血を受け継ぎし者   作:怠惰のクソ悪魔

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こんばんわ読書様、段々と風邪が治ってきた
怠惰のクソ悪魔です。それでは注意事項です。
「健気って何だっけ」「ボスは基本病んでる」
「呪術の真似はダメ絶対」「狂人」
です。それと明日には多分復活するとは思います。
では本編へどうぞ


第8話 この世を怨み破滅を願う者

夕方となり逢魔が時の時間が訪れる。そんな黄昏時から夜の時刻へ変わろうとする中、晴明達は頂上へと向かって走っていた。

 

鈴蘭「頑張って晴明あと少しで頂上だよ!」

 

晴明「本当に生身でこれは辛いったらありゃ

   しないわ!」

 

華扇「やはり人間だけあって体力がありません

   が確か陰陽師とは体力仕事ですよね?」

 

晴明「んな訳ないでしょ!分官は頭脳仕事よ!」

 

と、そんな事を言いながら頂上を目指していた。本来は歩くはずの坂道を走り草履で走るため足の裏には恐らく豆が出来ているのだろうか結構な程に痛い。だがそんなこんなで文句を垂らしたくはなるが山頂に着いた。

 

晴明「はぁ……はぁ……」

 

まだこの時代はそんなに道は整備されてはいない。故に土を踏みしめまた道なき道を行くため少しは体力に自信がある晴明も息を切らしていた。

 

鈴蘭「体力がないねぇ……」

 

晴明「うっさいわね!健気な少女に普通こんな

   事をやらせるってのが可笑しいのよ!」

 

華扇「……健気?」

 

よく分からない事を言い出してきたこれには華扇も苦笑い気味だ。そして華扇だけでなく鈴蘭も心の中で「ダウト!」と叫んでいるだろう。

 

晴明「何か言った?そして何かを思った

   かしら?」

 

鈴蘭「ううん♪何にも思ってないよね華扇ちゃん」

 

華扇「えっえぇ何も思ってませんよ」

 

ジトーと睨むが明らかに作り笑顔だ。

 

晴明「まぁ良いわよ…それでここよね?」

 

すぐ近くにある洞穴を見てそう言うと、

 

華扇「恐らくは……」

 

鈴蘭「とりあえず行きましょう♪」

 

晴明「そうね……」

 

3人は洞穴の中へと入っていった。中は不思議なことに下へと続く天然洞窟だった。だが3人は異様な光景に目を疑った。

 

晴明「これ……藁人形?」

 

そこには異様な数の藁人形が洞窟の壁に和釘で打ち付けられていた。

 

華扇「呪術の1種ですね……」

 

鈴蘭「これ程の数の釘を藁に打ち込むって相当

   何かに怨みがあるってことだよね」

 

そう鈴蘭が言っていると晴明はその藁人形に書かれている名前に気づいてしまった。

 

晴明「何で理久兎さんの文字が……」

 

打ち付けられた藁人形には『理久兎』と文字が書かれていた。しかもそれだけではない。他にも狗神が憑依していた屋敷の主人の名や他にも色々な貴族の名前が書かかれていた。しかも、

 

晴明「……私の名前まであるんだけど………」

 

自分の名前が刻まれた藁人形まで見つけてしまった。更によく見てみると自分の名前と理久兎の名前が書かれた藁人形の数がダントツで多い。

 

鈴蘭「晴明ちゃんいったい何したの?」

 

華扇「よくこんなに打たれて平然のように生活が

   出来ていましたね普通だったら体に異状を

   きたしても可笑しくはないですよ?」

 

晴明「えっ…う~ん……」

 

そう言われると思い当たる節はあった。時々、足の小指をタンスの角にぶつけたり、または草履の紐が切れたりとあったがその程度だ。だがこれだけ怨まれる事をしたかというとそんな事はしてはいないが1つ心当たりがあった。

 

晴明「心当たりがあるとしたらでしたら

   蘆屋道満を打ち倒したことかな……」

 

華扇「蘆屋道満……かつて理久兎を都から追い

   やった男ですよね?それで確か……」

 

