この姫君に純愛を!   作:メンダコとスミス

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やっとアイリスを登場させることが出来ました。
あと、今回はアイリスの視点の場面とカズマの視点の場面がありますのでご注意ください。


姫君の本心

 カズマ達へ手紙が届く数か月前……

 

 

 王城

 

 「アイリス様……やはり、私から王様にご進言をいたしましょうか?」

 

 「いいのよクレア、それに、これは私の王族としての責務です」

 

 「でっ、ですがそれではアイリス様が…………」

 

 「お兄様方や国民の皆様が頑張ってくださったおかげで私たちはようやく危機から逃れることができたのです。今度は私が皆様を守る番……。ですから、私は今回の決定に従うつもりです」

 

 「…………分かりました。では、せめてアイリス様の護衛をカズマ殿に依頼いたしましょう。あの男ならきっと快諾してくださるでしょうし、あの魔王を討った英雄ですし皆も納得するはずです。あちらの国に行かれましたら、もう……会うのも難しくなるでしょうから」

 

 「……ありがとうございますクレア…………でも、もうよいのです。だってこんな状況でお兄様に会ってしまったら……せっかく固めた決心が鈍ってしまうもの……」

 

 「アイリス様……。では、そのように手配いたします。ご夕食まではいくらかお時間がありますのでしばらくお休み下さい」

 

 「分かりました……その、クレア?」

 

 「どうかされましたか?」

 

 「いえ、……あの……いつも迷惑をかけますね」

 

 「っっ! そのような事は全くございません! このクレア、今まで一度たりともアイリス様のことを煩わしいなどと思ったことはありませんので。私は一生アイリス様に仕える覚悟です!」

 

 「ありがとうございます……、でもあなたにはこの国でするべき役目があるでしょう? 私がいなくなった後も皆様の事を頼みましたよ」

 

 「それはっ!…………そ、そうでした……。ではお時間になりましたらお迎えに参ります(どよーん)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…………はぁ」

 

 強がってはみたものの、やはりクレアには誤魔化すことができませんね……。

 

 わかってるんです…………。

 

 これが最善の策だということも、これ以外に方法が無いということも……。

 

 「民なくして国は成り立たない。そして、民を守るのは王族の責務だ」と幼少の頃から教わってきました。

 

 だからこれは当然のことなんです…………とうぜん……なんです。

 

 

 

 

 

 

お兄様……本当はお兄様にとてもお会いしたいです。

 

 もっとお兄様とお話しをしたいですし、お遊びもしたい。

 

 おいしいお料理をご一緒に作りたいですし、冒険もしたい……。

 

 

 

 

 …………一緒にいたい……

 

 

 

 

 

 「……私は何を考えているのでしょうね。そんなこと、叶うはずもないのに……」

 

 「そもそも、私はこんなにも脆かったでしょうか?」

 

 思いつく原因は、たった一つだけ……

 

 「まったく、お兄様は罪なお方ですね(クスッ)」

 

 

 

 

 

 

 

 「…………アイリス様……」

 

 

 

 

 

 

 

◯△◯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「だぁぁあ!かぁぁあ!らぁぁあ! いらねえっって言ってんだろそんなもん!!」

 

 ウィズの店にいたのは巨乳の美人店主ではなくカラススレイヤーのバニルさんことバニルだった。

 

 「まあ待て、確かに言いたいことはわかるぞ小僧。だがな、我輩としてもこのポンコツ店主が仕入れてきたこれまたポンコツな商品を何とか処分しなければならんのだ」

 

 そのうちの一つを手に取って見てみると

 

 

 [力神のポーション] 五百万エリス

 

 [一時的に全人生で出せるすべての力を出し切るポーション、ただし、使用後は永久的に体に力が入らなくなる]

 

 

 …………ゴミじゃん、こんなのどこで仕入れてくるんだよ!

 

 「俺は廃品回収業者じゃねえんだよ! しかも、どれも無駄に高すぎんだろ!」

 

 「そういうと思ってな、いつしか我輩が紅魔の小娘の将来を貴様が大きく左右すると予言したことがあったであろう?」

 

 「そう言えば、そんなこともあったな」

 

 ……確かにあの時の予言は役にたったな、めぐみんルートはあの時に解禁されたもんな。

 

 「そこでだ! 貴様がこのガラクタどもを全て買い取ると言うのならば、それと同じくらい重要な予言をこの見通す悪魔こと我輩バニルが教えてしんぜよう!」

 

 ぐっ、コイツ、毎度の事ながらふんだくる気満々だなおい。

 

 だけど俺だって無駄に商人まがいの事はやってないぜ(キリッ)

 

 「……半分だ!」

 

 「は? 何を言っておるのだ?」

 

 「だからそいつらの半分でその予言を買ってやるって言ってるんだよ!」

 

 ステップワン、絶対無理な要求をする。

 

 「馬鹿者! この額で我輩の予言が買えるならば安いものであろう!」

 

 「じゃあいらん! 必要な物だけ買う」

 

 ステップツー、強気に断る。

 

 「むっ! いつになく冷静ではないか。分かった、では三分の二でどうだ? 我輩としては全て処分したかったのだが仕方がなかろう」

 

 ……かかったな。

 

 「……(ニヤリ)。じゃあ全部買ってやるよ!」

 

 「おお!……ん? どうしたのだ急に?」

 

 「その代わり、本来目的だった買い物はタダにするという条件でな!」

 

 ステップスリー、要求を下げて通し安くする。

 

 この策略はどのジャンルでも使えるからな。特にアクアに……

 

 「ぬう!? 小僧め、人の……いや、悪魔の足元を見おってからに……」

 

 「おっ! 良い悪感情だ大変美味なり、美味なり!」

 

 ステップフォー、美味なり、美味なり!

