理久兔と晴明の2人以外の体は白い塵となって空へと吸収されていっている。それには蓮達は驚き慌てる。
蓮 「なっ何ですかこれは!」
霊夢「体から……」
霧雨「おいおいどうなってんだよ!!」
その症状を見た理久兔と晴明は真剣な顔で、
晴明「理久兔さん…どうやら……」
理 「あぁ……別れの時だな……」
そうもうじき鷺麿が作った悪夢から目覚めるのだ。そうなるとこの場に蓮達の姿を保てなくなる。だがこれに対して紫は目から涙を浮かばせて、
紫 「嘘……まだ少ししか話せてないわ!」
藍 「紫様……」
紫にしては珍しく悲しいのか膝を地面について泣き出しそうになってしまっている。それに藍が紫の背中を擦る。すると理久兔は、
理 「……なぁ藍ちゃん皆を呼んでくれないか?
もう別れるなら挨拶をしておきたくてな♪」
藍 「………分かりました紫様をお願いします」
藍が理久兔に向かって会釈をすると蓮は藍に、
蓮 「僕も手伝いますよ藍さん!」
藍 「それは助かるありがとうな蓮」
霊夢「私も手伝うわよ蓮」
霧雨「まっ私もやりますかね……」
霊夢や魔理沙も手伝ってくれるようだ。
蓮 「それじゃ行こう」
そうして蓮達はそれぞれ散会して皆を召集させるのだった。皆が召集するのを確認して、
蓮 「それじゃ行きましょう」
藍 「あぁ」
皆は理久兔の方へと行くと理久兔は紫の頭を撫でているのを見た。紫の顔は先程の顔よりましになっていた。理久兔は此方を見て来たのを確認すると紫の頭から手を離して立ち上がり、
理 「お前らも気づいているとは思うがもうじき
この夢は終わりお前らは現実の世界で目覚
めるだろう」
萃香「また…お別れなんだね……」
文 「せっかく会えたのに……」
萃香や文の顔は少し泣きそうな顔になってそう言い、
幽香「最悪ね…また勝ち逃げされるとか……」
幽香に限っては先程のゲームで負けたのか悔しそうにそう言っていた。
蓮 (霊夢が言った意味が分かる気がする……)
数週間前に霊夢が言った彼奴を怒らせるなと言った意味がようやく分かった気がした。すると幽々子が、
幽 「理久兎さん1つお聞かせください…貴方を
一度も冥界で見たことがありません……
それは何故でしょうか?」
冥界は本来、地獄や極楽への入り口だ。だがそこで一度も理久兔を見たことがないという。それについて理久兔が答えたのは、
理 「今現在俺がいるのは地獄の辺境地だ…
今回の件も元々は閻魔からの直属の
依頼で地獄から逃げ出した鷺麿を
始末しに来たんだよ」
蓮 「そうだったんですか……」
理 「あぁだから絶対に冥界にはいない……」
と、理久兎が言うと紫は何か決心した目を理久兔へ向けて、
紫 「なら私が……御師匠様を!」
理 「止めておけ復活だとかそんな事を考えるな
てめぇらはてめぇらの今を生きろ……過去
にすがってたら先が見えなくなるぞ?」
理久兎の話を聞いた紫はただ黙ってしまう。それぐらいに理久兎にはこちらに来てほしいのだと蓮は思った。
永琳「……それでも私達は貰ってばかりなのよ
深常理久兎……」
妹紅「あぁ…理久兎さんには助けて貰ってばかり
なのにそれを返せないのもな……」
輝夜「あの時もそして今回の事も……」
と、言われると理久兎は呆れつつしょうがないという顔をして、
理 「恩返しをしてぇならよ……てめぇらの一生
を平和に暮らせそれが俺への恩返しだ」
霧雨「お前、見た感じチャラいと思ってたけど
案外チャラくはないんだな……」
理 「そうだな……折角血を流してまで作った
楽園を楽しんで貰いたいそれが俺の願い
だったからな♪」
と、理久兎達がそんな話をしている間にも皆の下半身はとうに消え失せていてそれが顔へと近づいてきていた。
霊夢「もうじき夢から目覚めるわね……」
