血を受け継ぎし者   作:怠惰のクソ悪魔

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こんにちは読者様、もうすぐ誕生日だと今日、気がついた怠惰のクソ悪魔です。まぁ祝ってくれるいないので仕方ないですけどね。では本編へどうぞ。


第70話 受け継がれる式神

目の前で起きている事に蓮は目を疑った。何せ故人となっている筈の理久兔と晴明がこの場にいるからだ。だが理久兔が現れると同時に硫黄の臭いが少し漂った。

 

蓮 「晴明さん……それに貴方は!!」

 

紫 「何で御師匠様がここに!?」

 

萃香「もう理久兔は死んでるのに…これ幻覚?」

 

幽香「でも本当に……」

 

文 「もう見れないと思っていた背中を見れる

   なんて……」

 

皆は感動しているのか嬉しいのか喜びに涙を流していた。先程までの悔しさの涙ではない嬉しさという涙をしていると蓮を痛ぶっていた妖怪達は小声で、

 

妖怪「おっおい理久兔だって?

 

妖怪「バカ言え!あいつはもう死んでる筈だ!

 

妖怪「そうだはったりだ!

 

と、所かしこから声が聞こえだしていた。すると何故か理久兔は一歩前へと出ると……

 

理 「我が存在は夢でも…幻でもない…!

   全ては血肉を持った現実だ!

 

妖怪「ひっ!!」

 

蓮 (かっこいい……)

 

蓮はこの時、理久兔がかっこいいとも思えた。だが一言一言に宿る覇気は蓮の体をもブルリと震えあがらせる。先程までの自分を痛め付けていた妖怪達はビビったのか後ろへと下がっていた。すると晴明はやれやれといった表情をして、

 

晴明「相変わらずの凄さですね……」

 

理 「このぐらい出来ないと総大将は名乗れ

   ねぇよ……」

 

蓮 (総大将ってこれが普通にできるの!?)

 

蓮の常識は少しずつ崩れていたが今の言葉を聞いて更に崩れる速度が上がる。まずこんな事は今の自分では出来ないしこれからも出来るとは思えないからだ。だがしかし高みの見物をしている鷺麿が霊夢の首に刀を構え叫んだ。

 

鷺麿「深常理久兔ォォォォ!!

   安倍晴明ェェェェ!!」

 

その叫びを聞いた理久兔の顔は何故だが若干引き気味になっていた。

 

理 「うわぁ…晴明彼奴か?」

 

晴明「えぇ…彼奴が東盧鷺麿です……」

 

蓮 「あんな鷺麿を見ても一切たりとも動じて

   ない…それどころか引いてるだけって…」

 

理久兔と晴明を見てそう呟くと後ろにいる紫達が説明をしだす。

 

紫 「御師匠様はそんな簡単には動じないわよ

   それぐらい肉体的にもそうだけど心も

   真っ直ぐなんだから」

 

萃香「それに凄い仲間思いなんだよ♪」

 

妹紅「あぁ理久兔さんは私たちに差別をした

   事もなく逆に受け入れてくれるんだ」

 

紫達の言葉を聞いた蓮は全てをまとめると心身共に強くそして器が大きいというのがよく分かった。するといつの間にか理久兔は更に前に出ていたのだが……

 

理 「なぁ~え~と確か…詐欺師だっけ?」

 

蓮 「えっ!?」

 

突然の理久兔の発言に蓮はマヌケな声をあげてしまう。それに対して詐欺師と名前を間違われた鷺麿は、

 

鷺麿「誰が詐欺師だ!!!東盧鷺麿だ!!」

 

理 「ふぅ~んどうでもいいや……」

 

蓮 「どっどうでもいいって……」

 

霧雨「何て奴だよ……」

 

妖夢「聞いておいてそれなんですか!?」

 

理久兔の発言についていけない蓮と魔理沙と妖夢はただポカンと口を開けてしまう。だが理久兔の発言はまだ終わらない。

 

理 「お前散々と言ってるけどよ~正直そんな

   所でふんぞり返って怖いのか負け犬♪いや!

   弱っている女、子供を集団で囲い混んで勝ち

   気になってる烏合の集の愚王かな?それ以前

   に馬鹿の弟子って時点でお前も馬鹿………あっ

   ごめんねそれを通り越してマヌケだったね

   ごめん♪ごめん♪」

 

と、言うと鷺麿は血管を浮かせてキレていたのだが今の理久兔の発言を聞いて紫達は全員揃って、

 

全員「いっ何時もの御師匠様(理久兔さん)じゃない!?」

 

それを聞いた蓮達の人間派閥も驚いてしまった。これが何時もじゃないとなるの何時もの理久兔がどういう者なのか疑問思ってしまう。すると晴明はこっそりと蓮の元へと近づき、

 

晴明「蓮…貴方にこれを継承させるわ」

 

