血を受け継ぎし者   作:怠惰のクソ悪魔

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こんばんわ読者様、怠惰のクソ悪魔です。今回はちょっと可笑しいだろ普通あり得ねえからと東方であり得ないと思われる事もあるかと思いますがお許しください。では本編へどうぞ。


第69話 怨念と怒りと恨みと……

蓮に狗神そして神楽の3人は未だに生徒達の偽物の化け物に追いかけ回されていた。

 

生徒「逃がさないぞ……」

 

生徒「待て~……」

 

狗神「退きやがれ!!」

 

狗神の鉄拳が生徒達の偽物の頭部に直撃し頭蓋骨が粉々になって潰れたパンのようになるがまだ起き上がる。

 

神楽「退きなさい!!」

 

神楽も手足を刀へと変化させて生徒達の偽物の首や足の腱を切り落としていくが首をマミられた奴等は首がマミられた状態で追いかけ腱を斬られた者は手ではって追いかける。

 

狗神「キリがねぇ!!」

 

神楽「ここまでしつこいなんて!」

 

と、2人は蓮と共に逃げながらそう言っていると蓮達の目の前に光が漏れ出す扉が現れる。そこは恐らく出口なのだろう。

 

蓮 「もう少しで出口だよ!!」

 

狗神「全力で足を交互に動かせ!!」

 

神楽「はい!!」

 

3人は光の漏れる扉を抜ける。

 

神楽「我が半身よ!」

 

神楽は自身のおぞましい分霊を2体召喚し蓮達が抜けた門の縁を2体は持つと、

 

神楽「破壊!!」

 

バキンッ!!

 

神楽の半身は門を粉々に破壊した。そのお陰であっちにいた怪物達から逃げ切れた。

 

蓮 「ありがとう2人共……」

 

狗神「良いってことだ」

 

神楽「えぇ……」

 

蓮 「そういえば何で僕の居場所が分かったの?」

 

と、蓮は何故自分のいる場所が分かったのかと聞くと神楽はニコニコと微笑みながら、

 

神楽「それは狗神様の嗅覚でございますよ♪

   それで蓮様の位置を特定したのです♪」

 

狗神「そう言うこった……」

 

流石は元は犬だけあって嗅覚は鋭い。だが蓮はある事に気がついた。

 

蓮 「あれそういばここは何処なのか分かる?」

 

そう今現在いる所がよく分からない。見えるのは地平線の先まで真っ白な世界という事だけだ。

 

狗神「……我の予想が外れてなければ恐らくここは

   夢の世界だ…」

 

蓮 「待って狗神それってあっちの意味じゃ……

   ないよね?」

 

神楽「あっちとはどういう事でしょうか?」

 

と、狗神と神楽は首をかしげている。蓮は青い顔をして、

 

蓮 「夢の国チキ……いや何でもない」

 

狗神「大丈夫か?小僧お前、夢に毒されてない

   か?」

 

蓮 「多分そうだよね?……そうでありたい……」

 

神楽「大丈夫ですか蓮様!?」

 

そう言いながら神楽が蓮の背中を擦る。蓮は苦笑いを浮かべて、

 

蓮 「うっうん大丈夫……そういえば2人がいる

   って事は皆もいるんだよね?」

 

神楽「…えぇ恐らくは………」

 

狗神「ただ何処にいるかはよく分からん……」

 

確かにこんな地平線を見せられると本当にいるのかよく分からなくなってくる。だが蓮はあることを思い付いた。

 

蓮 「ねぇ2人共僕の手を握って」

 

狗神「あっ?…………ちっこれで何も起きなか

   ったらてめぇ殴るからな」

 

神楽「もう狗神さんったら……」

 

狗神と神楽は蓮の手を握り狗神と神楽とで手を握りあい三角形を作ると、

 

蓮 「2人共目を瞑って」

 

狗神「分かったよ……」

 

神楽「分かりました」

 

蓮達3人は目を瞑る。すると狗神は臭いを嗅いだのか、

 

狗神「何ださっきと匂いが変わった?」

 

神楽「蓮様そろそろ……」

 

蓮 「うん」

 

3人は目を開くと先程までの地平線は消えて草木が荒れ果て強い日差しが肌にささる大地いや死んだ大地の上にに立っていた。時々に晴明に呼ばれ夢に行くことが多いのか段々と夢について学び夢へと移動したようだ。

 

蓮 「ここは……」

 

