悪魔の魔術師   作:ruusye

3 / 3
第三話目なのです!

お気に入り登録してくださっている皆様ありがとうございます。

いい作品目になるよう頑張ります。

それではどうぞ


聖者の右腕 Ⅲ

事件現場から逃げるように空間転移を使い、転移した場所に古城や雪菜は見覚えのあるように感じた。そこは暁家や姫柊の家があるマンションだった。

 

「ここって家のマンション?」

 

古城が呟くようにそう言うと、湊は首を縦に振り頷く。

 

「あっ、でも古城君の家は下の階だよ」

 

「それって、どう言う――」

 

「あーあれだよ。俺もこのマンションに住んでるんだよ」

 

古城の疑問に苦笑しながら答える。

すると古城の顔は驚きを隠せず、響き渡る声が近所迷惑になりかねなかった。

 

「でも……と言うか、それならなんで言ってくれなかったんだよ!」

 

「えっ?」

 

急に声を上げた古城に驚いて変な声を出してしまった。

湊は、もしかして何か大変なことでもあったのではないかと心配してしまった。

 

「それなら、追試の勉強とか教えてもらえばよかったのに!」

 

悔しそうに古城が言う。

湊は心配して損だと思った。

勉強くらい自分でしないとダメだろ、と呆れて声も出なくなっていた。

 

「あの、すみません。ちょっといいですか?」

 

雪菜がそっと手を挙げて問いかけてきた。

 

「何かな?えっと転校生さん?でいいのかな?」

 

「はい、私は姫柊雪菜と申します。獅子王機関の剣巫をやっています。失礼ですがあなたは?」

 

「おっと、挨拶がまだでしたね。俺は柊湊。彩海学園高等部教師にして国家攻魔官の一人です。って、こんな事が聞きたいんじゃないよね?」

 

そう言うと雪菜は頷く。

 

「では……あなたは何物ですか?」

 

雪菜は警戒心を強め湊に質問する。

隣にいた古城は『どう言うことだ?』と疑問に思い首を傾げている。

 

「さっきも言った通り、俺は高校教師で、攻魔官それ以上でも以下でもない」

 

「それなら人間が単独でそれも眷獣を――無傷で倒せるはずがありません」

 

「それを言うなら、君も俺と同じ人間だし、それに単独で貴族級の眷獣を倒す人なんてこの島にはアホみたいにいるよ」

 

「ですが……」

 

何か言いたそうな顔をしていたが、湊が彼女の前に手を出して、

 

「今日はもう遅い。明日…とは行かなけど、聞きたいことがあるならいつでもこの部屋に来ていいよ。俺の用事がない時なはいつでも相談に乗るよ」

 

帰って休め、と勧める。

明日から新学期、遅刻をしてはちびっ子担任に説教を食らうだけでは済まないと、古城は察したようだ。

 

「分かったよ、姫柊もう帰ろう。凪沙も心配してる」

 

「…分かりました」

 

古城の一言で、雪菜も不本意ながら湊の意見に従い二人揃って下の階に降りていった。雪菜の帰っていく後ろ姿を見て納得してくれたようには見えなかった。

 

無事に家に着いたことをメールで知らせてもらい、ひと安心した湊は空間転移を使い現場の後始末に向かった。

 

 

 

 

 

事件の翌日。

昨夜の爆発音が絃神島全体に響き渡っており、ネットやSNSでの書き込みでや拡散などで殆どの人が知っていることになる、朝のニュースでも原因不明の爆発が起こったと取り上げられていた。

中には隕石や落雷などという者もいるが実際は、眷獣による戦闘行為が主な原因である。後始末をした湊と特区警備隊がメディアに事件内容を改変した上でこのようになった。

この事件でで主な死者は出なかったことが最もの幸いと言える。

今朝も特区警備隊が現場付近での調査に明け暮れていたが、犯人であるオイスタッハとそのホムンクルス、アスタルテの姿は未だ掴めておらず手を焼いている。

 

 

古城は、今日から新学期。

朝から雪菜が古城の家に来て起こしてもらう、という他の男子からしたらとても羨ましいと思える状況になっていた。

 

学校についた古城はクラスメイトに挨拶を済まし、席についた後、浅葱と話しているうちにクラス内で特に男子が何やらスマホを見て騒いでいた。

 

