血を受け継ぎし者   作:怠惰のクソ悪魔

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こんばんは読者様、仮免に受かった怠惰のクソ悪魔です。まだまだ教習は続くのが最悪です。ではまぁ今回も外伝篇をどうぞ。そして次回から1週間は御休みさせていただきます。


第10話 刹那の時間の殺人姫

夜の街となりガス外灯に光が灯る。そんな光に照らされ真っ赤な紅血が辺りを染める。無数のナイフによって玲音は体中を刺されサボテンのようになっていた。

 

殺姫「ふぅ…さようなら……」

 

煙草を吹かせ後ろを振り向く。だが、

 

ボワァ!!

 

突如として玲音の周りは蒼炎が包み込む。刺さっていたナイフはその炎の温度に耐えきれなかったのかどろどろに溶け柄は地面に落ちるが灰となる。

 

玲音「痛ぇな………」

 

殺姫「………あら?貴方も異常者なのね炎を使って

   るから魔法使いか何かと思ったけど体の傷

   も直るなら人間を止めた化け物ね貴方」

 

殺人姫は冷たく冷酷な眼差しで此方を見ながらそう呟く。

 

玲音「ごちゃごちゃとうるせぇ奴だ………お前あれ

   だろ?俺様強いぜ的なあれだろ?」

 

殺姫「強がりも程々に………」

 

そう呟き外灯に照らされ光る懐中時計を取り出すと一瞬で消える。消えたかと思うといきなり背後から迫ってくる。

 

玲音「っ!!」

 

すぐに避ける。だがまた居なくなる。そして今度は上からナイフの切っ先を向けて突き刺し攻撃を仕掛けてくる。

 

玲音「発火!」

 

殺姫「無駄」

 

玲音の発火は虚しく殺人姫は消えていなくなり避けられる。

 

玲音「ガンブレードがこういう時に欲しいんだけど

   なぁ!」

 

残念ながらガンブレードは紅魔館の自室だ。だからあるわけがない。そんな事を呟きながらもナイフが突如として現れ此方へと切っ先を向けて飛んでくる。

 

玲音「意味がねぇって言ってるだろ」

 

蒼炎は全てを焼き焦がしナイフは液体のように溶ける。

 

殺姫「………貴方の炎は何度あるのかしら?」

 

玲音「さぁ?お前の冷酷的な目よりも熱いのは

   確かだな………それと未成年喫煙をしてん

   じゃねぇよお前が煙草を吸うなんぞ後……

   お前年いくつだよ?」

 

殺姫「100才」

 

玲音「ならまだ青臭いガキだな断然俺の方が

   年上だ」

 

なお間違ってもないし嘘もついていない。本当に見た目だと青年だがこれでも100年以上は生きている。

 

殺姫「まぁ本当は100じゃないけどまさか本当

   に人間止めて化け物とはね…貴方……冗談は

   その炎だけにして欲しいわ」

 

玲音「化け物ね………その言葉そのまんま返して

   やるよ冷酷殺人姫」

 

お互いに睨み合う。そしてまた懐中時計を掲げると一瞬で消えた。目を瞑り瞑想する。そして、

 

玲音「右か!」

 

向かってきたナイフを避ける。更に避けた先には殺人姫が待ち伏せしている。

 

玲音「爆ぜろ!!」

 

殺姫「っ!!」

 

その避けながら何万度もの炎を発火させる。それには流石に殺人姫も消えて逃げた。だが逃げる際は必ずといってもいいぐらいに懐中時計を出していた。

 

玲音「待てよまさか彼奴の能力………」

 

このとき思った。時計それが表すのは時間だと。つまり大方の予想だと相手のトリックは時間を止める能力だと推測できた。

 

玲音「そんな相手は初めてだがガンブレードが

   ないこの状態でどこまで行けるのやら」

 

殺姫「何をごちゃごちゃと言ってるのかしら?」

 

無数のナイフが雨のように上空から降ってくる。

 

玲音「しゃらくせぇ!」

 

だがそんな物は自分の蒼い業火で燃やし尽くすだけだ。

 

玲音「さっきからやってる事がワンパターン過ぎ

   ……」

 

ザシュ!!

