人と妖の夢   作:「NULL」

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紫の桜

周りは木々に囲まれ、時間感覚が分からなくなるほど薄暗く濃い霧が広がる視界の中、まず最初に目に付いたのが薄暗い霧の中でも目立つように 美しく咲き乱れる彼岸花だった。

しばらく見とれていると、永遠に広がっている紅の奥に 一本の桜の木が見えた、その枝の先には 花こそ咲いてはいないものの その桜の木から感じる雰囲気は花が咲き散り、どこか幻想的な迄に美しくその散る様も 悲しく見ている人に思わせるまでの妖艶な雰囲気をかもし出していた。

 

「ここは、どこなんだ....」

 

なぜ自分はこんなところに居るのか、記憶を辿ってみるも全く覚えがない。 不思議なことに、来たこともない場所にいるのに何処か落ち着いていた。

 

「取り敢えず、ここはどこか落ち着いて状況を確認しよう。」

 

そう思い辺りを見回したが、永遠に広がる紅とその奥に見える儚げな桜の木だけだった。

しばらくその場で立ち尽くしていると後ろに人の気配を感じ 振るかえるがそこには誰も居ず、また元の位置に視線を戻すとそこには既に、永遠に広がる紅と儚げな桜の木は最初から無かったかのように跡形もなく消えていた。その様はどこか不気味で得体の知れない恐怖を煽った。とにかくその場から動こうと最初の場所から少し離れた所まで移動し、その途中 足元に両手で抱えられる程の大きな石が沢山転がっていた。

しばらく何も無い岩場を歩いていると、奥に見える少し大きめの岩に何かが動いたような気がした。

 

「ん?今、あの岩の近くで何か動かなかったか?」

 

岩影に隠れる何かを目撃し、おそるおそる近づいたが、そこには誰も居なかった。

 

「おかしいなぁ....確かにここに居たんだけどなぁ」

 

やはり、辺りを見回しても何も見あたらない、気を取り直し自分が何処に向かっているか方向感覚も分からないまま、ただ歩き続けていた、その途中見たことの無いものから、見覚えの在るものまで沢山のガラクタと呼ぶのが相応しい物が落ちていた。

段々と不安になり、最初のような落ち着きは無くなりつつあった。

 

何時間ほど経っただろう...もう方向感覚も時間感覚も失われ、気付かないうちに自分の存在や意識が少しづつ消滅していた。

不気味な笑みを浮かべ、歩き続ける様は見るものからは幽鬼のようにも見えた。

そのまま少年はゆっくりとした足取りで、歩く先はさっきまで変わらなかった景色が最初に見た永遠に広がる紅に染まっていた。

するとここにきて初めて意識をもった言葉をかけられた。

 

「その先に進むなら止めないけど、余り勧めはしないよ。」

 

我に返り、その声の主を探るように辺りを見回した。そこに居たのは身長は自分の背よりもかなり高めで、髪の色は白く男性にしては少し長めで、その整った顔立ちに フレームの薄い眼鏡をかけて、何処か知的な印象を受ける。

その眼鏡の奥の瞳は、こちらを興味深そうに見ていた。

 

 

自分以外の人に出会い冷静さを取り戻し本来の目的を思い出す。

 

「すこし道に迷ってしまったんだが、ここがどこだかわかるか?。」

 

「.....ふむ」

 

一時の間。

(取り敢えず先に状況を把握するために重要な事を聞いてそのあとに一刻も早くこの場所から移動しよう。)

そう思い思考を巡らせ、相手の表情や仕草を注意深く意識した そうするのが癖になっているのだろうか、相手と話していると常に何を考え何求めているのか、そんな事を気にしてしまう。

表情は最初と変わらず、興味深そうにこちらを見ていた。

(どうやら、俺には少なからずとも興味があるみたいだな...)

向こうも少年と同じようにこちらの事を観察している様だった。

少しでも多くの情報を聞き出しこの状況を一刻も早く理解し対策とらなければ。

次に何故こんな場所に居るかを考えようとしたのと同時に相手からの反応があった。

 

 

「そうだね、普通の人間が道に迷って辿り着くような場所じゃないんだけど、見たところ君は外の世界から来た人間だろう?」

 

歳は十代前半に見えるくらいだろうか、その服装は他の人間が着ている物とかなり異なり、この場所でうろついて記憶が曖昧ということは、外の世界から来た事を物語っている。

身長は、比較的小さく髪はボサボサで顔は悪い方では無いのだが、その目付きの悪さと闇を映し出したかのような瞳からだろうか 相手にはいい印象を与えられない。

 

 

(友好的に話しかけてくれているように見えるけど、少しも隙を見せず僕から何かを聞き出すつもりだろう、ここはあの子に乗ってあげるのも一つの手かな。)

そう考え少年の反応を伺う

 

 

「外の世界?その言い方だと別の世界が在るような言い方だな 俺がお前の言う外の世界から来たとすると、お前は俺が居た世界とは別の世界の人間だと言うことだろ?。」

 

そう言って少年は鋭い目付きで話を続けた。

 

「それに、もし俺が外の世界の人間で、お前が別の世界の人間ならば、俺とお前がこうして同じ場所にいるってことは、この場所は俺のいた世界でも無くお前のいる世界でもない、それか二つの世界が交わる特別な場所だということか?」

 

そこまで言って正面にいる彼を見ると、自分の仮説が事実だと言うことを目を見ただけで把握した。

 

