自分達は一斉に理久兎へと挑みかかる。これは相手からしたら数の暴力と思われるかもしれない。だが1人だけでは今の理久兎には勝てないのは事実だ。
理 「舞え黒椿‥踊れ天沼矛‥」
理久兎の懐から黒椿と天沼矛が飛び出し目で追うのがやっとの速度で縦横無尽に飛び回る。
蓮 「っ!!」
霊夢「このっ!!」
天子「気符 無念無想の境地!」
天子はスペルを唱えると体に稲光が走る。そして緋想の剣を右手に持ちノーガードで理久兎へと突っ込む。
蓮 「天子さん!」
止めようとしたが既に遅く止められなかった。そして理久兎へと急接近した天子の攻撃は理久兎の空紅で受け止められた。
蓮 「早く援護‥‥をっ!?」
早苗「はっ早すぎますよ!」
さと「見切りきれない!」
援護したいがこの飛び回る黒椿と天沼矛は厄介だ。スペルを詠唱しようとすれば一瞬でやられる。それぐらいに速いのだ。そして天子は弾き飛ばされこっちへと飛ばされてくる。
天子「っ!何なの彼奴!」
と、言っていると、
理 「空紅の全発火能力を解放」
理久兎は空紅を断罪神書の縁に当てていた。何故にあんな構えをするのだと思っていると、
萃香「紫あれ!!」
紫 「………っ!全員この中に入ってちょうだい!!
カグツチが来るわ!」
早苗「カグツチ?」
霧雨「何だよそれ」
確かにカグツチとは何だとと疑問に思っていると理久兎は断罪神書の縁に空紅の刀身を擦りつけると火の粉があがったかと思うと巨大な紅色の炎の渦が空紅を中心に現れ理久兎はそれを掲げる。それを見てすぐに嫌な予感がした。すぐに自分を含めて皆は紫が作ったスキマに入ろうとするが、
理 「ルールを制定するこの炎が消えるまで敵の能
力及びに飛行の使用を禁ずる!!」
紫 「なっスキマが!!」
霊夢「えっちょっ!」
退路をたたれた。そして、
理 「紅カグツチ!!!」
理久兎の一撃が放たれ辺り巨大な炎が一直線に自分達に襲いかかる。
霧雨「まずい!避けれな‥‥!」
妖夢「そんな!」
自分達は紅色の炎に飲み込まれた。
聖 「くっ!!!
咲夜「あぁぁぁぁ!!!」
玲音「咲夜!!なんだこの炎は!」
さと「きゃーーーー!!」
こい「熱いよぉ!!!」
熱い本当に熱い。あまりの一撃に皆が苦しむ。そして肉の焼ける匂いが鼻孔につき嫌な気分になる。これは死ぬかもしれない。だが炎で焼け溶けると同時に体が再生する。それが何度も何度も起こる。そして炎が止むとあまりの苦しさに自分も含め全員は地面に倒れる。
理 「どうかな?愛宕の炎と同等の炎の味はって‥‥
あれれ?僕を倒すんじゃなかったの?」
蓮 「くっ!‥‥」
今だからこそ分かった。理久兎が何故に自分達をこの戦いの間だけ不老不死にしたのか。最初は自分達はメリットだと感じたがそれは普段の自分達でも勝てる相手ならの話だ。相手は最悪の神である理久兎つまり勝つのはほぼ不可能な相手であり逃げることも出来ぬ強敵もしそんな相手と戦おうものなら永遠のこの苦しみを味わい何度も地に頭や体をつける結果になる。理久兎は端から自分達をただ殺すのではなく絶望を与え自分達の心を殺す気だ。
理 「お~い生きてますか~死んでますか~あれ?
やり過ぎちゃったかな?」
紫 「くっ御師匠様!」
紫は弾幕を飛ばす。だが理久兎は避けずそのままノーガードでその弾幕を受けた。
理 「グァァァァ!!痛い痛いよ‥‥」
理久兎にも痛みはあるが自分達と違うのはケガが治らない。つまり不老不死なのは自分達だけで理久兎は不老不死にはなっていない。もっと言ってしまえばこの理久兎が仕掛けたゲームは此方が有利と思えるが実際は此方が凄く不利だ。理久兎を殺さなければ自分達は永遠の苦しみを味わう事となる。だがもし理久兎を殺したとして殺せばもう二度と理久兎は元に戻らないつまり自分達からしたらゲームオーバーとなる。まさかここまでこのゲームがクソゲーだとは。
理 「痛い痛い‥‥ククこれが生きてる証しか♪」
全員「!!?」
一瞬だが震えてしまった。あれは子供の純粋な生に対する凶気そのものと思った。
理 「アハハハハハこれだよ僕がここにいる実感
何て素晴らしい!まさしく生ある命アハハ
ハハハ!」
蓮 「うがぁぁぁ!!」
力を振り絞り立ち上がり神楽を持って斬りかかるが、
ガシッ!
