地球種最強と言われる奴が!!
『タイラントはやられたが、別に手がない訳ではない』
夜の大熊山に、シャドウはいた。
火口付近の洞窟に躊躇わず入り、ずんずん進んでいく。
『…ふむ、ここら辺か』
洞窟のあるところで止まると、ブラックエボルトラスターを振るった。
ブラックエボルトラスターから放たれた闇が、しばらくその一帯を飛び回る。
そして…
『さあ、現れろ!【バードン】よ!』
闇はある一点で集中し、怪獣の姿へとなる。
《クゥゥゥアァァァ!!》
かつてウルトラマンタロウとゾフィーを一度死まで追い詰めた怪獣、バードンへとなった…
『タロウやゾフィーを倒した個体より、更に毒を強力にしてやった…ウルトラマン、お前はコイツと、どう戦うのかな?楽しませてもらうぞ』
「王手」
「ッ…強いわね」
IS学園の医務室で、一樹と楯無は将棋を打っていた。
「ってか、楯無も十分強いぞ?大会とかで賞取った?」
「小さい頃に、町内会の大会に出たくらいかしら…?」
「ふうん…王手、詰み」
「あぁっ!!?」
「楯無さんでも勝てなかったか…」
「お姉ちゃんに勝った人…初めて見た」
観戦者の一夏と簪が苦笑している。
「もう一回!もう一回やりましょう!」
「別に俺は良いけど…そろそろ夕食の時間だぞ?」
「嘘ッ!!?」
一樹の言葉に、楯無が慌てて時計を見ると、いつもなら夕食を食べている頃だ。
「じ、時間が経つのが早い…」
「将棋が数分で終わる訳ないだろ…なんだかんだ30分は経つぞ。明日、また来るからさ」
「絶対よ!明日は絶対勝つんだから!」
「言ってろ」
じゃ、お大事に。
一樹達はそう言って、医務室を出た。
「この学園、蕎麦も美味いんだな!」
夕食を、ようやく
…無意識に安そうな物を食べるのはいつも通りだ。
「和食も洋食も、中華も全部美味いんだぜ。この味は俺には出せねえな…」
チキン南蛮定食を食べながら言う一夏。
「お前は家庭料理としては充分だろうがよ…普通職人でもない男がおせち作れるかってんだ」
「いや、レシピを見ながらだと結構簡単だぞ?」
「だとよオルコット。ちゃんとレシピ見ながら作って味見をしろ」
「な、何で私を見るんですの!!?」
急に話を振られたセシリアが憤慨する。
「赤色が足りないからって理由でタバスコ入れるようなやつが文句言ってんじゃねえ!」
食に関しては人一倍うるさい一樹の圧に、セシリアはおろおろするだけだ。周りの専用機持ちとしては、『櫻井、もっと言ってやれ』といったところだろうか。
「カズキ、お蕎麦一口ちょうだい。私のも一口あげるから」
「お、良いなそれ。雪も参加するか?」
「うん!」
セリーのナポリタン、雪恵のエビグラタンをそれぞれ一口ずつ交換する。
「うん、ナポリタンはケチャップが濃すぎない絶妙なバランスだし、グラタンもホワイトソースがマカロニと上手く絡まってて美味い!」
少年のような笑顔を見せる一樹。相変わらずそのギャップが凄い。
「一樹、俺とも交換しようぜ」
「ん?なら残ってる肉全部と蕎麦一口分交換な」
「俺だけレートが違いすぎませんかね⁉︎」
「俺と千冬はお前に対して厳しくいくことにしてるんだ」
「関係ないよね!!?それはレート関係ないよね!!?」
「お前は割と思った通りにこの学園動かせれるだろうが」
「どこが!!?めちゃくちゃ振り回されてますけど!!?」
「お前周り見てみ?『そんな馬鹿な』って顔で見られてるから」
「それこそ馬鹿な!!?」
一夏が見た途端、凄い速さで視線を逸らす女子多数。
「なん…だと…?」
「順調にハーレム築いてるからな。卒業する頃にゃほぼ全ての生徒がお前の彼女かもな」
「んな訳あるか!!ってかハーレム築いてねえし!!!!」
「どの口が言ってんじゃごらぁ!!」
「ええ!?そこでお前がキレるの!!?おかしいでしょ!!?」
「上等だ…今すぐ表出ろやごらぁ!!!!」
「ああもうやけくそだ!!!!やってやるよ!!!!」
ちゃっかり食べ終わっていた一樹と一夏が立ち上がる。
『ちょ、マスター!!?そんなことしたら近所迷惑だよ!!?』
