バカと凶刃と召喚獣   作:赤辻康太郎

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夏休み編その2です。
はたして秀隆が呼んだアテとは誰なのか?
あと地味に新キャラ出ます()


夏休み海編②

夏休み海編②

 

――旅行前明久宅――

 

「それでアキくん、結局旅行には何人誘ったんですか?」

「えーと。たしか九条君たちを入れて15人かな」

「九条君?」

「電話で話した秀隆の友だちだよ」

「そうでしたか。それにしても、ずいぶんと大勢になりましたね?」

「うん。ごめね姉さん。少し迷惑かけると思うけど」

「いえ、神崎君のお力添えもあったのでそこは何とかなりますが、想像よりも多かったので」

「電話でも話したけど、補習や肝試しで皆仲良くなったからつい……」

「それはもう怒っていません。姉さんはアキくんがたくさんお友だちを持てて姉さんは嬉しいです。少し寂しくもありますが」

「寂しい?」

「はい。少し前までは『お姉ちゃんお姉ちゃん』と姉さんにべったりだったアキくんがこんなに大きくなって」

「もう! いつの話をしてるのさ!」

「幼稚園くらいですかね」

「10年以上前じゃないか!」

「今のでもその録音を目覚ましのアラームや着信メロディにして毎日聴いています」

「消すんだ。その恥ずかしいものを記憶と共にこの世から今すぐ抹消するんだ!」

「ところで、今回お誘いしたお友だちは全員男の子ですよね?」

「…………」

「アキくん?」

「ソウダヨ。ゼンインオトコノコダヨ」

「なぜ片言の外国人みたいになっているのですか?」

「ソンナコトナイヨー」

「アキくん。歯を食いばってください」

「ご、ごめんなさいっ! ほんのちょっとした冗談ですっ! ちゃんと言うから殴らないで!」

「分かりました。正直に言うならご褒美のチュウをしてあげましょう」

「実は皆昨日知り合った宇宙人なんだ」

「よく正直に答えてくれました。さぁ目を閉じて顎を上に向けてください」

「ちょっと待って! 僕今明らかに嘘をついたよね!?」

「人間も広義に当てはめれば宇宙人ですから。さあ、大人しく少し上を向いて口を開けてください」

「ドサクサに紛れて何をするつもりなの!? というかそんな屁理屈が通じるわけないでしょ! って待って待って! とにかく謝るからストップ、ストーップ!」

「……そこまで嫌がれると、流石に――」

「あ……。ご、ごめん。傷ついた? でも姉弟でそんなことは」

「――ムラムラしますね」

「変態だっ! 変態がいるっ! 度し難い変態が、僕の凄く身近なところに!」

「本気にしないでください。三割冗談です」

「やばい……。この人、半分以上本気だ……」

「そもそも、アキくんが嘘をついて誤魔化そうとしたのがいけないのです」

「う……それは……」

「なぜ誤魔化そうとしたのですか?」

「……言っても怒らない?」

「そうですね。正直に言うのであれば、姉さんは怒りませんしへし殴りませんし折りませんし女装させたりしません」

「色々とツッコミたい所はあるけど――怒らないなら……」

「ただし、女の子がいる、と言うのであれば話は別って、どこに行くのですかアキくん?」

「嫌だぁっ! 怒られて殴られてへし折られて女装させられるのは嫌だぁーっ!」

「そうですか。女の子がいるのですか」

「ち、違うんだよ! それは、その……皆にはテスト勉強とかで色々お世話になったし、普段から一緒のメンバーを誘わないのは変だし」

「神崎君のお友だちとも折角仲良くなったし、ですか?」

「うん。それに誘った時は泊まりだなんて思ってもいなかったし……!」

「泊まりに関しては事前に言っていなかった姉さんにも非がありますが、それにしても誘い過ぎだとは思わなかったのですか?」

「う……それは……」