ありえない事に左手で神楽を持つ右腕を掴まれ防がれた。すぐに懐から狗神と鈴蘭の式神札を出し、
蓮 「狗神!鈴蘭!」
狗神「死ね理久兎!!」
鈴蘭「ぶっとばされろ!!」
狗神の拳と鈴蘭の蹴りが理久兎へと放たれ後少しで当たろうとする所で、
理 「生ぬるいよそんな攻撃?」
ガシッ!
狗神「っ!」
左手で狗神の拳を掴むと狗神と自分は持ち上げられ理久兎に回転させられる。
蓮 「ぐぁ!!」
狗神「うぐっ!」
ガスっ!
鈴蘭「ぐふっ!?」
そして鈴蘭を回転で吹っ飛ばすと自分と狗神を投げ飛ばす。
狗神「ちっ!」
蓮 「っ!!」
受け身を取ると次に玲音が理久兎へと斬りかかる。
玲音「ベリアル!」
ベリ「仕方ないわねぇ」
突然現れた人相が悪い女性と共に炎とガンブレードを巧みに使い理久兎に挑む。理久兎は避けながら玲音へと拳を放つがその瞬間に玲音は炎となり攻撃をすり抜ける芸当を見せる。
玲音「こいつ!」
ベリ「速いわねぇ」
理 「へぇ面白いね君‥‥だけどねそんなデタラメに
技を使えば良いって訳じゃないんだよ?」
そう言うと理久兎は玲音に向かって空紅を断罪神書から引き抜き斬りつけるが玲音はまた炎になって攻撃を避ける。
玲音「そういうお前こそな!」
理 「あっそ‥‥ルールを制定する1分の間のみの時
間だけ自分の左手に相手の能力そして個性の
無効化を付与!」
と、唱えると玲音の首もとを掴み持ち上げる。
玲音「なっ何だと!!」
ベリ「何で炎が!?」
理 「炎には炎で相手をしてあげるよ♪」
理久兎は右手に空紅を持ち刀身を玲音の首筋に当てると、
理 「破ぜろ」
ドゴーーンッ!!
玲音「がはっ‥‥」
ベリ「何よ‥‥この炎は………」
玲音の顔が爆発し炎で燃え上がると玲音を放り投げた。
蓮 「玲音さん!!」
咲夜「よくも!!」
霊夢「蓮の仇よ!陰陽鬼神玉!」
霧雨「スターダストレヴァリエ!」
咲夜「殺人ドール!」
早苗「開海 海が割れる日!
4人は理久兎へとスペルを放つと理久兎は空紅を断罪神書にしまいそしてただ残虐な子供笑みをしながら背中から翼を生やし突風で正面から向かってくる早苗のスペルを押し返し更にはナイフは素手で振り払い巨大な陰陽玉は足で蹴り飛ばしそして魔理沙の箒による突進を右手で止める。
霧雨「なっ!!」
理 「これは~お返し♪」
理久兎は魔理沙の頭にアイアンクローをし掴むと、
ザシュ!
霧雨「が‥‥」
魔理沙の後頭部から大きな針が飛び出ると同時に血が吹き出る。針が消え魔理沙を離すと魔理沙は地面へと倒れ血溜まりを作る。
霊夢「魔理沙!」
早苗「魔理沙さん!」
咲夜「っ!時よ止ま‥‥」
理 「とろい」
一瞬だ。僅か0.001秒ほどの時間で理久兎は霊夢と咲夜そして早苗へと入り、
ガスっ!ドゴンッ!!ザシュ!
