血を受け継ぎし者   作:怠惰のクソ悪魔

335 / 442
第300話 天狗の修行

銃の発砲と共に自分の実践修行が始まる。すぐさまギリギリ着弾するぐらいで避けるが軽く右腕を弾丸が擦った。

 

風雅「ギリギリな回避だな!」

 

更に銃を自分に向けて発砲してくる。

 

蓮 「くっ!」

 

また回避をするがやはり銃を見ていると狂神となった理久兎の銃による被弾が脳裏によぎり恐くなる。自分は銃に対してトラウマになっているのかもしれない。

 

風雅「………お前は何を怯えている!」

 

蓮 「っ!」

 

神楽を抜刀し向かってくる弾丸を一刀両断する。

 

風雅「そんな動きでは修行にならん‥‥しっかりとや

   れ若僧!さもなくば貴様はすぐに破門だ!」

 

天魔様は腕に妖力の玉を作ると銃にぶちこむとまた自分めがけて発砲してくる。

 

蓮 「このっ!」

 

天魔様の言う通りだ。怯えていたら何も得れないしわざわざ自分のわがままために時間を割いてくれたのに失礼に値する。

 

蓮 (銃なんか怖くはない!!)

 

怖くはない。とただ頭の中で言い聞かせて避け又は神楽を振るい被弾しないように動く。

 

風雅「やっも少しはまともに動けれるようになった

   な‥‥ならばこれはどうだ?」

 

天魔様は銃口に少し大きめな玉を作り出すと銃口を自分ではなく空に向けて発砲する。

 

風雅「時雨!」

 

すると頭上で玉が止まるとその玉から無数の追尾弾が飛んできた。

 

蓮 「っ!!」

 

すぐに走りだし時雨を避けていくがまだまだ追尾弾は飛んでくる。こんな時に理久兎ならどうするのだろうか。天魔様の力で見た映像の理久兎は刀だけではなく相手を盾にして攻撃を防いだりまた近くの岩を経由して移動を‥‥

 

蓮 「そうだ!」

 

もしかしたらと一瞬考え行動に移す。攻撃を避けながら近くの木に近づき木を壁に見立てて蹴り、壁蹴りの両用で木から木へと跳躍して追尾弾を避ける。

 

風雅「ほう良い動きだ!」

 

これならばただ走るよりも早く移動が出来なおかつ跳躍の際に足に力を込めるだけで良いため無駄な体力を消費せず凄く楽だ。神楽をすぐに抜けれるように構え次の木へと跳躍した際に両足を木の幹へと当てそしてバネように曲げて一気に天魔様へと向かい神楽を抜刀して斬りかかる。

 

ギンッ!

 

だが天魔様は銃で自分の一太刀を押さえ付けた。

 

風雅「良いじゃないか」

 

と、言うと自分をはじき飛ばす。まだ来るかと思っていると天魔様は銃を下ろすと同時に追尾弾も一瞬で消えた。

 

風雅「そろそろ時間だ今日はここまでにしよう」

 

言われて気づくがもう30分は経過しているのか。

 

蓮 「はい!」

 

神楽を納め返事をすると天魔様はニコリと笑う。

 

風雅「最初は単調すぎてギコチナイ動きで不安にな

   ったが途中から良い動きになったから良かっ

   ぞ?」

 

蓮 「アハハ‥‥天魔様はトラウマ………いえ怖い物っ

   てありますか?」

 

風雅「何?」

 

蓮 「僕は銃が怖いですね‥‥数ヶ月前に狂神となっ

   た理久兎さんに銃で撃たれてしまってその時

   から苦手で‥‥」

 

天魔様は顎に手を当てて考えると自分を見て、

 

風雅「そうだな………私はないなそんなのはただ」

 

蓮 「ただ?」

 

風雅「時々思うのだ私は天狗達の長としてしっかり

   とやれているのかとな‥‥狂者となった亜狛達

   の襲撃からより一層に考えさせられるあの時

   もし迎え撃てと言わなければ被害は少なかっ

   たかもしれないからな‥‥」

 

あの時の事件を少し気にしているみたいだ。

 

蓮 「‥‥自分はそんな事を言う資格はないかもしれ

   ませんが天魔様はしっかりとやっていますよ

   挨拶の時も天魔様が~みたいに言っていまし

   たし」

 

それを聞くと天魔様は顔を綻ばせる。

 