晴明「都を自分の手中に納めようとしていた

   だけど私達陰陽師達が団結して道満の

   野望を打ち破りそして彼は投獄されて

   処刑されたわ」

 

今から2年程前、都を自分の物にしようと蘆屋道満は混沌へと陥れようとした。しかしその野望は晴明も含めた陰陽師達とで協力し野望を打ち破った。だがそんな2年前の事が何故今になってなのか理解が出来ない。

 

華扇「真実はこの先って事ですよね?」

 

晴明「えぇ…行きましょう」

 

鈴蘭「………なにが待ち構えているのか」

 

3人は更に奥へと進むとそこは少し開けた場所となっており蝋燭の灯りがよりいっそう不気味に思えてくる。そんな場所に1人ポツンと座禅を組んで何か呪文のような物を唱えている男がいた。

 

晴明「この事件の元凶……貴方よね?」

 

と、晴明が言うと詠唱していた呪文は聞こえなくなり変わりにその男は晴明の言葉に返答した。

 

? 「あぁそうだ…待っていたぞ安倍晴明……」

 

その男は不気味に笑いながら此方へと振り向く。見た目は少し窶れていて血色が悪く色白だ。

 

? 「ついにこの時が……クククハハハハハ!!」

 

鈴蘭「何こいつ……」

 

不気味に嘲笑うその男は狂気を含んだ目で此方を見てくる。見るからに狂人なのは確かだ。

 

晴明「貴方…名前は?」

 

不気味の嘲笑うその男はふらふらと立ち上がり、

 

? 「俺か?俺は東蘆鷺麿……」

 

その男は名前を答えた。そして次に聞きたいことを聞いた。

 

晴明「貴方の目的は何、鷺麿!」

 

鷺麿「目的か……ククハハ…晴明…貴様には怨み

   しかなぇんだよ…てめぇが憎い殺したく

   て殺したくて仕方がねぇんだよ!」

 

憤怒と言えば良いのか鷺麿は晴明に憎しみや怨念といった感情しか抱いていないようだ。

 

晴明「何で怨みがあるのよ?」

 

鷺麿「怨みの理由だぁ………教えてやろう特別に

   なぁ!俺はよてめぇら陰陽師達が倒した

   蘆屋道満様の弟子だった…!!」

 

晴明「あいつの弟子……」

 

まずこれで羅城門の道満が使っていた紋様の謎がわかった。道満の弟子だっからこそ使えたのだと。

 

鷺麿「あのお方は都を支配するという野望を掲げ

   動いただがしかしてめぇら陰陽師達のせい

   であのお方は野望は潰えたそして何よりも

   あのお方を倒した貴様が気に食わない!

   安倍晴明!!」

 

どんどん怒気が含まれていく。つまり師を奪われたことに怒っているようだ。

 

華扇「貴方はそんな事のために罪のない妖怪達

   も巻き込んだというんですか!」

 

鷺麿「あぁ?…てめぇは茨木童子か……ついでだ

   俺はこの世で憎んでいるのは2人いるん

   だよ……まず晴明てめぇはこの世で2番目

   に憎い…そしてもう1人そいつはこの世で

   もっとも憎いんだよ……」

 

晴明「まさか理久兎さん?」

 

その言葉を聞くと鷺麿の唇から血が垂れている。

 

鷺麿「あぁそうだ彼奴は俺から全て奪った家族

   も家も幸せも地位も名誉も全てをだ!!」

 

鈴蘭「思い出した!確か理久兎は三位に上がる

   にあたって悪政を働こうとした貴族達を

   弾圧したんだよまさか……」

 

鷺麿「そのまさかだぁ!親父はその悪政に加わ

   り都を思いのままにしようとしたしかし

   理久兎がその全てを明かし弾圧をした!

   そのせいでは俺はどん底の道を歩む嵌め

   になったんだよ!!」

 

どうやら理久兎が行った弾圧で鷺麿の父親はバレて貴族としての地位や家を失ったようだ。それが鷺麿にまで影響をされたようだ。

 

晴明「なら理久兎さんや私にすれば良いでしょ!