霊夢「がはっ!!」
早苗「あぐっ!」
咲夜「うぐっ!!?」
霊夢には腹に右掌底打ちを叩き込んでぶっ飛ばされ咲夜には背後から突然生えた尾による払い攻撃を顔に叩き込まれ早苗は尻尾の回転と同時に放たれた回し蹴りが当たり吹っ飛ばされ23人は壁に激突する。
蓮 「霊夢!」
すぐに自分は霊夢の元に生き起き上がらせる。息はあるみたいだから助かる。だがその間に、
聖 「キャーー!!」
天子「あぐっ!!」
萃香「何‥で‥」
聖は身体中から血を流し倒れ天子は地面に叩きつけら動かなくなり萃香は首を掴まれ悶え苦しんでいた。
理 「弱い‥‥弱すぎる何なんだ楽しめないよ?」
妖夢「蓮さん協力してください!」
蓮 「分かりました!狗神!鈴蘭!」
狗神「あぁ!」
鈴蘭「リベンジ!!」
まず自分は妖夢と共に理久兎へと斬りかかる。理久兎は萃香を放り投げ黒椿と天沼矛を構えると、
ギンッ!ガギンッ!
自分達の攻撃を防ぐ。そしてニタリと不気味に笑う。
理 「ねぇやる気ある?」
と、言うと妖夢は歯を食い縛り数歩だけ後ろへと下がると、
妖夢「転生剣 円心流転斬!」
桜観剣を使い連続の斬り上げ攻撃を理久兎へと放つ。すぐに自分は離れ距離を取り理久兎の背後に回り、
蓮 「斬激 刹那斬!」
常人の目には見えぬ程の速度で神楽を振るい現れる軌跡と共に理久兎へと向かって走る。そして更に理久兎の左右からは、
狗神「犬牙 殺戮演武!」
鈴蘭「陰陽 五芒星魔除けの一蹴り!」
犬となった狗神は執念と憎しみを惑い理久兎へと突進し鈴蘭は右足に五芒星が描かれたかと思うと右足が白く光輝いた状態で理久兎へと突撃する。この四方からの攻撃なら避けきれまい。だが理久兎は呆れながら、
理 「あのさ‥‥綺麗なのは認めてはあげるよ?けれ
どさ意味がないんだよ」
と、言ったその瞬間、理久兎はありえない事に一瞬で姿を消した。
妖夢「っ!」
蓮 「なっ!」
狗神「ちぃっ!!」
鈴蘭「おっととと!!」
ぶつかり合わないために何とかギリギリ当たりそうな所で止まる。だが一体何処にと思っていると自分達の足元に不可思議な影が出来ているのに気がつく。するとその影から無数の針が飛び出してくる。
蓮 「避けて!!」
妖夢「しまっ!」
鈴蘭「嘘!!?」
狗神「何!」
ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!
突然の攻撃に自分は上手く避けれたが妖夢、狗神、鈴蘭は直撃し黒い針に貫かれ血を吹き出す。
蓮 「皆!」
針が影に戻ると貫かれた3人は地面に倒れる。そして影から理久兎がゆっくりと現れる。あれは黒の影を操る能力だ。何故、理久兎が使えるのだ。
聖 「うっ‥‥あれはそんな‥‥」
霧雨「てめぇそれは黒の能力だろ!!」
復活した魔理沙は理久兎目掛けて魔法ロケットを放つ。だが理久兎は何を言わず右手の指を合わせ、
パッチン!
指パッチンをすると魔理沙の魔法ロケットは突然できた裂け目に入り消えた。すると今度は、
こい「理久兎お兄ちゃん!お姉ちゃんを悲しませた
分のお仕置きをとりあえず受けてねよ!夢符
ご先祖様が見ているぞ」
6つの巨大な影が現れ一斉に理久兎へと襲いかかる。だが理久兎呆れながら、
理 「縮小」
と、唱えた瞬間、6つの影は見る陰もないぐらいに小さくなると理久兎の尾に払われかき消される。
こい「耶狛お姉ちゃんの能力‥‥」
玲音「それにあの忍者野郎のも!」
天子「多重能力者って本当に
天子の言う通りだ。今の理久兎はチートを通り越した化け物そのもの。ただでさ強いのにそれにプラスして亜狛、耶狛そして黒の3人の能力までもが追加されているとなると実質4人を相手にしているようなものだ。
理 「ねぇ君達は何で諦めないの?僕には分からな
いし分かりたくもない感情だけど教えてくれ
ない?君達の心が精神が壊れる前にさ」
蓮 「そんなものは決まってますよ‥‥」
そう言い自分は神楽を構え立ち上がる。
理 「ほう何が決まってるのさ?」
蓮 「それは‥‥」
と、言った瞬間、理久兎の正面以外を囲うように幾つものスキマが出来るそしてその中から、
さと「理久兎さんを!」
紫 「救うためですわ!」
紫とさとりが現れると2人は理久兎にしがみつき四肢を押さえ込む。
理 「なっお前らぁ!!」
さと「私達は元より貴方を貴方が愛した従者達を救
うために来ているんです!」
紫 「だから思い出して頂戴!皆の思いや記憶を!
