東方新記伝   作:黒鉄球

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 どうも作者の黒鉄球です!なんとUA数が10000を越えました!!イェーイ 
 読者の皆様本当にありがとうです!私さらに張り切っちゃいますよー!






第四十話 永夜異変第一話 : 明けない夜

 

 

 

 

 

 皐月「………おかしい」

 

 開口一番がそれだった。昨日俺は確かに眠りについたはずだ。そして起きたのもいつも通りのはずだ。体がそう刷り込まれてるからな。なのに何故だが夜が明けていない。うむ、これはもう異変と呼ばざるを得ないですな。だが今日はあまりで歩きたくない。二週間ほど前の酔っぱらい共の相手をして以来どうもやる気が起きないのだ。クソめんどくせーとしか頭に入ってこない。何処かのIQ200の人でももう少し考えるだろうに。

 

 皐月「あーダメだ今日もやる気が起きんから寝よう」

 

 霊夢「馬鹿言ってないで解決しに行くわよ」

 

 襖を開けて出てきたのは博麗神社の素敵な巫女様で幻想郷内最強の人間と名高い博麗霊夢。片手に払い棒を携えてやる気十分と言った顔をしている。遠足行きたがりの小学生に見えるのは俺だけ……だな。

 

 皐月「行かねぇって。つーかこの異変ってあれだろ紫がやらかしてんだろ?昼と夜の境界を弄って夜を永遠に繰り返してるとかそんなんだろ」

 

 実のところ言うと犯人は大方分かっていた。八雲紫、彼女がこの終わらない夜の犯人だと俺と霊夢は結論づけていた。だが彼女の住処であるマヨイガはそう簡単には行けない場所で……詰まるところ解決しようにも出来ないって言うのが俺の結論。つまり何も出来ん。八方塞がりである。

 

 霊夢「だとしても行くのよ!これが終わらないとあの変な月の事も分からないじゃない!」

 

 霊夢は空に輝く大きな丸い、正確にはほんの少し欠けた月を指差した。あの月の異変に気が付いたのはほんの数日前だ。月を見ながら人里で買ったみたらし団子を霊夢と食べている時に気がついた。あの酒飲みの時に見た月と丸っきり同じだったのだ。月というのは一月周期で満月から新月までの見え隠れするのだ。だから二週間も経てば必ず変化が訪れるはずなのだがどういう訳か一切形を変えないまま月は空へと登っていたのだ。

 

 皐月「だとしてもこの2つの異変ってなんかおかしいんだよなぁ」

 

 霊夢「そりゃあ異変なんだからおかしいでしょうよ。むしろおかしくなかった異変なんてあった?」

 

 何言ってんのこいつみたいな顔で言わない。そりゃ異変だしおかしいけどそういう意味じゃないんだよね。霊夢は気づいてないのか?まぁいい、説明してやるか。

 

 皐月「いいか霊夢。少なくともあの月は二週間前には既に[ああ]なってた状態なんだぞ。なのに夜が続いているのは今この時だ。タイミングが遅いとは思わないか?」

 

 眉をひそめて右手を顎に当てて考える霊夢。やはり気付いていなかったのかこいつ。なんか心配になっちゃうよお父さんは。

 

 霊夢「て事はこの2つの異変はまるっきり別の人物が起こしたってアンタは言いたいのよね?」

 

 皐月「そう言っているが何か?」

 

 霊夢「だとしたら紫は何のためにこんな事を……」

 

 二人で理由を模索していると鳥居の方から気配を突然感じた。霊夢も勘付いたらしく迎撃体制に入った。俺はと言うとすでに誰だか分かっているから何もせず座ったままでいた。どうせ傘を指した金髪美人のあの人だろうし。

 

 紫「あら、警戒しちゃってどうしたの霊夢。何か嫌なことでもあった?」

 

 やはりな。紫以外突然気配が現れるやつなんて思いつかんしな。ん?咲夜?あいつは気配を感じる前に目の前に出てくるから、それ以前の問題だから。

 

 霊夢「そうね、異変を起こした張本人がいきなり出てきたからどの面下げてきたのよとイラッとしたところよ」

 

 紫を敵と見定めているような物言いで紫を見る霊夢。祓い棒を持っている手に力が入っているのが分かる。それもそうだろう。八雲紫と言う妖怪は幻想郷の賢者にして幻想郷創成期メンバーの一人だ。実力も妖力も桁外れにデカイ。正直俺でも勝てるかどうか怪しいところだしな。まぁひとまず落ち着かせることにしよう。

 

 皐月「迎撃体制のとこ悪いけど紫の話を聞いてやれ。張本人が態々退治されるかもしれないところに来たんだ。何か裏があると考えるのが妥当だ」

 

 紫「さっすが皐月、話が早くて助かるわ♪」

 

 はぁ、とため息つきながら俺を見る霊夢。止めろその呆れてものも言えないとかいう視線向けんな。あとなにゆえ上機嫌になったんでしょうかねこの賢者様は。マジで謎いし若干悪寒が……。

 

 霊夢「そんなことより何?」

 

 霊夢の質問に不敵の笑みを浮かべる紫。直感した、コイツ絶対面倒事持ってきやがった。嫌だよ俺行きたくないよ。

 

 紫「貴方達に依頼があるのよ。私と一緒に黒幕を焙り出すのを手伝ってほしいの」

 

 はぁ……やっぱり面倒ごとだったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ――――――同刻魔法の森にて――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔理沙「アリス!異変解決に行こうぜ!」

 

