霧がかかり何時もより静かとなっている湖で戦いが起こっていた。
蓮 「っ!!」
咲夜「良いですねそうこなくっては!」
普段ではありえないぐらいに好戦的となっている咲夜との激闘が起こり彼女の猛攻を退け時に反撃してと攻防戦を強いられていた。
咲夜「そんな棒きれでここまでやるとは正直な話で
驚きですね」
蓮 「それはどうも!」
向かってくるナイフを払い除けると咲夜は手に持つ剣で斬りかかってくる。
ギンッ!
蓮 「というか咲夜さん剣なんて使えましたっけ?
基本的に身軽さ重視かと思ったんですが」
咲夜「そうかしら?意外にも軽くて使いやすいけど
ね?」
ナイフよりも長く重そうな剣だが現に咲夜は軽々と振って自分に畳み掛けている。確かに軽いのだろう。
咲夜「さてもう少し上げさせてもらいますね」
そう言うと咲夜は時計を構えると突然、目の前から消えると無数のナイフが四方八方から襲いかかってくる。
蓮 「ふぅ‥‥っ!」
抜刀からの軌跡が残る一振りで向かってくるナイフを払い落とし即座に背後へと木刀を向けると、
ギンッ!
木の刃と鉄の刃がぶつかり合い咲夜とのつばぜり合いとなった。
咲夜「なっ!蓮さん今のをどうやって!」
蓮 「まぁ何となくですかね?」
ここだけの話で言おう。咲夜の戦い方は素早い動きからの軽いナイフ等で相手を掻き乱しながら此方に有利な状況へと導きながら戦うトリッキータイプであり幻想郷では咲夜と肩を並べれるような者はそうそういないのは間違いないだろう。だがあくまで幻想郷ならばの話だ。
蓮 「でりゃぁ!」
咲夜「っ!」
つばぜり合いとなっている状況から咲夜を弾き飛ばし咲夜へと間合いを詰め寄るがすぐに咲夜は時計を構え消える。そしてまた無数のナイフが襲いかかる。
蓮 「せいやぁ!!」
放たれたナイフを払い落とす。そして咲夜が向かいそうな場所を考え予測し刀を振るうと、
ガギンッ!
見事に咲夜を捉えた。それを受けていた咲夜は目を点にして驚きを隠せない顔をした。
咲夜「なっ何で!」
蓮 「咲夜さん僕は咲夜さんがこの幻想郷なら恐ら
く一番のトリッキータイプとして戦闘はプロ
と思っていますですが咲夜さんをも越える奴
と1度だけ戦っているんですよ」
そうかつて理久兎を救うために修行した相手、怠惰との無慈悲そして容赦ない鬼畜鬼ごっこでトリッキータイプとの立ち回り方は少しだが分かるのだ。何せ怠惰も咲夜と同じでトリッキータイプだったのだから。
蓮 「なので大まかな動きなら何となく予測が出来
るんですよ!」
まぁ本当に何となくならの話になるが大まかな予測ならば出来るようになったのだ。そこから更に天魔様の修行の1つとして将棋などもやらされたため更に相手との読み合いも本当に少しだけなら上達しているのだ。
咲夜「成る程‥‥確かにそれならば私の攻めを防げる
のも納得ですね‥‥」
蓮 「えぇまぁ本当に何となくですが!」
無数の斬撃波を飛ばし咲夜を追い詰めるが咲夜はクスリと笑った。
咲夜「ならば少し趣向を変えてみましょうか」
そう言い咲夜は時計ではなく手に持つ少し長い剣を構える。
咲夜「妖器 銀色のアナザーディメンジョン」
スペルを唱えたその瞬間、自分が放った斬撃波はそこに元々なかったかのように全て綺麗さっぱり消滅した。
咲夜「やはりごちゃごちゃしているよりかは片付い
ている方が良いですね♪」
そう言うと無数のナイフそして手に持つ少し長い剣の形を模様した弾を無数に放ち弾幕を展開する。
蓮 「なっ!」
先程まで此方が有利だったのが一気にひっくり返された気がする。飛び交う弾を払い除け時には避けてと繰り返す。
咲夜「そんなんでは私は倒せはしませんよ!」
蓮 「なんのぉ!」
大きな斬撃波を飛ばすが咲夜はヒラリと避ける。だがそで終わりな訳がない。
咲夜「っ!」
放ったのは覚えて間もない反射斬撃波だ。咲夜はすぐさま察知したのか避けたがその隙を狙い一気に間合いを詰め寄り、
蓮 「覚悟!」
木刀による一斬で咲夜に攻撃する。だが何かに攻撃は阻まれた。
咲夜「ふふっかかったわね?」
何かを叩いた手応えはあったから一撃は直撃した筈なのにも関わらず咲夜は無傷だ。それに掛かったって、
バリンッ!
