先週投稿の予定だったのに……。
ひとまず、本編どーぞ。
「いやー、感心感心。お前らにならツナを任せられるぜ」
そういって満足そうに頷きながらお茶をすするディーノ。
ヨシュアによって意気消沈した様子はどこへやら、今では満面の笑みで髪をキラキラと輝かせている。
いかにバックが程よく散らかった、生活感あふれるツナの部屋だとしてもものすごく絵になる表情だ。
「おーい、ボス。そろそろ時間だぜ」
道路から聞こえた声に反応し、お茶を持ったまま窓の方に走って行って身を乗り出しはきはきとした嬉しそうな声で返事をした。
「あぁ、分かったぜロマーリオ。すぐ行く!」
いうなり残っていたお茶をすすって5人で囲っていた机の上に湯呑を置いた。
「ディーノさん、時間って何かあったんですか?」
「あぁ、これから部下と商店街で買い物する予定なんだ」
とてもいい笑顔でご機嫌に答えるディーノ。
ヨシュアは一瞬、あの大勢のこわもてな黒い集団が賑やかで煌びやかな商店街を練り歩く様子を想像し、不安にかられたが、外にいる部下の気配はロマーリオという部下1人だけだったためひとまず安堵する。
どうやら黒い集団に(その気はなくても)脅されたりとか、怯えて営業が出来なくなったりとか、子供が大泣きしたりするという事態は回避されたようだ。
「それじゃあな!」
ツナの部屋に来てから終始ご機嫌だったディーノは去る時も元気に、ノリノリで歩いて行った。
途中、ドダダダダダッという騒がしい衝撃音が聞こえたがきっと耳鳴り、ヨシュアは聞こえなかったことにしてゆっくりとお茶を飲んだ。
「んじゃ、そろそろ本題を始めるぞ」
「本題?」
本題なんてあったのか?と疑問符を浮かべるツナにニヤリと笑うリボーン。嫌な予感を感じたのかツナは急に青ざめ始めた。ヨシュアは手に持っていた湯呑を机の上に置いてリボーンのほうに視線を向ける。
「実はな……」
と言って黙るリボーン。目をきらり光らせ口に不敵な笑みをつければ周りの空気がざわめきをやめる。絶対に赤ん坊のする表情ではない。
十分にためた後、神妙に口を開く。
「新しいファミリーを入れることにしたんだぞ」
今までの中でも(いろんな意味で)一番いい笑顔で発表するリボーン。途端、ツナは硬直し、ヨシュアは不思議そうな顔を作ってから思案し始める。
山本は事の重大さがわかっていないためかいつも通りの口調でリボーンに質問する。
「ファミリーってっと、マフィアごっこの仲間か?」
「そーだぞ」
「へー、仲間が増えるのか。じゃあ今までよりももっとにぎやかになるのな!」
遊ぶ仲間が増えるのはいいことと言わんばかりの口調で一人盛り上がる山本。そしてだんだん現実だと理解したツナが怯えながら、そして、当たるなと願いながらリボーンに聞く。
「ま……まさかと思うけど…………ヨシュアを入れるつもりじゃあ……」
「ツナにしては鋭いじゃねーか」
びくびくして恐る恐る聞いたのに対してあっさり答えるリボーンに怒りがわくツナ。
「ヨシュアまで巻き込むつもりかよ!!」
怯えていたのから一変、急に怒り出したツナ。それはヨシュアを巻き込みたくがないために起こった感情だが、残念なことにヨシュアの今の心情は“感情が豊かだな”程度でまさか自分を思ってのことだとは塵ほども思ってはいない。
それどころか今のヨシュアにとって重要なのはツナの怒りではなくリボーンのヨシュアをファミリーに入れるという発言だ。これをどうするか、結論は1秒と経たずに出てくる。
ヨシュアは即座に計画を3段階に分けて立て、すぐさま行動に移した。まずは、第1段階。
「ところでマフィアごっこって何?」
今この中で話しかけやすく、最も都合がいい返事を返してくれそうな山本に聞くヨシュア。わざと右手をあごのほうに寄せ、顔を右に傾けていかにも話が分からず話題に置いてけぼり感を醸し出す。
「ん?あぁ、ヨシュアは知らねーのか。小僧の提案した遊びでスンゲーおもしれーんだぜ!! ボスがツナってところがナイスな人選だと思わねぇか?」
あまりに抽象的すぎてどこか説明にもなっていない気もするし、ツナがボスであるどこがナイスなのかは理解できないが問題はない。ヨシュアが求めていたのは“マフィアごっこ”として“面白い”と強調してくれることだったからだ。むしろ無駄がなくていいくらいだ。
