──熱烈な時間だった。キスをしているだけで、幸せな気持ちに浸れてた。何もかもを忘れて夢中にその行為を続けた。理子もおれも余裕はなくて、舌から全身に広がる痺れと快楽に溺れていた。薄暗くて暑い密室のような空間に響く甘美な水音と互いの吐息。
ただ、その日はそこまでで終わりだった。気づけば面接時間も終わり、主治医の先生が来てしまった。理子は飛び上がるように布団から起きて、数秒間目をぱちくりさせたあと、主治医の先生を突き飛ばすんじゃないかってくらいの速さで病室から出ていってしまった。
と、いうのが
この数日、俺は頭を下げまくった。俺が迷惑をかけたチームメイトたち。先生、国家のお偉いさん方。アリアには一発ぶん殴られたけど、でも何か吹っ切れたような気がする。うじうじしていた心に喝をいれてくれたのも助かった。そして、今俺がやるべき事はひとつだ。──けど。
「キンジぃ、どうしてだぁー」
「俺に聞くなよ。お前の方がよっぽど付き合いなげえじゃねえか」
「皮肉かぁ!? 近すぎて肝心なものを見落としてるからさ、他人からみてどうかなって。いざ瑠瑠神本体になったとしても俺にはまだ自我あるし、アイツの意識と同調なんて出来ないというかやりたくないし・・・・・今すぐにでも俺は俺の喉を引き裂きたいわけなんだが」
「確かに、明らかに変わった様子はないな。今まで通りだとは思うが」
「そうだよな。外から見ておかしかったら指摘するだろーし。・・・・・まだ生還への道は暗いなあ」
手がかりが見つからないことへの焦りが当然ある。瑠瑠色金がどんな原理で修復されてるのかは知らんが、異例の速さで退院できた。もちろん瑠瑠神のことも大切だが、同時に理子もことも頭からずっと離れない。とても後がないやつが考える事じゃないってのは承知の上だけど、常に理子のことを考えて動かなきゃって気がして・・・・・気持ち悪いな。自分で言ってて。
まあとにかく。色金相手にどう戦うかはゼウスに聞けば分かりそうだが、最近は連絡をとろうとしてもどうしてか繋がらない。全知全能がそう簡単にやられるはずはないんだが、瑠瑠色金の脅威を抑えるのにだいぶリソースを割いてるかも。頼りたいのを堪えて、今は自分たちで調べるのみだ。
「そもそもの話、地球にあんな化け物がいたってのは今でも信じられないな。昔はどうやってあんなのと戦ってたんだよ・・・・・」
「タマモから話聞いてただろ。要するに殺せってことだ。今のキンジなら俺くらい余裕で殺せるよ。どうだ、やるか? 」
「軽々しく言うなよな。命がけでこっちは助けたんだ、お前も自分の命くらい大事にしろよ」
「冗談だよじょーだん。つぎ瑠瑠神に乗っ取られるようなことがあったら、潔く俺は自分で始末つけるからさ」
「お前なあ」
呆れた感じの忠告を笑って受け流した。そう、まだキンジは俺が生きてるって思ってる。理子やバスカービルのメンツもそうだ。俺が死人だってことを知らない。つい最近は味覚を失ってしまった。ただそれ以外の感覚はまだ生きてるし、何より俺の体に体温が残ってるらしい。らしい、というのは誰からも指摘されないからで、実際どうかわからんけど・・・・・心臓の鼓動音は確実に止まってる。死人だって知ったら皆気持ち悪がるから絶対に悟られちゃいけない。そのためにも頑張んなきゃな。
「話を戻すぞ。あいつらの性格は、地上に墜落した際に自分らの性格とか波長が合った人物に憑依させてもらったらしい。3体ともマトモに現地住民と付き合ってたらしいんだが、全員どこかでねじれた」
「あの瑠瑠神の異常性もか? 」
「そうかもな。実際、一歩足を踏み外したらあんなのと似た感じに変貌するやついるだろ。お前のちかくに」
少し考えてからブルッと背を震わせたキンジを横目に、世界各地で騒がれた超常現象から心霊写真などとりあえず不思議なものを片っ端から目を通していく。
合成写真やたまたまそう見えただけのものが大半を締めるが、まれにマジモンのもあるから馬鹿にできない。墜落物や突如通信がきれ行方不明になった飛行機や戦闘機などは特に注意する。
いっけん因果関係がない事件も色金の能力しだいで結ばれることもある。緋緋色金ならばアリアと出会って間もない頃──カジノの一件でアリアがパトラのピラミッドの先端を過去へ送ったのがいい例だろう。