「まぁ、神崎君から連絡を受けた時に女の子がいることは予想してはいましたが」

「そうなんだよ……って、姉さん知ってたの?」

「ええ。神崎君から今回誘った人の名前は聞いていましたから」

「じゃな何で僕は怒られたのさっ!」

「姉さんのちょっとしたお茶目です」

「怒って殴ってへし折って女装させるのが?」

「怒って殴ってへし折って女装させるのがです」

「秀隆ですらしないかもしれないのに!?」

「アキくんの姉さんと神崎君に対する認識は置いておいて、事情も理解しているので、今回だけ特別に女の子の同伴を許可します」

「なんか釈然としないけど、ともかくありがとう姉さん」

「ただし」

「ん? なに?」

「不純異性交遊は禁止します。旅先で不純異性交遊と認められるような行為をしたら……その時は、分かってますね?」

「あ、あはは……。ど、どうなるのかな〜?」

「一族郎党皆殺しです」

「いやそれ、姉さんも死んでるから」

 

――旅行当日――

 

抜けるような青空とのっそりと浮かぶ入道雲。頬を微かに撫でる程度の微風が、その形をゆっくりと変化させる。

正に夏真っ盛りという風景に、明久もいつになく心が弾んでいる。海水浴に出かける日としては、この上ないコンディションだ。

 

「今日は海に行くには最高の天気だな」

 

同じことを思っていたのか、降り注ぐ陽光に顔を顰めることもなく、明久の隣に立つ雄二が呟く。

まTシャツにハーフパンツといったいかにも夏といったラフな服装は、その体格の良さもあって非常にマッチしていた。

 

「そうね。胸――じゃなくて心が躍るわね」

「私もワクワクします!」

 

巻スカートにTシャツの美波も手で日差しを遮りながら車の到着を楽しみにしている。美波の横では膝丈程のスカートに薄緑のシャツ姿のリリアも既に笑顔が綻んでいた。

 

「…………輸血パックが痛まないか心配」

「どこでそんな量の輸血パックを買ったんだ?」

 

ロールアップのジーンズ姿の康太が、抱えていたクーラーバックに心配そうに目をやる。その中には康太の生命線とも言える大量の輸血パックが入っている。ワイドパンツにテクシチャーサマーニットのトレイズがその入手経路に疑問を抱く。

 

「ところで明久君。今更なんですが、この人数が車に入りきれるんですか?」

「そうよね。今日は全部で20人くらいになるんでしょう?」

「ちょっとしたツアー旅行みたいだよな」

 

タイトなデニムスカートとTシャツの上にキャミソールを重ねた瑞希が旅行鞄を両手に抱えて明久を見る。その横で同じように心配しているのは美波、ではなくDクラスで秀隆の友人の一之瀬裕香。白のフリルブラウスに7分丈のデニムパンツを合わせている。裕香の隣には裕香の恋人で秀隆の悪友のひとりの九条聡。聡Tシャツに膝丈のスラックスとラフな格好だ。

 

「えーと、姉さんたちは大丈夫って言ってたけど」

「……けど、普通自動車免許に乗れるのは10人まで」

「2台で分乗って話だけど、それでもギリギリだよねー」

 

Aクラスのコンビ、翔子と愛子が明久の代わりに説明する。

翔子はミニスカートにペールトーンのサマーセーター。淡いピンクと白のふんわりとした色調が翔子によく合っていた。

そして一方、問題の愛子は、

 

「ん? 吉井君。そんなにボクの格好が気になる?」

「い、いやっ。別に」

「……あ、さては……」

「な、何かな?」

「ボクのキャミの中が気になっちゃうのカナ〜?」

「べ、別にそう言うわけじゃ……!」

「あははっ。見たいのなら、別に堂々と見ればいいのに。ボクは全然構わないよ?」

 

愛子は悪戯っ子のようにニヤニヤと笑ってキャミソールの肩紐をずらす。愛子はショートパンツに上はキャミソールだけという露出の激しい装いだ。ずらさずとも見える程よく褐色に焼けた肌と白く浮かぶ水着の日焼けあとが眩しい。