風雅「そうか‥‥すまんな教えてくれて皆のためにも

   しっかりとしなければな‥‥それと若僧」

 

蓮 「はい?」

 

風雅「怖いトラウマ‥‥そんなの生きていれば必ずし

   もあるのだしかしそれをどう克服するかそれ

   とも全てを投げ捨てて逃げるかのどちらかの

   選択肢しかないそれを重々と覚えておけよ」

 

逃げるか‥‥一瞬あの夢の言葉が脳裏に過った。逃げた先には何があるのか。恐らくその結末は‥‥いやただの考えすぎだと思いたい。

 

蓮 「ありがとうございます」

 

風雅「さてとこんな辛気臭い話は止めにして帰るか

   私も帰って明日の書類をさっさと片付けたい

   しな♪」

 

蓮 「分かりました」

 

そうして天狗の里へと戻ると文が近づいてきた。

 

文 「天魔様それに蓮さん」

 

風雅「文かどうだ見つけたか?」

 

文 「えぇ寝泊まりする部屋がありましたよ」

 

自分が1週間お世話になる部屋を見つけれたみたいだ。最悪は野宿とも考えていたためありがたい限りだ。

 

蓮 「因みにそれって何処に‥‥?」

 

文 「えっと‥‥理久兎さんが昔に使っていた小屋で

   すかね?」

 

風雅「あそこか‥‥」

 

昔に理久兎が使っていた小屋か。どんな所なのか少し気になる。

 

文 「ただ少し離れているので大変ですが」

 

蓮 「いえ良いですよ♪わざわざ用意して下さった

   のですからそこを使わせてください♪」

 

風雅「決まりだな文」

 

文 「分かりましたなら着いてきてくださいね」

 

そう言い文は空へと飛び立つ。自分は天魔様の方を向き頭を下げる。

 

蓮 「それでは天魔様今日はありがとうございまし

   たまた明日もお願い致します」

 

風雅「まぁ何だ精一杯教えてやるさ」

 

と、言っていると上空にいる文が声を張り上げて、

 

文 「早く来てくださいよ~!」

 

蓮 「あっととそれでは♪」

 

もう一度頭をペコリと下げて空へと飛び立ち文の後に続く。そうして里から少し離れた場所へと降りるとそこには少し小さめな一軒家があった。

 

文 「こっちですよ」

 

中へと入るとそこは土間とその先に一部屋というシンプルな構造で1人ぐらしなら全然事足りる部屋だと思った。

 

蓮 「ここに理久兎さん達は‥‥」

 

柱には何故か傘が描かれその中に亜狛と耶狛の名前が掘られていた。まぁ間違いなくここに住んでいたというのが分かった。

 

文 「布団は押し入れにありますので使って下さい

   料理は食材などを後で持ってきますので自炊

   をお願いできますか?」

 

蓮 「構いませんよそのぐらい♪」

 

文 「分かりました♪それでは食材等を持ってきま

   すね♪」

 

そう言い文は里へと戻っていった。1人残った自分は床の傷などを触れながら、

 

蓮 「‥‥強くならなきゃな」

 

と、1人そう呟くのだった。




怠惰「てな訳で今回はここまででございます」

神楽「はい♪」

鈴蘭「それよりも風雅さんって銃による攻撃が主
   なの?」

怠惰「まぁそうだね河童式火縄銃‥‥いやマスケット
   銃を発砲または隠してある槍で攻撃できるよ
   うになってるよ♪」

狗神「近距離と中距離は槍で遠距離は銃撃と隙がな
   いな」

怠惰「そう風雅の戦闘スタイルは隙がないのが強み
   なのさしかも近づいてくるバカには能力によ
   る超重力で圧殺されると防御も完璧であった
   りと結構凄いんだよ?ただ残念な干物女かつ
   野武士だけど」

神楽「野武士って‥‥」

鈴蘭「女性に言ったら絶対に喜ばれない台詞だ」

怠惰「まぁでも実際にそうなんだから仕方ない」

狗神「おいおい否定してやれよ製作者」

怠惰「アハハ‥‥さてさてそろそろ時間ですしここま
   でに致しましょうか」

神楽「そうですね♪それでは今回もありがとうござ
   いました♪」

鈴蘭「また次回もよろしく~♪」

狗神「そんじゃあな」

怠惰「ばいばい♪」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。