悪魔の魔術師   作:ruusye

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二話目です。

ここからどうやって進めようか……(ネタ切れ間近)

それではどうぞ。


聖者の右腕 Ⅱ

ようやく那月から解放され、一旦家に戻れる時間が出来た。

スマホを見ると、メールが一件入っていた。送り主は暁古城と表示されていた。

 

「古城君どうしたんだろ?」

 

メールを開いて内容を見ると、

『変なやつに絡まれました。確か獅子王機関とか言ってたんですが、何か知らないですか?知ってたら連絡ください』

 

「……獅子王機関ねぇ……こりゃまた厄介な相手目をつけられたね古城君。『分かった。明日までに調べておくよ』送信っと」

 

古城にメールを送り終え、シャワーを浴びて着替える。

そしてまたスマホに着信が入る。

今度は誰だ?も思いながらメールを開くと、送り主は那月。内容は『早く来い』の短文の一言だけたった。

那月らしいなと笑みをこぼし、急いで支度をして家を出た。

空間転移を使いながら、那月の指定した場所へ向かう。

5分かけてようやくたどり着いたが、不機嫌な顔で待っていた那月を見て、慌てて言い訳を考えてしまった。

 

「遅くなってごめん那月ちゃん……うわぁっ!」

 

謝罪を述べようとした途端、那月の扇子が湊の顔面を襲った。

それをギリギリで左に避け回避した。――と思ったが、既に目の前にいた那月に本日二度目のデコピンを食らうハメになった。

 

「ふん、遅れて来ておいて、私を『ちゃん』付で呼ぶとは随分とまあ偉くなったな湊」

 

赤くなった額を抑えながら言い訳しても無駄だな、とため息をつきながら遅れた理由を告げる。

 

「本当に申し訳ない、ちょっと調べ物してたんだ」

 

「それで、何を調べていたんだ?」

 

調べもの。それについてはあまり興味が無が、一応那月は何を調べていたのかを聞く。

 

「獅子王機関についてですよ」

 

彼女の問に湊がそう返す。

すると那月は目を細め湊を問いただす。

 

「何故それを調べる必要がある。私らの商売敵。お前も分かっているだろう?……もしかしてあのバカに何か言われたのか?」

 

あのバカとは、多分古城の事だろう。

那月は呆れた視線を湊を送る。

 

「アハハハ……」

 

そんな彼女の呆れた視線に目をそらして苦笑する。

でも、那月の言っていることは正し、呆れるのも無理はない。

獅子王機関とは、国家公安委員会に設置されている特務機関。大規模な魔導災害や魔導テロを阻止するための、情報収集と謀略工作が主な任務。また平安時代に宮中の霊的守護を担当していた滝口武者を源流としているため、現在でも要人の警護を行うことが多い。 剣巫や舞威媛などの攻魔師を内部で養成しているほか、七式突撃降魔機槍などの武神具の開発も行っている。――がそれはあくまでも表向きに近い。

獅子王機関は魔族との共存に賛成しないものが多く。抹殺するための、七式突撃降魔機槍などの神格振動波駆動術式を刻印されている、魔力を無効化武器の生産、量産などを試みている。

だが、その程度、湊なら分かりきっている。

別に足を踏み入れて戦争をしたいわけではない。ただ、古城(教え子)が安心して暮らせるなら、少しは無茶をしようとも思っている。

 

「まあ、お前が何をしようと構わんが、私には絶対に迷惑をかけるなよ」

 

「分かってるよ……」

 

「ならいいが、そろそろ行くぞ」

 

那月の指示に頷き、見回りを始める。

見回りと言っても魔術の痕跡や調べること以外は、未成年と思われる一般人の指導と言った普通の高校と変わらない部分が主である。

暫く歩いて散策している際、白いパーカーを着ている少年と彩海学園中等部の制服を着てギターケースを背負っている女子生徒がゲームセンター前のクレンゲームで遊んでいるところを発見した。

白いパーカーを着ている少年は湊のクラス1年B組の生徒暁古城だ。もう一人の女子生徒は中等部でもあまり見かけないため転校か?思ったが、湊自身が中等部のことをよく知らないため、なんとも言えなかった。

その隣で、那月は面白いものを見つけたような顔をして、クレンゲームで遊んでいる二人に近づき言い放つ。

 

「おい、そこの二人、彩海学園の生徒だな?こっちを向いて貰おうか」

 

急に声を掛けられた二人は、クレンゲームの前でびっくりした表情で固まっている。

そして那月の問に答えようともしない。いやむしろ答えられないと言った方が正しいのではないか。

古城は何とかして逃げようと隙を伺っている様子だった。

 

「あのね二人とも……」

 

湊の言葉が言いかけたその時、突如として爆発音が起こった。

湊と那月は爆発音のした方を探すため、周りを見渡し、古城に一瞬の隙を作ってしまった。

その隙を逃がすことなく古城は女子生徒の手を引いて走り去っていった。

 

「おい、こら!逃げるな!」

 

悔しそうに叫ぶが、那月の声に耳を傾けず、逃げるように走り去っていく。

 

「追え!湊」

 

那月が湊に命令する。

表情は既にお怒りの様子。今の状態で逆らうととんでもないことになる。と察した湊は素直に従う。

 

「了解っ!」

 

急いで二人が逃げていった方に向かって空間転移を使い追いかけた。

 

 

 

 

姫柊雪菜は、先ほどの爆発が起きた現場で、ロタリンギアの殲教師と名乗る男ルードルフ・オイスタッハと眷獣をその身に宿したホムンクルスの少女アスタルテと戦闘を行なっていた。