「へー、面白い遊びなんだ。じゃあ僕も入れてよ」
にこにこと笑いながら今度はリボーンに向かって頼む。瞬間、ツナは慌てた様子でヨシュアにストップをかける。
「えっちょっ、やめた方が」
「いいぞ」
ツナの言葉をさえぎって言質はとったとばかりに速攻でOKを出すリボーン。よっぽどのことがない限りこれでツナのファミリー入りは確定した。
「ありがとう、ヒットマンさん」
これでひとまず第一段階終了だ。次は第二段階。
「ま、待ったヨシュア!! そのマフィアごっこはダメだよ! さっきの桃巨会のこともマフィアごっこで……」
必死にヨシュアを説得しようと試みるツナ。しかし、残念なことにヨシュアの意思はびくともしない。
「そうなんだ。じゃあマフィアごっこってチャンバラみたいなことするんだね。さっきのも意外と楽しかったし、それにたまにだったら運動不足解消にもなっていいね、それ」
ヨシュアが笑いながらそういえばうっと詰まってあわあわしてしまうツナ。
まさかヨシュアが普段修行していて運動不足には絶対にならない事、ましてや今回の一件のことをはた迷惑と思っていることなど夢にも思っていないだろうツナは必死でヨシュアを納得させる方法を考える。
しかし、さすがはツナ、といったところだろうか。うんうん考えても全くいい案が浮かばない。すると、思わぬところから助け舟が出た。
「リボーンさん、オレは反対です!! こいつがどれだけ使えるかもわかってないんスよ!!」
机をドンッと叩き、身を乗り出して怒鳴る獄寺。今までは静観していたが反対という表情がありありと出ていた。ツナの反対の様子が後押ししたのだろう。
「獄寺の心配ももっともだな。だが、ヨシュアの実力は桃巨会との戦いで把握したぞ。分かりやすいように言っちまえばヒバリと互角で戦えるぐらいだな」
「ウソ――!?」
ヒバリこと雲雀恭弥。その実力は並中一にして強面かつ屈強な風紀委員を纏め上げる最強、最恐、最凶、最狂な風紀委員長である。ツナ、獄寺、山本3人がかりでもかすり傷一つ付けられなかった相手だ。
そんな化け物と互角という事実につい奇声を上げてしまうツナ。獄寺はヨシュアの方を睨み、山本は驚きの顔でヨシュアの方を見てくる。
そして、そんな視線にさらされているヨシュアの心情は「嘘でしょ……」という感じだった。これまたバレーの時と同じようなミス。ごく標準だと思っていたのに……というやつである。
それにしても、このままでは第2段階が潰れてしまう。適当なところで分からないように話題転換しようと思い、ひとまず話をつづける。
「へ~、すごいねヒットマンさん。あの桃巨会で戦ってた様子、どっかで見てたんだ。全然気が付かなかったよ」
「オレは最強のヒットマンだからな。当然だぞ」
ニヤリと笑って答えるリボーンに「そっか」と子供に向けるような笑顔を向ける。
「さしずめヒットマンさんはツナの専属ヒットマンなのかな」
と、ここまで言ったときに急にそういえば!という顔をする。いま思いつきました、という雰囲気を醸し出してから口を開いた。
「そういえばボスはツナでヒットマンは君だとして、マフィアにはあと右……」
「オレだ!!」
急にヨシュアの言葉をさえぎって主張する獄寺。これにヨシュアは苦笑いをする。いくら仕組んだとはいえ、ここまで噛みついてくるとは正直驚きである。
「てめーなんかに十代目の右腕の座は譲らねーぞ!!」
「ごっ獄寺君、落ち着いて落ち着いて……」
もろ敵扱いしてくる獄寺をヨシュアはさらりと受け流して納得、という顔を作り右手をあごの方にやって2度ほど頷いた。
「なるほどね。確かに今日の危機を救ったのは獄寺のダイナマイトだったし、ツナに背中を任されるっていうのは信頼の証だからね」
背中を任されたのは山本やヨシュアも同じだが、思わぬ右腕肯定の言葉に獄寺はそんなことには気が付かない。怒り顔から一変、うれしそうな顔をして何度もうなずく。
「見るやつが見れば分かんだな。よし! 右腕としててめーのファミリー入りを認めてやる!!」
単純、と思ったがこれで第2段階が無事終了したわけなのでよしとするヨシュア。獄寺に睨まれ一時はどうなるかと思ったが何とか終了することができた。
そして最後の第3段階。
「ありがとう、獄寺。……そういえば、なんだけどさ。ファミリーの名前ってあるの?」
