悪魔の魔術師   作:ruusye

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どうも作者ruusyeです。

今回はストライク・ザ・ブラッドを書いてみました。

亀更新ですが、ぜひ読んでみてください。


聖者の右腕
聖者の右腕Ⅰ


真っ白な場所だった。

辺り一面全部が真っ白。

周りを見ても誰もいない。

ようやく見つけたのは一つの人影、だんだん遠ざかっていくその姿を追いかけるように走る。

走っても走っても追いつかない。

 

「待ってよ!」

 

叫んでも止まる気配はなかった。

そしてだんだん意識も薄れていく。

 

「……まっ……てよ〜」

 

「……きろ」

 

誰かがを読んでいる。

 

「……きろ…なと」

 

誰だ?

 

「起きろ湊!」

 

頭に勢いよく拳を落とされる。

 

「ぐへぇっ!」

 

頭に衝撃を受け慌てて目を覚ます。

座っていた椅子から勢いよく立ち上がり、周りを見渡して殴られた頭を抑えながら目の前にいる少女?に目を向ける。

 

「お、おはよう……那月ちゃん……」

 

湊と呼ばれた男の名は柊湊。

彩海学園の高等部教師にして国家攻魔官だ。

 

「ほう、仕事中居眠りをしていただけでなく、先輩である私を『ちゃん』付けとはいい度胸だな湊」

 

そう皮肉を言っている彼女の名は、『南宮那月』彩海学園高等部の英語教師にして国家攻魔官の資格を持っている空隙の魔女(くうげきのまじょ)という異名を持ち魔族の間では恐れられている存在だ。

 

「それは申し訳ありませんでしたね。それで攻魔師絡みの仕事ですか?」

 

一言謝罪を入れ、本題に入る。

立場としては那月が先輩で湊が後輩にあたる。

それ故に、お互いの仕事を手伝うと言うことも多々ある。

 

「あぁ、近頃魔族が襲われる被害にあっている。ちょうどこれで3件目だ。犯人は未だ未明」

 

「襲われた人たちは?」

 

「獣人や吸血鬼が主だ。それも、死にかけている状態で発見された形跡が多い」

 

「・・・吸血鬼が死にかけ?犯人の目星はついてないの?」

 

湊の問に那月は首を横に振る。

 

「さぁな、それは分からん。そこで、今日から夜の見回りを行う無論お前も強制参加だ。先程サボっていた分しっかり働いてもらうぞ」

 

「了解です。那月ちゃん」

 

「だから『ちゃん』付で呼ぶな!」

 

怒った那月は、手に持っている扇子を投げつけてきた。

だがそれを紙一重で回避し落ちている扇子を拾う。

 

「あんまり怒らないでよ。可愛い顔が台無しだよ」

 

ニッコリと笑みを浮かべ扇子を渡す。

だが、彼女は機嫌は余計に悪くなっていた。

 

「ふん!ならせめて私を怒らせないように努力するんだな」

 

「分かっていますよ、先輩」

 

「ならいいが……今夜、8時半から始める。場所は追って連絡する遅れるな」

 

那月はそう言って、部屋を立ち去った。

一人取り残された湊は再度椅子に座り、

溜息をつき、容器に入っている飲み物に手をつける。

 

「厄介なことになったな全く……でも、面白すぎて退屈しないなこの島は」

 

その目はどこか何かを楽しみにしているような子どものようだった。

 

 

 

 

 

絃神島。東京の南方海上330キロメートル付近に浮かぶ人工島(ギガフロート)。「魔族特区」の1つであり、絶滅の危機に瀕した魔族の保護とともに彼らの肉体組織や特殊能力に関する研究が行われている。

絃神島には焔光の夜伯(カレイドブラッド)呼ばれる四人目の真相。

12体の眷獣を従えて災厄をもたらすという、世界最強の吸血鬼。伝説中の存在とされている。

その第四真祖と呼ばれる一人の少年、暁古城はとあるファミレスで頭を抱えていた。

 

「あぁ……かったりぃ……なぁ、何で俺はこんなにも大量な追試をうけなきゃならないんだ?」

 

ファミレスの机に頭を伏せ目の前にいる友人に問いかける。

 

「いやいや、あんだけ授業をサボっといけおまけにテストまで欠席。何ではないでしょ古城」

 

「あれは不可効力なんだよ!いろいろと事情があって……今の俺の体質じゃあ朝一のテストはきついって分かんてんだろあの担任は……」

 

友人、矢瀬基樹の言葉に古城は更に担任の不満を垂れ流す。

 

「朝起きれないって体質の問題?吸血鬼でもあるまいし」

 

隣から飲み物の入ったグラスを手に藍羽浅葱がやって来た。

 

「だよな。アハハ……」

 

古城は苦笑を浮かべる。

 

「まあ、でもそんなあんたを哀れに思ったからこそ、こうして勉強を見てあげてるんだから、感謝しなさい」

 