   何で皆を巻き込むの!狗神の時だって火縁

   魔の時だって何で!!」

 

鷺麿「うるせぇ!!!俺よりも幸せの奴を

   見るのが腹立たしいんだよ!見ていて 

   イラつくんだよ!!!」

 

華扇「何て自己勝手な!」

 

言う通り鷺麿は自己勝手が酷すぎる。自分がやられたからそれを見ず知らずの相手にするなどは許されるはずがない。

 

鷺麿「しかし………狗神は使えると思ったが存外

   使えなくあげく火緑魔ならやってくれる

   とは思ったがしかし破れるようでは雑魚

   だったか」

 

鈴蘭「ここまで肥溜めのようは奴は初めてね」

 

晴明「こいつの場合はそれ以下よ自分の式達

   を道具のように扱うなんて言語道断よ」

 

鷺麿「ハハハハハハハハハハ何とでも言うが

   良い我よりも幸せ奴など消え失せるが

   良い!」

 

と、鷺麿がそう言った時だった。

 

ドクンッ!

 

何かドクンという心臓の音のようなそんな音が聞こえると同時に地面を振動させた。

 

晴明「何………?」

 

華扇「これは妖気!」

 

鈴蘭「今まで感じたことのない……」

 

その妖気は例えるなら嫌悪感で体が擽られるようなものを遥かに越えてまるで遥かに自分よりも強大な何かに体が震えている恐怖といった方が良いかもしれない。

 

鷺麿「気づいたか?これを見るが良い!!」

 

仄暗い洞窟に更に明かりが照らし出され晴明達は見てしまった。真上に広がる巨大な大玉を、

 

鷺麿「俺は我が師を奪われた後、悲しみにくれた

   そんな時だったよこの洞窟を見つけそして

   この異形を見たのは……だがこれさえあれば

   都を落とせると感じたよ心の底からよ!」

 

と、言った時また揺れだし天井から岩が落ちる。そしえ天井にぶら下がる大玉にヒビが入った。そしてひび割れた穴からギョロりと此方を睨む目を見てしまった。

 

華扇「逃げましょう!ここでは下手したら

   落盤に巻き込まれるわ!」

 

晴明「ちっ!」

 

鈴蘭「早く!」

 

晴明達は一目散に逃げた。そして居なくなっても鷺麿は口を閉じない。

 

鷺麿「さぁ時は来た!!荒れ狂う風そして波と

   共に我が声に答え再臨せよ!!」

 

そう言うと同時に大玉から現れた顎に鷺麿はひと飲みにされるとその龍は動き出した。そして場所は変わり晴明達は洞窟の外へと出ていた。

 

晴明「はぁはぁ………」

 

華扇「あの男は……」

 

鈴蘭「……………何かが来る!」

 

と、鈴蘭が言った次の瞬間だった。

 

ドガーーーーーン!!

 

突然山がすぐ近くの大地がひび割れそこから長い何かが8つ程飛び出してくる。晴明達はそれを見上驚く。その異様な8つの首を持つ龍いや蛇と言った方が良いのかそんな怪物に睨んでくる。

 

鈴蘭「8の首を持つ龍……まさか!!」

 

華扇「何故こんな奴がこんな所に!!」

 

晴明「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)……」

 

その光景に晴明達は絶望の表情をしたのだった。




狗神「なぁ今日も奴は休みなのか?」

鈴蘭「うん明日戻ってくるってそれと手紙を
   預かってきたよ♪」

神楽「手紙ですか……読んでみません?」

鈴蘭「だね♪」

皆へ昨日と今日はご苦労様。明日には復活するからよろしくね。

神楽「段々と戻ってきてますね」

狗神「だな」

鈴蘭「あれ?裏面に何か書かれてるね……」

追伸 前回、誰が下手だと?明日に地獄を見る事になるだろう覚えてけ。そしてどちらか選ばせてやるよ治療or拷問ってな。

狗神「…………………………………………………」

神楽  ( ; ゜Д゜)

鈴蘭「ねぇ皆…今のうちに逃げない?」

狗神「賛成だ逃げよう」

神楽「何かされる前に逃げましょうてなわけで
   読書様今回はここまです」

鈴蘭「早く!」

狗神「そんじゃまたな!逃げるぞ!」

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