『2人が全力出したらここが消えちゃいますよ!!?』
2人の機体がそれぞれ悲鳴をあげるが、興奮気味の男子には聞こえていない。周りの生徒も興味深々と言った顔で2人を見る。
…というよりも、誰1人止められないというのが本音だが。
ドックン
「ッ!!?」
懐のエボルトラスターが反応した一樹は、急に顔を厳しくする。
「…一夏」
「…了解」
一夏も察すると、2人同時に駆け出した。
「雪!セリー!みんなを部屋に行かせろ!」
「うん!」
「気をつけてねカズキ!」
格納庫では、束がチェスターの整備をしていた。そこに、一樹と一夏が駆け込んできた。
「ど、どうしたの2人とも?」
「束!チェスターは動かせれるのか⁉︎」
興奮してるあまり、束を呼び捨てしてる一樹。
「え、えと…δ機だけは…」
「無いよりマシです!一樹は後ろに…」
「いや!俺はバルキリーに乗る!」
一樹の『足』として新たに学園に運ばれたVF-25Fのトルネードパック装備型…それに飛び乗る一樹。
「いつの間に!?」
「飛びながら説明してやるよ!櫻井一樹、出るぞ!」
「ちゃんと説明してくれよ⁉︎織斑一夏、行きます!」
その後駆け込んできた者達は、チェスターの整備中が理由により出撃出来なかった。
『で?何でそのバルキリーが学園に?』
「フェニックスだとジェネレーター出力の都合上、ビーム兵器の威力が期待出来ない…のは分かるよな?」
『まあ、実際乗ってるし』
「で、だ。俺は移動の度に
『…なるほど』
「お喋りはここまでだ。来るぞ」
一樹が言った通りだった。δ機のレーダーが、高速で近づく敵を捕捉した。
《クゥゥゥオォォォォ!!》
バードンを捕捉し、射程に入った瞬間、2機の攻撃が始まる。
《クゥゥゥアァァァァ!!》
バードンは2機の攻撃をものともせずに火球を吐いてきた。
「ッ⁉︎避けろ一夏!」
『分かってる!』
2機が火球を回避してる間に、バードンは学園へと向かっていった。
《クゥゥゥアァァァァ!!》
バードンは着地すると、
「急げ急げ急げ!間に合わなくなるぞ!」
『分かってるよ!』
それを理解してるからこそ、一樹と一夏は自らにかかるGを無視してブーストを全開にしているのだ。
「見えた!」
『タイミング外すなよ一樹!』
「誰に対して言ってやがる!」
一樹のバルキリーが連装ビーム砲、一夏のδ機がクアドラブラスターをそれぞれ撃つ。
《クゥゥゥアァァァァ!!》
バードンの背中に見事命中、注意を2機に向ける事に成功した。
「こっちだ…ついてこいよ」
牽制のミサイルをバードンの足元へ撃つ一樹。変身して戦ったとしても、学園の近くで相手するのにバードンは
『…ッ⁉︎一樹!あそこに人が!』
「あんだと⁉︎」
「みんなダメ!今行ったらかーくん達の邪魔になるよ!」
「わざわざ死にに行く気⁉︎」
雪恵とセリーが必死に止めようとするが、代表候補生達は出撃準備を止めようとはしない。
「…安心しろ雪恵。あの怪獣と戦う訳じゃない」
「じゃあ何で⁉︎」
箒は、紅椿のスラスター推力を調整しながら雪恵に答える。
「無論この準備が無駄に済めば良いのだが…もし逃げ遅れた人がいた場合、私達が囮になるしかあるまい?」
「…ならそれは私がやる。あなた達人間は下がってて」
セリーがその役をやろうとするが、セシリアが首を振る。
「いえ、セリーさんは最後の切り札です。雪恵さんと一緒に学園にいてくださいな」
「…見くびらないで。機体なんかなくても、私はあなた達より強い」
「けど、今のアンタは下手に動けないんじゃない?櫻井がアンタを戦わせたくないってのをあるだろうけどさ。アンタの存在を敵に知られたくないってのもあるんじゃない?」
「……」
鈴の言う通りだ。セリーは以前シャドウに操られて以降、ゼットンへと戻るのを一樹と雪恵に禁じられている。
またいつ、敵性宇宙人に捕まるか分からないから…
そんな時、一樹から通信が入る。
『誰かすぐに飛べる専用機持ちはいるか!とにかく速いやつ!』
すぐさまラウラが答えた。