と、蓮は辺りを見渡しているととんでもないもの見てしまった。

 

蓮 「なっ何あれ……」

 

神楽「あれは……」

 

狗神「おいおい冗談だろ……」

 

3人の目の前に写るのは2体の超巨大な妖怪だった。1匹は巨大で長い体で大抵の人間なら険悪している害虫ムカデの超巨大なムカデ、そしてもう1匹は人の形をなしてはいるがそれは人とは言えない超巨大な骸骨の妖怪だった。すると狗神と神楽ある事に気がついた。

 

狗神「小僧!!」

 

神楽「蓮様あれを!!」

 

狗神と神楽の指差す方向にボロボロとなって倒れている紫達の姿があった。それを見た蓮は言葉よりも体が先に動いた。

 

蓮 「くっ!!」

 

狗神「おい!たくっ!神楽!」

 

神楽「分かりました!」

 

狗神の合図で神楽は刀の姿へと変わると狗神はそれを持って蓮を追いかけた。蓮は紫達の元まで向かっていくとそこには紫達に刃を向ける妖怪達がいた。それに向かって蓮は助走をつけつつ跳躍をして、

 

蓮 「必殺~ライ(ピー)ーキック!!」

 

妖怪「ごふつ!!」

 

弾丸のような跳躍蹴りは相手の頭蓋骨を陥没させる。本当に厨二病全快だ。だが周りにいた妖怪達は仲間が不意討ちされたことに一瞬固まるがすぐに拳を構えて、

 

妖怪「貴様!!」

 

その拳で蓮へと攻撃を仕掛けるのだが…………

 

狗神「小僧、神楽を使え!!」

 

蓮 「これで!」

 

狗神は鞘に納められている神楽を蓮へと投げ渡す。蓮はそれをキャッチし抜刀術で拳を構え向かってきた妖怪の首をマミると妖怪の首は勢いよくとんでいき残った胴体は血の噴水を出すと倒れた。

 

蓮 「皆さん大丈夫ですか!!」

 

紫 「ぐっ…私としたことがこんな雑魚達に……」

 

萃香「蓮…私達体が動かないや……」

 

霧雨「何だぜこれ……」

 

どうやら他のメンバー達は体が麻痺しているのか必死に起き上がろうとするがすぐに地べたへと這いつくばってしまう。どうやら体が動かないようだ。

 

狗神「……この匂い…彼奴が…いるのか鷺麿!!」

 

蓮 「えっ?」

 

蓮は狗神の向く方向を見ると崖の上で高みの見物をしている男性に目がいく。その隣には顔や身体中がボロボロとなって霊夢がぐったりとしていた。

 

蓮 「霊夢!!それにお前か!皆をこんな目に

   遭わせたのは…何が目的だ!!」

 

蓮は大声で叫ぶとその高みの見物をしていた男性は薄気味悪い笑みをすると、

 

男性「くくくっハハハ!何故…貴様がここにいる?

   葛ノ葉蓮…貴様はまどろみの中に閉じ込めて

   いたはずなんだがなぁ?」

 

と、男性はそんな見下すようにして蓮を見つつ狗神を見ると、

 

男性「おや?何で出来損ないの狗神ちゃんがここに

   いるかなぁ~?」

 

狗神「てめぇ出来損ない……だと……!!」

 

蓮 「狗神知り合い?」

 

蓮は狗神が強く歯噛みをしているのを見てそう聞くと狗神は憎たらしいのか怒りを込めて、

 

狗神「彼奴は東盧鷺麿…かつて我の主人で我と

   いう存在と我の生を醜く歪めた奴だ…!」

 

蓮 「えっ……」

 

ここまで本格的に怒りを表した狗神を見るのは最初出会った時に追いかけ回された時以来の激怒だと蓮は思った。だがかつて紅霧異変の宴会の時の言葉を思い出す、それは自分を作った奴が憎いという言葉をだ。すると鷺麿はケラケラと笑いながら、

 

鷺麿「狗神、俺の陣営につくといい…我らの方が

   有利だからなぁ……なによりもお前が憎む

   べき安倍晴明の子孫がいるだろ?それなら

   俺と協力しろ……」

 

鷺麿は狗神を勧誘してくる。それに対して狗神は激怒した表情で、

 

狗神「断る!!あの時から我に対して悪いのは

   晴明と何度も言われ続けそれで安倍晴明

   を狙った…だが本当に悪いのらてめぇだ

   鷺麿!!貴様だけは許さん呪い殺すだけ

   じゃすまさねぇ…殺して貴様の骸を烏共

   の餌にしてくれるわぁ!!」

 

狗神の怒りを感じた鷺麿もギロリと蓮と狗神を睨むと、

 

鷺麿「いいだろう…妖怪達よ葛ノ葉蓮達を潰せ!