明久が目のやり場に困っていると、雄二が愛子の服装を見て目を細めた。

 

「そうか。工藤は水泳部だったな。ずいぶんと健康的な日焼け痕がついて(ブスリ――ビクンビクン)」

「……浮気は許さない」

 

流れるように雄二の目を潰す翔子と痙攣しつつ地面でのたうち回る雄二。明久たちには見慣れた光景だが、学年首席の奇行に聡と裕香は驚いていた。

 

「まったく。この2人は相変わらずだよね――」

「(ササッ)そ、そうですね」

「(ササッ)ほ、ホント、仲が良いわよね」

「待って2人とも。気のせいかもしれないけど、今僕に向けて何かしようとしていなかった?」

 

翔子の影響かFクラスの影響か、最近は美波だけでなく瑞希も音や殺気を感じさせずに攻撃することがある。明久が瑞希をどうFクラスの悪影響から解放するか考えていると、

 

「…………誰か着た」

「ん? やっと車が来たか?」

「…………いや、人の気配」

 

目ざとい康太がこちらに来る人の気配を察知した。皆がそちらの方に目を向けると、

 

「ごめん皆。ちょっと遅れちゃった」

 

少し遅れてやってきたのは、こちらも秀隆の悪友、鳳誠。誠はテニスウェアに白のチノパン姿。その横には明久たちも見慣れない少女がいた。白のワンピースに麦わら帽子を被った、ひまわり畑が似合いそうな、銀に近いグレーのロングヘアの少女は、誠の横にピタリと引っついて歩いていた。

 

「おはよう鳳君」

「おはよう吉井君。ごめんちょっと準備に手間取っちゃって」

「まだ姉さんたちも来てないから大丈夫だよ。それより、そっちの子は?」

「あ、紹介するね」

「は、はじめまして! 私、時任亜美(ときとうあみ)って言います。本日はお招きいただきありがとうございます!」

 

時任亜美と名乗った少女は勢いよく明久に向かって頭を下げた。その勢いで麦わら帽子が地面に転がる。

 

「わわっ!」

「っと。はい時任さん」

「あ、ありがとうございます……」

 

恥ずかしさからか頬を赤らめて麦わら帽子で顔の下半分を隠す亜美。その可愛らしい姿に明久がしばし見惚れていると、

 

「明久君? 変なことをしたらどうなるか分かってますか?」

「アキ? 何か良からぬことを考えてないでしょうね?」

「あははっ。やだなぁ2人とも。初対面の人に対してそんな失礼なことを考えるわけないじゃないか」

 

笑顔で圧をかける2人に、明久は夏なのに寒気が止まらなかった。

 

「おーす。時任!」

「亜美ちゃん久しぶり!」

 

裕香が亜美に近寄っ待て亜美の手を握る。

 

「お久しぶりです。裕香さん。聡さん」

「九条たちの知り合いか?」

「知り合いっていうか……秀隆から聞いてないのか?」

「…………いや?」

「アイツまた面倒臭がりやがって」

 

ため息を吐く聡に代わって、裕香が説明した。

 

「亜美ちゃんは誠の彼女よ」

「「「えー!!!」」」

 

聡たち以外の全員が驚いた。

 

「え? え?」

「そうか。お前が秀隆の言ってた年下の彼女か」

「こんなに可愛いい子だったなんて……」

「鳳君も隅に置けないね〜」

「そ、そんな……可愛いだなんて……」

 

頬に手を当てて身体をくねらせる亜美。久々に見た女子の女子らしい姿に雄二がなぜか感心していると、

 

「……雄二」

「し、翔子!? べべ、別に俺は見惚れていたわけじゃ」 「……私も同じ服持ってる」

「? そうか?」

「……えい」

「ぎゃあああっ! な、なぜ目を突く必要がある!?」

「……雄二のバカ」

「なぜ体罰を受けた上に罵倒されなきゃならねぇんだ!」

 

