッ⁉︎』
変身した一樹の様な声を出すミオ。その顔は真っ赤だ。
『ちょ、マスター⁉︎』
「6歳児が変な遠慮するなよ。甘えたい時はそう言え」
『6歳児じゃないし!知能指数は華の女子高生だし!』
「なら降りる?」
『降りない!』
真っ赤な顔でプイッと首を振るミオ。しかし、その手は一樹の腕を掴んで離さず、むしろ自分を包ませた。それを、一樹とセリーは微笑ましく見てるのであった。
翌日、一樹はエネルギーを炎に変える特訓をしていた。
「一応、体は熱に耐えられる様にはなった。次は自分だけで炎を起こせる様にならないと…まずはイメージを掴まないとな」
座禅を組み、自分が炎を発するイメージをする。イメージ自体は割と直ぐに固まった。何故分かるかと言うと…
『流石マスター!イメージに余計なノイズが無いね!』
思考の
「っし!」
ゴオッ!!!!!!!!
一樹の体を炎が包む。
だが…
「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
発火は出来ても、耐火は出来てなかったらしい。だが、コレで発火が任意に出来る事が分かると、何度も何度も炎を纏う一樹。
あの技を、自分のものにするために。
いきなり豆知識!
一樹がそれぞれどう思ってるのか
雪恵
護るべき者であり、大切な人。
たとえ自分がどんなに蔑まれても、雪恵が幸せならそれで良い…
一樹の『嫁』である。異論は認めない。
作者は一応『1番』のパートナーとして書いてるつもりである。
セリー
蔑まれ続けてる自分を慕ってくれている、大切な『家族』
捨てられた彼女が、2度と悲しまない事を祈っている。
一樹にとっては可愛い妹分。
作者は一応『対人外』のパートナーとして書いてるつもりである。
ミオ
たくさんいるIS適正者のなかで、自分を選んでくれた大切な『仲間』。一樹にとっては可愛い妹分。
作者は一応『対人間時』のパートナーとして書いてるつもりである。