   だがただ殺すなよ痛ぶって残虐的に殺し

   てやれ!!」

 

蓮 「負けるものか!」

 

狗神「死ぬ覚悟あるだろうな!!」

 

蓮は神楽を構え狗神は拳を構えるが鷺麿はニヤリとまた笑ってぐったりとしている霊夢の髪を強引に引っ張り自分の元まで寄せると首に刀を刃物を置く。

 

霊夢「ぐっ…………」

 

鷺麿「動いてもいいが…博麗の巫女はここで

   死ぬぞ?言っておくがここは夢だが……

   ここで死ねば現実でも死ぬぞ?」

 

霊夢を人質に鷺麿は楽しそうにそう答えると蓮もこれには怒りを覚えた。だが手が出せない所か動けない。

 

狗神「貴様それでも人か!」

 

鷺麿「残念だが今の俺は悪霊なんでな…」

 

と、鷺麿が言ったとき………

 

ジャキンッ!!

 

蓮は神楽を納刀して鞘ごと地面に刺した。

 

狗神「おい小僧まさか!」

 

神楽(お止めください蓮様!!)

 

そして蓮は黙ったまま狗神に神楽を託して数歩前に出ると、

 

蓮 「憎いのは僕なんだよね……なら僕だけ

   殺ればいい…その代わり皆に手を出す

   な!」

 

それを聞いたであろう鷺麿はニヤリと口元を歪めた。

 

狗神「馬鹿野郎!」

 

鷺麿「いいだろう……ただ……」

 

鷺麿は手を上から下へと下ろす。すると……

 

狗神「なっ何だこれは……」

 

神楽(おっ重い……)

 

狗神は紫達と同じように地面へと突っ伏してしまった。邪魔が入らないようにするためなのだろう。

 

蓮 「ごめん皆……」

 

そう言い蓮は前へと出て仁王立ちをする。それを見ていた低級の妖怪達は嬉々として拳を作ると、

 

妖怪「やっちまえ!!」

 

妖怪「いえ~い!!」

 

と、叫び蓮へと殴り蹴りかかる。それには蓮は反撃もせず仁王立ちをするだけだ。そしてついに……

 

ドスッ!

 

蓮 「ぐっ……」

 

ゴスッ!

 

蓮 「がはっ!!」

 

蓮は殴り蹴られとリンチされる。それはたった数発では終わらず何度も何度も殴り蹴り続けられる。

 

文 「蓮さん!!」

 

幽香「動きなさい…私の体……!」

 

にと「うっうう……」

 

椛 「何で動かない……」

 

体を必死に動かすが起き上がろうとしてもまた地面に這いつくばってしまい動けない。

 

妖夢「酷すぎますこんなの!!」

 

幽 「見てるだけなの…」

 

慧音「おのれ……」

 

霧雨「ちきしょう!!!」

 

皆は見てられなかった。こんな一方的なリンチを……

 

妹紅「力を手に入れるために不老不死になった

   のに……ぐっ私を殴れ!聞いてるのか!!」

 

輝夜「それなら私だって!!」

 

永琳「また見てるだけなのまた……」

 

皆は悔し涙を流すだけだ。蓮がただやられ続ける一方的すぎるこのリンチを……

 

藍 「紫様!!」

 

萃香「紫!」

 

紫 「くっ御師匠様ならどうするの……本当に

   どうするの……くっ……」

 

紫は悔しさのあまり拳を強く握りしめる。そしてそれを見ていた鷺麿は高笑いをして、霊夢は自分の愛した人物が殴られ蹴られされている姿に涙が溢れてくる。

 

鷺麿「アハハハハいいぞもっとやれ!!」

 

霊夢「蓮!!もう私のことは!!」

 

霊夢の悲痛の叫びを聞いても蓮はまだ立ち上がり続ける。

 

蓮 「ぐっまだ……」

 

妖怪「おらっ!!」

 

ガスっ!

