今回から短いですが如月ハイランド編になります。
如月ハイランド編-1
如月ハイランド編-1
「のう。秀隆よ」
「どうした? 秀吉」
「如月ハイランドのプレオープンチケットじゃが」
「ああ、アレな。確か今週末がプレオープンだったか?」
「そうじゃ。そのプレオープンじゃが、姉上を誘う気はないかの?」
「優子を? なんでだよ?」
「せっかくの機会じゃからの。姉上もきっと喜ぶじゃろうて」
「ないない。休みの日はジャージで1日中漫画読んでる女だぞ? 今更遊園地で燥ぐわけないだろ」
「そうかのう――なら、チケットをワシに譲ってはくれぬか?」
「秀吉に? 誰か一瞬に行きたい奴でもいるのか?」
「いや、ワシではなく知り合いに行きたい人がおっての。ワシはその日用事があって行けそうにないから譲ってあげたいんじゃ」
「それならいいぞ。ほら」
「おお。感謝するぞい」
「どういたしまして。その知り合いに楽しんでくれと伝えておいてくれ」
「心得た。しかと伝えようぞ」
夏の気配が近づいてきたとある休日の朝。
神崎秀隆はいつものように惰眠を貪っていた。
――ピンポーン――
部屋に甲高い電子音楽が鳴り響く。誰かがドアベルを鳴らしたのだろう。こんな朝早くからご苦労なことだと、秀隆は他人事と決め込んで無視することにした。
――ピンポーン、ピンポーン――
しかしそうはさせまいとチャイムが鳴り響く。近隣住民の迷惑などしったとこかと言わんばかりの連打。人が人ならノイローゼになってもおかしくはない。
秀隆も無理矢理居留守を決め込もうとしたが、不快なその音についに我慢ができなくなった。
「誰だよこんな朝っぱらからっ!」
掛け布団を跳ね上げてベッド横のサイドテーブルに置いてあるデジタル時計を睨む。時刻は朝の7時。今日は少なくとも昼まで寝ると決めていた秀隆にとっては夜明け時刻に等しい。
肌着と短パンというラフを通り越して半裸に近い格好だが構いはしない。一言文句を言って、最悪警察に突き出してやろうと怒り任せにドアを開ける。
「はいはいどちら様ですかっ!」
「きゃあっ!!」
苛立ちを込めた秀隆の問に返ってきたのは、少女の悲鳴だった。
「…………優子?」
目の前の少女、木下優子は、両手で真っ赤に染まった顔を覆っている。
「あ、アンタなんて格好してんのよ!?」
「いや、部屋着なんだが?」
「もうちょっとマシなもの着なさいよ!」
文句を言いつも、指の隙間から覗き見ているのがバレバレである。学校では優等生で通っているが、この辺りの反応は思春期の女子高生そのものだ。
「お前、こんな朝っぱらから何の用だ?」
「いいからっ! 服着なさいよ!」
「いや面倒だからここで――」
「服を着なさい!」
優子は秀隆をドアの内側に押しやると、そのまま自分も部屋に入った。
「キッチンで待ってるから早くして!」
「いや、別に俺はこのままでも」
「私が気にするのよ!」
秀隆を自室に押しやってドアを閉める。秀隆は理不尽に思いながらも渋々着替えた。
「で、何の用だ?」
スウェットとスラックスに着替えた秀隆が優子にコーヒーの入ったマグカップを差し出す。
「約束を果たしてもらいに来たのよ」
「約束ぅ?」
コーヒーを啜りながら優子が答える。秀隆は何か約束したかと首を捻った。
「やっぱり忘れてたのね。来て正解だったわ」
「いやそもそも約束してたなら事前に確認しろよ」
秀隆はジト目で睨むが、優子は耳に入っていないのか話を続けた。
「清涼祭の時の約束よ」
「あん?」
顎に手をやり記憶を探る。清涼祭――約束――いっこうに思い出せない。あの時は瑞希の転校やら竹原の陰謀やらでバタついていたからすっかり記憶から欠落してしまったようだ。
「これよ」
優子も思い出させるのは諦めたのか、ポシェットから映画館や遊園地のチケットサイズ1枚の紙を取り出した。これが答えだという。
「これは……」
優子から渡されたチケットを見やる。それは、如月ハイランドのプレオープンチケットだった。
