血を受け継ぎし者   作:怠惰のクソ悪魔

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第101話 月に現れる者

潮の波打つ音が聞こえる中、霊夢と魔理沙はポツンと体育座りで座り蓮に至っては立ったまま先の見えない月の海を眺め黄昏ていた。

 

霧雨「ついたな……」

 

霊夢「ついたわね……」

 

蓮 「聞いてる話と全然違うけど気にしないで

   おこう」

 

かつて幻想郷の外に住んでいた月と違うのは目の前の海を見ればすぐに分かる。しかもその後ろには桃の木が連なり果樹園のようになっていた。

 

霧雨「こう…海が幻想郷にもあればなぁ……」

 

目の前の海に藻屑となったロケットの破片を見て現実逃避をするかのごとく魔理沙は呟いた。

 

霊夢「あっても海坊主だとかクラーケンが出る

   だけでしょ……食事のレパートリーは増え

   るだろうけど」

 

蓮 「それもそれでどうかな……」

 

この現実逃避に蓮と霊夢も付き合う。それぐらい現実逃避したいのだ。だが何時までこうするわけにはいかない。

 

蓮 「食糧は……どうにかなるかな」

 

後ろの果樹園を眺めながら言うと霊夢と魔理沙は青い顔をする。すると蓮達の背後に咲夜が現れる。

 

咲夜「貴方達なんでそんな黄昏ているのよ?」

 

霊夢「だって…………」

 

霧雨「ロケットも大破しちまったしなぁ」

 

蓮 「帰る方法がないですよね」

 

咲夜「月に着いたのなら問題はないわだって

   私達の目的は月に行くことであって月

   から帰ることでもないもの♪」

 

つまり咲夜の言いたいことは「今、考えれることを考えろ。帰りの事については後で考えろ」という事なのだろうかそれとも……

 

蓮 「………咲夜さんって結構天然ですか?」

 

咲夜「自覚はしてないけど玲音や色々な方に

   天然とか抜けてるとは言われましたね?」

 

やはり何処か抜けているようだ。

 

霧雨「まっ納得はいくな……」

 

蓮 「そういえばレミリアさんや妖精メイドさん

   達の姿が見えませんが良いんですか?」

 

それを聞いた咲夜は「ハッ!」という表情になった。

 

咲夜「すみませんが私はお嬢様を探しに行き

   ます!」

 

そう言い咲夜はレミリアを探すため桃の木が連なる果樹園のような森に入っていった。

 

蓮 「咲夜さん結構抜けてるね……」

 

霧雨「ある意味天然キャラだなありゃ……」

 

霊夢「最初に会ったときと大分性格が軟化した

   わね咲夜……」

 

蓮と魔理沙は咲夜が抜けてるなと、霊夢は最初に会ったときとだいぶ性格が軟化したなと思いつつ咲夜が入っていった森りを眺める。数分眺めると3人はまた海を眺め始める。そんなこんなで現実逃避(海を眺める)することまた数分が経過すると、

 

霊夢「せっかくの海なんだし釣りでもしよう

   かしら」

 

霧雨「おっ!いいなそれ♪」

 

蓮 「釣りかやった事、ないんだよね……」

 

住んでいた場所の近くに海や川がないため釣りをしたことがない。そのため出来るのかと思っていると、

 

霊夢「その前に道具はあるの?」

 

霧雨「んなもんは手掴みだぜ私のこのゴッド

   ハンドを見せてやるよ♪」

 

霊夢「宛になりそうもないわね……」

 

蓮 「アハハ……」

 

と、言っている時だった。

 

? 「残念ね豊かな海には何も住んではいな

   いわ……」

 

声のした方向を見るとそこには1本の刀を構え長い髪を後ろに結んだポニーテールの髪型をしている少女が立っていた。たがその少女の話は続く。

 

? 「豊かの海だけではない月の海には生き物

   なんてもの住んではいない生命に犯され

   た海は穢れの海なのですから」

 

そう言いつつその少女は霊夢に刃の切っ先を向けるが霊夢の前に蓮が割ってはいる。

 

蓮 「そんな物騒な物はしまってもらいません

   か?」

 

神楽を何時でも抜刀できるように持って忠告の意味も込めてお願いをするが刃を持つ少女はこちらを少しチラ見したかと思うと霊夢の顔を見て、

 

? 「住吉三神を呼び出したのはお前ね?」

 

と、何故その事を知っているのか疑問に思うが霊夢は余裕を持っているのかその場に座り、

 

霊夢「えぇそうだけど?」

 

霊夢の言葉を聞くや否や刀を構える少女は顔をニヤつかせると同時に刀を地面に刺す。すると、

 

ジャキンッ!!

