宴会が終わりそして自分達はあの襲撃が嘘かのようなのんびりとした生活に戻っていた。
蓮 「平和だね」
霊夢「そうね」
寺子屋のバイト仕事も終わり縁側に座り秋となりつつある幻想郷の景色を眺めながらお茶を飲み気づく。
蓮 「あっ茶柱だ」
霊夢「本当ね良い事があるかもしれないわね」
茶柱とは縁起が良い何か良いことがあるのかなと思いつつお茶を飲む。
蓮 「そういえば霊夢」
霊夢「ん?」
蓮 「狐声は治ったの?」
霊夢「勿論よあんな呪いすぐに治キュよ‥‥ごめん今
の忘れて」
どうやらまだ治らないみたいだ。
霊夢「もう本当に何時になったらこの呪いは治るの
よぉ‥‥」
蓮 「う~ん呪いというより癖になってるよね」
霊夢「癖って………」
いやでも呪いよりもそっちの方がしっくり来る感じがする。それに呪いって呪いの後遺症はそれぐらいだし一過性の癖ならば時間で治る筈だ。
霊夢「人前に出てこれじゃ私の気持ちが持たないわ
よ‥‥」
蓮 「それじゃ僕の前だと?」
霊夢「えっそれは‥‥言わせないでよ恥ずかしい」
顔を赤くしてプイッと顔をそらした。見ていて凄く和む光景だ。
蓮 「本当に戻ってこれて良かった」
霊夢「もっ戻ってこなくても‥‥ううんそんな事はな
いわね」
蓮 「霊夢」
霊夢「ただ何で早く戻ってこなかったのか理由を来
こうじゃない♪」
蓮 「………えっ」
あれ何か急に空気が冷たくなった気がするのは気のせいかな。なわけないか霊夢はニコニコ笑ってるし。
蓮 「えぇと‥‥霊夢にボコボコにされると思った
‥‥から?」
霊夢「そう♪もっと早く帰ってきてほしかったけど
ねぇ!」
ムニュと自分の頬を引っ張られる。前に受けた時よりも今回は結構キツめに引っ張るな。
蓮 「いひゃい!いひゃい!ごひぇんってば」
霊夢「バカ‥‥」
引っ張るのを止めると霊夢はお茶をすする。元に帰らなかった自分が悪いのは事実だし今回ばかしは仕方ないか。
蓮 「アハハ‥‥」
と、苦笑いをしていると草むらが揺れだす。何だと思い念のために警戒していると草むらから目玉がついた傘が出てきた。
? 「ベロベロバー!」
霊夢「………サクッと退治しましょうか」
立ち上がり御札を構えると傘を投げ捨て青髪のオッドアイの少女たしか‥‥多々良小傘だったかが泣きながら土下座してきた。
小傘「すんませんした!」
霊夢「だが許さない♪」
何かこんな光景を前にも見たな今回は霊夢を止めよう。
小傘「ヒィ~!?」
蓮 「霊夢‥‥」
これでは埒が明かないため霊夢の前に手を出すと霊夢はムスッとした表情をして縁側に座る。
小傘「助かったよ~」
霊夢「そんで?あんたは何しに来たのよ?」
小傘「いやいや♪実は今回はこの話をしようと♪」
手をお金の形にしてニヤニヤとした表情をしてきた。
霊夢「何その顔は」
小傘「いえいえ♪実は蓮さんの刀に少し興味があり
まして何でもその刀でいくあまたの異変を解
決したとか」
蓮 「………売りませんよ?」
神楽は売る訳にはいかないため言うと小傘は首を横に振り、
小傘「いえいえ滅相もないです私は他人の者を売買
はしないんですよ私が提供するのはこれです
よ♪」
そう言うと子傘は懐から長い針を出してきた。あれあの針って、
霊夢「あっそれ私の針だ」
やっぱりか。長さ的にあんな長い針を持っているのって霊夢ぐらいしかいないしな。しかし何でまた小傘が持ってるんだ。
蓮 「何で小傘さんがこれを?」
小傘「昔に体に刺された針を手入れしたから♪」