「……ああっ!」
チケットを見て思い出した。確かに清涼祭が始まる前、優子と『プレオープンチケットが手に入ったら一緒に行く』と約束していた。
「やっぱり、忘れてたのね」
「いや忘れてたって言うか……」
確かに約束はした。しかし、プレオープンチケットが景品となっていた試験召喚大会は明久・雄二コンビが優勝し、秀隆・秀吉が準優勝だった。
優勝賞品のプレミアムプレオープンチケットは明久が(雄二に無断で)翔子に横流ししたから良いとして、問題は目の前にあるプレオープンチケットだ。それにこれは秀吉が「知り合いに行きたい人がいるから譲ってほしい」と言われ、さして興味もなかったから譲ったはずのものだ。なぜそれがここにあるのか。答えは明白だ。
「携帯電話なんか取り出して、なにしてるの?」
「昨日知り合いに連絡しそこねてな。今思い出したから急いでかけてる」
「それは大変ね。急いで連絡しないと」
「まったくだな」
電話帳から目当ての番号を見つけ、通知をOFFにしてプッシュする。最近ようやく携帯電話を持ったと言っていたから、さっそく役に立ったようだ。数回のコールの後、その人はなんの警戒も持たずに通話にでた。
「もしもし?」
「――――オボエテイロヨ」
「お、お主は誰なのじゃ! いったいなんの恨みが――」
向こうは酷く狼狽していたが構わずに一方的に通話を切る。明久あたりに知られたら面倒なことになりそうだが、とりあえずの溜飲は下がった。
「はぁ……」
我ながら軽率な約束をしたもんだと呆れ返る。翔子が大会に出ていた目的は明白として、優子はただの付き添いだと思っていた。まさか優子もそちら側だったとは。
「で?」
「うん?」
「行くの? 行かないの?」
優子が拗ねたように聞いてくる。約束を忘れられたこともあるが、秀隆が自分に無反応なのにも腹が立っていた。
「そうだなあ」
秀隆は考える素振りを見せながら優子をマジマジと観察する。家に居るときは基本ジャージがスウェットの部屋着。出かけるときもTシャツにデニムとラフな優子だが、今日は違っていた。
白のワンピースの上から薄ピンク色のニットを羽織り、キャスケットまで被っている。ポシェットも、この間秀隆と出かけた時に買った若草色のポシェットだ。
つまりは、気合い十分な服装だった。
「しゃあないから、行くか」
「本当!?」
断られる覚悟もしていた優子の顔が喜色満面となる。その変わりように、秀隆も苦笑を隠せない。
「まあ、せっかくそんなオシャレしたみたいだしな。それに――」
「それに?」
「期限が切れたらもったいないからな」
プレオープンチケットには当然たが有効期限がある。オープンしたら通常のチケットとして使えるわけではないので、期限が切れたらただの紙切れになってしまう。それならば、使ってしまう方が良いに決まっている。
「……そう」
「?」
上げて落とされた優子は憮然となり、また優子の態度が変わったことに秀隆は疑問符を浮かべた。
――2時間後――
「着いたわね」
「結構かかったな」
電車とバスで約2時間。郊外にあるので仕方ないとはいえ、もう少しどうにかならなかったのかと秀隆は内心で文句を言う。目の前のアミューズメントパークを見て燥ぐ優子を見て、そんな気も失せたが。
「あ、神崎君! 木下さん!」
不意に横から名前を叫ばれる。他の人の事かとも思ったが一応そちらに顔を向けると、見知ったカップルの女の子の方がこちらに手を振っていた。
「リリア?」
「それに、マクスウェル君?」
手を振っていた少女は秀隆のクラスメイトのリリアーヌ・シュトラウスキー。その横に立ったいる少年は優子のクラスメイトのトレイズ・マクスウェルだった。2人ともカジュアルであるが、しっかりと洒落た装いをしている。
秀隆たちがこちらに気がついたことが分かると、リリアが駆け寄ってきた。トレイズも後ろからついてくる。
「2人とも、来ていたんですね!」