と、音を立てて何かが壊れる音が響く。見てみると透明な壁が壊れたみたいだ。恐らく先程のスペルは防御特化型のスペルで効果は恐らく展開されている弾幕の除去及かつ一定時間のバリア展開だろう。だが問題はそこではない。自分はまんまと咲夜に間合いに入ってしまったみたいだ。
咲夜「ふふっ焦りましたわ危うく斬撃波でタネを
見破られると警戒心の強い蓮さんだとすぐ
に警戒されてしまいますので♪」
微笑む咲夜の右手には剣が構えられていた。完璧にあの剣の間合いであるのは確かだ。それに後ろに後退しようにも後ろには咲夜が放ったナイフ弾幕で後退は不可能だ。
蓮 「ぐっ」
だが一瞬だったが1ヶ月間の修行である事を思い出す。それはどんな時にも柔軟な対応が必要であること。物事は計画通りに行くことなんて少ない。故に柔軟な対応が必要であるとだから考えた。そして胸ポケットの彼女達の存在を考えた。
蓮 「鈴蘭!!」
銀色の刃が向かってくるその瞬間、鈴蘭の名前を呼ぶと自分の胸ポケットから光が出てくるとそれは鈴蘭へと姿を変えた。
ゴンッ!
鈍い音が響くと剣を持つ咲夜の手を鈴蘭が蹴りで押し返した。
鈴蘭「ふふん♪」
咲夜「くっ!ですが!」
今度は背後からナイフが向かってくる。
蓮 「狗神!」
一言の呼び掛けをすると胸ポケットから光が背後に出てくると狗神へと変わる。
狗神「ちっ仕方ねぇ!」
人型となっている狗神は両手を合わせ合唱すると結界が張られ向かってくるナイフを止めた。
咲夜「っ!」
蓮 「させませんよ!」
また時計を構え逃げようとする。すると、
鈴蘭「蓮くん!」
鈴蘭は下へと向かって落ちていく。恐らく間合いに入らないために離れてくれたのだろう。すぐに木刀で斬り上げて時計を持つ咲夜の腕へと攻撃する。
咲夜「その程度!」
だが咲夜は勘違いしているだろう。咲夜を狙った訳ではない。狙ったのは、
咲夜「時計が!」
狙ったのは懐中時計のチェーンだ。そして見事にチェーンが引っ掛かりそのまま斬り上げると懐中時計を奪い取った。これで能力は使えまい。
蓮 「鈴蘭!」
下へと落ちていった鈴蘭に合図を送る。すると下から、
鈴蘭「行くよ!」
垂直に上へと飛んでくる。それを見てすぐに離れると同時に鈴蘭は構える。
咲夜「くぅ!」
すぐに剣を構えるが鈴蘭はお構いなしに咲夜に向かって、
鈴蘭「チェスト!!」
咲夜「がっ!」
軌跡が残る一目見て美しいと思えるムーンサルトを直撃させた。そして直撃させたと同時に、
ピチューーン!
と、被弾音が鳴り響く。よってこの勝負は自分達の勝利となったのだった。
怠惰「では今回はここまでです」
鈴蘭「言うて結構苦戦したんだね」
怠惰「まぁ咲夜とこうして1対1で戦うのって初
なんだよね」
狗神「言われてみるとそうだな」
怠惰「戦うにしても1対2みたいな戦いしかなか
ったからねある意味で彼も苦戦したと思う
よ?」
鈴蘭「それに血の気も多くなってるしね」
怠惰「だね」
狗神「こうなってくると他の奴等はどうなってん
だか」
怠惰「まぁどうなってるんだろうね♪そこは書い
ては行くから見ていって欲しいよね」
狗神「心配になってくるな」
鈴蘭「個性が強くなってそうだもんね」
怠惰「多分‥うん……あんまり言うとネタバレにな
るからねぇ」
狗神「だな」
怠惰「さてとそろそろお時間みたいだし今回はこ
こまでね」
鈴蘭「うん♪また次回もよろしくね」
狗神「そんじゃあな読者様」
怠惰「バイバイ♪」