「1年専用機持ちは全員いつでも動けるぞ!何があった⁉︎」
『体育館前に逃げ遅れてる生徒がいるんだよ!!』
「「「「なっ!!?」」」」
「いや…いや!」
なんでこうなったんだろう…
佐々木綾音はバードンから必死に逃げながら思っていた。
部活動が終わってからも、自主的に練習を続けていたのが悪かったというのか?確かに夢中になり過ぎて、夕食の時間になってしまっていたが、そんなのはいつもの事だった。
バードンの襲撃さえ、無ければ…
「いやだ…死にたくない、死にたくない!」
『頼む!誰か救助に行ってくれないか⁉︎俺達で何としてもコイツを引きつけるから!』
「それなら私が行く!細かい場所を教えてくれ‼︎」
一樹の頼みに、箒が立候補した。確かに、今残ってる専用機持ちの中で1番速く飛べるのは、第四世代機の紅椿を駆る箒だろう。
『体育館と本館を繋ぐ連絡通路のところだ!頼むぞ箒!』
「分かった!任せろ!」
一夏から場所を聞いた箒は、スラスターを全開にして飛び出した。
「なら、私とセシリアが援護に回る!」
「それが1番ですわね!鈴さんにシャルロットさん!ここはお願いしますわ!」
「任せない!」
「ここは任せて!」
ラウラとセシリアが箒の後を追い、役割分担が成立した。
「つう訳だ…絶対に通すんじゃねえぞ一夏!」
『ああ!分かってる‼︎』
バードンにひたすら攻撃する一樹と一夏。
《クゥゥゥアァァァァ!!》
自分を周りをうろちょろ飛び回る2機に苛つくバードン。
その口から、火球が連続して放たれる。
『「チッ!」』
それをバレルロールを駆使して避ける2人。
「怖い…怖いよ…」
恐怖のあまり、頭を抱える綾音。無理もない。10代半ばの少女が、死線を経験してる方が異常なのだから。
「誰か…助けて…」
《クゥゥゥ…?》
バードンは突然2機から視線を外し、
「なっ⁉︎」
『そっちには⁉︎』
『バードン、そっちに進めばお前のエサがある。恐怖に震える小娘がな…』
学園から遠く離れたところで、バードンに指示を出していたシャドウ。
『さて、救助が先か、バードンに喰われるのが先か…実に面白いと思わないか?ウルトラマン』
「間に合え…間に合え!」
箒は出せる全力で紅椿を飛ばしていた。
その目に、恐怖に震える少女が映った。
「ッ!見えた!」
《クゥゥゥアァァァァ!!》
バードンも、体育館に近付いていた。その翼が、連絡橋に向かって振り下ろされた…
崩れる連絡橋、崩れる瓦礫の中で、涙を流す少女…
「ちくしょうがぁぁぁぁ!!!!」
一樹は少女を救うため、エボルトラスターを引き抜いた。
ああ…私…死ぬんだ……せめて、死ぬ前にもう一度、話したかったな。
綾音の目から、涙が溢れる。しかしその涙は、あれだけ恐れた死が訪れる事より、一夏と話せなくなる事だった。
「(さようなら、みんな…さようなら、織斑くん)」
死を察した綾音が、ゆっくりと瞼を閉じる…
「シェアッ!」
だが、地面と激突する前にセービングビュートで綾音は救出された。
ウルトラマンは綾音を救出すると、箒に向かって綾音を預ける。
「(そいつを頼む)」
テレパシーで箒に告げると、箒は力強く頷いた。
《クゥゥゥアァァァァ!!》
「フッ⁉︎」
目の前で獲物を奪われたバードンは、怒り狂ってウルトラマンに襲いかかる。
「シュッ!」
バードンの突進を受け止め、ウルトラマンは学園とは逆方向に投げ飛ばした。
「う、うう…」
「気がついたか⁉︎」
気絶していた綾音が目を覚ますと、いつも一夏の周りにいる黒髪ポニーテールの少女がいた。
「確か…篠ノ之さん?」
「ああそうだ!怪我は無いか?」
「う、うん…多分。ねえ、私を助けてくれたのって、篠ノ之さん?」
「いや、私では間に合わなかった。あなたを助けたのはウルトラマンだ」
「ウル、トラマン?」
《クゥゥゥアァァァァ!!》
「フゥッ!」
バードンの頭突きを受け流し、その胴に回し蹴りを放つ。数歩下がったバードンに、渾身のストレートキック。
「ハッ!」
《クゥゥゥオォォォ!?》