「ねえお倫、あれ何?」

 

浅葱が友人である築島倫。通称お倫に呼び止め、状況を聞く。

 

「なんかね、中等部にすっごく可愛い転校生の女の子が居るらしくて、その女の子の写真を手に入れたんですって」

 

築島は呆れた様子で浅葱に説明する。

 

「おい古城!お前の妹たしか3年C組だったよな?ならこの子紹介してくれよ。なぁ?」

 

クラスメイトが古城に近寄り、手に入れた写真を見せる。

わかってはいたが、やっぱり姫柊雪菜だった。

その写真を見た途端、古城は苦い表情になる。

 

「おはようございます。皆さん」

 

突然、教室のドアから、声が聞こえる。

その方に目を向けると、1年B組の副担任、柊湊が立っていた。

教室に入ってくる湊を見て女子生徒は黄色い歓声を上げるように叫ぶ。

 

「おはようございます先生」

「おはよう。みなっち」

 

「はい、おはようございます」

 

苦笑を浮かべているが、ちゃんと挨拶を返すところが湊らしいと古城は思った。

そして更に古城は湊の視線が、自分の方に向いているということが分かった。

湊は古城にの方に近づき、このように告げた。

 

 

「暁君、南宮先生が昼休みに生徒指導室に来るように言ってましたよ。中等部の転校生姫柊さんも連れてくるようとのことです」

 

「那月ちゃんが?それも姫柊も一緒って」

 

「確か、南宮先生曰く『昨日深夜のゲーセンで逃げ出したあと、朝まで二人っで何をしていたのか、きっちり説明してもらうからな』だって」

 

「ちょっ、みなっち!!那月ちゃんに説明しといてくれてるんじゃあなかったのか!?」

 

「アハハハ……無理でした。――それに、『この私から逃げるとは余程死にたいらしいなあのバカは』と言ってるから俺が何を言っても無駄だよ」

 

「マジかよ……」

 

湊の一言でクラスメイト視線が古城に集中した。そして先程まで、雪菜の写真で盛り上がっていた男子たちは目つきを変え古城を睨んでいた。

睨んでいたのは男子だけでなく、浅葱とその友人たちも古城を睨んでいた。

浅葱に関しては、ゴミ箱に古城が借りるはずだった世界史のレポートを破り捨てていた。

それを見た古城は肩を落としてため息をついていた。

 

 

 

 

そして昼休み。クラスメイトだけでなく殆どの男子生徒の恨みを買った古城は雪菜と合流し那月のいる生徒指導室に入っていった。

部屋の中には那月だけが居て湊の姿はない。

 

「失礼しまーす。那月ちゃん何か用?――イッタッ!」

 

古城の発言にイラッと来たのか、古城に扇子を投げつけた。

扇子が顔面にクリーンヒットした。

当たった所を押さえている古城を那月は『言い様だ』とでも言わんばかりに見下ろしている。

 

「これに懲りたら教師を『ちゃん』付けで呼ぶことを改めるんだな」

 

「……すみませんでした」

 

素直に謝り、古城と雪菜は椅子に座る。

 

「まあいい……さてお前ら、昨日アイランド・イーストで派手な爆発事故が起きたのは知ってるな?」

 

「え、ええ。まあ…」

 

核心をついた那月の問に古城はなにか気まずい気分になる。

雪菜も表情には出していないが内心は緊張している。

 

「実はここ数日、似たような事件が多発している」

 

「「え?」」

 

「これを見ろ」

 

那月は取り出した複数のファイルや資料を古城たちに見せる。

古城はその中から二枚の写真を手に取る

それを見た古城は写真に写っている男に見覚えがあった。

雪菜と初めて会った際に彼女をナンパしようとした輩だったのではよく覚えている。

 

「そいつは6件目の被害者だな、知り合いか?」

 

古城の持っていた写真を見て那月が言う。

 

「いや、知り合いってわけじゃない。こいつらどうなったんだ?」

 

「一命は取り留めたが、まだ意識はない。お前たちを呼び出したのはそれが理由だ。この無差別に魔族狩りをしている犯人もまだ捕まってない。――つまり暁古城。お前も襲われる可能性もあるということだ。という訳で……この事件が

