「まず周囲一キロですが——かつてナザリック地下大墳墓があった沼地とは全く異なり見渡す限りの山脈に囲まれておりました。」
セバスの言葉に集まっているNPC達は不安げに声をあげる。
その様子を見てマズイと感じたアインズは一旦この場を落ち着かせるためギルド武器であるスタッフで床を叩き注目を集める。
「えーい!落ち着けお前達セバスからの報告はまだ終わってないぞ。」
アインズの一声にNPC達はその口を閉じる。
「すまないセバス報告を続けてくれ、ところでその山脈はユグドラシルにあった狂気の山脈か?」
「いえ、見た所普通の山脈で人工建築物及び人型生物などは一切確認できませんでしたが上空にはワイバーンの様なおよそレベル30の中型のドラゴンが群れをなして生息しておりました。ですがその群れの中で一匹だけレベル65のドラゴンがおりました、おそらく群れを率いるボスかと思われます。」
セバスの報告をまとめ上げるとナザリックは何処か不明の地に転移したと考えられる。
「…ご苦労だった、セバス」
アインズはセバスを
「守護者統括アルベドに防衛線の責任者であるデミウルゴス」
「「はっ!」」
「両者の責任の元でより完璧な情報共有システムを作り、警護を厚くせよ!」
「「「「「はっ!」」」」
この場にいる全ての者がアインズの言葉に答える。
「うむ、皆の心意気しかと受け取ったぞ!」
アインズは腕を広げ大袈裟な仕草で応えると視線を双子に向ける。
「マーレよナザリックの隠蔽は可能か?」
「山脈で囲まれているのなら充分可能かと思われます」
「よし、ではそれに取りかかれ、隠せない上空部分には後ほど幻術を展開しよう」
「は、はい。か、かしこまりました」
とりあえず今するべき事はこれくらいだ。
抜けている部分もあるだろうが、それらは後回しでいいだろう。
何より今は非常事態が起こってすぐなのだから。
「さて、今日はこれで解散としよう。各員休息に入り、それから行動せよ」
全NPCが一斉に頭を下げ、了解の意を示す。
「最後に各階層守護者に聞きたいことがある。まずはシャルティア——お前にとっての私とは一体どのような人物だ」
「まさしく美の結晶、この世界で最も美しく偉大で世界を統べるのに相応しいお方でありんす」
「——コキュートス」
「守護者各員ヨリモ強者デアリ、世界ヲ変エル程ノ強大ナチカラヲ持チマサニナザリック地下大墳墓の絶対ナル支配者ニ相応シイ方カト」
「——アウラ」
「慈悲深く配慮に優れ、全ての物を手に入れた絶対にして唯一無二のお方です」
「——マーレ」
「す、全てを地に沈める圧倒的な支配者かと思われます」
「——デミウルゴス」
「賢明な判断力と、瞬時に実行される行動力を有され世界すらも操れる方。まさに
「—セバス」
「至高の方々の総括であり、そして私達だけでなく敵である者ですら見放さず残って待っていてくださる慈悲深き方です」
「最後になったが、アルベド」
「至高の方々の最高責任者であり、私どもの最高の主人であります。そして私の最も愛しいお方です」
「なっ、なるほど。各員の考えは十分に理解した。この場に集まっているお前達も同じ考えであると信じよう。それでは私の仲間が担当していた執務の一部まで、お前達を信用し委ねる。今後とも忠義に励め」
最後に不意を突かれ声が裏返りそうになったが無事に終え、玉座の間から転移することで移動する。
「はあ、疲れた…」
肉体的ではなく精神的に疲れてしまったのだ。
「…え、何あの高評価!?あいつらマジだ」
次回はもっと長く書きますので堪忍してください。