異世界へワールドエネミー   作:リーグロード

3 / 7
ドラクエネタが感想欄に書かれてあったので書いてみました。


大魔王の力

アインズが立ち去りしばしの時間が経過し、誰かが安堵の息を漏らす。

張り詰めていた空気が弛緩する。

最初に立ち上がったのはアルベドだ。それに続くように、次々と他の者達も立ち上がる。

そして誰とも無く口を開いた。

 

「す、すごく緊張したね、お姉ちゃん」

 

「ほんと。あたし変な声がでちゃうんじゃないかと思っちゃった」

 

「流石はアインズ様。凄まじい貫禄でした…」

 

「至高ノ御方デアル以上、我々ヨリ強イトハ知ッテイタガ、コレ程マデノ差ガアルトハ」

 

口々にアインズの印象を言い合う。

この場にいる全ての者を大地に押し付ける程の重圧。

まさにワールドエネミーに相応しい力を目の当たりにしたNPC達は興奮しっぱなしだった。

 

「それではアルベド様、私はこれで失礼します。アインズ様がどこに行かれたか存じませんが、お傍に仕えるべきでしょう」

 

「分かりました、セバス。アインズ様に粗相の無いように仕えなさい。それと何かあればすぐに私に報告を。特にアインズ様が私をお呼びという場合は即座に駆けつけます。他の何を放っても!」

 

アルベドの発言に全員が困った顔を取る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アインズは自室にてワールドエネミーの特典内容の確認をしていた。

その内容はワールドエネミーに相応しい物であり、運営ゲームバランス考えてんの?と言いたくなるような物ばかりであった。

 

「凄まじいなこれは、ほんのお遊びでやってみた事がここまでの結果を生むとは」

 

アインズも特典の凄さに声を唸らせる。

ここで読者の方達に特典の一部を紹介しましょう。

 

【ランクアップ・レイドフォース】

自身の元々のステータスの5分の1の2乗になる。

例えばHP100の場合5分の1で20となり更に2乗して400となる。

 

【サブアカウント】

運営がワンサイドゲームでつまらなくなってしまうのでは?と危惧してもう一つ別のデータ(アバター)を作れるように配慮した。

 

【ユニット配合】

上位から下位の同位のモンスターを2体生贄にランダムで同位のモンスターか稀に一つ上の位のモンスターを召喚出来る。

 

【アイテム配合】

上記と同じで遺産級から神器級までの同じランクのアイテムを2個破棄して別の同ランク稀に一つ上のランクのアイテムが配合される。

 

これが今見せられるワールドエネミーの特典の一部である。

これらの内容にコレクターであるアインズは興奮しっぱなしだった。

 

「マジか!神器級2個消費で稀にワールド級のアイテムとか運営ふざけているだろ(笑)」

 

あまりの役得内容に運営の悪口も笑って言ってしまう程浮かれていた。

 

コンコンとはしゃいでいるアインズの部屋のドアをノックする音が聞こえてくる。

 

「失礼します、アインズ様」

 

ノックを鳴らしたのはセバスで幸いにも部屋ではしゃいでいた事は気付かれてないようだ。

慌てて支配者モードに入りセバスの要件を聞く。

 

「ん?何か用かセバス」

 

「いえ、執事たる者いついかなる時であろうと主人のお傍に仕えるのが仕事でございますから」

 

その言葉にアインズは気が休まる時間が無いと内心ガッカリする。

だがそんなことは顔に出すわけにもいかず堂々とした態度で応対する。

 

「別にセバスよ、そこまでする必要は無いゆっくり休むといい」

 

「いえ、そんなことはございません。執事であればこの程度の事で休むわけにはまいりません」

 

それから少しの間アインズとセバスの休め休まないと言った言い合いが続き最終的にアインズが折れて終わった。

 

「ところでセバスお前が確認したワイバーンの群れはユグドラシルにいたワイバーンだったか?」

 

「いえ、見たことのないモンスターでした」

 

「なるほど、ではそのワイバーンの強さがレベル30というのは確かか?」

 

「はい、遠目で確認しましたが多少のばらつきはあれどほとんどのワイバーンはレベル30でございました」

 

