この魔力使いに祝福を!   作:珈琲@微糖

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第1章 この素晴らしい世界に転生を!
第一話 - この異世界で現実を!


異世界の街、と言われると普通の人はどのような風景が思い浮かぶだろうか。

俺は今、想像していた通りの石畳の街を歩いていた。

 

「…本当に異世界に来ちゃったのかぁ…」

 

誰にも聞こえない位、小さな声で呟いた。

 

ここにたどり着くまでに色々あった。目を開いたら森の中に居たり、街を探して平野に出たと思ったら巨大なカエルから逃げることになったり…偶然行商人の一行を見かけ、見つからないように着いて行ったら今の街にたどり着いた。

 

曰く、その街はアクセルと言うらしい。

曰く、その街は駆け出しの冒険者が集まるらしい。

 

街中でそのような情報を集めた俺は、街にある冒険者ギルドに向かっている。

 

「ただ、この格好はちょっとなぁ…ちょっと浮いてるし…」

 

今の格好はジーンズにTシャツとファンタジーな世界には似つかわしくない格好だった。

 

「まぁ冒険者になって金を稼いだら服も買えるようになるか…」

 

そう、独り言を呟くとギルドに向けて歩を進めた。

 

 

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「冒険者登録ですね、それでは登録手数料が掛かりますが大丈夫ですか?」

 

「すみません…出直してきます…」

 

拝啓 父さん、母さん。

異世界でも、現実と言うものは残酷なものなんですね。

 

登録を一度諦めた後、ポケットの中を探ってみるが、見事にすっからかんでした…普通そういうものって旅立つ時にもらえるんじゃないのか!?

 

肩を落として、併設されている酒場の席に座る。自分でも吃驚する位落ち込んでいた。

 

「おいおい兄ちゃん、この辺じゃあ見ない顔だが、冒険者になりに来たのか?」

 

顔を上げると、ガタイの良い男が話しかけてきた。…お金なんて持ってないし早くお帰り願いたい。

 

「ええ、ですが放っておいてください…お金なんてありませんから…」

 

「はっはっはっ!そんな事だろうと思ったわ!…ほれ。」

 

そう男が言うと目の前に数枚の硬貨が置かれた。

 

「ですよねー…って…えっ?」

 

「それは俺からの餞別だ、手数料の1000エリス。…命知らずが、ようこそ地獄の入口へ!」

 

やばい、凄く泣きそう…これが人の暖かさか…

 

「あ……ありがとう…ございまず…っ…」

 

「良いってことよ!それじゃあな。」

 

涙を堪えて男に深々とお辞儀をする。静かに元の席に戻る背中はとても恰好良く見えた。…今度会ったときにはちゃんとお礼をしよう。

そう思い、再度受け付けまで歩みを進めた。

 

 

================

 

 

「それでは、改めて説明をしますね。」

 

受け付けのお姉さんに登録料を渡すと、凄く微笑ましいものを見る表情で見られながら再度説明を始めた。…さっきのが見られていたんだろうな。

 

「つまり、冒険者には職業があって、就ける職はステータスで決まる…と言うことでよろしいですか?」

 

「はい、それがこの"登録カード"に記録されます。冒険者が討伐を行った数や、スキルを覚えたりするのもこのカードで行います。レベルが上がるとスキルを覚える為のポイントが与えられるので、頑張ってレベル上げをしてくださいね。」

 

成程、とりあえず冒険者と言うシステムについては分かった…と思う。

詳しい内容はその内覚えるだろう…そう思い、ステータスを測る為の水晶に手を添える。

 

「…はい、ありがとうございます…コセキアキラさん…ですね。どれどれ…筋力と知力が平均に比べて少し高めですね…これなら"ナイト"や"アーチャー"辺りがなれますね…一応、最弱職の"冒険者"にもなれますけど……

 

「えっと、それぞれ特徴を教えて貰っていいですか?」

 

受け付けのお姉さん曰く、"ナイト"は文字通り剣を扱う前衛職、"アーチャー"は弓を扱う後衛職で、"冒険者"は誰でもなれる最弱職…だが、全てのスキルを覚えることが可能らしい。その分、取得に掛かるポイントが多くなるのでどうしても器用貧乏になってしまうらしいが。

 

…これってパーティーを組んでいない内は冒険者がいいのでは?前衛職をしたとしても援護が無ければ敵に囲まれた時に打開策がなくなる。だからと言って、後衛職を選ぶとしてもヘイト役が居ないので接近された時にどうしようも無くなる…。

 

「職業って、転職は出来るんですか?」

 

「はい、ですが一度転職をしてしまうと2週間程は転職は出来ないことになっています。」

 

「成程、それでは"冒険者"でお願いします。」

 

それを聞いて安心した。ならばパーティーが決まった後にメンツに合わせて転職をすればいいだろう。

 

「分かりました、"冒険者"ですね…って、えっ!?本当に"冒険者"で大丈夫なんですか!?」

 

「ええ、まだパーティーも決まっていないので、それが決まったらメンバーを見てバランスを取れるようにした方がいいと思いましたので。」

 

「なるほど、そういうことですか。それでは…冒険者ギルドへようこそ、アキラ様。スタッフ一同、今後の活躍を期待しています!」

 

こうして…俺、小関彰の冒険者生活は始まった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すみません。急なんですけど、お給料が日払いの仕事ってありませんか?」

 

「えっ」

 

…始まった!




ここまでご覧頂きありがとうございました。
次回から漸く原作1話に入れると思います。
引き続きマイペース投稿となりますが、また見て頂ければ幸いです。
それではこの辺りで失礼します。
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