―――知らない……白い天井だった。
僕の名は最原終一。超高校級の探偵だ。
長い……長い夢を見ていた気がする。
けれども―――僕が見ていた夢は……もう一つの現実だ。
コロシアイゲーム……とても残酷なゲーム。
顔を横に向けると―――赤松さんがいた。
赤松さんは寝たままだった。
「―――赤松さん」
「なに? 最原終一くん」
「…………………………………え?」
逆の方向から声がして、顔を向けると……赤松さんがいた。
「……………え?………………………………あれ?………赤松さんが二人!?」
右と左、交互に首を動かし確認する。うん…赤松さんが二人いる。
すると起きている赤松さんは咳払いをした。
「あっちの世界では君と会ったけど、現実での君とは始めてだね。私の名前は赤松楓です」
赤松さんは丁寧にお辞儀をした。僕もつられてお辞儀をした。
「私の妹がお世話になりました。そして……ありがとうございます」
続けて彼女は言った。……妹?
僕は寝ている方の赤松さんを見た。
「最原くんと初めて会ったのはその子――妹の――赤松紅葉。私の大切で大好きな双子の妹です」
起きている彼女―――赤松楓さんは言った。
彼女は語り始めた。
僕たちは確かに刑罰を受けていたこと。
だけどそれは公的な機関ではなく、ただの私刑でただの逆恨みだったこと。
僕たちは嘘の存在ではないこと。
「けど、紅葉だけは違った」
楓さんは寂しそうに言った。
「紅葉は私のようにピアニストの才能を持っていなかった。その道のプロである私が言うよ。紅葉はピアノをうまく弾ける。だけど私の方が上手い」
楓さんは悲しそうに言った。
「私は紅葉の本当の気持ちを聞きたい。どうして、紅葉は私のフリをしたんだろう」
楓さんはつらそうに言った。
「紅葉は私のフリをして誘拐された。誘拐されても紅葉は私のフリをし続けたんだって……そして、新世界プログラムの中で紅葉は私になった」
楓さんは……………泣いた。
「私……紅葉の気持ちがわからない。だから聞きたい。気持ちを知るのは怖い気もするけど………けれど、聞きたい。聞いて、おかえりって言いたい」
「―――楓さん」
楓さんは涙を拭きながら立ち上がる。
「ちょっと、男の子に泣き顔とか見せられないよ。お化粧直ししてくるから紅葉を見ていて」
そう言って楓さんは病室から廊下へと出た。
廊下から人の声と別の病室の声が聞こえてくる。
「あ、紅葉や皆を助けてくれてありがとうございます。え~と」
「そんな感謝されることはないよ。これが俺の役目だからさ」
「そうだよ。希望の象徴である超高校級を助けるのは僕たちの役目で僕の義務なんだよ」
どこかで聞いた声がした。
「ハ~ン。マドモアゼル。僕の美味しい病院食……如何かな?」
「ひぃ! 男死です! 消えてください死んでください今すぐに!」
「相変わらずじゃのう」
「そうだねぇ」
あぁ、懐かしい声。
「オメー、すげぇな! これを作ったのか?」
「うっせー雑魚! 三下が俺様に話しかけんな!」
「―――控えおろう!」
「ひぃ!……なんだよ…大きな声出すなよぅ」
また、聞きたかった声。
「先生! 百田は、百田は大丈夫ですか!」
「は、はい。大丈夫ですぅ。私の専門ではないですけどこのお薬で百田さんの病気は治ったはずですぅ」
ずっと、会いたかった声。
「東条さん! 大丈夫ですか!」
「大丈夫です。なえ――」
「いえ、大丈夫なわけがないわ」
「そうだよ! 東条さん! この際だから休んじゃおうよ!」
「しかし、それではメイドとして――」
「いいからいいから」
「ふ…ふん。メイドだかなんだか知らないけど、これ以上みんなに迷惑かけるつもり!?」
「腐川さん相変わらずだね……けれどお兄ちゃんの言うとおりですよメイドさん」
――声がする。
もう少し耳を傾ければ、もっと別の声が聞こえるのだろう。
僕は赤松紅葉さんの横顔を見る。
「僕は―――赤松さんの……赤松紅葉さんの声を、また聞きたいな」
僕はちゃんと生きて戻ったよ。
約束を果たしたよ。
だから目が覚めたら―――友達になろう。
はい、つまりコロシアイゲームに参加していたのは赤松楓ではなく双子の妹でしたというオチです。
姉は妹を助けるため奔走し、途中から新世界プログラムに侵入したのが9話です。
妹の紅葉という名は私が勝手に考えました。
さて、公式のゲームのニューダンガンロンパ3の終わり方に怒りと憎しみを覚えた結果、このような作品を創造してしまいました。
もし、この作品を楽しんでいる方がいるのならば幸いです。
また、本当はこれまでの作品の人物の全てを登場させようかなと思いましたがそれだとめちゃくちゃになるので一部の人を登場させました。セリフだけの人が多いですが言葉から察するに誰かはわかるはずです。それを推理するのも楽しそうですね。
皆さま、15日間ありがとうございました。
投稿予約などでリアルタイムではどうなっているかはわかりませんが、もしも好評ならばもう少しだけ続きを書きたいと思っています。
では、ありがとうございました。
追加
2月19日に書くことを忘れていた話を書きます。
なので明日もう一話、18時に投稿します。
明日こそ完結にします。
また、もしかしたら短編集みたいなものを書くかもしれません。
―――明日、完結。
長い間ありがとうございました。
もう少しだけお付き合いください。