チベット系騎馬民族の
この氏族では、男子は15歳になると、馬一頭と刀剣一本のみを携えて氏族を去り、猛獣が
生還した者のみが戦士として再び氏族に迎え入れられるが、この2年間で命を落とす男子は多かったという。
現代でもバックパッカーとなる者の多くには、この氏族との遺伝的つながりがある、というミスカトニック工科大学の研究結果がある。
民明書房刊『世界の通過儀礼〜一人前になったら友だち100人できるかな〜』より
駆逐艦や軽巡洋艦のいない海域は、彼女たちの独壇場であった。
敵の潜水艦や空襲は、彼女たちにとっては驚異とならない。
たまに出没する駆逐艦にさえ気をつければ、損害も発生しようがない。
伊47、伊201、伊203、スキャンプ、サーモン、
鎮守府に帰投した潜水艦娘たちが、桟橋に内火艇やドラム缶を陸揚げしている。
昭南本土航路の潜水艦哨戒。
南方資源地帯の燃料やボーキサイトも持ち帰れる、提督お気に入りの出撃だ。
インドネシアのスマトラ島東岸とリンガ島に挟まれた重要航路を守る、リンガ泊地がある南西海域は宝の宝庫。
天然資源に恵まれたボルネオ島(カリマンタン島)北岸の小さな港湾国家、ブルネイ。
ボルネオと、インドネシアにも近い、フィリピン諸島南西のタウイタウイ島。
東南アジアからインドへと通じるマラッカ海峡の
国際物流の一大ハブ拠点である、マレーシア南端の昭南(シンガポール)。
ジャカルタ、スラバヤの二大貿易都市を擁するジャワ島。
この海域への出撃や遠征は、どれもリターンが美味しい。
「ammira……違う、提督さん。艦隊帰投だお」
「あ、あたしにBattle star? まあもらっとくけど……そんな働いたっけ?」
「お疲れ様、」
出迎えた提督も、資源のプラス収支にニコニコ顔。
嬉しそうに潜水艦娘たちにお菓子を配っている。
「最近の潜水艦は甘やかされてるでち」
一方、ほぼ同時に、北方海域キス島の前面から単独で帰投した
提督指定の機能美あふれる水着も、あちこち破れてボロボロだ。
使い捨てにできる予備
「ゴーヤも早く
「提督のラーメン、期待しちゃうなのね~」
「はっちゃん、楽しみ! うふふっ」
鎮守府庁舎に向かうと、そのキスクル仲間たちはすでに入渠を終えていた。
このキスクルメンバーはその昔、南西諸島オリョール海の潜水艦周回も行っていたメンツでもある。
時には単艦・赤疲労・無補給のままに周回を重ね、ブラック出撃の代名詞となりながら、鎮守府の稼ぎ頭だった旧オリョクル。
だからこそ、彼女たちは色々と優遇されていた。
掃除当番が免除されたり、寿司ネタがランクアップしたり、酒保の駄菓子が1つ無料だったりと、ささやかなものばかりだが。
そんな優遇の中に、提督が週に一度は手作りする『オリョクルラーメン』があった。
最初は軽い慰労のつもりで作り、潜水艦娘たちが喜んでくれて、次もせがんでくるのでずっと同じものを作り続けているが……。
その正体は、提督が独り暮らし時代によく食べていた、インスタントラーメンでしかない。
「提督、お腹すいたでち」
「イクもなのねっ」
「はいはい、今作るからね」
使うのは『明☆チャ〇メラ』のしょうゆラーメン。
ホタテと香味野菜の旨味が溶け込んだ、ホッとする優しい味わいの、透明感ある醤油スープに感じる昭和ノスタルジー。
これをほぼ指示書きの通りに作るだけだが、少しだけ独身男の涙ぐましいライフハックが加わる。
まず、古典的な揚げ麺にスープ粉という古典的インスタント袋麵の弱点である、本物のラーメンの脂分の浮いたコクのあるスープが再現できない点を補うため、チューブ入りの豚ラードを3~5cmほど丼に出しておく。
この手の豚ラードはスーパーで手軽に手に入り、真夏以外は冷暗所で常温保存しておけるし、チャーハンの炒め油に使うと味が別次元に昇華するので、独り暮らし時代は常備・愛用していた。
昔は茹で汁を捨てて、別に沸かしたお湯で粉スープを溶いて、揚げ麺から出る油を抜いたクリアなスープを作る、という小ワザも併せて使っていたが、ここ数年はもうやっていない。
ノンフライ麺に液体スープの新興インスタント麺が進化しており、さらにはその上位互換である半生麺の名店再現系の箱入り商品にいたっては、麺もスープもほぼ90%以上の輪郭で「本物のラーメン」を再現してきている。