そう言い晴明は傷ついている蓮に1枚の札を差し出す。その札には【鈴蘭】と名前が書かれていた。

 

蓮 「これって式神札ですか!?」

 

狗神「それ…まさか…あのクソガキのか…」

 

神楽(えっお知り合いですか……)

 

どうやら晴明から継承された鈴蘭と狗神は面識があるようだ。すると晴明はニコニコとしながら、

 

晴明「それは霊夢を救出しだい使いなさい」

 

蓮 「それって……どういう……」

 

と、蓮は言いながら前を見ると先程よりも形相が鬼のように歪んだ鷺麿がいた。どうやら理久兔に相当罵倒されたのか怒り狂っていた。しかも鷺麿だけではなくその式神であろう妖怪達も歯噛みやらしながら理久兔を睨んでいた。そして晴明が理久兎に近づく。

 

蓮 「理久兔さんって怒らせるの上手ですね…」

 

紫 「えぇ…御師匠様はどうも相手を怒らせる

   のは上手なのよね…」

 

理久兔と何を話していたのか晴明と話していて聞いていなかっため分からないが鷺麿はとんでもないことを言い出した。

 

鷺麿「確かにそうだ……だが気が変わった……この

   女はここで殺すそして第2の候補…葛ノ葉

   蓮の体を貰い受けるよっては用はなし!」

 

怒りに身を任せたのか霊夢を乱暴に地面へと突き放し手に持っている刀を縛られ動けない霊夢へと斬りかかった。その時蓮は声を出す事しか出来なかった。

 

蓮 「霊夢~ーーーー!!

 

晴明 !!

 

蓮の必死の叫びを聞いたのか霊夢は目から涙を流して、

 

霊夢「蓮…ありがとうそして……ごめんね……」

 

と、カスれた声で言ったその時だった。

 

理 「させるか……」

 

バァーーーーーーーーン!!

 

銃声が鳴り響いた。すると鷺麿が刀の柄を握っている右手から血が吹き出した。

 

鷺麿「うがぁーーーーーー!!」

 

刀を捨てて右手を左手で抑えて叫んでいた。蓮達は銃声の聞こえた方向を見るとそこには理久兔が火縄銃を右手で構えていた。しかも火縄銃の銃口からは煙が上がっていた。

 

蓮 「ひっ火縄銃……まさかさっきの硫黄の臭い

   はあれ!?」

 

何処からともなく火縄銃を出した理久兔に驚く。だが更に鷺麿へと追い討ちをかけるかの如く、

 

晴明「白虎!」

 

晴明は1枚の札を取りだしそれを投擲したかと思うとその札から猛々しい白い虎が現れその前足と後ろ足で地面をかけて疾走いく。疾走した白虎は崖を上り鷺麿の元までつくと、

 

白虎「どけっ!!」

 

鷺麿「ぐふっ!!」

 

その巨体に鷺麿は吹き飛ばされ近くにある大岩に叩きつけられる。その間に白虎は霊夢を回収してすぐさま戻ってくる。

 

晴明「ありがとう白虎」

 

蓮 「霊夢!!」

 

蓮は霊夢の手足を縛っている縄を切って抱き抱えた。

 

蓮 「良かった…本当に良かった」

 

霊夢「蓮……ありがとう私のために体を張って

   くれて嬉しかった…」

 

そんな喜びに浸っていると理久兔は何かを呟いたようだが蓮からは聞こえなかった。すると大岩から鷺麿はヨタヨタと歩きながら出てくると、

 

鷺麿「全員殺せ!この夢の世界から奴等を抹消

   させろ!!」

 

その言葉を聞いた時、鷺麿陣営の妖怪達は唸り声を上げた。

 

妖怪達「おぉーーーーー!!!」

 

その妖怪達の声を聞いた理久兔の顔を蓮は見てしまった。何故か理久兔は笑っていたのだ。まるで楽しんでいるかのように…理久兔は鷺麿達の方を向くと手を天へと掲げた。

 

理 「さぁ百鬼夜行の群れとなりて立ち上がれ!

   我が同胞達よ!」

 

理久兔の叫びがこだますと空に変化が訪れる。それは真夏のような暑さから夕暮れ時へと変わった。

 

晴明「これはまさか……!!」

 

理 「ご名答…逢魔刻の時間だ……」

 

蓮には逢魔刻が何なのかは分からなかったのだが紫を含め倒れている妖怪達に変化が訪れた。

 

紫 「力が……藍!」

 

藍 「はい確かに!」

 

何と先程まで立ち上がれなかった紫に藍が立ち上がったのだ。それに続いて次々と立ち上がっていく。

 

萃香「力が涌き出てくる!」

 

幽香「気分がいいわね♪今なら彼奴らを始末

   出来そうね♪」

 

幽 「ふふっ気持ちいいわ♪」

 