学園から上手く引き離せてこれたため、ウルトラマンはジュネッスへとチェンジする。
「フゥッ!シェアッ‼︎」
『ふむ…バードンの危険性をどうやら知っているようだな。さっさとメタ・フィールドに送るつもりなんだろうが、そうはいくか』
シャドウの目が、フード越しに不気味に光った…
「……ッ」
「…どうした?」
突如綾音の目が不気味に光ると、綾音を支えていた箒の手を振り払った。
「ッ!止まってくれ!」
箒の制止も虚しく、綾音は窓から飛び出し、ウルトラマンとバードンの戦場へと走り出した。
「シュウッ!ハアァァァァァァ…フッ!デェアァァァァ‼︎」
ウルトラマンはバードンを確実に隔離するために、メタ・フィールドを展開した。
そして綾音は、その光のドームへと飛び込んでしまった…
「メタ・フィールドの展開を確認…織斑先生、突入許可を!」
『ああ!だが、今行けるのはお前だけだ…くれぐれも、無茶をするなよ!』
「了解!ジェネレーター、フルドラ…」
『待ってくれ一夏!』
メタ・フィールドに突入しようとした一夏に、箒からのプライベート・チャネルが飛んでくる。
「何だよ箒」
『メタ・フィールドに行く前にひとつ報告だ…今、救出した生徒が突然暴れて、メタ・フィールドへ突っ込んでいったんだ』
「何だと!!?」
『理由は分からない…だが、メタ・フィールドに入ったらその事を頭に入れといてくれ…』
「了解だ…箒、ひとつ教えてくれ。その生徒が暴れる前に、何か変わった事は無いか?どんな事でもいい…」
『……私の見間違いかもしれないが』
「ああ」
『その生徒の目が、不気味に光った気がしたんだ』
「なっ!!?」
メタ・フィールド内で、ウルトラマンとバードンは睨み合っていた。
《クゥゥゥ…》
「シュウッ…」
そして、両者は同時に動き出した。
《クゥゥゥアァァァァ!!》
「ハッ!!」
ウルトラマンはダッシュの勢いが加わった飛び蹴りを喰らわせてバードンを怯ませると、そこから怒涛の連続攻撃。バードンの喉元にパンチを放ち、仰け反ったバードンに、回し蹴り。連続攻撃の最後に、強烈なアッパーカットを喰らわせた。
「シェアッ!!」
《クァァァァ!!?》
起き上がったバードンは、火球を連続して放つ。それを、ウルトラマンはアームドネクサスで迎撃する。
「フッ!シュ!ハァッ!」
火球を迎撃しきると、パーティクルフェザーをバードンに放つ。
「ハッ!」
パーティクルフェザーはバードンの腹部に見事命中した。
《クァァァァ!!?》
パーティクルフェザーのダメージに怯むバードン。
「フッ!シェアッ!」
そんなバードンの背後に、マッハムーブで移動すると、ボレーキックでバードンを蹴り飛ばした。
「デェアッ!!」
「メタ・フィールド、突入成功!」
よし、次は箒が言っていた生徒を探してと…
あ、いたいた…って、あれ?あの顔は…
「……綾音?」
「フゥゥゥゥ…デェアァァァァ!!!」
頭上高く持ち上げたバードンを、ウルトラマンはメタ・フィールドの大地に叩きつけた。
《クゥゥゥアァァァァ…》
「……ここは、どこ?私、何でこんなところに……?」
綾音が意識を取り戻すと、そこは見覚えのない空間だった。
「フッ!ハッ!」
《クァァァァ!!?》
少し離れたところでは、いつの間にか赤い姿に変わったウルトラマンと怪獣が激突していた。
「ってことは…ここはウルトラマンが作った、戦いのためのフィールド?」
《クァァァァ…》
ウルトラマンのストレートキックで蹴り飛ばされたバードン。ウルトラマンはトドメを刺そうと、両腕にエネルギーを溜め始める。
「フッ!シュウッ!フアァァァァ…」
「ッ!!?ダメだ一樹!怪獣の近くには、人がいるんだ!!!!」
「フッ!!?」
一夏の叫びに、ウルトラマンは動きを止める。バードンはその隙を逃さず、火球を放った。
《クゥゥゥアァァァァ!!》
「グアァァァァァァァ!!?」
人がいるということに動揺していたウルトラマンは、その火球をまともに喰らってしまい、メタ・フィールドの大地に背中を強打する。
「グゥッ!!?」
