菫子を外界へと帰し翌日となる。あの後に気絶した霊夢を寝かせ皆は解散した。だが、
蓮 「霊夢」
霊夢「ふんっ」
沈黙の境内の掃除が続きそれに耐えきれなくなって霊夢の名前を呼ぶが霊夢は膨れっ面をしてそっぽ向く。どうやらあの最後の菫子の不意打ちキスで焼きもちを焼いたのかそれとも単純に怒っているのかどちらにせよ不機嫌みたいなのだ。
蓮 「まだ怒ってるの?」
霊夢「別に怒ってないし」
それなら何なんだよ何時もの定番のツンデレか。
蓮 「もしかしてツンデ‥‥」
霊夢「あっ?」
蓮 「ひぇっ!?」
いいやこれはもう顔のイラつきから見てデレ無し100%ツンだな。ギロリと睨んできているためもはや般若顔だ。だがすぐに顔を戻し申し訳なさそうな顔をして、
霊夢「あっ‥‥えっとごめん!」
そう言い霊夢は走っていった。えっ何これ本当に何これ状態なんだけど。
蓮 「はぁ‥‥」
謝ろうとは思っているが上手く謝れない自分に嫌になってくる。本当に何て言えばいいんだろうか。というか謝るにしても自分が悪いのかどうかも難しいしで。だがきっかけを作らなければ絶対に元の関係には戻れない。
蓮 「しっかりと伝えないとな」
そう考えすぐに霊夢の後を追う。
蓮 「霊夢~!」
母屋の方にいるとは思うが何処にいるんだろうか。呼んでも来ないし。
蓮 「霊夢!」
返事がない。まさかこれは、
蓮 「いっ家出なんてないよな」
よくドラマだとテーブルの上に実家に帰りますとか書かれた紙と離婚届しまいには指輪が置いてあるオチだぞ。そう思いすぐさまちゃぶ台を見るがそれらしき物はない。
蓮 「ない‥‥よね‥‥」
これはこれで一安心だが霊夢ったら何処に行ったんだろうか。
蓮 「‥‥もしかして!」
霊夢の部屋へと来て襖の掴み口に手をかけて開けようとするが、
蓮 「なっ固い!?」
何時もはスラスラと動く襖が何故か固く動かせないのだ。もしやも思い襖の紙を触った瞬間、
バチっ!
蓮 「っ!?」
電撃が走り弾かれる。やはりそうだ霊夢ったら部屋に引きこもりだしたみたいだ。
蓮 「霊夢!開けてくれないか!」
声を出して言うと奥から、
霊夢「嫌よ今はそっとしておいて!」
と、霊夢の声が聞こえてくる。何でそこまでするんだ。
蓮 「霊夢‥‥聞かせてくれない何で僕を避けるの
かを」
そう言うと霊夢の声が聞こえなくなる。まったく霊夢はこれだから困るんだ。仕方ない背に腹は変えられない。金やらは掛かるし霊夢にも十中八九で怒られるだろうがやるしかない。
蓮 「霊夢‥‥今から10秒だけ待つよだから答え
を聞かせてくれないか」
頭の中で10秒を数え始める。だが霊夢の声は聞こえない。やはりやるしかないな。一旦部屋へと戻り神楽を手に取り霊夢の部屋の前へと来ると神楽の刀の柄を握り、
蓮 「抜刀 金色一閃!」
高速の抜刀で横凪ぎに襖を斬り鞘へと神楽を戻したその瞬間、
ジャキンッ!
