それと、改行は未だに実験状態です。自分的に満足がいったらそれで統一する予定です。意見等くれるとありがたいです。
では、第3話をどうぞ。
しん、と静まり返った道。たまに耳に聞こえるのは風に揺られて僅かに鳴る木のささやき声。
しかし閑散、寂寥と言った言葉はふさわしくない。一番しっくりくるのは、のどか。おだやかな、柔らかとした、暖かい空気が頬に当たってくる。
ここは並盛町。次期ボンゴレ10代目候補、沢田 綱吉が暮らしている町だ。
空港から地下鉄、電車、バスを乗り継ぐこと約2時間の場所にある。都心から離れてはいるが、特段交通の便が悪いという事もない。
家光の言った通り、ここは良い場所だ、とヨシュアは思う。自分の性に合っているから。
少し人通りの多い道に出るとそこには、話し笑って歩いている人や家の塀を優雅に歩く猫、屋根に集まって井戸端会議よろしく鳴いている鳥達がいる。
ゆっくりとした歩調で歩いていると、急に横からボールの跳ねる音が聞こえてきた。自分の方に転がってきている、即座にそう察知したヨシュアは音源の方に体を向け飛び込んでくるボールをキャッチする。それとほぼ同じときに子供の声が聞こえてきた。
「すいませーん。そのボール、僕たちのでーす」
声をかけてきたのは汗をびしょびしょにかいている少年少女たち。見るに、並盛公園でドッジボールをしていたようだ。ガタガタの線でコートがかかれている。
自分には無縁のモノ、そう思いながら笑顔を作り、しゃがんで彼らにボールを差し出す。
「はい、どうぞ」
「ありがとーございまーす!」
ニコニコ笑って手を振りながら公園にかけていく子供たち。ヨシュアは最後まで見届けることなく立ち上がり歩き出した。後ろでは子供たちのきゃっきゃという笑い声が聞こえてきていた。
数分後、ヨシュアは並盛中学校校門前に立っていた。自分の寝床となるアパートは並盛中のすぐ近くだったため、ついでに寄ってみたのだ。
第一印象は、小さい、だった。しかしすぐに思い直す。あそこが異常だっただけだと。
実はヨシュアはCEDEFにいたからと言って、学校に全く行っていなかったというわけではない。お情け程度にテストのときだけ学校に行っていた。そして、その学校というのはいわゆるマフィアの子供が通う、いわばマフィア学校だったのだ。
そしてそこには次期ボス候補も通っているわけで、さすがにそこらへんにある学校と一緒にするわけにはいかず、学校は馬鹿でかいし無駄に豪華だったのだ。
そもそもテストにしか行かなかったヨシュアは学校内の見取り図しか覚えておらず、実際に行ったことがある場所は下駄箱から教室までだったのだが。
今は時間的に見て,最終下校時間のようだった。部活や補修終わりで帰る生徒で賑わっている。
怪しまれないようにと、少し気配を消す。こうすれば談笑に夢中の生徒たちはヨシュアの存在に気が付かないだろう。
琥珀色の瞳で頭に入っている校舎見取り図と校舎を照合していると、後ろから声がかかった。
「こんなとこで何してんだ?」
気づく奴がいたか、そう思いながらも声には出さず、後ろに体をまわすと、ヨシュアの眼に入って来たのは3人の少年だった。
一番前にいる背の高い、おおらかな印象の少年がおそらく話しかけてきたのだろう。その後ろにいるのは今にも襲い掛かりそうな自分と同じぐらいの背の銀髪少年と、この中では一番背の低いつんつん頭の少年だ。
動きから、銀髪少年は武術に心得があると即座に理解したヨシュアはこの少年が自分に気が付いたのだろうか、と推測する。
と、どうやら彼らのことを観察していた所為か、あらぬ誤解を生んでしまったようだ。背の高い少年が考えるような顔をした後、急に「ひらめいた!」という顔をしたのだ。
「外人さんだし、もしかして日本語がわかんねーのかも!英語だと、確か……ワ・ワット……ドゥー……ユー…………やっぱ分かんねぇ。獄寺、分かるか?」
背の高い少年はそう言って銀髪少年の方を向いた。銀髪少年はそれを聞いてあからさまに舌打ちをする。
「んなことも分かんねーのかよ,この野球バカ。いいか,英語で……」
なんだかんだ言って英訳しようとした銀髪少年にヨシュアは即座に口をはさむ。普段だったら誤解されたままでいいと思うのだが、この少年は手加減をしまくっていたとはいえ気配を隠していたヨシュアを見破ったのだ。裏社会に関係しているかもしれない。
これからの関係の為にも、誤解をされたままというのは苦しいものがある。
「すみません。日本語分かりますよ」
流暢な日本語に銀髪少年はあからさまに不機嫌そうな顔をする。