「確かに昔からずっと存在するなら記録の一つくらい残っててもおかしないけどよ、
「ああ。俺もそう思ってアメリカ政府、日本政府の上層部にハッキングしてくれって情報科の知り合いに依頼したんだけど、連絡が一切こないあたりハジかれたかなあ」
「そりゃそうだろ! 俺たち学生がハッキング出来たら逆に心配になるわ! 」
「政府は俺を助ける気は欠片もない。瑠瑠神と俺が手を組んでたとして、対色金の研究内容を俺に渡したら──あとはどうなるかわかるだろ。限りなく0に近い可能性でも潰したいんだろうな、きっと」
「なら政府の人間じゃなくても近いやつなら、瑠瑠神に関する資料の一部だけでも入手できるんじゃないか?」
「となると・・・・・ワトソンかなぁ」
ワトソンとは目覚めてから話すら聞かない状態だ。元々知り合い程度だったから連絡先を交換してそれきりだったのが痛手ではある。あと──俺の体が瑠瑠神だってカミングアウトした時のワトソンは、なんというか他人行儀だったような気がする。他人の見せる冷たさというか、言葉では言い表せない壁で遮られてるというか。記憶もぼやけてて確証はないけど、あれが本来のワトソンの仕事モードなら感心せざるを得ない。まあそれはそれとして、キンジの方で連絡をとってもらうか。
「キンジの方で頼む。俺からはかけても多分でない。MI6だかCIAか知らんけど、どっかの諜報機関に所属してるなら監視対象と直接話しはできても情報は与えられないし。あ、それならキンジがかけても同じか」
「そうかー・・・・・ん、いや待て朝陽。電話にでないのか? 」
「そうだけど? 」
「・・・・・学校には来てるんだけどなあ」
「ええ!? なら無視されてんの!? 」
そうか。無視されてんのか。・・・・・俺もそろそろ距離を置かれ始める頃だな。これから関わらないでくれ、とか一言でも言ってくれたらいいのに。心に来るぞ無視は。
「わからん。何回か会ってるが、
「キンジ。──なんて言った? 応急処置の手伝いの前だ」
「・・・・・お前のこと心配してたぞって。看病行けてないからってだけだ。おかしなとこあったか? 」
「じゃあ、あの時看病に来てたやつは・・・・・だれだ」
大慌てで携帯を手に取り蘭豹先生に電話をかける。
俺は確実にワトソンをこの目で見た。最初に俺が瑠瑠神になったと知ったのはアイツとの会話の中でだ。そもそも──面会謝絶がされてなかったはずだ。トラウマになりかけたからあまり思いださないようにしてたけど、もしワトソンに変装してたやつが
焦燥感が気持ちを駆り立て電話のコールが異様に長く感じられ、やっと電話に出てくれた。
「蘭豹先生! 京条です! 俺が入院してから目覚めるまでに病室に侵入したやつはいますか⁉」
「──なんやいきなり。誰かと思えば、礼儀もクソもあらへんやないか! 」
思わず耳を塞ぎたくなるような怒声を我慢し被せるようにして、お願いしますと続ける。
俺と接触したのが機密事項ならば隠すのもうなずける。だがもし、本当に会っていなかったとしたら──俺があの時話していたのは瑠瑠神と俺の実態を知っている人物。しかもあの時の意味不明な質問もかなり私生活に踏み込んだものだった。俺と理子のニセモノの関係を知っているのなんてバスカービルと武藤、不知火、平賀さんくらいだ。
「俺、面会謝絶中の夜に誰かとあったんです! もちろん監視カメラありましたよね、見せてください! 」
「ああ!? 誰もおらんに決まっとるやないか! なんのための面会謝絶やと思っとるんや! ・・・・・夢でも見てたんやろ。監視カメラの映像も研究対象で見せれへん」
「っ、お願いします! 」
「しつこいぞ京城! おとなしく他をあたれ! 」
監視カメラの映像さえ手に入れば中で何が起きたか分かるんだ。
ここで食い下がんなきゃ、せめて蘭豹先生の口からでも!
「じゃ、じゃあ何が起こっただけでいいですから、お願いします! 」
「チッ、お前の寝言がうるさかっただけや! 」
寝言・・・・・寝言か? 寝てたならそもそも俺は起きてないことになるぞ。本当に夢か? だとしたら現実味があるにも程があるぞ。だけど、大きな収穫になるかもしれない!