 

 「おい! それは我輩のセリフだ! くっ! 貴様もようやく商人らしくなってきたではないか」

 

 「おかげ様でな、これでもうお前に言いくるめられることもなくなるな!」

 

 「ほう、面白いことを言うではないか。では、最近毎晩誰かが添い寝をしに夜這いをしてきた結果、一人では落ち着いて寝れなくなった男よ」

 

 「ぶっ! なっ、なんでその事をお前が知ってんだよ!」

 

 「フハハハハハハハハハハ! 我は見通す悪魔! この程度造作もない、そこの最近外泊が減ったのは……」

 

 「ちょちょちょっっとまて! わかった! 俺が全面的に悪かったですバニル様!」

 

 「ならばそこにガラク……売れ残った商品があるのでどうだ?」

 

 「全部買い取らせていただきます……」

 

 人の弱みを見つけ放題とかチートだろ!

 

 この日を境にもうコイツに逆らう意識はなくなった。というより逆らえない。

 

 「うむ、良い心がけだ。しからば、この見通す悪魔が予言する。汝、今回の旅にてまたもや親しい者の運命……いや、人生を左右する決断を迫られるであろう。ゆめゆめ後悔しないよう気を付けるのだな」

 

 「また今回もずいぶん重い。……まあ、分かった。料金はこれでいいか?」三億エリス

 

 「それで十分だ、それはそうと貴様、今回は我輩の仮面を持っていかないのか?」

 

 「いや、どう考えても必要ないだろ」

 

 今回は神器集めもしないしな。

 

 なにより、怪しすぎるだろ! ……あれ。

 

 「そうか、ではサービスとしてこの新シリーズのバニル仮面をやろう。もしかしたら必要になるかもしれんぞ?」

 

 ただ白と黒の位置が逆になっただけなんだが……。

 

 「そうか? でもなんか怪しそうな気が……」

 

 「………………」

 

 なんか無言で笑ってるんだが……

 

 「いや! なんか言えよ! というか勝手に入れるな!」

 

 「我輩にできるのはここまでだ」

 

 「意味がわかんねえよ。 はぁ、もうどうでもよくなったからいいわ」

 

 「まいどあり!今後ともバニル商店をよろしく頼むぞ!」

 

 「ここウィズの店だろ! そう言えば、ウィズはどうしたんだ?」

 

 「あのポンコツ店主ならば奥で焦げておる」

 

 大体聞かなくてもさっしてしまう……

 

 「また金庫の金で仕入れをしたのか……」

 

 「うむ、いったい何なのだあの才能は?」

 

 「さあな、じゃあもういくな。ダクネスたちを待たせてるんだった」

 

 「でわな」

 

そう挨拶を交わしてから、ドアを開けようとすると……。

 

 「只今帰りました! あら、カズマさん来てくださってたんですね。お久しぶりです」

 

 「おうウィズ、久しぶり。……ん? ウィズ?」

 

 「はい? どうかしましたか?」

 

 「おい、ポンコツ店主! 貴様は奥にいたのではなかったのか?」

 

 「はい、だから窓から外に出ましたけど……あっ! そう言えばバニルさん、私今度こそやりました! 市場で最高の武具になるというバルディウム鉱石が魔王討伐前の半分以下に下がっていたので買えるだけ買ってきました」

 

 そりゃ魔王が消えればそんなに高性能な装備もお役御免だしな。

 

 「貴様、その金はいったいどこから? はっ! さっきまであった小僧の金が消えている……だと!?」

 

 「どうですかー?バニルさん?(ニマニマ)」

 

 「…………ば」

 

 あ、早く離れよう。

 

 「ば? なんですか?」

 

 「バニル式殺人光線ーーーーーーー」

 

 「きゃああああああああああああああああ」

 

 「…………またな」

 

 思ったより長居したせいで時間が経っちまったな。

 

 めぐみんやアクアも待ってるだろうし急ぐか……。

 

 

 

 

 

 「遅いですよカズマ!」

 

 「いったいどこで油売ってたの?もう三十分も待ってたんだけど……」

 

 「そうだぞカズマ、そういう時は連絡してくれ。ま、まあ、これも焦らしプレイの一環だと思えばいっ、私はいくらでも」

 

 「これ以上公道で恥をさらすなエムネス」

 

 「なっ、なんだその新しい呼び方は? やめてくれ、はっ、恥ずかしい////」

 

 「相変わらず痴女ネスの羞恥心はどこにあるのでしょうね?」

 

 「めぐみんまで……グスッ」

 

 「それはそうと、アクア!」

 

 「なにカズマさん?」

 

 「無視なのか? だが、これはこれで放置プれ」

 

 「【スリープ】!!」ガクッ

 

 「やっと静かになったな」

 

 「そうですね、ナイスですカズマ」

 

 「それで?何なの?」

 

 「ゼル帝はどうしたんだ?」

 

 「今回はギルドに預けてきたわよ」

 

 「そうか……フライドチキンにされてなきゃいいな」

 

 「ちょっとそれどういうことよ!」

 

 「さっさと行くぞー。アクア! あと、ダクネス持ってきてくれ」

 

 「あっ、ちょっと置いてかないでー」

 

 「それじゃあ、お願いします」

 

 「分かりました、では行きますよー…………【テレポート】」

 




やっとカズマ達が王都に旅立ってくれました。
次回は遂にアイリスと会えるようにしたいと思っています。
次作にご期待頂けると幸いです。
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