「分かんならハナッからそう言いやがれ!」
ちゃぶ台をひっくり返す勢いで掴み掛りそうな銀髪少年。正論、そう思ったヨシュアは申し訳なさそうな顔をして頭を軽く下げる。
「すみません、いろいろ考え事をしてまして……」
これでもいまだに掴みにかかりそうな銀髪少年に、見かねてか今までビクビクしているだけのつんつん頭の少年がなだめようとしてくれた。
「落ち着いて獄寺君。向こうも悪気があったわけじゃないんだし……」
「しかしですね……」
どうやら銀髪少年の頭の中ではつんつん頭の少年の方が上のようだ。敬語で話している。何とも不思議な光景だ。背の高い少年はもう慣れているのだろう、2人のやり取りを全く気にせずに話しかけてきた。
「こっちこそ悪かったな、考え中に話しかけちまって」
日本の習慣だな、そう思いながらヨシュアは以前読んだ本を思い出す。そこには確か、謝り返され尚且つ自分が悪い場合はさらに謝り返せ、とあった。
即座にその方法を採用したヨシュアはもう一度頭を軽く下げる。
「いえ、こちらこそすぐ返答できなくて……」
「んなこたぁいいって。それより、名前なんていうんだ?俺は山本 武っていうんだ」
ニコニコ笑って話を進める背の高い少年―山本に、なるほど、こうなるのかと思いながら少し笑みを浮かべるようにして右手を左胸に当てる。
「僕はヨシュア・アストレイと言います。よろしくお願いします」
「あぁ、よろしくな!」
さてはて、山本とマイペースに自己紹介している間にどうやらツンツン頭の人が獄寺を説得し終わったらしい。銀髪少年が渋々納得してこちらへやってきた。
その様子を見てヨシュアは右手を今度は顎の方に動かす。
「えーっと、そちらの銀髪の人は、獄寺さん……でいいんですよね?」
周りの二人がそう呼んでいたため、大方そうだろうと思ってはいたが念のため確認しておく。ヨシュアにとって今のところ重要人物はこの銀髪少年だからだ。
「ちっ…獄寺 隼人だ…。もし十代目に何かしてみろ。ただじゃおかねぇ!」
不良さながら(というか普通に不良だが),威嚇しながら言ってきた。そしてヨシュアは十代目、という単語に反応する。今までの彼の言動からして、信じがたいが十代目というのは……。
この流れではおかしくないだろうと思い、つんつん頭の少年の方にも名前を聞く。
「そちらの方はなんて言うんですか?」
「沢田 綱吉です。よろしく!」
やはり、というべきか予想通りの名前を言ってきた。彼にさっきまでの怯えた感じはない。おそらくヨシュアがそう危険な人間じゃないと分かったからだろう。
ボスとしての貫録はない、そう見受けたヨシュアだがつい最近まで一般人として過ごしていたという情報を思い出し納得する。それと同時にどこか家光に似ていると思った。
少し考えすぎたのだろうか、相手の少年が少し不思議そうな顔をしている。
彼に怪しまれ、疑われ、不審に思われれば任務に支障をきたす。せっかくの好印象も台無しになってしまうだろう。すぐさま笑顔を張り付けて手を差し出した。
「そうですか。こちらこそよろしくお願いします」
その後、ヨシュアは日本の事を全く知らないという感じで彼らと話し、言葉巧みに彼らの情報を聞き出して満足した後、別れを告げてアパートに向かって行った。
任務初日からここまですいすい任務が進むという嬉しい誤算に少々ご機嫌になりつつ、旅の疲れが取れるよういつもより早くに寝床に着くのだった。
ちょっとした裏話。会話のみですが、ツナ達がヨシュアに話しかけるまで。(所謂ボツ作です)
「は~~~~、や~~っと終わった~~~~~~!」
「お疲れ様です、十代目」
「わざわざ待っててくれなくてもよかったのに」
「そんな、十代目より早く帰るだなんて恐れ多くてできません!!
それに、いざという時に悪党から十代目を守れるのはオレしかいませんしね!!」
(この人相変わらずだ――――!)
「ははは、心配性なのな。
あれ?あそこにいる外人さん、何してんのかな?」
「外人?どこにもいねーじゃねーかよ、そんな奴。」
「ほら、あそこの校門近くだぜ。校舎をすげー見てる人」
「え?あ、ほんとだ。黒髪の外人さんがいる」
「ホントっすね、十代目。なんであんなところに……」
「聞いてみよーぜ!」
「あっちょ!山本!」
「コラ野球バカ!いきなり走んな!」
で、話に行きます。話がそれるな~と思ってボツっちゃいました。そしてヨシュアの予想は外れていたりします。天然な山本が気づいちゃった(笑)みたいな感じにしたかったんですけどねー。無理でした。