「ええ。リリアーヌさんも?」
「はい! トレイズと一緒です!」
トレイズの方を向いて嬉しそうに話すリリア。トレイズも満更ではなさそう、というかとても嬉しそうに頷いた。
「えーと、マクスウェル、だったか?」
「ああ。トレイズ・マクスウェルだ。トレイズでいいよ」
「神崎秀隆だ。俺も秀隆でいい」
リリアと優子は、瑞希たちを介して交友関係はあったが、秀隆とトレイズは新学期の試召喚戦争以来まともに話す機会はほとんどなかった。
「合宿の時は悪かったな」
「いや、最初は驚いたけど事情を聞いていたし。俺自身納得してやったから」
「そう言ってくれると助かる」
強化合宿では未遂に終わったとはいえ、最終日に覗きに加担した男子生徒全員が停学処分になってしまった。中にはトレイズの様に非協力な生徒もいたのに、彼らを巻き込んでしまったことが秀隆には心残りだった。
「合宿明けて君自ら全クラス回って謝罪したんだろ? なら少なくとも俺はそのことで君を責める気はないよ。ただ……」
「ただ?」
「リリアを危ないことに巻き込んだのは怒ってる」
トレイズの目が本気で怒っていることはすぐに分かった。なにせ彼はリリアを追って留学までしたのだ。彼の心情をおもんばかれば当然のことだ。
「私は気にしてないですよ! スリルがあって楽しかったです!」
とうのリリアは、トレイズの心配をよそにスリルを味わっていたようだが。
「今後は気をつけるよ」
「ああ。俺からもリリアにはよく注意しとく」
「心配しすぎなんですよ、トレイズは」
過保護気味なトレイズにリリアは唇を尖らせるが、このご時世何が起こるか分からないのでトレイズの様に用心し過ぎるに越したことはないだろう。
「まあまあ、それだけアナタが心配なのよ」
「それはわかってますけど……」
「秀隆を見なさいよ。心配してくれるどころか、ほぼ放置よ?」
「お前より相手の方が心配だよ」
「何か言ったかしら?」
秀隆と優子のやり取りを見ていて、思わずトレイズは笑ってしまった。
「君たち仲良いんだな」
「「どこが?」」
「息ぴったりじゃないか」
「ですね!」
漫才のようなやり取りに、リリアも笑いだした。秀隆も優子もそれ以上なにも言えず、肩を竦めるに終わった。
「そういや、2人はどうやってチケットを手に入れたんだ?」
「お父さんがくれたんです!」
「リリアーヌさんのお父さんが?」
「リリアの親父さんが仕事の関係でもらったらしいんだ」 「いわゆる『企業枠』ってやつか?」
「たぶん」
「それでお願いしたら、トレイズとなら行っても良いって!」
つまりリリアの両親公認のデートということだ。事を知った秀隆の眉が厭らしく曲がる。
「なるほどな。惜しむらくは『プレミアム』じゃないってとこか?」
「なっ!?」
図星を突かれたトレイズが一瞬固まる。
プレミアムプレオープンチケットには、来場者特典として園内に併設された結婚式場での結婚式体験ができる。これは如月ハイランド側が『如月ハイランドで結婚したカップルは幸せになれる』というジンクスを創り上げるための策謀なのだが、その事を知るのは外部の人間では秀隆や学園長を始めごくわずか。トレイズたちは触れ込み通り、ただ結婚式が体験できるだけと思っているようだ。
「秀隆、その辺にしときなさい」
その裏事情を知る優子は秀隆を窘める。口外するものでもないし、何より純粋に楽しんでいるリリアとトレイズに水を差したくない。
「わかってるよ。トレイズ、からかって悪かったな」
「いや……」
気恥ずかしさから秀隆から目を逸らすと、リリアと目が合った。
「?」
小動物のようにキョトンとするリリアは、トレイズたちの会話の意味を理解していないようだ。
「……まあ、頑張れ」
「ああ……」
トレイズの恋路は道半ばなようだ。
「ぐあああっ! このままでは俺の頭蓋骨がっ!」
と、入場ゲートの方からなにやら聞き知った悲鳴が聞こえてきた。まさかと思いそちらを見やると、そこには想像通りの光景が広がっていた。いつもと違うのは、その光景を外国人と思われるスタッフがカメラで写真を撮っているくらいだ。