雄二が謂れのない体罰に再びのたうつ。

 

「ん? 珍しいな」

「何がです?」

「いつもなら吉井たちが鳳を襲いそうなんだが」

「マクスウェルもだいぶFクラスに馴染んでるわね……」

 

トレイズが明久たちが嫉妬に狂わないのを訝しがった。

 

「まぁ、前に秀隆から聞いてたし」

「…………他人の交友関係に興味はない」

「ふ〜ん。で、本音は?」

「「今すぐ殺したい程妬ましいけど後で秀隆に何さるか分かったもんじゃないから我慢してる」」

「まったくアンタたちは……」

「一応成長したと言えるんでしょうか……?」

「まず襲おうとするなよ」

「あははっ! やっぱりムッツリーニ君たち面白いねー♪」

 

血涙を流す明久と康太にトレイズや美波は呆れ果てていた。

それからしばらく雑談をしていると、

 

「…………車が来た」

「ん? あ、ホントだ」

 

と、またしても康太が気づく。今度こそ、明久たちが乗る車が来たようだ。

明久たちが待つ運動公園の駐車場に、2台のマイクロバスほどの大きさの車が到着した。

 

「あら……? すみません。お待たせしてしまったみたいですね」

 

その内の1台の運転席から降りてきたのは明久の姉、玲だ。玲は待ちわびていた面子の顔をみるなり申し訳なさそうに頭を下げた。

 

「いや、俺たちが勝手に早く集まっただけなんだ」

「…………つい気が逸った」

「今日はお招きして頂いてありがとうございます。お義姉()さん」

「ウチもこの旅行を楽しみにしてました。お義姉()さん」

「2人ともなんか姉さんを呼ぶニュアンスが雄二たちと違うような……?」

 

先ずは玲と面識のある雄二たちが挨拶をする。玲も雄二たちに「そう言って頂けると嬉しいです」と微笑んだ。

 

「それで、そちらの方々は……」

「はじめまして。吉井君のクラスメイトのリリアーヌ・シュトラウスキーと申します。本日はよろしくお願いします」

「はい。よろしくお願いします。ところで、シュトラウスキー姓と言うことは、オーストリアの方ですか?」

「はい! 出身はオーストリアです!」

「そうですか。アキくんもいつの間にか国際交流をするようになったんですね」

 

本当はオーストリアの話なんか全くしたことはないが、玲が珍しく上機嫌なので明久黙って置くことにした。

 

「はじめまして。トレイズ・マクスウェルです。リリアと同じオーストリア出身で、リリアの幼馴染みです」

「まぁ。貴方もですか。アキくんの交友関係も広くなりましたねぇ」

 

何かに感動したのか、玲の目尻に涙が滲んでいる。明久は珍しいものを見たと少し驚いた。

 

「……はじめまして。私は坂本雄二の妻の翔子「ちょっと待て! 何を勝手に(ブスリ――ビクンビクン)」……翔子です」

「おはようございます。吉井君のお姉さん。ボクは工藤愛子っていいます」

「はじめまして。翔子さんに愛子さん。私は明久の姉の玲です」

 

穏やかに挨拶が続く。

 

「はじめまして。僕は鳳誠っていいます。吉井君とは最近仲良くなった仲ですけど、今日はよろしくお願いします」

「同じく九条聡です」

「一之瀬裕香です」

「時任亜美と申します」

「皆さんはじめまし。ということは、貴方たちが?」

「うん。秀隆の友だちだよ。皆とは肝試しの時に仲良くなったんだ」

「そうでしたか。皆さん、これからもうちの弟と仲良くしてくださいね」

「「「「はい!」」」」

 

一通りの挨拶が終わったところで、

 

「よーすっ。揃ってるか? ガキども」

 