 

霊夢 !?

 

霧雨「なっ何だこれ!」

 

蓮 「これって……」

 

まるで檻のように無数の刃が蓮達を取り囲む。それを見て刀を地面に刺した女性は何が楽しいのか少し笑って、

 

? 「女神を閉じ込める祇園様の力……正直

   住吉様を呼び出せると言うからどれ

   程かと思ったけどこんなのが相手な

   ら力を借りるまでもなかったわね」

 

表情からして凄く勝ち誇って言っている。すると、

 

? 「依姫様~!」

 

と、ブレザー服を着て地上の因幡の兎に似ているが耳がピンと立てている兎があたふたしながら駆けつけてくる。そして目の前で勝ち誇っている女性は依姫というらしい。

 

依姫「どうしたんですか?」

 

月兎「それが……」

 

何か依姫の耳元で囁くと驚いた表情になった。

 

依姫「何ですって!?たかが小娘でしょ!」

 

レミ「誰が小娘ですって?」

 

依姫が小娘と言った瞬間、後ろに咲夜を引き連れてレミリアがやってくる。しかも更に後ろの草むらには依姫の隣にいる兎と同じブレザー服を着ている兎達が苦笑いしながら見ている。

 

依姫「圧倒的な実践不足だ……わ!

 

レミリアに向かって手をかざした瞬間さっきまでレミリアの後ろにいた筈の咲夜が依姫の背後を取ってホールドしていた。

 

依姫「なっ!?」

 

月兎「えっ!?」

 

これにはびっくりしたみたいだ。流石は時間を操るメイドだけある。

 

咲夜「貴方手癖が悪そうだったから」

 

そう言い刺した刀をコツンっと蹴って地面に倒すと蓮達を取り囲んでいた刀は地面の中にスッと消えていきこれに蓮達は安堵した。

 

依姫「…………貴方達は何しにここへ?」

 

ホールドされた依姫が聞いてくる。

 

咲夜「そういえば私達は何で月に来たんでした

   っけ?」

 

言われてみるとなんで月に来たのかよく分かっていなかった。蓮を初め霊夢、魔理沙、咲夜は何で月に来たのかよくわからなかった。

 

霊夢「そういえば目的って何だったけ?蓮は

   分かる?」

 

蓮 「……よく分からないかな?」

 

霧雨「咲夜がさっき月に行くとか言ってたから

   多分知的好奇心じゃないか?」

 

咲夜「あら?ならもう達成されたわね」

 

そう言った時、レミリアはケラケラと笑った。そして勝ち誇っているかの表情で、

 

レミ「アハハ咲夜、忘れたの?」

 

目を嬉々と輝かせてレミリアは楽しそうに、

 

レミ「私達の目的は月の乗っ取りよ♪」

 

それを聞いていたであろう依姫の顔を見ると何故か微笑んでいた。

 

レミ「月は私達のものよ!」

 

これには蓮達(レミリア以外)のメンバーは嫌な予感しかしなかったのだった。




怠惰「てなわけで今回はここまでです」

狗神「何かこの依姫って奴、見てて時々だが
   イラっとするのは我だけか?」

怠惰「まぁ基本、上の世界に住む人は皆こんな
   感じだよ」

神楽「上=偉いって感じですかね」

怠惰「まぁそうだね因みに依姫には姉がいて
   その姉はどうだったかな確か原作だと
   月に攻めてきた紫を目の前で土下座さ
   せたとか」

鈴蘭「やだ~超強い~」

狗神「あいつをか……」

神楽「あの~完璧本体は本編の刀なんで折れたら
   死んじゃうですが~」

怠惰「まぁ大丈夫だろ多分きっと!」

神楽「宛にならない……」

怠惰「とりあえず今回はここまで♪」

狗神「また次回もよろしくな」

神楽「それでは読者様」

鈴蘭「まったねぇ~♪」



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