文 「確かに…椛は?」

 

椛 「はいとても気分はいいですね」

 

にと「最高にハイな状態ってこういうことなん

   だね」

 

本当に先程までの弱っていたとは思えない程に立ち上がっていたのだ。

 

慧音「妹紅達は立ち上がれないのか?」

 

妹紅「残念ながら恐らく妖怪限定だろ」

 

妹紅の言う通り妹紅を始め魔理沙に輝夜そして永琳に霊夢は未だに自力で立ち上がれそうにない。妖夢や慧音はフラフラとしているが立ち上がってはいた。すると蓮は晴明から渡された鈴蘭を思い出す。

 

蓮 「鈴蘭」

 

蓮がそう叫ぶと式神札から蝶の羽を持つチルノ達ぐらいのロリ少女が現れる。

 

鈴蘭「うん?あぁ晴明様の後継者だよね♪始め

   まして~私は鈴蘭だよ♪能力は『活性を

   操る程度』の能力~♪」

 

凄くマイペースな子だと蓮は思ったが『活性を操る程度の能力』と聞いた時、蓮はもしやと思い、

 

蓮 「鈴蘭、皆の傷を癒して直す事は出来る?」

 

鈴蘭「うーーんいいよ~♪そ~~れ!」

 

鈴蘭は白く光る燐粉を振り撒く。それを蓮達は吸うと体に変化が訪れた。

 

蓮 「うっ…えっ!」

 

先程、折れた蓮の左腕は急速に骨が再生しているのだ。それだけではない。霊夢が受けた傷もどんどん治っていっている。すると残りのメンバー達も立ち上がったのだ。

 

永琳「体が軽いですね…」

 

輝夜「えぇ嘘みたいに♪」

 

妹紅「これで奴等に仕返しできそうだ」

 

霧雨「あぁぶっとばしてやるぜ」

 

さっかまでと大違いな程に元気となった。それを見た蓮は鈴蘭にお礼を言う。

 

蓮 「ありがとう鈴蘭」

 

鈴蘭「どういたまして~♪」

 

鈴蘭はそう言うと札へと戻っていった。蓮はそれを確認していると理久兔は皆に指示を出す。

 

理 「良く聞け彼奴ら全員根絶やしにするぞ!

   慈悲はかけるな!受けた分を倍にして返し

   てやれ」

 

萃香「勿論だ!」

 

幽香「やられた分はきっちりと返すわ!」

 

紫 「藍、御師匠様の支援をするわよ」

 

藍 「分かりました!」

 

文 「行きますよ椛!にとり!」

 

椛 「はい文先輩!」

 

にと「あぁ!」

 

と、妖怪達は意気揚々と叫んだ。それに連られて霊夢達も、

 

霊夢「私だってやられたままは嫌よ!」

 

霧雨「あぁ!」

 

妖夢「幽々子様を守るため魂魄妖夢参ります!」

 

妹紅「彼奴ら全員燃やしてやる!」

 

輝夜「今回は共闘よ妹紅!」

 

永琳「なら共闘しましょうか白沢慧音さん」

 

慧音「あぁいいだろう!」

 

霊夢達もやられたままでは嫌なのだろうと蓮は思った。そして最後に理久兔は士気を上げるために、

 

理 「奴等を狩るぞ!!」

 

全員「おぉーーーー!!」

 

大きく叫ぶと皆も叫んだ。そして蓮は心を決めて理久兔へと近づく。

 

蓮 「晴明さん…理久兔さん僕も戦わせてくだ

   さい!」

 

皆は悔しいからこそ戦うのだ。それは蓮も同じことだ。霊夢の悲しみの涙を流すほどの屈辱をした鷺麿が許せなかった。すると理久兔は、

 

理 「勝手にしろその代わり死ぬなよ?」

 

それを聞いた蓮は地面に差している神楽を引き抜き抜刀して持つと、

 

蓮 「勿論足手まといにはなりません!」

 

晴明「蓮、貴方は鷺麿まで一直線に進みなさい

   私達で妖怪達を蹴散らしますから!」

 

理 「そういうこっただから後ろを振り向かず

   突き進め葛ノ葉蓮」

 

理久兔に晴明にそう言われた蓮はその嬉しさと感謝を胸にして、

 

蓮 「……分かりました!」

 

覚悟を闘志を込めた返事をすると理久兔はそれを見て微笑んだ。

 

理 「そうか……ならやるぞてめぇら!」

 

理久兔の掛け声を合図に皆は前進する。そして鷺麿の陣営の妖怪達も前進し夢の世界での決戦が幕を開けたのだった。




はいてなわけで次回から……と、言いたいですが次回からはあっちを投稿します。それとキャラ紹介をしますのでよろしくお願い致します。時間は7時に投稿しますので診たい方はどうぞ。では今回もありがとうございました。

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