2台目の助手席から誰かが降りてきた。禁煙パイポをくわえ、薄手のTシャツとハーフパンツといったラフな出で立ちで現れたのは、

 

「あれって」

「……図書室の小鳥遊先生?」

 

文月学園図書室司書の小鳥遊雅子女史だ。突然現れた意外な人物に、明久たちはキョトンとしていた。

 

「なんだお前ら? 鳩が豆鉄砲食らったような顔して」

「いや、その」

「すみません。ちょっと意外だったので」

 

明久たちはてっきり秀隆のバイト先の誰かが来ると思ったていた。

 

「あー? 秀隆から聞いてないのか? こっちの運転はうちのダンナだよ」

「「「ダンナ?」」」

「おはよう皆」

運転席側から降りてきたのは、ワイシャツにスラックスの男性だった。明久はその顔に見覚えがあった。

 

「あれ? どこかで見たような……?」

「たしか……文化祭の時に世話になった刑事さん、だったか?」

「君たちはあの時以来だね。俺は小鳥遊竜史。そこの雅子の夫で秀隆の幼馴染みだよ」

「へー! 小鳥遊先生のダンナさんって刑事さんだったんだ!」

「凄いです!」

「よせやい。照れるじゃないか」

「なんで小鳥遊先生が照れてんだよ」

 

へへっと人差し指で鼻を擦る雅子に竜史が苦笑いする。

 

「本日はありがとうございます。小鳥遊さん」

「いいよいいよ。アタシらも家で暇してたし」

「いや、俺は仕事が」

「アンタこんくらいしないと休み取らないじゃないか。働いてるアンタはカッコよくて好きだけどさ、たまには息抜きしないと倒れたちゃうよ」

「うん。まぁ。ありがとう」

「凄えな。ナチュラルに惚気やがった」

「お二人も幼馴染み同士なんですか?」

「そ。昔はヤンチャしたもんさ」

「それは君だけね。俺は君を止めるのに必死だっんだからな」

「そう言ってそのまま受け止めてくれたのはどこの誰だい?」

「からかわないでよ……」

 

隙あらば惚気る2人に、明久たちは呆気に取られていた。

 

「っと。話がそれたね。これで全員かい?」

「いや。秀隆と秀吉がまだだな」

「……優子も来ていない」

「優子ちゃん何かあったんでしょうか?」

 

よく見ると、秀隆、秀吉、優子はまだ来ていない。携帯電話にも連絡が来ていないので、瑞希は少し心配になった。

 

「ああ。それなら全員だね」

「? どういうことですか?」

「こういう事じゃよ」

 

と、車の後部座席のドアが開いて、秀吉が降りてきた。

 

「秀吉!?」

「なんで木下が小鳥遊先生の車から?」

「秀隆を迎えに行ったついでに乗せてもらったのじゃ」

「秀隆を迎えにって」

「…………じゃぁ秀隆は?」

「あそこじゃ」

 

秀吉が車に振り返ると、後部座席から2人の人影が降りてきた。

 

「ほら。シャキッとしなさい!」

「んあ〜?」

 

一人は小柄な少女で肩に誰かを貸している。その肩に担がれていたのは……

 

「木下さんと……秀隆?」

「何してんだあいつ」

「体調でも悪いんでしょうか?」

「いや、あれは……」

 

優子に運び込まれた秀隆は、眠気眼で明久と見やると、

 

「お前ら……早えよ……」

 

と呟くとガクッと首を落とした。

 

「こら! 寝るな! 起きなさい! アンタ重いのよ!」

「お前よりはまし――ってぇ!」

 

優子は秀隆を地面に叩きつけた。鼻頭を押さえて秀隆がモソモソと立ち上がる。

 

「いててて……」

「本当になにやってんだよビデ」

「だってリュウ兄よぉ。……ふぁ〜」

「この状況でよく欠伸なんかできるな」

 

未だに眠気に勝てていない秀隆の情けない姿に、全員が呆れ返っていた。




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