「人の金でそんだけ飲み食いしといて、恩着せがましいこと言うか?」

 

「その金かしたの俺だからな。ちゃんと返せよな」

 

「うっ、分かってるよちきしょう――この冷血人間どもが」

 

「差別用語」

 

「炎上するわよ迂闊呟きは」

 

「はあ……たくっ面倒な世の中だよな。本人たちは気にしてねえつーのに」

 

「あれ、友達できたのD種に?」

 

浅葱が不思議そうに聞く。

古城は「あっ」と言う顔をする。

 

「あ……いや、ただの一般論だよ」

 

古城はすぐ焦るようにして誤魔化す。

 

「あたしそろそろバイトだから引き上げるよ」

 

浅葱はスマホを見て席を立つ。それに続いて基樹も席を立つように移動する。

 

「俺は宿題写終わったし、浅葱がいないならこんな所で勉強しても意味ねーだろ」

 

「それにみなっちにがアンタのために範囲をまとめてもらったんでしょ?みなっちと那月ちゃんくらいよ、アンタみたいな問題児に良くしてくれる先生は」

 

「そうだぜ古城、まっ、頑張ってくれやじゃあな〜」

 

そう言って基樹と浅葱は古城を置いて店を出た。

 

「はぁ、やる気なくすぜ……」

 

一人取り残された古城は、再度、机に頭を伏せ憂鬱になっていた。

やる気のなくなった古城は会計を済まし店を出る。

人工都市のため物価が高く、料金もバカにならないが、浅葱が見かけによらず大食いなため余計な出費になってしまった。

その所為か帰りのモノレール代が足りなくなってしまった。

 

「歩いて帰るか」

 

渋々歩いて帰った。

 

 

 

 

 

 

夕日が沈みそろそろ夜に差し掛かる頃、とある廃工場の前に湊は立っていた。

人工都市でこのような場所があるのはあまり聞かない、が犯罪者集団テロリストなどが、ここによく屯っている。

 

「さて、今日もお仕事しますか」

 

廃工場のドアを開け中に入った。

中に入ると、総勢二十人を超えるテロリスト集団が、一斉に銃器を構え待ち構えていた。

拳銃だけでなく、サブマシンガン、アサルトライフルを持つものすら混じっている。恐らく密輸入したものだろう。

 

「ありゃ?もしかしてやばいパターン?」

 

「どうやってこの場を知ったか知らねぇが生きて帰れると思うなよ」

 

「はあ……特区警備隊(アイランドガード)の国家攻魔官です。密輸入及び、銃刀法違反の罪で連行します」

 

「アハハハハッ!!!お前みたいな冴えないやつが、国家攻魔官?アハハハハ!!有り得ねぇ!!」

 

男たちは湊を見て笑っている。

冴えないなどと酷い言われようだった。

 

「死にたくないなら早く消え……ぶへぇっ!!」

 

リーダ格の男はいきなり現れた紫色の鎖で殴られ、倒れ込んだ。

ほかの仲間も動揺している。

 

「ちょっと那月ちゃん!!ダメだよ、無抵抗な人間を殴ったら!!」

 

「ふん、お前が早く捕まえないから、こうして手伝ってやってるんだ、感謝しろ」

 

いきなり現れたので空間転移でも使ったのだろう。

それにしてもやることが横暴過ぎる。だが、それが彼女の持ち味ということだろう。

 

「ふざけんなよ!!う、撃て!!」

 

リーダの支持で銃器を持っていたほかの仲間が一斉に発砲した。

 

「霊槍シャスティフォル第八形態『花粒園(パレン・ガーデン)』」

 

亜空間から突如として一本の槍が現れ、宙に浮いていた。

槍は湊の支持で形を変え、薄い緑色の障壁へと変わった。

そのお陰で発砲した弾は一発も当たっていない。

 

「お返しだ!霊槍シャスティフォル第五形態『増殖(インクリース)』」

 

今度は切先のみの形状の槍を無数に出現させ、テロリストの方に向け放出した。

傷は多少あるが、テロリストは全員死んではいなかったが動ける状態でも無く気絶していた。

 

「よし、今日もお仕事完了。あとは特区警備隊に任せて帰りますか」

 

「疲れた~」と言いながら帰ろうとすると、突如としてデコピンが飛んで来る。

 

「あぅッ……な、那月ちゃんデコピンするために空間転移使うのはどうかとおもうんだけど……」

 

「黙れバカもの!何を呑気に帰ろうとしている。これから見回りに行くぞ」

 

「それって、八時半からですよね?まだ、五時半だよ。横暴過ぎるよ」

 

「……何か文句でもあるのか?」

 

「……いいえ、ありません」

 

涙目を浮かべて、渋々那月に引っ張られていく。

今日もこの人の無茶振り付き合うのか、と思うと本当に先が思いやられるし命が幾つあっても、足りないんじゃないかと思ってしまった。

 

 




今回はここまでです。

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