「当たり前だぞ。ボンゴレファミリーって言って150年続く由緒正しいマフィアなんだぞ」
「これはまた、ずいぶんと細かいところまで設定があるんだね。じゃあもしかして獄寺がツナのことを十代目って呼ぶのはツナがボンゴレファミリー十代目ボスだからなのかな」
「そーだぞ」
「違う!!」という悲痛な叫び声が聞こえたがヨシュアは見事にスルーして計画を続行する。
「ファミリーってここにいる人で全員なのかい?」
「ツナのファミリーはな。だが、イタリアに行けば何百人ものファミリーがいるんだぞ」
「それはすごいね」
半笑いでそういってあくまで子供の戯れ言と受け取った、と見せかけるヨシュア。
それと同時にファミリーはまだこれだけしかいないということに少し不安を感じてしまう。もちろん、リボーンは一騎当千、一人いれば事足りるがやはり、自分を入れても3人は少ない。少なくとも、あと4……いや、あと5人。あと5人、いなければいけない。そうでなければそろわない。でもまだまだ先の話か、と一旦思考を止めた。
「それじゃあ話を纏めると、ボンゴレファミリー十代目ボスがツナで、専属ヒットマンが君、そして右腕が獄寺、その他構成員が山本と僕、とこういうわけだ」
「そーだぞ。なかなか呑み込みがはえーな」
「お褒めに預かり恐悦至極……ってね」
ひとまず無事第3段階も終わり素直に笑うヨシュア。正直失敗するとは思わなかったが何分癖が強すぎる彼らのこと。どんなハプニングが起こってもいいように注意を払っていただけに解放感はひとしおである。
さて、ここで計画を解説すると、第1段階はリボーンの了承を得てまずファミリー入りを確定させる事、そして第2段階は獄寺の了承を得てファミリー内での仲間関係をしっかりとたてること、そして第3段階は墓穴を掘らないための一通りの情報や知らない情報を仕入れること。
ちなみに、なぜツナと山本の了承を得なかったのかというと、まず天然でマフィアのことを理解していない山本は反対しない=論外。そしてツナは絶対に首を縦に振ることはない=無駄骨になることは目に見えている。何よりツナの性格上、ヨシュアをファミリー入りに認めていなくても疎外することはまずないだろう。山本が一番いい例だ。その為これも良しとされた。
「そういえば獄寺はツナのこと十代目って呼んでるんだよね。じゃあ僕はイタリア語でデーチモって呼ぼうかな」
「いやいや! 呼ばなくていいから!!」
当本人の反対にはあったが残念なことにヨシュアに意思を曲げるという言葉はない。とある本によると、ニックネームによって人と人の距離は縮まるらしい。
それに何より、「十代目」と呼べば獄寺と、「ツナ」と呼べば山本と、「デーチモ」と呼べば自分と姿かたちを確認せずとも分かる。確認するのとしないのとでは戦闘中に置いてかなりの大きな違いがある。声や気配で瞬発的に分別できないツナにはこうした方がいいだろう。
「それに僕的にはイタリア語のほうがいいからヒットマンじゃなくてピストレーロのほうがいいんだけど、だめかな」
「別にかまわねーぞ」
これに関してはただ単にツナはイタリア語なのにリボーンが英語というのが嫌だったという何の意味もない行為だ。ただ、ツナの反対を体よく無視するには最適な話題だった。
「聞いてないし……」
一人落ち込むツナを慰める(?)のは山本だ。「まあまあ、気にすんなよ」と能天気発言をやはりかましていた。その頃の獄寺はというと、いまだに右腕肯定のヨシュアの言葉に嬉しさを感じていて話を一切聞いていなかった。
……大丈夫かなあこのファミリー、と先行き不安になるヨシュアを責められる人間はおそらくいない事だろう。
なんか最後投げやりっぽいなーって分かっちゃいましたかね~?もうHPが0だったんですよね。
そして今回は裏話はないです。作る気力も0でした……。
なんとなくで書けばディーノは楽しい買い物を満喫した後久々にリボーンのスパルタにあいました。チャンチャン♪的な……?これは前回の裏話知ってないと分かりませんね……。
えーと、連絡です。
課題テストが……!!あと学校が……!!しかも学園祭が……!!何気にゲーム発売も……!!みたいな感じなのでこれからの9月10月と不定期になります。かなり私情が混じってますが気にしないでください。それではまた。