理 「……晴明、お前から言うことはあるか?」
理久兔が晴明に話をふると晴明は首を左右にふって、
晴明「そうですね…私は伝えたいことはもう伝えた
ので構いません」
理 「そうか……なら俺からお前らに向けて最後に
言いたい事がある」
もう首から下へと消えていってる弟子や友人に仲間それら全てに送る言葉それは……
理 「どんな苦労があろうがどんな壁があろうが
突き進めそれがお前らがこれからも続ける
旅だ…だから……紫や皆に伝えたい言葉は……
ただ1つ…良い旅を♪」
紫 「御師匠様!!」
紫が手を伸ばし理久兎を掴もうとした瞬間、紫は…いやその場の全員は光の粒子となって上空へと飛んでいったのだった。理久兎は上へと上がっていく光の粒子を眺めながら、
理 「じゃあな皆……」
と、理久兔は呟いたがこの場の全員は知るよしもなかった。
朝日が差し込む中で蓮は目を覚ました。
蓮 「うっうぅん……はっ!!」
飛び起きた蓮は辺りを見渡すとそこは境内の中庭で下には御座が敷いてあり横には霊夢や魔理沙といった先程まで夢にいたメンバー達が眠っていたが皆は目を擦る者もいればあくびしながら皆起き出した。
霊夢「うぅ………夢から帰ってこれた?」
蓮 「みたいだね……」
蓮はポケットにいつの間にか入っていた式神札【鈴蘭】を眺めながらそういうと、
霧雨「あぁ…頭痛ぇ……」
文 「…目覚め最悪ですね……」
萃香「ほんとそれ……」
と、皆は各々酷い顔をして起き出す。そんな中で蓮はふと紫を思いだし紫を見ると、
紫 「…………………」
ただ空を眺め目から涙を1滴程流していたがすぐにそれを拭って、
紫 「…皆…御師匠様…の願い聞き入れましょう」
と、言うと皆、微笑みながら頷く。
蓮 「理久兔さんかっこよかったね……」
霊夢「何言ってんの私からしたらあんたが一番
格好良かったわよ?それとありがとう蓮」
そう言い霊夢は蓮の頬に軽くだがキスをした。それには蓮も耳を赤くした。
蓮 「あっうっうん……」
霊夢「ふふっ♪」
だが忘れてはならない。今現在ここは皆が見ているということを……
文 「あやややあの2人がそんな関係発展して
いたとは!」
霧雨「おぉ~おぉ~朝から暑いな♪」
妖夢「ききききっす!?」
霊夢「ちっ違うわよ!あれよ!ゴミがついて
たからよ!」
と、霊夢は恥ずかしがりながら誤魔化す。だが恥ずかしながらもその笑顔をみせる。蓮はそれを見ただけで満足だった。
蓮 「ハハハ……皆を救えて良かった…理久兔
さん僕からしたら貴方が一番格好良か
ったですよ♪」
と、蓮は虚空の彼方にむかって憧れを抱きつつただそう呟くのだった。だが蓮達がわいわいとしている一方である1本の木の影からその光景を覗く者がいた。
? 「………全員復帰か…本当にやりやがったな
まぁあのオモチャが壊されるのだけは
勘弁して欲しいものだがな…」
その人物は細い目付きで辺りを見渡しているがただ一点、魔理沙の方を見てそう呟いていた。
? 「精々俺を楽しませろよ…くくハハハ♪」
そうしてその得体の知れない人物は自分の影へと共に消えるのだった。
怠惰「はい今回からまたこの形だよ♪」
狗神「やれやれ…やっと帰ってこれた」
鈴蘭「そして新メンバーは私だ!」
神楽「ふふっ♪よろしくお願いしますね
鈴蘭さん」
鈴蘭「うんよろしくね♪」
神楽「またうるさいのが増えたな……」
怠惰「まぁまぁ♪さてさて新メンバーを迎えた
けど残念な事にまたあっちを投稿する
からお休みです」
鈴蘭「えぇ~」
狗神「疲れて面倒癖かったから丁度いい」
怠惰「それは良かったよ♪とりあえずはまぁ
また休みだからよろしくねって事で
今回はここまで!」
神楽「次回もよろしくお願いいたします」
狗神「それじゃ見てくれた読者様……」
鈴蘭「さよならだよ♪」