 

いつの間にだったのか背後を取られナイフが突き刺さっていた。しかも更にに殺人姫がナイフをグリグリと押し込んで抉ってくる。

 

玲音「ぐ………!」

 

殺姫「あら化け物の貴方も痛みを味わうのね」

 

玲音「生憎痛覚だけは消えなくてな!!」

 

炎を纏わせた拳で振り払う。殺人姫はすぐさまナイフを離しバックステップで回避した。

 

殺姫「厄介な能力………」

 

玲音「お前もな」

 

そう言いながら先程振り払った拳に握られている物を見せる。それは惑うことなき殺人姫が使っていた懐中時計だ。

 

殺姫「っ!いつの間に!」

 

玲音「今さっきだ………お前の能力は大方は時間

   を操る能力だろさっきから事あるごとに

   懐中時計を出して消えてるからなすぐに

   分かるぞ?」

 

トリックの種を明かされた殺人姫は苦虫を噛み潰したかのような顔を一瞬だけした。だがすぐにまたポーカーフェイスに戻った。

 

殺姫「えぇ……ですが貴方ごとき時間を止めず

   ともナイフだけで充分ですので」

 

そう言うと何本ものナイフを無造作に投げる。投げたナイフはあり得ない事に物量法則を無視し壁に当たると反射していき最終的に自分の元へと切っ先を向けてくる。

 

玲音「ナイフの軌道を惑わす戦法か良い手段だ

   だが…嘗められたものだなぁ」

 

その言葉と共に玲音を中心に蒼炎が舞う。向かってくるナイフは全て溶けるのだが放った蒼炎は壁から壁へと伝っていきやがて玲音を中心とした半径50メートルの道そして壁を蒼く染め上げた。

 

殺姫「これは!」

 

玲音「お前のその能力だとすぐに逃げられるから

   封じた時に使おうと思ってた大技…名前は

   あぁ~そうだヘパイストスだ……」

 

するとどうだろうか。殺人姫の持つナイフや反射していくナイフは全て熱で泥々に溶けた。しかもあまりの熱さに殺人姫は煙草を吐き出し大きく呼吸する。そして体中から発汗して汗が滝のように流れていた。

 

殺姫「くっ!!」

 

玲音「熱いだろ?この炎の全体の温度は何万と

   まで昇るがお前を限定的に苦しめるなら

   100~200度あれば充分だよな?」

 

殺姫「はぁ……はぁ………」

 

殺人姫はふらふらしていた。恐らく急激な水分不足と大量の発汗による脱水症状それが更に悪化し熱中症になったのだろう。証拠に、

 

殺姫「汚い…真似……を」

 

目がくらくらとしていて呂律が回らなくなってきていた。

 

玲音「お互い様だそれに先に仕掛けたのはお前

   だぞ殺人姫?」

 

殺姫「ぐっおの…れ……」

 

そう呟くと糸が切れた人形のようにばったりと倒れた。これを見た瞬間、

 

玲音「ぐっ!!」

 

手に持っていた殺人姫の懐中時計が眩しく光だした。そして目を押さえていると

 

町人「なっなんだこれ!」

 

町人「どうなってるの!」

 

と、急に炎は消え街に活気が戻ってくる。恐らくは殺人姫のこの懐中時計は時どころか時空を歪めていたようだ。

 

玲音「おっそろしい能力………」

 

だが玲音は気づいた。日が陰りもう夕方を過ぎていたことを。

 

玲音「うわっ!?」

 

更にもっと酷いことに、

 

憲兵「何事だ!!」

 

憲兵「貴様ら何をしている!!」

 

と、憲兵達までやって来た。

 

玲音「うっわやば……」

 

逃げようと思ったがすぐ近くに熱中症で転がる殺人姫を見る。

 

玲音「ちっあぁ~仕方ない!こいつを使ってお嬢

   達に説明するか!」

 

殺人姫をおぶると玲音はダッシュで憲兵達から逃げた。

 

憲兵「待て!!」

 

憲兵「逃がすな!!」

 

玲音「ちきしょう後でこいつ憂さ晴らしで苛め

   てやる!」

 

そうして玲音は結局夕飯のおかずは手に入れられず代わりに殺人姫を連れて帰ることとなったのだった。




狗神「そんじゃ今回もありがとうな」

鈴蘭「ありがとうね♪」

神楽「ありがとうございました♪」

怠惰「で、え~とまぁ前回の本編でも言った通り
   明日から来週の月曜日まで投稿はしません
   のでご了承をお願いします」

狗神「だがあっちの消えた小説は投稿するらしい
   からそっちをよろしくな………」

鈴蘭「1週間ぐらい待たせちゃうけどごめんね」

神楽「また1週間後には投稿を開始しますので
   お願い致します」

怠惰「え~とそれじゃ終わろうか」

狗神「だなそれじゃ今回もありがとうな♪」

鈴蘭「また再来週に会おうね読者様♪」

神楽「それではまた1週間後に♪」

怠惰「そんじゃバイバイ♪」

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