霧雨「クソっまた逃げられた!!」
先程とは打って変わって静かとなった守矢神社で魔理沙は叫んだ。
霊夢「彼奴らいったい何の目的で来るのか本当
に謎過ぎて分からない……」
蓮 「ねぇ狗神さっきからどうしたの?」
狗神「ん?いや何でもない……」
さっきから狗神が何故かそわそわとしていた。だが何でもないなら問題ないだろうと蓮は思った。
早苗「神奈子様と諏訪子様は大丈夫ですか?」
八坂「えぇ問題ないわ」
洩矢「うん怪我とかはしてないよ」
どうやら皆、五体満足で何とかなったようだ。
霊夢「魔理沙あんた結構むしゃくしゃしてる
わね……」
霧雨「これじゃ不完全燃焼だ!」
魔理沙の言い分は正しい。実際に蓮も今回の戦いは勝ち負けがどうこうの前に引き分けとして逃げられて不完全燃焼だ。
霊夢「はぁ~……まぁ私も言えた義理じゃない
けど」
洩矢「ねぇさっきの奴等と知り合い?」
諏訪子が聞いてくると蓮達はそれに答えた。
蓮 「いえ……その7人のリーダーであろう
人物とは一度会いましたがさっきの
7人は初めてです」
霊夢「私も彼奴らと会ったのは初めてね」
霧雨「私は隠者って奴は分からねえけど
さっきの執事とは何度か戦ったぜ」
早苗「あんなのに何度もって……」
早苗に至っては絶句せざる得ない。すると蓮はある事を思い出した。
蓮 「そういえば早苗さんって僕と同じで
外来人ですか?」
早苗「えっ?……てことは蓮さんもですか!?」
蓮 「えぇ一応は東深見高校の生徒でしたね」
早苗「へっ偏差値が高い所じゃないですかそこ
って!?」
蓮の行っていた高校はどうやら結構な程に偏差値が高いらしい。
早苗「そういえば確か外の世界にいた時の6年
前ぐらい前のニュース……でしたかね?
東深見高校の男子生徒が行方不明になっ
たとか…しかも家も滅茶苦茶に崩壊して
いて遺体すら無いということで死亡と
判断されて捜索も打ち切られたとか……」
早苗はとんでもない爆弾発言をした。それには蓮も声が震えた。
蓮 「ろっ……6年前!?」
早苗「えっえぇ…何でそんなに驚いているん
でしょうか?」
蓮 「霊夢、確か僕が来たのって今からもう
2年ぐらい前だよね!?」
霊夢「えぇ確かにもう2年ぐらい経ってるわよ」
そう早苗が言うには6年前の出来事らしい。だが蓮はもう幻想郷に来て早2年近くは経過している。
八坂「ふぅ~んまぁ大方、時間の流れが違うん
でしょ……」
霧雨「これで蓮が外の世界に帰ったとなれば
浦島太郎だな♪」
魔理沙はチラリと霊夢を見ると霊夢は少しあたふたしていた。だが蓮は、
蓮 「いや僕は帰る気はないかな?」
霊夢「ふぅ……」
霧雨「おぉ~安心したか♪」
霊夢「うっさい!」
ごつんっ!
霧雨「痛って!!」
魔理沙の頭を軽くこずく。それを見ていた蓮は苦笑いで眺め早苗は訳が分からないのか首をかしげ神奈子と諏訪子はニヤニヤと笑って見ていた。
狗神「おい小僧…悪いが我は帰る」
蓮 「あっうんありがとうね狗神」
狗神はドロンッ!という煙をあげてその場から消えた。それを見ていた早苗は、
早苗「蓮さんってポ
蓮 「いや違うよ!?」
初めてそれを見ればそう言われても可笑しくはない。実際的に式神使いなのだから。
霊夢「そういえばあんたら神社やらまるごと
こっちに越して来たんでしょそれで
この山の天狗やら怒ってたわよ?」
洩矢「言われてみるとそんな連中がよく来て
たね神奈子?」
八坂「あぁ~いたわね…襲ってきたから御柱やら
で撃退したけど」
と、言ってはいるが実際は守矢の関係者たちが妖怪の山に不法侵入したのが悪い。告訴されて裁判になったら確実に負けるだろう。
霊夢「まったく……とりあえず早苗とそこの
2神は着いてきなさい」
蓮 「えっ?霊夢どこに行くの?」
霧雨「あぁ~行くのかあそこに……」
蓮 「えっ?」
魔理沙だけは感ずいたようだ。霊夢が何処に行くか。霊夢は振り返り蓮達に、
霊夢「何処って天狗の里しかないでしょ……」
蓮 「……えぇ…?」
蓮もそんな声しかあげれなかったのだった。そうして霊夢の案内で蓮達は天狗の里に向かった。
蓮 「ここが天狗の里……?」
霊夢「えぇ……」
早苗「大きいですね」
と、言いながら歩いていこうとすると、
白狼「待てお前ら人間が何でここにいる?」
白狼「悪い事は言いませんお引き取りした
方がよろしいかと?」
と、2人男女の白狼天狗が立ち塞がる。
霊夢「蓮、例の紙を見せてあげて」
蓮 「あっうん……」
霊夢に言われ蓮は文から貰った手書きの通行書を2人に渡す。
白狼「この字に指紋印は……文様のですね」
白狼「……はぁ~通れ」
2人の白狼天狗は蓮達に立ち塞がるのを止めて左右に避ける。
蓮 「行こう……」
霧雨「だな♪」
霊夢「えぇほら着いてきなさい」
八坂「えぇ……」
洩矢「通行書って凄く便利なんだね……」
早苗「そうですね……」
そうして3人は天狗の里を歩く。すると自分達を見てヒソヒソと話す天狗達が多々といたが気にすることなくその里で一番大きい建物の前に着く。
天狗「何ようだ?」
霊夢「あんたらが迷惑してるっていう神達を
連れてきたのよだからあんたらのボス
に会わせなさい」
天狗「随分とでかい態度をとるようだな貴様!」
そう言い天狗は手に持つ錫杖で霊夢を殴ろうとした時、
ガシッ!
その錫杖は1人の天狗に押さえつけられた。その天狗はそこかしこにいる天狗よりも大きな翼が背中についていた。
天狗「誰だ!俺の邪魔をする不届きな天狗
……は!?
? 「ほう…私の客人に粗相を働くとは度胸が
あるじゃないか?」
天狗「てててて天魔様!?」
天魔と言われた女性は錫杖を握る手を離すと殴りかかってきた天狗は頭を深く下げる。
天狗「申し訳ございません!!」
天魔「お前は仕事を全うしたそれは良い…だが
客人は傷つけるないいな?」
天狗「はい!!」
そう言い天狗は錫杖をまた握って門の左に立つ。
天魔「さてとお前ら入りな色々と話したい事は
あるからな」
霊夢「えぇそれじゃお邪魔するわね」
蓮 「だっ大丈夫かな……」
蓮は心配してそう呟くことしか出来なかったのだった。
怠惰「てなわけで今回も見てくださりありが
とうございました」
狗神「……………」
鈴蘭「狗神の姐御どうしたの?」
神楽「狗神さん?」
狗神「…………………はぁ」
怠惰「2人共今はそっとしてあげなよ♪」
神楽「良いんですか?」
怠惰「うん♪あぁいう気持ちの整理は大切だよ」
鈴蘭「そうかもね……」
怠惰「とりあえず今回はここまで」
神楽「また次回よろしくお願いいたします」
鈴蘭「それじゃ読書様またね♪」