「一回も起きてませんでした? 」
「一回もや。突然気ィ狂ったように誰かに謝りながら胸掻きむしってたくらいやで。どんな夢見てんのか知りたいくらいやわ」
「突然、ですか? その前に些細なこととかは? 」
「ない。無茶苦茶に暴れただけや。運良いなァ京城、お前がもう少し暴れとったら、危険とみなされて武装検事のお世話になってたとこやで」
「そ、そうですか。じゃあ前後でなにか機材に変わった様子とかは・・・・・」
「あったら真っ先にお前んとこにカチコミかけてたに決まっとる」
なら、本当に夢オチ? ・・・・・いや、ならあの時感じたリアル過ぎる痛みの説明がつかない。あれはどう考えても現実世界での出来事だ。夢なら自分の顔のキズをあの時点では知らないはずだ。
夢じゃないとすれば、必然的に侵入者となるが──武装検事も確認してたならきっと
味方陣営ではないけど敵陣営でもない。侵入者がしたかったのは、
「要件はそれだけか。京城」
「はい。ありがとうございました」
謎が一層深まっただけか。いや、これも重要な情報だ。ちゃんと記憶しておこう。
「──ああ電話きるなよ。ちょうど伝えたかったことがあるんや」
「・・・・・? 別件で呼び出しですか? 」
「ちゃうわ。近々修学旅行があるやろ。その件や」
修学旅行! 確かにこの時期に武偵高はやるんだったな。海外に行かなきゃ行けないんだっけか。必ず行くようにって教務科から義務付けられはしてるが、俺は行くなって知らせかな。国外にだして事件を起こせば外交問題に発展しかねない。不安定な状態の
「俺はその期間は病院ですか?
「いいや。今朝の会議でお前は香港への修学旅行が決まったんや。これは決定事項だから覆すことは出来ひん。そして香港内での行き先も指定されとる」
「え・・・・・どうしてですか! まだ監禁の方が良いですよ! 悠長に遊び気分で観光なんか出来ません! そりゃ怠けてた俺が1番悪いのはわかってます。でもっ、少しでも方法を見つけて遅らせないと、理子が! 」
「落ち着け京城。これはお前のためでもあるんや」
「ど、どういうことです? 」
「詳しくは言えん。ただ言えることは──世界各国のメインコンピュータにウイルスを流し込んだやつが、香港にお前を連れてこいとメッセージを残した、とだけや。お前とは顔見知りともほざいてたんや、もちろん断ることは許さへんで。指定された日時を1秒でも過ぎれば、要人の個人情報やデータ化された最高機密文書、刑務所の電子ロックキー、クレジットカード所持者全員の暗証番号の流出と被害に枚挙に暇があらへん。是が非でも行け」
そっ、そんなヤバいやつと俺は知り合いんのか!? 国連すら敵に回すってことは、多分どこの国にも所属していないフリーランスだ。高い知能と戦闘能力を有した化物じみた人間か、あるいは・・・・・。待て待て。どこのどいつだそんなの! けど、わざわざ俺を呼ぶなんて怪しいな・・・・・よし。
「行きますよ。その人が来いというなら俺を殺したいか、秘密を握っているかのどちらかですからね。どちらにせよ瑠瑠神打倒のためのヒントです」
「ならええ。お前には肩身の狭い思いをさせるが勘弁してくれ。その年で中々のモン背負うのは厳しいが、あたしらも必死になって情報をまわしとる」
──確かに。嘘はついてないみたいだ。今も首を片側にすくめて肩と耳に携帯を挟みながらパソコンのキーボードを叩いている。基本戦闘狂みたいなとこあるからこの光景も新鮮だな。
「
「──はぁ? 何を見て言っとるんや」
「
「っ! 京城! 何言って──! 」
「あーごめんなさいごめんなさい! すぐきります今きります! 修学旅行には行くんで!
無理やり携帯を閉じて、どっと疲れた肩や首を癒すため一旦ベッドにダイブする。全身に石が乗ってるみたいに重たいけど、最近は机に向かいっぱなしだからしょうがないかもな。
だけど、幸いにも俺が退院してから大きな事件というのは起こってない。キンジとレキが一般高に行ったくらいで、あとは普通の生活だ。国からは自宅謹慎を命じられてるから調べ物と電話での聞き込みくらいしか活動できない。そのぶん努力しなきゃならんのだが・・・・・まったく成果が出てない焦りが常にジリジリと体に溜まっていく感覚だけが虚しく残るだけ。
「わっかんねえ! 」
「うおっ! いきなり大声だすなよ! 」
「仕方ねえだろー。肩こり酷いんだしヒントは今一つ掴めないし・・・・・ピンときた資料もアクセスエラーでシャットアウトだろ? 」
「まあそんなかんじだが、諦めんなよ。それより、そっちの方はビデオ通話でもしてたのか? 」
「ビデオ通話ァ⁉ 蘭豹先生とか!? おいおい疲れが溜まってるのは同じだな。この携帯にビデオ通話なんて便利な機能そなわってないぞ」
最近普通の高校に進学してるから、脳筋しかいない武偵高に比べて授業内容が濃くなっている。実家からレキと一緒に通ってるらしいが、たまにこうして部屋に来ては手伝ってもらってる。
もちろんそんな生活をすればキンジにも疲れが溜まるのだけど・・・・・予想に反していたって普通の顔色だ。むしろ俺を変人扱いしてるような眼差しを向けている。
「じゃあお前、なんで、覗いてすみませんって言ったんだ? それに蘭豹の表情まで見てるような口ぶりだったよな」
「そりゃーもちろん蘭豹先生がいつも使ってる部屋見ちゃったから」
「・・・・・? いつのことだ?」
「今だぞ? 」
・・・・・キンジは、何を言ってるだと言わんばかりに首をかしげて眉をひそめた。
もしかして疑ってるのか? いやいや。まあ生徒のためにあんだけ頑張ってる姿を一度も見たことないのは確かだけど。この目で確実に見たん──
「──は? 」
ふと、小さな違和感に気付く。ここはキンジと俺の部屋だ。もちろん蘭豹先生の部屋でもない。目の前にいるわけでもないし、武偵高までは距離がある。蘭豹先生の部屋に隠しカメラを仕掛けたとかそんな自殺まがいなことはしない。
・・・・・ならどうやって、俺はいま蘭豹先生のいる部屋を覗き見したんだ? 電話中、視線を向けていた先はただの壁だ。ずっと壁を向いていたはずだ。幻覚じゃない。リアルタイムでしっかりと確認したんだ!