やはりここは俺が居た世界ではなかった、しかし自分の居た世界の記憶が薄い、特に自分に関する記憶が全く無くそれ意外の記憶は少なからず残っているようだ。

それにしても自分についての事が何も分からない、自分はどうしてここに居るのか、どうして自分についてだけ記憶が無いのか、分からない事ばかりだった。

 

本当は何一つ理解していない、自分のいた世界以外にも別の世界があることや、今目の前で起こっている現状、だが主導権を握られる訳にはいかず、すこしでも早く適応しようと情報を整理していた。

 

「そうだね、確かにここは君のいた世界では無い 君が言った通り僕が居る世界と君がいる世界が交わる特別な場所だよ。」

 

やはり、勘がよく鋭い子だった あれだけの情報で現在の状況と、自分の世界とこちらの世界の存在を確認し、それを受け入れ理解に至った。

( なるほど少し甘く見ていたかなコチラも警戒しないと危険かも知れないな。)

 

相手は人間だという事は承知の上、いざとなればどうにでも対処出来るはずなのに何故か直感が危険だと告げている。しかし何処か懐かしい雰囲気も漂っていた。

 

 

「なるほど、じゃあお前はどうしてこんな所でウロついているんだ?」

そう言って少年は相手を探るようにそう言った。

今まで歩いていてどれだけ時間が経ったかは解らないが、長い時間まったくと言っていいほど、人間に問わず生き物に出会わなかったと言うことは、普段何も寄り付かない場所だということは安易に予想がつく。その上で何故こいつはここに居るのかと言う事が最初から気になっていた。

 

 

「あぁ、僕の趣味でね、 骨董品を集めているのさ。」

 

そう言ってどこに隠していたのか少し興奮気味に大きめの袋を広げ見せてきた

 

 

「......これが、骨董品なのか?」

 

どう見ても控えめに言ってガラクタと呼ぶのに相応しい物だった

(こんなガラクタを集めるためにこんな場所に来ているのか?、それに慣れた感じから見ると何度も来ていることになる。)

 

「あぁそうだよ、ここら辺には沢山 お宝が落ちている」

 

本来なら骨董品を集めるためだけではない、本当の目的は外の世界の情報を集めるために、稀に落ちている物を集めるためだ。

 

 

「あぁ.....そうか、骨董品はもういい 前々から思っていたんだが この場所は何処か居心地がわるくないか?、別の場所に案内して貰えると助かる。」

 

この場所で目が覚めて、どれほど時間がたっただろう意識が朦朧とし自分の存在自体も危うく感じるほどに何か特別な力が働いているそんな気がした。

 

「そうだね、君が感じてるようにこの場所に長い間いては危険だ、それは、僕にも言えることだね 後でこの場所や僕達の世界に付いて詳しく教えよう。」

 

長い時間、無縁塚に居たら人間は勿論のこと妖怪でも存在を維持するのが難しい。

何故ならここは、「外の世界」「幻想郷」「冥界」の3つの結界の有り得ない交点と化していて、自分の存在を維持するのが難しというのだ、それ故に人間や妖怪ともに危険なため自分から進んで近づく者は少ない。

 

 

「あぁ、そうしてもらうと助かる、俺もだいぶ前から一刻も早くこの場所から出たかったんでな。」

 

事実、先ほどから自分の存在自体や意識が飛びそうになったことは多々あった、それもこの場所に漂う雰囲気や空気が原因だろうと人間の感覚でも認識出来るほどに.....

 

「それじゃあ、僕に付いてきて。」

 

そう言い数歩先を進む背中に付いて行った。

しばらく歩いて霧を抜けると彼がゆっくり振り向き真剣な眼差しで告げた。

 

「君なら気付いているかも知れないが、ここは既に君の居た世界でも3つの世界が交わる世界でもない。ここからはもう僕達がいる世界だよ。」

 

その目は少年に覚悟を問うている目だった。

 

「あぁ、あのまま居ても死んだようなもんだろ?それなら今更 なにも失うものはない。」

 

それに。

 

「俺がいまここに居ることに何か意味があるはずだ、それを見つけるのが今の俺にできることじゃないか?」

 

そう少年が言うと彼は安心したように

 

「そうだね、面白いことを言うじゃないか。この世界ではなかなか男の友人が居なくてね、君なら面白い話を聞けそうだよ。」

 

そう言って歩きだし移動する途中様々な話をした、幻想郷特有の概念や外の世界と呼ばれる、俺がいた世界の事に付いての考察、俺がいた世界の事に付いて沢山聞かれたが記憶が曖昧なのでわかる範囲でしか答えなかった、そのあとも様々な薀蓄を聞かされ見た目によらずよく話すやつだと思いながら新しく来た世界で少年は覚悟を決めた。

(とりあえず今後はこの幻想郷と呼ばれる世界に適応するための知識集めから始めるか。)

 

そう思い後ろを振替って見ると、そこに居たのは隙間からこちらを覗く紫色の瞳が闇の中、不気味に輝いていた。

 

 

 

 




今回、初めて小説を書きました、文章力が無く読みにくい部分があったり情景が思い浮かびにくい場面がありましたら申し訳ありません!!これからも上手く表現できるように努力いたしますので何卒よろしくお願いいたします。

この物語の設定は東方Projectの原作で出ている世代の次の世代の話なのでオリジナルキャラクターが次回から多々出てきますので、苦手な方はご了承ください。 タイトル通り「鬼」が主役ですがまだ登場は先の話になりそうです.....もしよければ気長に待っていただけると幸いです。
投稿は時間が空いている時を見つけて投稿したいと思うので、日にちが開きましたら申し訳ありません!!

コメントや感想、アドバイスなど待ちしております←多分やる気が出ると思うw


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