怪盗の相棒   作:黒雛の赤龍

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前回の後書きで書き忘れたので一応紹介を。

名前:夕中木葉(ゆうなか このは)
性別:女
身長:160cm
体重:secret answer
性格:温厚。あまり怒らない。
長所:演技、変装
短所:人と話すこと
容姿:茶髪で長さは肩にかかる程度。綺麗に整っているというよりは少しボサボサしている。スラッとした体型で肌も綺麗だが、クリームを塗ったりダイエットなどは一切していない。天然で綺麗だから女子にはかなり嫉妬されている。
人間関係:後に紹介。
家族:役者と役者の間に生まれた。が、彼女が八歳の時に何者かによって殺害される。その後中学まで祖父母と暮らしていたが高校に上がって一人暮らしを始める

……こんな感じで大丈夫ですか?

不足している部分があれば感想にて指摘してください。

後に記述します(多分)


第一話 快斗は突然おかしくなる

怪盗キッドに新たな仲間が出来てから一ヶ月という月日が経った。

 

 

 

 

 

 

――――

―――

――

 

 

23:59。

 

東都美術館では閉店時間にもかかわらず数百人の警察官と数十台のパトカー、数台のヘリコプターが集まっていた。

もちろん毎日の警備のためではない。普段からこんな警備体制でやっていれば近所から苦情がくるというものだ。

ならば、この多大な警備体制は何なのか。

 

「あと一分だ!あと一分で奴が来る!気を引き締めろッ!!」

『ハッ!!!』

 

美術館の中を警備している警官に、リーダーらしき人が喝を入れる。一瞬の気の緩みが命取りになるからだろう。

そして警官のリーダー――中森警部は辺りを常に見渡しながらその時を待っている。

 

24:00。

 

犯行予告の、この時間に。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、館内の電気室では。

「ぐー……」

「zzz……」

「……ぐぉー」

 

数人の警官が見張っていたがその全てが眠っていた。いや、眠らされていたという方が正解か?なぜならここは睡眠ガスで充満しているのだから。ガスマスク無しでは眠ってしまうのも無理ないだろう。

そして、睡眠ガスが充満しているこの部屋で、なんの被害もなく立っている人がいた。

黒のズボンに黒のTシャツとその上から羽織った黒のジャケット。黒の帽子に黒の手袋といかにも怪しい人物がいた。

 

「皆さんお勤めご苦労様です。でもちょっとだけ眠ってね」

 

と、彼女はガスマスクを装着しながら電気室を静かに歩く。

 

「おっと。これがブレーカーだね」

 

周りに目配せしてこれがブレーカーだと確認する。腕時計を見ると、24:00まであと10秒といったところだった。

 

「……あと10秒……あと5秒……3、2、1」

 

24:00になった瞬間、彼女はブレーカーを勢いよく落とす。

すると、館内は一瞬にして暗くなり耳に装着してあった通信機からは色んな声が飛び交っていた。

 

『な!?停電だと!?』

『キッドが現れたのか!?』

『電気室の奴らは何をしている!?早くブレーカーを元に戻さんか!!』

 

恐らく宝石を展示している部屋を警備している警官達の声だろう。

そんな騒がしい通信機から、短いメッセージだったが仲間からの声が聞こえた。

 

『サンキュー、相棒』

「ふふっ、どういたしまして」

 

彼の声を聞いて彼女は満足したのか満面の笑みを浮かべながら、自分が侵入してきた通気口に入った。

 

『確かに東都美術館最古の宝石を頂戴いたしました。では、中森警部。またいつかお会いしましょう』

『待て、怪盗キッド!!』

 

と、彼女の仲間――怪盗キッドがそう中森警部告げたと同時にガラスの割れる音がした。恐らくいつもの如く窓ガラスを割ってお得意のハンググライダーで逃げたのだろう。

 

「(さ、私もさっさと退散しますかね)」

 

迷路のような通気口の通り道を迷い無く進みながら、彼女はこの東都美術館を後にした。

 

 

――――

―――

――

 

 

 

どこかの廃ビルの屋上。彼女が階段を上りきり、風が吹く屋上の方を向くと、そこには白いマント姿の男がいた。

 

怪盗キッド。

 

彼女の仲間であり、信頼できる友人の一人だ。

 

「お、帰ってきたか相棒」

「ただいま。で?お宝はどうだったの?」

「俺たちが狙っている宝石じゃなかったよ」

「残念でした。また返さないとね」

「……お前呑気だよな」

「私はいつもこんな感じでしょ?」

「確かにな」

 

言いながら彼女はキッドの横に並ぶ。パトカーのサイレンが聞こえることからまだキッドの捜索をしているのだろう。

キッドはそれを少し眺めたあと、マントを自分の身体を覆うように振った。すると先ほどまでの派手な白い服とは一転して自分の学校の制服へ早変わりした。

 

「……それじゃ帰ろっか、『快斗君』」

「そうだな、『木葉』」

 

仕事を終えるキーワードを言って、二人はこの廃ビルから去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

二代目怪盗キッド。その正体はマジシャン好きの高校生――黒羽快斗。

 

そしてその怪盗キッドをサポートする、同じく高校生の相棒――夕中木葉(ゆうなかこのは)

 

 

日本中を騒がせる怪盗は今日も不敵な笑みを浮かべながら宝石を華麗に奪っていったのであった。

 

 

 

――――

―――

――

 

 

 

次の日。

 