それらを食べてしまった後では、茹でた揚げ麺を湯切りしてラーメン屋ごっこをして悦に入っていた若き日の自分が恥ずかしくなった。
そして我に返ってみると、逆に揚げ麺ならではのスペックを殺してしまっていたことに気づいたのだ。
「チ〇ンラーメン」のような味付きの揚げ麺にお湯をかけるというスタイルに、粉スープを別添するスタイルを1962年に初めて採用して殴り込んだ元祖が「スープ付明☆ラーメン」で、その後継者こそが『チャ〇メラ』である。
一方の業界の雄である『サッ〇ロ一番』シリーズは、みそ・しお・しょうゆで使用している麺が異なり、それぞれ味噌・山芋粉・醤油が練り込んであって、それらが溶けだした茹で汁で粉スープを溶くことにより、味が完成するように設計されている。
その貴重な『サッ〇ロ一番』の茹で汁を、わざわざ捨てたことが何回あったか。
そもそも、揚げ麺から出る油を抜いたクリアなスープ、とか言っておきながら、豚ラードで脂分を補強するという自己矛盾……。
罪悪感に
おっと、話がそれたが、第二のライフハック、それは煮豚(チャーシュー)。
提督はひまを見つけては、ブロック肉で煮豚を仕込んでいるので、それをスライスして具を用意しておく。
独り暮らしの頃はスーパーで買ったものを使用することも多かったが、それでもコスパの良さからブロックのものを買っていた。
独り暮らしでは食べきれずに冷蔵庫で転がしているうちに悪くしてしまうのでは、と心配する方には、まず開封したとたんに半分に切って、後半使用する分を厳重にラップで巻いて空気抜きしておく技をおススメします。
さらにはブロックの煮豚を切りだしてサイの目にし、長ネギをみじん切りにして、さっきの豚ラードをたっぷり使って、手早くチャーハンを作ったりすると、ちょっとした中華屋ごっこ気分で休日の昼食が一大エンターテイメントになってストレス解消に……。
ええと、また話がそれたが、第三のライフハック、それは小口切りにしたネギの常備。
ネギを切るのは一度に大量にやってしまい、2~3食分ごとに小さなジップロックに入れて冷蔵庫と冷凍庫へ送り込んでおくと、手軽にインスタント麺を食べる時などにもさっと投入できて色々と捗る。
それも手間だと思うなら、スーパーで売っているプラスチック瓶入りの乾燥ネギでもいい。
とにかく、独りで何の彩りもないインスタント麺を機械的にすするだけのような日々は、若い内はまだいいが、やがて心を荒ませるので気をつけていただきたい。
おおっと、またしても話がそれたが、第四のライフハック、これが最後です。
その名もズバリ『拉麺胡椒 ラーメンコショー』。
スーパーによっては扱っておらず、ちょっと探す事になるかもしれないけれど、赤の缶に黒字でド直球な名前が書かれた卓上調味料。
「ブラックペパー、ホワイトペパー、ガーリック、オニオンを絶妙にブレンドした、ラーメン専用のブレンドコショーです。ラーメンに一振りするだけで、風味豊かなスパイシーさがお楽しみいただけます。 ~メーカーHPより~」
『チャ〇メラ』にはすでに秘伝のスパイスの小袋がついているので、ちょっと遠慮がちにパラパラと。
こいつの真価は、鶏ガラベースに鰹が香る『昔ながら〇中華そば』にかけて昭和の町中華ラーメンを家で再現したり、チャーハンを作ってイマイチ味が決まらなかった時に開き直ってバサッとかけることで"それらしい"味と香りにまとめることにあるので、備えておいて損はない。
以上、料理というのもおこがましいが、これが『オリョクルラーメン』である。
「うん、美味しいっ!やっぱり出撃の後はこれよね」
「これが一番落ち着くでち」
「天龍さんの魚介豚骨つけ麺も食べたけど、ああいうのは、たま~にだけでいいのね」
「はっちゃん、明日もキスクル頑張ります」
もう一度繰り返すが、ただの『明☆チャ〇メラ』のしょうゆラーメンである……。
一気に寒くなってきた今日この頃。
この鎮守府の兵站は、安上がりに維持されています。
【お知らせ】
活動報告の方にも書かせていただいたのですが、ツィッター(X?)はじめました
@NekoManma_DX
まだまだ不慣れですが、ボチボチと艦これのことなど呟いてます