「何やってるんだお前ら?」
秀隆はゲート前でアイアンクローを食らわされている彼氏、坂本雄二と、アイアンクローを食らわしている彼女、霧島翔子に声をかけた。
「そ、その声は秀隆か? 助けてくれ!」
「……神崎、今撮影中だから、邪魔しないで」
「いや、だから何の撮影だ?」
「プレミアムプレオープンチケット特典の記念写真デース! お2人の愛のメモリーを残していマース!」
カタコトの日本で説明をしながらスタッフは撮影を続けている。アイアンクローをしている男女が記念になると思っているならスタッフは今一度日本の常識を学び直したほうが良いと思う。
「ソレでは、現像してきマスので、少々お待ちくだサーイ」
撮影が終わりスタッフが引き上げると、やっと翔子は雄二を解放した。
「し、死ぬかと思った……」
「毎度ながら、良く付き合ってられるな」
「……夫婦だから、当然」
「代表まだ結婚してないでしょ」
秀隆の言う『付き合う』の意味を勘違いした翔子に優子がツッコミを入れる。秀隆と優子にとっては茶飯事だが、初めて目の当たりにしたトレイズは若干引いていた。
「これが日本では普通なのか?」
「んなわけあるか!」
「この2人が特殊なだけだ」
「お2人は特別な関係なのですね!」
「……そう。雄二と私は特別」
「代表、リリア、意味が違うからね」
そうこうしている内に、先ほどのスタッフが出来上がった写真を持って戻ってきた。ただ現像しただけでなく、記念写真らしく加工もされている。
翔子と雄二をハートで囲い、上の方に『私たち、結婚します』と書いてある。ハートの周りは2人を祝福するように可愛らしいラッパを吹く天使まで飛んでいる。
被写体がアイアンクローを決める翔子の後頭部と、アイアンクローを受けて悶え苦しむ雄二でなければ、確かに思い出の写真としては満点だった。
「コレを、パークの写真館に飾ってモいいデスか?」
「キサマ正気かっ!?」
「流石にコレはな……」
「お客さんドン引きね」
仲睦まじく抱き合う男女の写真ならともかく、こんなものを飾ったら悪い意味で評判を呼になってしまう。
『あー! 写真撮影してるー! ねえ、あたしらも撮ってもらおうよー!』
『俺らの結婚記念にか? いいな! おい係員。俺らも写ってやるよ』
雄二たちが出来上がった写真に苦心していると、偉そうな態度の見るからにチャラいカップルがやってきた。
男の方はダメージジーンズに白のTシャツ。ワックスでピッチリ固めたポンパドールにリーゼントヘアと、一昔前のヤンキースタイル。女の方も派手な髪色、メイク、服装に日焼けサロンで焼いたであろう褐色の肌。露出した肩にはバラのタトゥーが見える。典型的なヤンキーとギャルのカップルだった。
ヤンキー男はスタッフを下から覗き込むように睨むと自分たちも写せと脅すように要求してきた。女もカレシに同乗し歓声を上げる。
「スミマセン。コチラはプレミアムチケットの特典企画デスので……」
「ああっ!? いいじゃねえかよ! 俺たちはオキャクサマだぞコルァ!」
「キャーっ! リュータカッコイイっ!」
スタッフが申し訳なさそうに頭を下げるが、男は納得しないのか更に威嚇しだした。どこがカッコイイのか、女が黄色い悲鳴を上げる。
「だいたいよぅ! あんなダッセェジャリどもよりも、俺たちを写した方がココの評判にもよくね?」
「そーよ! あんな頭の悪そうなガキより、リュータの方が1000倍カッコイイんだから!」
甘えたように男の腕に抱きつき仲の良さをアピールするギャル。周りを通過する人の、彼女たちを非難する視線を気にもとめていない。むしろ気がついていないのだろう。
スタッフもどうしても引かないヤンキーカップルに辟易していた。このままでは、あることないことをネットに書かれてしまうかもしれない。そうなれば、如月ハイランドの評判はオープン前なのにガタ落ちだ。