「了解した。ではこの後に実験のついでに守護者達とワイバーンの駆除でもおこなうとするか」

 

そう呟くアインズの瞳の無い目の奥で妖しい赤い光が灯った。

 

 

 

 

セバスに6階層の闘技場に各階層守護者を集めるように命令したアインズは、全身のワールドアイテムを外しいつもの装備に着替える。

その後転移で闘技場についたアインズは周囲に目をやる。

いない。ここは確か双子の管理下の筈なのだが……

 

「おかしいな?まだ玉座の間から戻っていないのか」

 

その時、ふと視線を感じ貴賓席の方を見る。

 

「とあ!」

 

すると貴賓席から掛け声と共に小さな影が飛び出してくる。

 

「ブイ!」

 

綺麗に着地を決め元気一杯の笑顔でVサインをするアウラ。

アウラは小走りでアインズに近寄ってくる。

 

「アウラか、マーレはどうした一緒では無いのか?」

 

「いえ、マーレは恥ずかしがって出てこないだけです。おーい!マーレ!アインズ様が来てるんだから!早く来なさいよ!失礼でしょ!」

 

「わ、わかったよお姉ちゃん」

 

えーいという可愛らいしい掛け声で貴賓席から飛び降りたマーレは女の子走りでアインズに近寄ってくる。

その様子にため息を吐くアウラにアインズは姉弟の力の差を実感する。

 

「ところでアインズ様、本日はどの様なご用件で参られたのでしょうか?」

 

「うむ、実はワールドエネミーの力の実験とここに全階層守護者も呼んでいる」

 

「分かりました、では準備して来ます」

 

闘技場を飛び出たアウラは戻ってくるとドラゴン・キンという名のモンスターを連れて少々大きめのゴーレムを闘技場の中央に設置した。

いよいよ魔法を撃つ時が来た。

そしてアインズはうっすらと笑った。

分かるのだ。

魔法の効果範囲がどの程度か、発動したら次の魔法発動までどれだけ時間をひつようとするかを完璧に把握できている。

そういった自分の能力の確信が、高揚感が、満足感が、充実感が吹き上がる。

ユグドラシルでも味わったことのないものが心の内に浮かび上がる。

何よりも以前とは比べものにならないステータスMPがアインズを歓喜の渦に引き落とす。

そしてそのMPを消費して指先から力のある言葉と共にゴーレムに向かって打ち出される。

火球(ファイヤーボール)

炎の玉が膨れ上がりゴーレムに向かって一直線にぶつかる。

 

狙い通りにゴーレムに着弾。その瞬間闘技場は灼熱の風が吹き荒れる。

着弾したゴーレムは木っ端微塵になり破片すらも溶けて無くなってしまう。

アウラとマーレを守っていたドラゴン・キンはあまりの熱量にダメージを負ってしまう。

 

(えええ!!!嘘だろ!?あれか今のはメラゾーマではないメラだ!みたいなものか。これが大魔王様の力ってやつなのか!!! )

 

あまりの高威力に魔法を放ったアインズさえも驚いてしまう。

今後無意味に魔法は使わない方が良さそうだ。

 

「なんの騒ぎでありんすか?」

 

驚いているアインズ達に声がかかる。

 

「シャルティアか。すまぬ少し魔法の練習をしていたのだ」

 

「そうでありんしたか。流石は私が唯一支配できぬ愛しの君」

 

シャルティアのその言葉にアウラが反応する。

それに対しシャルティアは嘲笑を浮かべながらアウラを見る。

 

「おや、チビすけ、いたんでありんすか?視界に入ってこなかったからわかりんせんでありんした」

 

ぴきりとアウラはシャルティアの言葉に顔を引きつらせる。

お返しにとアウラはシャルティアの胸の部分を見て微笑みながら爆弾を投下する。

 

「うるさい、偽乳」

 

「……なんでしってんのよー!」

 

キャラ崩壊を起こすシャルティアにアウラは追撃を仕掛ける。

 

「一目瞭然でしょー。変な盛り方しちゃって。何枚重ねてるの?」

 

「うわー!うわー!」

 