流石は妖怪なだけあって体は案外にも頑丈みたいだ。そして針を見て自分達は目を点にする。
霊夢「しかも凄く綺麗に磨かれてる!?」
蓮 「しょっ職人レベルだ」
驚くくらいにピンと真っ直ぐになっており錆も取れているのか光沢を放って光輝いていた。
小傘「ふっふっふっ私達一つ目小僧はこれでも鍛冶
も得意なんです♪」
蓮 「一つ目って」
いや小傘さんって一つ目小僧だったけ。確か唐笠お化けじゃなかったけ。
霊夢「それに鍛冶もって言うけどそれ以外に何か出
来たっけ?」
小傘「まっまぁまぁそこは置いておいて~でも仕事
は完璧にこなすのは事実ですよ」
蓮 「成る程‥‥それで神楽とどう関係が?」
小傘「えぇ蓮さんの愛刀いえ神楽を是非とも私が手
入れをしたくて来た次第です♪」
成る程、神楽の手入れか。自分でも手入れは出来るには出来るが本格的な手入れは今思えば出来てないよな。縁側から立ち上がり自室へと向かい神楽を手に取り戻る。
蓮 「どうでしょうかね?」
神楽を抜刀して見せると小傘はオモチャを与えられた子供のように目をキラキラさせた。
小傘「すっ凄い‥‥まるで芸術品‥‥こんな品物を見る
のは理久兎さんの包丁以来だ」
蓮 「えっ理久兎さんとも面識が?」
小傘「えぇバザーの際に出会いまして包丁の手入れ
を依頼してきたんで手入れしたんだよ♪」
あの理久兎が意外だな。しかし包丁と神楽を比べられるのはこう何とも言えない複雑な気持ちになるな。
蓮 「どうですかね?」
神楽の刀身をじっくりと小傘は観察すると、
小傘「う~ん刃こぼれは無しだけど切れ味が落ちて
きてるねけれどこの手入れからしてこまめに
やってるね♪」
刀身を見ただけでこんなに分かるものなのか。当たっててビックリだ。すると刀身が光輝くと神楽が出てきた。
小傘「うお!?ビックリした‥‥ってわちきがビック
リしたらダメじゃん!?」
と、叫ぶが神楽は口を開き、
神楽「蓮さん彼女は相当な目の持ち主みたいですよ
一瞬で見抜きましたし」
蓮 「みたいだね‥神楽‥神楽が良いならだけど」
神楽「構いませんよ♪」
蓮 「分かった‥‥小傘さんお願いできますか?」
小傘「うん♪ワチキにかかれば格段に良い物にする
事を保証するよ♪」
蓮 「ありがとうございます♪」
と、お礼を言っていると、
霊夢「ちょっと私を抜きに話を進めないで頂戴よ私
も針の手入れをお願いできる?」
小傘「えぇ勿論♪お値段はそれなりに勉強させてい
ただきますよ」
そうして手入れまた針の追加注文をすると小傘は神楽と霊夢の針を袋に詰めて背中に背負う。
小傘「それじゃ3日後に渡しにいきますね♪」
霊夢「よろしくね」
蓮 「えぇお願いします神楽また3日後にね」
と、言うと袋の中から神楽が顔だけ出すとニコリと微笑む。
小傘「それじゃ待ってて下さいね♪」
そうして小傘は帰っていった。3日後に神楽がどう手入れされるのか楽しみに心を踊らせるのだった。
怠惰「てな訳で今回はここまでです」
狗神「神楽はお休みって事か」
鈴蘭「神楽ちゃんがいないって事はそうみたいだ
ね」
怠惰「まぁね♪」
鈴蘭「でも神楽ちゃんがピカピカになってたらど
うなるのかな?」
狗神「基本、彼奴ビビりな所があるからそこが少
しは治るんじゃないか?こう自信がついた
とかで」
怠惰「はっはっはっどうなるかはお楽しみに♪」
鈴蘭「凄い含みのある言い方」
怠惰「まぁまぁ♪さてとそれじゃそろそろ時間も
時間だし今回はここまでにしようか」
鈴蘭「だねそれじゃ読者様また次回もよろしくお
願いね」
狗神「そんじゃあな」