 突然ドアが開いてびっくりしていたところにまたビックリな一言。待って理解が追いつかないわ。ドア→蹴破られる→犯人→魔理沙→異変解決に誘ってきた→はい、意味分からない。頭の中がてんやわんやしてるけどとりあえず落ち着いて………。

 

 アリス「ドア直してね?」

 

 魔理沙「…………はい」

 

 さっきと変わって落胆しながら魔法を用いてドアを直す魔理沙。自業自得なので何も言わないでおく。でも聞きたいことはあるので一先ずなぜここに来たのかを聞こう。

 

 アリス「それでどうして急に異変解決を?霊夢に任せればいいのに」

 

 私の言葉に反応を示すかのように萎れていた帽子がピコッと反応した。待ってその帽子どうなってるの?何かに取り憑かれてるの?霊夢に祓ってもらいなさい。

 

 魔理沙「その霊夢が動かないから私直々に終わらせようと思ったわけだぜ」

 

 アリス「それで私が巻き込まれる理由は?」

 

 魔理沙「今回の異変に興味あるだろ?明けない夜に」

 

 ……まぁないと言えば嘘になるかしらね。夜を続けるなんて芸当私もパチュリーでさえも出来ないことだから。でも巻き込まれ方が理不尽極まりない。要は手伝えって事ですもの。まぁいいけど。

 

 アリス「もう分かったわよ。なら行きましょう、その[永い夜]に終止符を打つために」

 

 口ではそうは言っても内心は楽しみな私である。長い夜が続いてることもそうだけど月が永遠に欠けている理由も気になる。今夜は退屈しなさそう♪

 

 魔理沙「さぁ行こうぜ!霊夢が行動する前に!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ――――――同刻紅魔館にて――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レミリア「………………」

 

 フラン「………………」

 

 咲夜「……………どうなさいましたお嬢様方?」

 

 私はバルコニーにて紅茶を嗜みながら、フランは只々空を見上げていた。そして側にいた咲夜が不思議そうな顔をして声をかけてきた。まぁ正確にはあの偽物の月を見ていたのだけど。どうも二週間ほど前から月がおかしい。何がおかしいのか咲夜は分かってないみたいだけどフランは勘付いてるみたいだった。

 

 咲夜「あの月が何か?」

 

 レミリア「そう、貴方にはあれが月に見えているのね」

 

 咲夜「?」

 

 何を言っているのだろう、そう言いたげな表情をしていた。それもそうでしょうね。普通にしてたら気が付かない微々たる[異変]だもの。人からしてみればただの月、でも吸血鬼たる私とフランは月に精通している種族。倭国の妖怪同様満月になると力を余す事なく発揮出来る。だから月の満ち欠けには敏感な種族。それもあってか月の異変にも今回の明けない夜にもすぐに気付けた。さて………。

 

 レミリア「咲夜」

 

 咲夜「なんでしょうか?」

 

 私は一拍置いて口を開いた。

 

 レミリア「異変を解決しに行くわ。咲夜、あなたも来なさい」

 

 咲夜「!………了解しました。では参りましょう」

 

 咲夜は多少驚いていたが流石紅魔のメイド長と言ったところかしら理解が早くて助かるわ。なんたって月は吸血鬼の象徴、私自らが月を汚した相手に制裁を加えないとね。あと霊夢に貸しを作れるしね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ――――――同刻白玉楼にて――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 妖夢「幽々子様、何故下界に?」

 

 今宵は珍しく妖夢と二人で白玉楼から降りて幻想郷に向かっていた。まぁ[今宵]と言っても実際の感覚としてはお昼何だけどね。紫が幻想郷よ昼と夜の境界を弄って今はある意味夜だからね。

 

 幽々子「異変を解決しによ。ほら、皐月に借りを返したいじゃない?」

 

 扇子をパタパタと扇ぎながら妖夢の質問に答える。前の異変で皐月には多大な迷惑をかけたからせめて彼にかかる負担を軽減させてあげようという私なりの償い。その為には今回の夜の異変……いえ、月の異変を解決しに行かなきゃ。

 

 妖夢「そ、そうです……ね。しかし幽々子様は敵の本拠地が何処だか承知しているのですか?」

 

 幽々子「そこは抜かりないわ。既に[迷いの竹林]だと言う事は紫から聞いてあるからね」

 

 フフン、と胸を張った。何故かその時微かに殺気を感じたけど気のせいよね。決して妖夢が私の胸を妬んで殺気を放ったなんて気のせいよねそういう事にしましょう。

 

 妖夢「………なら飛んでいきましょう。その方が速いですそうしましょう」

 

 幽々子「ああ!ちょっと待って妖夢ぅ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ――――――同刻迷いの竹林にて――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ???「どうやら切れ者が向こうにも居るようね。でも邪魔はさせないわ。これも全ては姫様の……輝夜の意志なのだから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 竹林にある屋敷にて月を見上げて呟く銀髪の女性。この時の彼女は知る由もなかった。よもや敵側に恩人がいる事に。そしてその人物も知る由もなかった。敵側に初めて信用出来た人達がいることに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ???「誰にも邪魔はさせない。今度こそ……守ってみせるわ」

 

 黒い長髪の少女はそう月を見上げて呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 皐月「ちょっと短くね?」
 作者「今回はね」
 霊夢「て事は次は長いのかしら?」


 次回 : 第四十一話 永夜異変第二話 : 魔法詠唱チーム幻想郷を飛び回る


 作者「……………」
 皐月「いやなんか言えよ!?」




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