ウルトラマンが転がっている間に、バードンは綾音を捕食しようと歩き出す。
「い、いや…」
綾音はどこかに隠れようとするが、そもそもメタ・フィールドはウルトラマンが全力を出すために作った空間。人が隠れるようには出来ていない。
「こ、来ないで…」
さらには何かにつまづき、転んでしまう。
「きゃっ!」
「綾音に近付くな!!!!」
バードンに向かってクアドラブラスターを連射する一夏。
そんな一夏に、バードンは火球を放った。
「ッ!!?」
一夏は何とか回避するが、その隙にバードンは綾音に近付いてしまう…
「いや…来ないでぇぇぇぇ!!!!」
《クゥゥゥアァァァァ!》
綾音の悲鳴も虚しく、バードンの鋭い嘴が、綾音に迫る…
「フッ!!?シェアッ!!!!」
何とか起き上がったウルトラマンは、マッハムーブを使って何とか綾音を救おうとする。
「いやぁぁぁぁぁ!!?」
思わず顔を覆う綾音。しかし、いつまで経っても衝撃が来ない。綾音がゆっくりと顔を上げてみると…
ピコン、ピコン、ピコン…
「グッ、グゥッ…」
綾音とバードンの間に、ウルトラマンがいた。その背中に、バードンの嘴が突き刺さっていた…
「たす、けてくれたの?」
だが、そんなウルトラマンに怒ったバードンが、連続で嘴を突き出す。
《クゥゥゥアァァァァ!!!!》
ドスッ、ドスッ、ドスッ
「グッ⁉︎グオッ!?グアァァァァァァァ!!?」
しかし、どれだけ刺されようとも、ウルトラマンはそこを動かなかった。
「やめろ!やめろやめろやめろぉぉぉぉぉ!!!!」
ひたすらバードンの背中を攻撃する一夏。
「こんなところで!ソイツを殺させてたまるか!!!!」
ウルトラマンの力が弱まってるからか、メタ・フィールドが消滅していく。
それは、学園で見ることが出来るほどに…
ドクン
「ッ!!?」
「ユキエ⁉︎」
いきなり胸を押さえて蹲る雪恵に戸惑うセリー。
「どうしたのよ雪恵!」
「雪恵ちゃん、大丈夫⁉︎」
鈴とシャルロットが雪恵に駆け寄る。
「痛いよぉ…苦しいよぉ…」
メタ・フィールドが消滅し、箒達の目にバードンに背中を攻撃されてるウルトラマンの姿が映った。
「奴の注意を引くぞ!」
ラウラの指示により、3人はバードンの目を集中的に攻撃した。
《クゥゥゥアァァァァ!!?》
流石のバードンも、目を攻撃されたことにより怯んだ。
その隙に、ウルトラマンは両手で綾音を包むように持つと、学園のシェルター前に寝かせた。そして、ふらふらながらも立ち上がり、バードンを見据える。
《クゥゥゥオォォォォ!!》
そんなウルトラマンに向かって吠えるバードン。
「シュウッ!フアァァァァ……フンッ!デェアァァァァ!!!!」
ウルトラマンはボロボロの体で出せる最大の技、ネオ・ラムダスラッシャーをバードンに向けて放つ。
《クゥゥゥアァァァァ!!?》
ネオ・ラムダスラッシャーはバードンに直撃。バードンはその翼を羽ばたかせ、逃走した。
ウルトラマンはそれを追うことが出来ず、膝をついて消えていった。
「ゴボッ…」
変身を解いた一樹の体は、異常な程痙攣を起こしていた。
「一樹!」
そんな一樹を医務室へ運ぼうとする一夏。
「今カズキを下手に動かすな!!!!」
そんな一夏に、珍しく大きな声を上げて止めるセリー。
「どういうことだよ!!?」
「見て分かんないの⁉︎カズキは今、毒に苦しんでるんだよ!!下手に動かしたら全身に毒が回って死ぬよ!!!!」
「ッ!!?」
「ユキエが急に蹲ったから嫌な予感がしてたんだ…お前は何してたんだ!!?」
一夏の胸倉を掴み、かつてないほど冷たい目で睨むセリー。
「やめ、ろセリー…ゴボッ⁉︎」
そんなセリーを、一樹が止める。
「カズキ!!?」
一夏を突き飛ばし、一樹に駆け寄るセリー。
「今、雪恵との繋がりを切った…だから、アイツは大丈夫だ…」
「カズキ!今無理に喋っちゃダメ!毒が全身に回っちゃう!!」
必死に一樹に声をかけるセリー。それを、一夏は呆然と見ていた…
まずはひとつ。
遅れてすんませんでした!!
多分次も遅れます…
気長にお待ちください…