「俺は・・・・・! 」
ズキッ、と
「おい、朝陽。無理そうなら言え」
アレからひと段落ついたのにまた
「だい、じょうぶ。ちょっと煮詰めすぎてクラってきただけ」
「そうか? 確かに変なこと口走ってたな。瑠瑠色金と決着つける前に過労死しちまうぞ。あとは俺がやっとくから、ちゃんと休んどけ」
「そう、だね。死んじまったら元も子もないし。でも寝れそうにもないからベランダで頭冷やしてくる」
悪いな、と言い残し、寒さが厳しくなってきた外に足を運ぶ。
外出禁止といっても理子が必死に説得してくれたおかげでベランダなら許してもらえることになった。「一時的な禁止令にしろベランダにも出れないのは不当な拘束だ! 」なんて怖さ知らずに噛みついて、しかもそれが受理されるなんて。何か裏があるに違いないが、今は考えないでおく。
「もう夕方か」
ベランダの手すりに覆い被さるようにもたれると、いきなり寒いところにでたもんだからゾクゾクっとした悪寒を背中に感じた。
季節はあっという間に過ぎ日の入りも夏に比べて断然早い。吹きつける風も充分冷たく嫌でも冬の訪れを体感してしまう。見上げた空は、きっと理子と眺めたら何倍も綺麗に見えるくらいで。
理子はアリアと買い物に出かけると話していたけど、今どこにいるかなと人差し指と親指で丸をつくって覗いてみる。まあ、予想通り見えなくて。我ながらおかしな事だと自傷気味に口もとを緩ませた。
武偵高にいる蘭豹先生を自宅から遠視出来たのは、冷静に考えればすぐ瑠瑠神のせいだと理解出来る。色金とは『一にして全、全にして一』という特性を持つ金属の神。自身の体を粒子にして、世界中にばらまくことも可能だろう。ばらまける、ということはそれだけ感じ取れる世界も広がるということ。なら、距離と壁に遮られたものを視ることだって不可能じゃない・・・・はずだ。だけど、
(ほんとにそうか? )
事実なら色々とおかしいことになる。色金の粒子を漂わせてその範囲を視ることができるなら、戦いにおいて不覚をとるはずがない。瑠瑠神はそれに反して倒されてるし、ならさっきみえた蘭豹先生はなんだって話になるわけで──。
『あー、あーっ、聞こえてるかい?』
「ああ聞こえてる・・・・・あ!? 誰だよ! 」
なんの脈絡もなく頭の中に少し大人びたような声が響く。思わず落っこちそうになったが、手すりがあってよかった。ベランダから落ちたらシャレにならん。そして、
「お前だれだ。いや、お前は
『──れぃ』
「はい? もうちょっと大きな──』
『ひっさびさに喋ったのに失礼じゃないか! 』
なっ、なんだこいつ! 直接脳内に語りかけてるくせに耳がキーンてするぞ。どんだけデカい声で叫んでんだ・・・・・!
「しゃ、喋ったも何も、俺は
本当はだれだ、と聞き返そうとしたとき、ふと前に会った時のゼウスの姿を思い出した。確か俺が最初に会ったときよりも成長してた。小中学生くらいだったような気がする。幼く高めの声が、若干低くて落ち着きのある大人の声になったとすれば、多分。
「ああ、ゼウス? 」
『ちょっとしか話したことないクラスメイトを思い出したようなリアクションやめてよ! もう」
このタイミングで現れてくれたのは好都合だ!
そう一筋の希望を胸に、話を切り出した。きっと、良い答え出してくれると信じて。
次話は八割完成なので近日中に公開します。
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