戦況は雪菜の圧倒的不利な状況、眷獣の相手でさえ手を焼くのにも関わらず、そこから戦斧を構えたオイスタッハが襲いかかり防戦一方となっていた。

次の一手で戦況は大きく変わった。

最初は具現した眷獣の右腕だけで攻撃していたが、雪菜との衝突で遂に左腕も具現し、体制を崩した雪菜は迫り来る眷獣の攻撃を避けられない。その際に彼女は自分の死を覚悟するが、心のどこかで暁古城のことが浮かんでくる。――まだ死にたくない。と雪菜は改めて思い直す。

その時、一人の少年の言葉が響く。

 

「姫柊ぃーーーー!」

 

第四真祖暁古城が、雪菜の名を呼びながら、戦場へ足を踏み入れた。

 

「おおおおおおおおおおォ!」

 

古城はアスタルテが使役している眷獣に向かって一発殴りかかった。

動き自体は素人だが、威力は兵器そのもの流石は第四真祖と名乗るだけはある。

まともに受けたアスタルテは、衝撃で転倒していた。

 

「先程のアスタルテの眷獣を吹き飛ばす拳の威力……さながら第四真祖の噂は本当だったようですね」

 

オイスタッハが「ふっ」と笑をこぼしす。

転倒していたアスタルテは既に立ち上がっており、更に眷獣を使役し始めた。

 

「再起動、完了。命令を続行せよ、薔薇の指先」

 

「待ちなさい、アスタルテ。今は、まだ真祖と戦う時ではありません!」

 

オイスタッハの叫びに戸惑うが、彼女は止まらなかった。

既に眷獣の攻撃は古城たちに行われていたからだ。

 

「先輩下がってください!」

 

雪菜が槍で受け止めようとするが、左右から出された腕は雪菜の槍一本では片方だけでも精一杯だ。

右腕を防いでも次は左腕の攻撃が雪菜を襲う。それを庇うように古城が雪菜を突き飛ばす。目標は古城に変更され、無防備の古城は回避することができない。

 

「せ、先輩っ!」

 

雪菜の叫びに誰かが答えるように、古城を薄い緑色の障壁が守った。

 

「だから、那月ちゃんの言うことを聞ここうねって言ったのに……落第点だよ古城君」

 

そう言って現れたのは彩海学園高等部教師の柊湊だった。

 

「み、みなっち!?」

 

「みなっち……?」

 

湊の登場に古城は驚き、雪菜は古城が言った「みなっち」に対して疑問を浮かべている。

湊は二人に笑みを向け、オイスタッハとアスタルテに殺気を向ける。

 

「ねえ、これ以上建物に被害を出したくないんだ。今日は引いてくれない?」

 

声のトーンを低くしてオイスタッハに問いかける。

 

「貴方は誰ですか!まず、それに応えてもらいましょうか」

 

湊の質問に質問で返してきた。

 

「俺はこの子たちの先生、柊湊だ。それで?ロタリンギアの殲教師がこの人工都市で何やろうとしてるの?もし、この島に危害を加えるなら……殺すよ?」

 

「……なかなかの殺気ですね。ですが、アスタルテ!」

 

「命令受諾。執行せよ、薔薇の指先」

 

オイスタッハの指示で、アスタルテは眷獣を出し、湊へ襲いかかる。

 

「不味いですっ!先輩、私たちも加勢しましょう」

 

「いや、その必要はない」

 

慌てて言った雪菜の提案をあっさりと切り捨てる。

 

「何故です!?でないとあの人が殺されてしまいます!」

 

「落ち着け姫柊。あの人が来たからにはそうそう死ぬことはない。何てったって、トップクラスの国家攻魔官だからな見とけ姫柊。すぐに終わるから」

 

古城の言葉で従い雪菜は湊の方に目を向けた。

湊は眷獣の攻撃を一本の槍で軽く止めた。

 

「何!?眷獣の攻撃をそんな槍程度で止めただと……アスタルテっ!」

 

「執行せよ、薔薇の指先」

 

再度攻撃を仕掛ける。

その姿に呆れた表情で、片腕を軽く振り、片腕の動きに合わせて槍も動く。

 

「シャスティフォル。遊んであげて」

 

今度は湊の反撃。先ほどのように腕の振った方向に槍が動く。

アスタルテは起動性のある槍の動きに付いていけずすぐに懐に入られ一撃をくらう。

大きく転倒したアスタルテを見てオイスタッハは、悔しそうにしながらも、アスタルテを連れ逃げていった。

 

「先生……あの……」

 

湊は古城に近づく。

古城は殴られることを覚悟し目をつぶった。が古城が目を開けると湊の手は古城肩に置いてあった。

 

「無事でよかったよ。これ以上の無茶はしないようにね、高校生男子」

 

殺気を出していた時とは違い、今はいつもの教師をやっている柊湊の笑顔になっていた。

 

「そこの、獅子王機関の剣巫さんも大丈夫かな?怪我ない?」

 

今度は雪菜に目を向け、安否を確認した。

 

「は、はい。問題ありません」

 

「そっ、なら良かった……それよりここから離れようか。そろそろ特区警備隊がくる。俺に捕まって飛ぶよ」

 

古城は素直に差し出された手を掴んだ。

雪菜はなんのことかさっぱりわかってない様子だった。

 

「姫柊早く!」

 

と古城が、雪菜の腕を強引に掴んだ。

それを確認した湊は空間転移を使いその場を離れた。

 




今回はここまでです。
上手くかけたでしょうか?
本当にこれからどうやって進めようか……
近いうちにまた投稿します。

感想やご指摘などお待ちしております。
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