「あ、おはよう木葉!」

「おはよう青子ちゃん」

 

今日は平日。なので木葉はいつも通り学校に来ていた。

クラスに入って元気よく挨拶してくれたのは友達の中森青子。中森警部の娘でとても気が強い。快斗とは幼なじみで彼らの喧嘩はクラスの日常になっている程仲がいい。世間を騒がす愉快犯のような怪盗キッドのことは嫌っていて、キッドが現れれば常に自分の父を応援している。

 

「ねぇ木葉聞いた?昨日も怪盗キッドが宝石を盗んだんだって!」

 

と、木葉と青子のところにやってきたのは桃井恵子。金髪ツインテールのメガネっ娘で怪盗キッドには好意的な人物である。

 

「本当に?やっぱ怪盗キッドって凄いんだね」

「やっぱ木葉かあんまし興味がないカンジ?」

「まぁね。そういう類いにはちょっとね」

「もう恵子ったら。怪盗キッドは犯罪者なのよ!そんな人を応援するなんてありえない!!」

「もう青子ちゃん落ち着いて。クラスの皆がびっくりしてるよ」

「木葉はいつも呑気よね。焦ったこととかあるの?」

「そうだよね。テスト前でもいつもこんな感じだし」

「うーん、あんまりないかな。やることは早めに終わらせるタイプだし」

「うわっ、出来る女の余裕を見せつけられたわ」

「口調や雰囲気とかは凄くのんびりしてるのにね」

「へへへ……」

「あーだめだ。やっぱこの子憎めない。笑顔がまぶしすぎる」

「謙遜せず認めてるのになんか癒やされるね」

 

……とまあこんな会話をいつも三人集まってやっている。これもまたこのクラスではいつも通りの風景だ。たまに怪斗がちょっかいを出してくるが、基本的に青子が反応して痴話喧嘩に発展するので恵子と木葉はそっとそれを見守っている。

 

「おはよー青子、恵子、木葉!」

 

と、手を上げながらやってきたのはその黒羽快斗だった。昨日のクールさから一転して陽気な少年のようなテンションでクラスにやってくる。

 

「おはよー黒羽君」

「おはよ、快斗」

「あいかわらずブッサイクな顔してんなー青子は」

「なにーッ!?」

 

この光景もクラスでは当たり前のように起こる痴話喧嘩だ。

 

「おはよー快斗君。もしかして昨日いいことでもあったの?」

「そうなんだよ木葉!昨日のマジックショーでさ、俺の好きなマジシャンが大技決めてよ!あー!!今思い出しても鳥肌立つぜ!!」

「それで眠れなかったと」

「あん?何で分かったんだ?」

「だって快斗君の目の下、隈できてるもん」

「マジ!?」

「顔洗ってこれば?」

「おう!サンキュー!」

木葉に言われて快斗は蛇口がある廊下へと走り出した。

 

「ほうほう……」

「……へ?」

 

と、謎の声がする方を向くと、側にいた恵子がニヤニヤしながら木葉の方を見ていたのであった。

 

「……え、何?」

「とぼけちゃって!快斗君と……デキてるんでしょ?」

「デキてるって?」

「とぼけないでよ!もう学校中の噂になってるよ?黒羽君と木葉は付き合ってるって」

恵子は何故かとても嬉しそうに(たまに青子の方をみながら)そう言った。

でも、木葉にはそんなことを思われる理由が……いや、あった。

怪盗キッドが復活する前、木葉は一人教室の隅っこで大人しくしていて……いわゆるボッチというやつだった。それが色々あって怪盗キッドの手伝いをするようになり、快斗とも仲良くなり、今は恵子や青子とも仲がいい。

ボッチだったやつがいきなり、それも異性と急に仲良くなり出したらそんな噂も立つのも不思議ではない。

 

「(けど本当のことを言えないのも事実だしなぁ……)」

「それで、どうなのよ?」

 

青子がどこか真剣な様子で木葉に聞いてくる。やはり幼馴染みとして心配なのだろうか。木葉は上手い言い訳を考えていたが、まあそんな都合のいいことは起こることはなく。

 

「そんなに聞きたいなら快斗君に聞けば?」

 

ちょっとばっかりイタズラしてみた。主に快斗に。

 

「むぅ……」

「なかなか口を割らないわね……」

 

だからってこっちを睨み付けないでください。

と、そんなことをしていたら一時間目の授業が始まる合図であるチャイムが学校中に鳴り響いた。

 

 

 

――――

―――

――

 

 

 

次の日。快斗は学校に来なかった。

 

 

 

――――

―――

――

 

 

そのまた次の日。

快斗は珍しく朝早くから学校に来ていた。その彼はこれまた珍しく肘をついて考え事をしていた。

 

「おはよう快斗。昨日は突然休んじゃってどうしたの?」

 

と、木葉と一緒に来ていた彼の幼馴染みの青子が快斗に話しかけた。どうせいつもの如く青子のことをからかうのだと思っていたが、その言葉に対し彼は意外な返答をした。

 

「……分からない」

「……は?」

 

真顔でそんなことを言われたら普通そんな反応してしまうだろう。

そう。青子は間違っていない。

 

「僕は君に対して冷たい態度をとらなくてはならない」

「??」

 

そう、おかしいのは快斗の方だ。

 

「それは……君を愛しているからだと思う」

「……!?」

 

 

 

 

 

 

……いや、マジでどうしちゃったの?

 

 

 

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