「…………」
「待て翔子」
勢いよくカップルに向かって歩き出した翔子を、有事が腕を掴んで止める。
「……あの2人、雄二のことを悪く言ったから」
だから抗議しに行くという翔子に、雄二は呆れ返った。
「あのな、翔子。あんな奴らにいちいち構っていたら碌な目に遭わない。ああいうのは無視するのが一番だ」
「……雄二がそう言うなら」
なにより、視界に入れたくない。雄二に諭されて翔子も渋々だが引き下がった。雄二は翔子の腕を掴んだまま、入場ゲートの方へとスタスタ歩いていく。
「俺たちも行こうか?」
「はい!」
トレイズもリリアの手を取って雄二に続く。ヤンキーカップルの横を通る時にリリアをさりげなく背中に隠して。
「私たちも行きましょう」
「そうだな」
秀隆と優子もそれに倣う。男のジーンズのポケットから覗くものを確認するの、秀隆も優子を庇うようにカップルの横を通り過ぎた。
『シカタアリマセン。確認をとってクルので、ネンのためチケットを見せテくだサーイ』
『分かればいいんだよ。チケットは――ないっ!?』
『ええっ!?』
『ナイなら写真も撮れまセンし、園内二入れまセンよ?』
『いや、確かにポケットに――』
『リュータあれじゃない?』
『あ、あれだ! 待てコルァ!』
どうやらポケットに入れておいたチケットが『風』で飛ばされたようだ。男は慌てた様子で風に吹かれるチケットを追い、女もそれに続いた。
そんな会話を背中で聞きながら、秀隆と優子も入場ゲートを潜る。
「アンタ、何かやった?」
「別に。横を通る時になにか『引っかかった』かもしれねえけど」
「そう。なら気のせいね」
「そうだな。気のせいだな」
そのまま気にせずゲートを潜り、ゲート前の広場に行くと、雄二たちが2人を待っていた。
「遅かったな」
「ちょっと、な。つうか待たなくても2人で行けばいいのに」
「俺を見捨てる気か!」
翔子と2人でいて碌な試しがない雄二はなんとか2人きりになるいと秀隆たちを引きとどめた。
「はあ。どうするよ? トレイズ」
「俺も2人の邪魔したら悪いと思うけど」
本音はリリアと2人きりで回りたいのだが、秀隆たちの手前それを言うのは憚れた。
「私は良いですよ?」
そんなトレイズの心境を露も知らぬリリアは、あっさりと同行を許した。
「ありがとうリリア。恩に着る」
「皆と遊ぶと楽しいですから!」
リリアの純粋さが眩しい。トレイズが惚れるのも分かるが、これではヤキモキしてしまいそうだ。
「優子は?」
「私も構わないわ」
優子も一緒に行くと言う。
「代表が暴走したら如月ハイランドに迷惑かかるもの」
こちらはいつも通りの翔子のお目付け役からだった。
女性陣が認めるなら、男側に断る理由はない。
「あとは霧島次第だな」
「翔子。ここで皆で遊ぶ機会はそうそうない。せっかくなんだから皆で回ろうじゃないか」
雄二は必死になって翔子を説得する。翔子も雄二、優子、リリアを順番に見やり、少し考えてから「……雄二がそう言うなら」と同行を許可した。
「そうだよな。リリアの言う通り皆で遊んだ方が楽しいからな」
「……うん。オープンしたら、今度は2人きりで来よう?」
「それは断る」
「……絶対来る」
「ぐあああっ! だからアイアンクローはヤメロおおおっ!」
「なにやってんだよ……」
そんな騒がしい一団に、背後から近づく影があった。
ご感想などお待ちしております。
1話分の長さは?
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5000字程度(約5分)が良い
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10000字程度(約20分)は欲しい
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区切りが良ければ何文字でも構わない