と、音が鳴り響き襖が真っ二つになるとそこには、
霊夢「なっ何てことしているのよあんた!?」
布団にくるまる霊夢の姿があった。まったくそれで籠城しているつもりなのか。襖に貼られていたであろうお札も斬っため部屋に入れるようになっている筈だ。霊夢の部屋へと足を踏み入れる。
霊夢「こっこないでよ!」
蓮 「‥‥‥‥はぁ」
屈んで目線を合わせため息をはく。
霊夢「ちょっ何よ!」
蓮 「僕は言いたい事があるんだけどその前に霊夢
が今、僕に対して何を思っているのか聞かせ
てくれないかな?」
そう言うと霊夢はムッとした顔で、
霊夢「勝手すぎる!それから人の気なんか無視して
部屋の障子を壊して侵入してくるわ本当に勝
手すぎるのよ!」
蓮 「えっとそれは謝るよ」
霊夢「それから‥‥それから‥‥‥‥はぁもういいわよ」
蓮 「‥‥‥‥?」
一体何がもういいんだろうか。ため息混じりにそして顔を少し赤くさせて、
霊夢「その何というか蓮が取られた気がして‥‥」
やっぱり焼きもちによるツンデレだったか。それに霊夢にそんな不快な思いをさせてしまっていたとは申し訳ない。
蓮 「ごめんね霊夢のその気持ちに気づけてあげれ
なくて‥‥でも僕はずっと霊夢と歩いているよ
僕が幻想郷へと来てからずっとずっとね」
霊夢「蓮‥‥」
蓮 「それに取られたって言うけどそんな事はない
よ‥‥だって今も昔も変わらず意中の相手とし
て見ているのは霊夢だけだから」
霊夢「‥‥‥‥バカ‥‥そんな事をこんな私の部屋で言わ
ないでよ恥ずかしいじゃないそれからムード
ってのもあるじゃないのよ‥‥」
蓮 「それは僕が空気が読めないからね」
何て言うと霊夢はクスリと笑うと布団から出て立ち上がる。
霊夢「それとさっきはごめん‥‥私もキツく当たりす
ぎたわ」
蓮 「ううんもう慣れたよ」
焼きもちからの弾幕ごっこから口論へと発展し更には喧嘩となったりもしているためもう慣れた。
霊夢「なんかその慣れたってのは気になるけどまぁ
良いわ‥‥それに言いたいこと言えたら気持ち
が楽になったわ」
蓮 「それは良かったよ♪」
やっぱり霊夢はツンデレよりも素直な所が一番だな。
霊夢「まぁ本当ならその‥‥」
蓮 「ん?」
霊夢「なっ何でもないわよほら行くわよ障子も片付
けなきゃだしっ!?」
突然、霊夢は前へと勢いよく前へと倒れかかり、
霊夢「ん!?」
蓮 「むぅ!?」
ハプニングであった。こちらへと倒れた霊夢をキャッチしたのは良かったが口と口が当たりキスする事になってしまった。何が起きたのかと思いつつ足を見ると気づく。先程まで霊夢がくるまっていた布団それが足にからまってつまづいたようだ。
霊夢「むっはぁ!」
蓮 「‥‥‥‥はっ!?」
すぐさま霊夢は離れ顔を真っ赤にさせる。改めて思うと霊夢とキスしたこのハプニングに自分も恥ずかしくなる。恐らく自身の顔はさながら茹で蛸みたく真っ赤にだろう。
蓮 「えっえぇと大丈夫?」
霊夢「だっ大丈夫よ!えぇ大丈夫!アハ‥‥アハハハ
ハハ」
先程よりもさらに真っ赤になり霊夢はおどおどとしだす。
蓮 「そっそう‥‥とりあえず掃除を終わらそう」
霊夢「そそそうね!えぇそうわよね!」
霊夢は慌てながら外へと飛び出した。ハプニングではあったが更に距離を縮めれたなと実感したのだった。そして外では、
霊夢「‥‥‥‥」
霊夢は自分の口を当て恥ずかしくなる。もう顔から湯気が出ているのではないかと疑いたくなるくらい体が暑い。だが、
霊夢「嬉しかった‥‥かな‥‥‥」
本当ならハプニングは無しにこうしてキスくらい出来たらなと思う。だがハプニングでも霊夢からしたら幸運だ。
霊夢「ふふっ♪」
共に歩いている昔は追い付くだの何だの言っていたのに歩いているか。それはそれで嬉しいな。
霊夢「さぁてやりますか!」
そうして気合いを入れて掃除を再開する。因みにその後、壊した障子は萃香が直したのは言うまでもないのだった。
怠惰「ではでは今回はここまで」
神楽「これがラッキースケベ」
狗神「主人公補正か」
鈴蘭「いや~懐かしいなぁあんな甘酸っぱい経験
は生きてる時にしか出来ないよねぇ」
狗神「前々からはぐらかしているがそんな経験を
してるのかお前?」
神楽「言われてみると」
鈴蘭「いっ嫌だなぁこれでも生前はもう凄いモテ
モテだったんだからね!それでようやくに
なって運命の相手に一目惚れしてねぇ」
怠惰「‥‥‥‥鈴蘭の本性を知っている身としては凄
く事実をのべてるけど誤魔化してるな」
鈴蘭「そこ!うるさいよ!でも本当だからね!」
狗神「ならそいつの特徴は?」
鈴蘭「えぇ!?えぇと‥‥奥手で無口で無表情でね
今で言うクールかつミステリアスな人だよ
最初は会話が上手くいかなくて困ったもん
だよ‥‥それで詩を書いて交換して何とか会
話してたんだよ」
怠惰「うんまぁ分かる気はするよ‥‥知ってるから
ね‥‥でも現代になってるから前より会話は
しやすいよ?」
鈴蘭「えぇそれ本当!?」
怠惰「うん本当だよ」
狗神「てかお前は会ったことあるのかよ」
怠惰「あるし飲みにも行ったよ‥‥」
神楽「えぇ!?」
怠惰「まぁそれはさておき時間なんで今回はここま
でね」
鈴蘭「うんそれじゃ読者様今回もありがとうね」
狗神「たく強引だな‥‥まぁ良いそんじゃまたな」
神楽「えぇと!ありがとうございました」