歩きながらも輝夜と妹紅との喧嘩は続くがそれでも歩き続けようやく太陽の畑の一歩手前まで来る。そしてすぐに気づいた。季節外れのひまわりの大群を。
永琳「これまた凄いわね」
萃香「季節外れの花畑か何ともまぁ摩訶不思議な光
景だねぇ」
永琳や萃香は2年ぐらい前に起きた季節外れの花が大量発生した異変を思い出す。今回はひまわり限定だがそれでもひまわりが段々と侵食してきていた。
天子「とりあえず先に行かない?正直な話であれの
せいで落ち着けないのよね」
と、天子が言う先では、
輝夜「だから!何でそうなるのよ!」
妹紅「それはこっちが聞きたい!」
まだ懲りずに喧嘩を繰り返していた。正直これは長引かせるとこっちが疲れるかもとこの場にいる皆はそう思った。
永琳「行きましょうか」
永琳の一言で皆は(輝夜と妹紅は萃香に引っ張られ)先に進むのだった。数100歩程歩いたぐらいだろうか。広大なひまわりの大群が生殖する花畑へと辿り着いた。そしてその先では、
輝夜「耶狛!」
妹紅「見つけたぞ耶狛!」
豹変した耶狛がひまわりの畑を見ながら何かをしていたため名前を叫び呼ぶ。そしてそれに気がついたのか耶狛は嗜虐的な目で此方を見てくる。
耶狛「あらあら‥‥ふふっ♪いらっしゃい♪」
ニコリと笑い耶狛はゆっくりと立ち上がる。
永琳「ねぇ耶狛‥‥教えてちょうだい何でこんなにも
ひまわりを?」
耶狛「あぁこれ?そうねぇ季節外れのひまわりそれ
が何十何百って並べば新たな美をと思ったの
けどどうも創作意欲が湧かないのよねぇ」
耶狛の後ろをよく見るとそこにはスケッチブックが置いてあった。つまりたかだが絵を描くためにこんな事をしたみたいだ。
天子「正直に言うけど季節外れの花なんてものを書
いても何ら美しくないのよ!良い!季節に合
う花だからこそ季節を彩るのよ!あんたはそ
こを理解しなさすぎるわ!」
耶狛「あっやっぱり天人くずれもそう思う?今にな
って私もそう思い始めてきたのよねぇやっぱ
り妹紅さんに山を焼かせた時の方が私の美に
ビンビン来たのよねぇ」
妹紅「私に‥山を焼かせた……だと!?」
耶狛「えぇそうよ面白かったしそれはもう綺麗だっ
たわよ♪炎を操りて天狗達を炎で焼く姿それ
は可憐の一言に尽きる美しさだったわ♪ねぇ
もう一度私の僕にならない?」
耶狛の言っていることは本当だろう。しかし何て酷な事をさせたのだろう。これこそ鬼畜の所業であろう。
天子「あんた相当の屑女ね!」
耶狛「まぁ!何て口の聞き方が悪い子なのかしら!
そう言うのは風上にもおけぬ女ね!と言うの
が女性らしい言葉よ?一から国語を学んでき
たらどう落ちぶれの天人さん?」
天子「もっ物凄くイラつくわねあんた!」
耶狛「ふふっ♪良い褒め言葉をありがとう♪」
耶狛に会ったことのある者達は皆この凶変に驚くことしか出来なかった。何故ならバカの代名詞とも言えるあの耶狛がここまでの皮肉を言えなおかつ一から勉強し直してこいとまで言ったぐらいだ。これには唖然しざる得ない。
永琳「あの耶狛が…………」
輝夜「こっここまで頭脳明晰になってるなんて」
鈴仙「えっと因みに耶狛さん‥‥tan45度は?」
耶狛「1よ‥‥ねぇ貴方は私を舐めてるの?」
やっぱり性格逆転とはここまで変えるのだろうか。バカの1人とまで言えるあの耶狛が今では数学までも出来ているのだから。
萃香「何か失礼なような………ん?」
妹紅「………………………!!」
炎で燃える妹紅の姿を萃香は見てしまった。そして周りから発せられる炎は一面のひまわりの畑に引火した。
輝夜「あっつ!あんた少しは!」
妹紅「よくも‥‥こんな事を!!!」
耶狛「あらあら熱くなってまぁそれと~ここの花は
燃やすと………」
耶狛が言いかける前に妹紅は走り拳に炎を纏わせ耶狛へと殴りかかる。だが妹紅と耶狛との間を何者かが遮った。
バシンッ!!
遮られ妹紅の進撃は止まる。そして炎の拳は傘でガードされていた。しかもその傘の持ち主は、
妹紅「なっ!風見幽香!」
幽香だった。それも光を失った目で此方を見てくる。
耶狛「昨日やっと捕獲したのよねぇ♪幽香さん少し
暴れてくれるかしら?この花畑を燃やした者
に制裁を与えないとねぇ?」
幽香「………そうね」
妹紅「つっ!」
妹紅はすぐに後退する。そして幽香も傘を構える。
耶狛「貴方達のメロディーを聞かせてよそして私に
貴方達の美を見せてちょうだい!それこそが
私の美のインスピレーション美への執着へと
変わり新たなる創作意欲を駆り立てるのだか
ら!」
天子「そう‥なら私は貴方のその歪んだ美への執着
を正してあげるわ!」
永琳「耶狛‥‥貴方を捕獲させてもらうわ!」
妹紅「落とし前はつけてもらうぞ耶狛!」
そう言い皆は構える。そして耶狛は不気味にニコニコと狂気を含む笑顔をする。
耶狛「良いわ!とっても良いわ!絶対的なる力を前
にして挑むその心意気はとても美しいわ!!
これよこれこそ新たなるインスピレーション
よ!アハハハハハハハ!!幽香さん数人程の
相手をしてちょうだい私は残りの数人をやる
から♪」
そう言うと淀み曇りきった目で幽香は傘を構える。
耶狛「さぁ来なさいそして絶望してちょうだい!」
こうして南組の7人は耶狛へと戦いを挑むのだった。
怠惰「ではでは今回もありがとうございました」
鈴蘭「耶狛が昔よりも頭が良くなってる!?」
神楽「えっそんなにバカなんですか?」
鈴蘭「うん‥‥読み書きとかは普通で運動神経は抜群
だったけど計算はニガテだったよね‥‥昔に晴
明ちゃんに付いていってたから知ってるけど
さ」
狗神「どのくらいニガテだったんだよ?」
鈴蘭「1+1を1って答えたり1×1を2って答えた
りとかもうそれは酷かったよ?」
怠惰「因みにだけど耶狛って絵のセンスは皆無に等
しいからね?前にバザーの時に理久兎君達の
店はあったよね?」
神楽「えぇ‥‥」
怠惰「あれを設計したのは耶狛なんだけど設計図が
もうピカソの絵というかムンクの叫びという
かそれらの出来損ないのそれはもう凄い出来
前だったからね?」
狗神「よっ良く分からんがよくもまぁあの店出来た
よなぁ」
怠惰「理久兎君が分かりやすく書き直したからね」
神楽「あっ成る程………」
怠惰「まぁだから多分書いていた絵もまぁそこは
ご想像に任せるけどね♪さてそろそ時間だ
から今回はここまでね」
神楽「それではまた次回もお願い致します」
鈴蘭「それじゃあね読者様♪」
狗神「またな」