『抑止の守護者、英霊エミヤよ。』
声が座に響いた。
おかしいな、座において他人の声が聞こえるなどあるわけがないというのに。
しかも相手の姿が見えないのに声が聞こえるとは……。
幻聴か?到頭、頭がイカれてしまったのか?
残念だ。せっかく答えを得たというのに遠坂へ宣言をしたと言うのにこんなことになるとはな……。
『余は、お前の幻聴などではない。余の話を聞がよい。余は、死と狂気と戦争と断罪を司る神、エムロイである。今はお前の座に直接声を届けている。』
神エムロイだと⁉︎エムロイなどと言う神は知らないが、神が座に干渉してくるなどあり得るのか?
それよりも、神はまだ生き残っていたのか?
『この世界では、神はほとんどいなくなってしまったようだが、余はこの世界の神ではないからな。余は先程も言った通り、死と狂気と戦争と断罪を司る神である。そしてお前の生き様は、俗な言い方になるが余の眼鏡に適った。よって、こちらの世界に招く。』
今私は声に出していないのだが、というか異世界の神だと⁉︎そもそも何故私の様な格の低い英霊を招くのだ?他にもっといい英霊がいるではないか。
『余は神であるからして、相手の魂の声を聞いているだけだ。お前を選んだ理由は、余がお前の生き様を観察して気に入ったので、アラヤに交渉したところ、お前の様な下っ端は履いて捨てるほどいるからお前一人ぐらいどうでもいいという回答を貰ってな、そう言う訳で後はお前の意思次第ということだ。』
アラヤめ!あれだけ酷使しておきながら、どうでもいいだと⁉︎
「それで、貴方のいる世界に行ったら、私は理想を今度こそ叶えられるのか?私の生き様を見ていたのならどんな理想かも知っているのだろう?」
『知ってるとも。お前の理想を叶えられるかどうかは、お前次第だ。信じて思うがまま突き進むがよい。ただ、1つ言うならば、このままアラヤの奴隷を続けるよりも良いと思うぞ?』
「なるほど………確かにこのままアラヤの奴隷を続けるよりマシか………。では、貴方の提案を受け入れよう。私を貴方の世界に連れて行ってくれ。」
そう言って向こうからは見えないだろうが頭を下げる。
『良かろう。元々そのつもりだったのだ。それと、こちらの世界にお前をサーヴァントの時の様な霊体で送り出すわけにいかんから受肉させるぞ?』
了解した。
そう伝えると、満足した様にうむうむと言う声が聞こえてきた後、今まで立っていたところに穴が開いた。
そう、穴が開いたのだ。
私はそのまま、まるで聖杯の穴の様な深淵に落ちていった。
やはり、世界や神はロクでもないものだな。
そう思いながら、私はだんだんと意識を失っていった。
は!
唐突に意識が覚醒した。
横になって仰向けに倒れていたので起き上がって周囲の確認をしてみる。
……ふむ、どうやら森の中の広場の様な所に倒れていた様だ。
周りに、獣や人の気配はなし…か…
それで、今の私の状態は………
魔力など、全てのステータスは、凛に召喚された時と同じか……
そして相変わらず幸運はEなのか…
ええい、これはもう今更どうでもいい!
それと、神エムロイからこの世界の基本的な知識が送られてきたようだ。
言葉が違う様なので、これは非常に助かるな……
太陽の登る方角などは地球と同じ様なので近くの切り株で方角を確かめるか……。
年輪の幅が一番広い方向が南のはずだから……マズイな、日が落ちてきている。
今日は野宿をして、明日人里を探すとしよう。
倒れていた広場に切り株があったという事は、人里が近いのだろうからな。
近くにちょうど良い木の洞があったのでそこを今日の寝床にするとしよう。
こうして、私の記念すべき異世界一日目は、終わったのだった。
注意!切り株の年輪から方角を割り出すのは迷信らしいです。本作の特地の植生がそういうものだとお考えください。
実は、次に会う人物をレレイにするか、テュカにするか決めていなかったり……
どっちのパターンもプロットはできてるので、あみだくじか何かで決めます。
それよりも、エムロイの口調ってこれで大丈夫かな?原作だと、ロゥリィを亜神に決めた時、「お前に決めた。」としか喋ってないから口調がわからん。
後、感想ください。作者の励みになるので。