片付くまで昨日のような夜遊びは控えるんだな」

 

「はい…って!いやいや、夜遊びとか言われても何のことやら!?」

 

那月の意見を素直に聞いたと思ったが、すぐに自分の失言に気づきそれを誤魔化した。

 

「ふん、とにかく警告はしたからな」

 

那月は古城たちに出ていけと合図するように自身の手に持っている扇子を振る。

それに従うように古城たちは席を立ち生徒指導室を出る。

 

「ちょっと待て、そこの中学生」

 

那月は雪菜を呼び止め、手に持っているぬいぐるみを雪菜に投げ渡した。

 

「……ネコマたん」

 

「ハッ」と口元を押さえる雪菜を見て、那月はニヤリと不敵に笑う。

 

「忘れ物だ。そいつは、お前のだろ」

 

「南宮先生。一つお聞きしても宜しいでしょうか?」

 

「なんだ?これでも私は多忙なんだ。手短に済ませろ」

 

雪菜の問いかけに対して那月は面倒くさそうに返す。

 

「柊湊先生について知っていることを教えてください」

 

湊の言葉が出た途端、那月の表情は険しくなった。

 

「それを聞いてどうなる?」

 

「危険だと分かれば、獅子王機関に報告します」

 

那月は睨むようにして聞くが、雪菜は表情を崩さない。

 

「ふん、そういうのは自分で調べるんだな。――それにあいつのことをあんまり詮索するな。分かったら早く行け」

 

急かすように雪菜を部屋から追い出した。

 

「――なになに?俺のことを話してたの?」

 

雪菜が部屋を出たあと、突然那月の背後に湊が現れた。

 

「ああ、お前の不満を垂れ流していたところだ」

 

急に現れた湊に驚きもせず、平然と返す。

 

「ええーっ、ひっどーい」

 

「それで?結果はどうなった?」

 

「うん、現場にはもう何も残ってない。俺に知られたからこれ以上の魔族狩りは怒らないだろうね。それがなくても別のことをやりそうだけど……」

 

仕事で疲れているのか、この事件について呆れているのかは定かではないが、ため息が次第に多くなっていっているように見える。

 

「こんな時に、浅葱さんみたいな優秀なハッカーでもいればなぁ……卒業後スカウトしようかな」

 

「貴様は未成年に働かせる気か?」

 

那月が呆れた目を向けてくる。

 

「既にバイト感覚で人工島のプログラマーやってるけどね…」

 

「それでも、これは大人のやる仕事だ。ガキ共に任せる訳にはいかない。それに、藍羽浅葱は暁古城の所に永久就職するかもしれんぞ」

 

那月はニヤリと不敵に笑った。

 

「ならさ、那月ちゃんも俺のところに永久就職しない?」

 

「ふっ、冗談も大概にしろ、仕事をするぞ」

 

那月に失笑され軽く流された。

そう言って那月は空間転移で別の場所に移動していた。

 

「冗談か……結構本気なんだけどなぁ」

 

悲しげな表情で独り言のように呟きながら仕事に戻った。

 




今回から登場する人物のプロフィールを載せたいと思います。

まずはこの人から、

柊湊 (ひいらぎ みなと)

※ 本人イメージはソードアートオンラインのキャラユージオ君を元にしました。(あくまで、元にしたのは容姿だけです。性格は違います)

誕生日 11月 27日
22歳
身長178cm
体重 60kg

彩海学園高等部1年B組の副担任。
担当科目は世界史と日本史。
那月同様、国家攻魔官の資格を持っている。
教師としては、温厚で那月とは逆に褒めて伸ばすタイプ。
優しく、困っている人をほっとけない典型的なお人好し、そのため生徒からの信頼も厚く、生徒からは「みなっち」とあだ名で呼ばれている。そのことに対して本人は気にしておらず、むしろ受け入れている。
那月に密かに好意を向けているが、なかなか気づいてくれないのが悩み。

使用武器

霊槍シャスティフォル

✲能力は原作七つの大罪の設定と変わりなし

今度はここまでです。
如何でしたか?
オリ主の使用する武器は他にもありますので話数を重ねるごとに出していきます。(あれ?これってよく見たらネタバレじゃね?まあいいか)

感想やご指摘などお待ちしております〜。
それではまた。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。