アウラの言葉をかき消そうとしているのか、バタバタと手を振りながら大声を出す年相応な表情を見せる。

そろそろ止めようかとアインズが口を開こうとした時周囲の空気が冷たくなった。

 

「サワガシイナ」

 

2人の諍いを断ち切ったのは"凍河の支配者"コキュートス。

 

「御方ノ前デ遊ビスギダ……」

 

一旦口喧嘩は止まったが今度は責任のなすりつけ合いが始まった。

 

「この小娘が私に無礼を働いた——」

 

「事実を言った——」

 

「あわわわ……」

 

再びシャルティアとアウラが喧嘩を始め、マーレが慌てる。

アインズも流石に呆れ、意図的に低い声を作り警告を発した。

 

「……シャルティア、アウラ。じゃれ合うのもそれぐらいにしておけ」

 

びくりと、2人の体が跳ね上がり、同時に頭を垂れた。

 

「「もうしわけありません!」」

 

アインズは2人の謝罪を受け入れると、現れた者に向き直る。

 

「よく来てくれたな、コキュートス」

 

「オ呼ビトアラバ即座ニ、御方」

 

互いに挨拶を交わすと闘技場の入り口からこちらに向かって歩いてくる影が三つ。

先に立つのはアルベド、その後ろからデミウルゴスとセバスが付き従う様に歩く。

 

「皆さんお待たせして申し訳ありませんね」

 

「皆様遅れて申し訳ございません」

 

デミウルゴスとセバスが遅れて来たことへの謝罪を済ましアインズの前に立つ。

 

「これで皆、集まったな」

 

「——アインズ様、まだ2名ほど来ていないようですが?」

 

「その必要は無い。あの2人はどちらも特定状況下での働きを優先して配属された守護者。今回のような場合には呼ぶ必要は無い」

 

「左様でしたか」

 

デミウルゴスが質問を終えると、アルベドが口を開く。

 

「では皆、至高の御方に忠誠の儀を」

一斉に守護者各員が頷き、アインズが口を挟めぬうちに隊列を整えだす。アルベドを前に立て、少し下がった辺りで守護者各員は一列になって並ぶ。

守護者たちの表情は硬く畏まっており、もはやおどけたような雰囲気は皆無。

端に立っていたシャルティアが一歩前に進み出る。

 

「第一、第二、第三階層守護者、シャルティア・ブラッドフォールン。御身の前に」

 

跪くと胸に片手を当て、深く頭を下げる。臣下の礼を取ったシャルティアに続き、前に一歩踏み出したのはコキュートスだ。

 

「第五階層守護者、コキュートス。御身ノ前ニ」

 

シャルティアと同じように、臣下の礼を取ってアインズに対して頭を下げる。

次に双子のダークエルフが前に出る。

「第六階層守護者、アウラ・ベラ・フィオーラ。御身の前に」

 

「お、同じく、第六階層守護者、マーレ・ベロ・フィオーレ。お、御身の前に」

 

やはり跪くと頭を深く下げる。そしてデミウルゴスが優雅に踏み出す。

 

「第七階層守護者、デミウルゴス。御身の前に」

 

涼しげな声色と共に、優雅な姿勢を崩さずに、それでいて非常に心のこもった礼をみせた。

その次に執事のセバスが前に出る。

 

「戦闘メイドプレアデス統括、セバス・チャン。御身の前に」

 

シャルティア、コキュートス、アウラ、マーレ、デミウルゴス、セバス。体格の違いがあるため一歩の差があるはずなのに、跪いた位置は見事なまでに綺麗な横並びだ。

最後に残ったアルベドが一歩進み前に出る。

 

「守護者統括、アルベド。御身の前に」

 

かすかな笑顔をアインズに向けつつ、他の守護者と同じように跪く。

ただアルベドだけはそこで終わらない。頭を下げたままだが、通る声でアインズに最後の報告を行う。

 

「第四階層守護者ガルガンチュア及び第八階層守護者ヴィクティムを除き、各階層守護者、御身の前に平伏し奉る。……ご命令を、至高なる御身よ。我らの忠義全てを御身に捧げます」

 




面白かったら感想お願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。