御師匠様!」
そう言い紫は理久兎の首筋に注射器を刺し入れる。
理 「離せ!僕に気安く触るな下等種共!!」
理久兎は抵抗をしてしがみつく2人を引き剥がそうと暴れ注射器は壊れてしまう。
蓮 「なっ注射器が!」
霧雨「嘘だろ」
妖夢「そんな………」
だけそれだけでは終わらず更理久兎の影から無数の槍そして黒椿に天沼矛を出し理久兎共々貫く。だが、
紫 「ぐふっ!諦め‥‥ませんわ」
さと「しつこいのは‥慣れてますので‥それに!」
理 「っ!!」
理久兎に異変が訪れた。それは今さっきと比べ暴れる頻度がどんどん治まっていっているのだ。
萃香「まさか!」
天子「あの‥‥泥臭妖怪達やるじゃない」
早苗「成功したんだすね!」
つまり上手く薬液を注入出来たのだろう。そして思う2人の体を張ってまでするその執念や思いは強いのだとそんなのを見せられれば黙っている訳にはいかない。
蓮 「霊夢!」
霊夢「っ!あれね!」
神楽を見て一瞬で理解してくれたみたいだ。自分は神楽を構え一気に距離を積める。
霊夢「行くわよ蓮!!」
霊夢は4つの大きな光弾を自分に向かって放つ。それに合わせ神楽で4つの光弾を斬り神楽に纏わせる。
紫 「やりなさい蓮!!」
さと「蓮さんお願いします!!」
蓮 「理久兎さん!!」
理 「っ離せ!!!!!」
霊夢の霊力と自分自身の霊力によって強く光輝く神楽を構えそして、
蓮 「霊符 夢想天斬!!」
理 「止めろぉぉぉぉ!!!」
ピチャーーン!!
大きな被弾音と共に眩しい光が自分達を包み込むのだった。
怠惰「はいはい今回もありがとうございました」
晴明「えぇ♪ってこれがあるって事は理久兎さん
倒されちゃったんですか!?蓮の修行の意
味は!?」
怠惰「まぁまぁとりあえずそこは置いておいて今
回はついに理久兎君について教えるよ♪」
晴明「………裏話っていったい」
怠惰「まずはこれまで皆様が知る理久兎って大体
のイメージってトラブルメーカーとか行く
先々でやらかすとかだよね?」
晴明「まぁ確かに」
怠惰「それにプラスして憎めない性格とか人情が
あるとか誰にたいしても平等的に接する事
ができるだと思うけど………」
晴明「………ど何ですか?」
怠惰「凶変した理久兎はこれまでの理久兎になか
ったある感情がこの凶変によって一時的に
生まれたそれこそが野心というものだよ」
晴明「野心………」
怠惰「そうその野心は誰にも抑えきれないものだ
よ故に自分の目的のためなら誰だろうが殺
すし従者ですら使い捨ての駒にするそれが
理久兎の今の状況だね」
晴明「優しかった理久兎さんが………」
怠惰「まぁ更にぶっちゃけるとこの理久兎の傍若
無人っぷりは子供の我儘の延長線ってのが
正しいよね」
晴明「子供の我儘って」
怠惰「だからこそ今の理久兎には社会的な正義や
悪などが分からない子供そのものであり自
分こそが正義であり規律であると信じてい
る故にそれに抗う奴つまり思い通りになら
ない奴は絶対に許さないってのが裏話であ
り設定かな♪さてそれを踏まえると♪」
晴明「………まさか!?」
怠惰「ははっ♪では今回はここまでまた次回もよ
ろしくね♪」
晴明「まずい蓮達が!」
怠惰「ではではまた次回バイバイ♪」