 

蓮 「がはっ!」

 

何度も蓮は立ち上がり続ける。自分達の主人がやられているだけの光景に狗神は怒りをそして神楽は悲しみの感情が溢れ出てくる。

 

狗神「小僧!!おのれ鷺麿!!!!」

 

神楽「もう止めてください!!」

 

すると霊夢は何と力を振り絞って鷺麿を睨み、

 

霊夢「どうしてあんたは蓮を!!」

 

と、言うと鷺麿は殴られ続けられている蓮と反抗的に睨んでくる霊夢に対して勝利を確信したかのように笑いながら、

 

鷺麿「クハハ!!教えてやろう…俺がこれまで

   受けた仕打ちを…深常理久兔によって家や

   家族を取られ…晴明によって我が最愛の師

   を取られた俺の積年の怨みをここで貴様ら

   に返すんだよ今度は俺が奪う立場でな!

   弱者が強者を潰す…下克上の時代が来たん

   だよぉ小娘共!」

 

霊夢「何て自己中心的な!」

 

鷺麿「黙れメスガキ!!」

 

ガスっ!

 

霊夢「ぐっ!」

 

霊夢の横腹を殴ると霊夢は苦しさのあまり声を漏れ出してしまう。

 

鷺麿「俺はよ地獄で理久兔を晴明を恨み続けた!

   だからこそ晴明の子孫である葛ノ葉蓮を

   なぶり殺しそして理久兔が礎となって築き

   上げたこの幻想郷を滅ぼすんだよ!あの

   お方と共になぁ!」

 

自己中心的な考えが極度すぎて反吐が出そうになる。だがそんな事を語っている間にも蓮は殴り蹴られ続けた。そして低級の妖怪達は息を切らしていた。

 

妖怪「はぁはぁ……」

 

妖怪「こいつまだ立つのか!!」

 

蓮は未だに仁王立ちをしていた。顔から血を流し手足はアザが多くなる程殴られ蹴られしまいには左腕は変な方向でぶらぶらと揺れていることから骨折もしたのだろう。それでも耐え続けていた。そしてずっと鷺麿を睨んでいた。真っ直ぐな目をして……それを見た鷺麿は歯噛みをし苛立ちながら、

 

鷺麿「その目だ……その目が気にくわない!!

   がしゃどくろ奴を叩き潰せ!!」

 

鷺麿の命令を受けた妖怪。その中でも一際大きい巨大な骸骨の妖怪は右拳を作るとそれを蓮へと向かって殴り付ける。蓮は大きな声で叫んだ。

 

蓮 「霊夢を…皆を助けるまでは…死ねないんだ!」

 

そしてがしゃどくろの拳が蓮へと当たろうとした時、蓮は目を閉じた。これを食らえばまた立ち上がれるか分からないと思いながら……

 

蓮 (ごめん霊夢……それに皆…そして晴明さん)

 

だがその時だった。一迅の風が蓮を通りすぎたと思ったときその声は聞こえた。

 

? 「よく言った少年…後は俺らに任せろ……」

 

ゴスンッ!

 

蓮 「えっ……!?」

 

蓮は目を開けてその目の前の光景を覗く。がしゃどくろの拳を1人の男性が右腕だけで抑えていたのだ。だがその男性を蓮は見たことがあった。すると……

 

髑髏「ギャー~ーーーーーー!!!」

 

今度は軌跡を描き一本の矢ががしゃどくろのギョロリと睨む片目を射ぬいた。それにはがしゃどくろは片目を抑えて後退した。蓮は矢が放たれた後ろを見るとそこには自分の先祖、安倍晴明が弓を構えていた。そしてその時、蓮は紫達の顔をを見るとその顔は驚きの顔をしていた。驚いた顔をしていた紫は口を開いて、

 

紫 「おっ御師匠様……」

 

そう蓮の目の前にいる男性こそこれまで夢で晴明と戦っていた人物…いや妖怪の総大将……

 

理 「待たせたな…てめぇら……」

 

晴明「まったく理久兔さんは……」

 

そうその人物こそ死んだ筈の妖怪の総大将、深常理久兔だったのだった。




はい、ついに彼と彼女が出てきましたね。えっ?あっちではどうなっているのかって?……次回投稿したらあっちをあげるのであっちを見ている方はお楽しみにしていて下さい。それと次回の投稿はキャラ紹介も投稿しますので実質2話投稿する事となりますがよろしくお願い致します。では今回もありがとうございました。また明日にお会いしましょう。それではまた次回!

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