第二十三話、スタートです!
妖怪の山との交流が深まった後からさらに時は流れ、紅霧異変からおおよそ一年ほどがたった。
木々の葉は既に落ちきっており、寒々しい冬を演出している。
幻想郷の冬景色は見事なもので、見る者を魅了させる。
妖怪の山との交流後、その間3人は特に異変に会うこともなく、平凡な、けれど充実した日々を過ごしていた。
時には魔法の森で妖怪達と腕くらべをし、弾幕ごっこの研究をする。
時には永遠亭に行き、輝夜と藤原妹紅の喧嘩を仲介する。
また、紅魔館の連中はどうやら幻想郷に正式に住むことを決定したらしく、今では人里へ食料を買いに来るなど、社交的になっていた。
だが、そんな日々も一時の終わりを告げる事になった
〜博麗神社〜
剛「...。なぁ峡」
剛は窓の外の雪景色を見て峡を呼ぶ
峡「ん、呼んだ?」
剛「...今何月だ?」
峡「4月だね」
剛「...流石にまだ雪がこんなに降るのはおかしいだろう..」
峡「.....まぁ、実は僕も薄々思ってたよ。異変なんだろうけど、季節を操る妖怪が身内にいないんだよね...。
原因の検討がつかないから、放置してたけど。」
窓の外では將信や寺子屋の子供たち、結衣や彩が混ざって、雪遊びをしている。
雪だるまを作る子もいれば雪合戦をする子、かまくらを作る子など、様々な子供たちが遊んでいる。
霊夢「...何話してるのよ」
霊夢は炬燵から寒そうにしながら出てきて、障子を少しだけ顔を覗かせる。
すっかり厚着をしており、その姿からは巫女の姿を全く想像させない。
剛「この雪の事でな。お前も何となく勘づいているだろう?」
霊夢「...まぁ、そうね。 流石にここまで春が遅いのはおかしい、迷惑極まりないわ。
まともに外も歩けないもの」
剛「それはお前が怠けているからだろう」
剛は真顔で霊夢にツッコミをいれる。
たった霊夢と剛は1年ほどの付き合いだが、既にお互い心を許しているようにも見える。
霊夢「...はぁあーっ...魔理沙も先に行っちゃったし、私も行くしかないわね...」
霊夢「よっこらせ...っと」
霊夢はいやいやだが、ゆっくりとした早さで立ち上がる。
峡「...」 (おっさんかよ!!)
そして峡は内心ツッコミを入れる。
華憐「...それで、私達はどうするのかしら?」
峡のそばに座っていた華憐は尋ねる
剛「別に今回は手出し無用でいいんじゃないか。子供たちの面倒も見ないといけないからな」
峡「んまぁでも一応ついて行ったほうがいいとおもうけど...。首謀者がどんな奴か気になるし」
剛「俺はそれでも構わないが...まぁとりあえず子供たちを家に送ってからだな。」
將信「それで、霊夢は首謀者の検討がついているの?」
霊夢「なわけないじゃない」
將信「そんな胸を張って言えることじゃないよ...。」
霊夢「まぁ、魔理沙が行ってる事だし、そこら辺に落ちてる妖怪達に聞いたらわかるでしょ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
in. 冥界
魔理沙「さて、ここが冥界か。不気味なもんだな。」
魔理沙は怪しい妖怪達に片っ端から弾幕ごっこを挑み、偶然首謀者と関係があった人物から冥界に首謀者がいるという情報を入手し、冥界へとやってきた。
荒い調べ方で非効率的だが、それが魔理沙のやり方なのだろう。
そして上へと続く長い長い階段を一段一段歩いていく。
かなり魔理沙は戦闘しており、これ以上魔力を消費するとまずいからだ。
数分後、魔理沙は階段の中腹あたりで、なにやらふよふよ漂う魂を持った少女と対峙することになった。
??「....ここは冥界、者が集う場所ではない。今すぐ立ち去れ。さもなくばお前切る」
魔理沙「手荒い歓迎だな。この異変の首謀者...ではなさそうだが、お前の仕える奴はどこだ?」
??「..ほう、異変解決者か。であれば尚更、この先を通すわけには行かない。
....貴様の春度も、西行妖の贄となるのだ」
妖夢はコツコツと足音を鳴らし、魔理沙にゆっくりと近づいていく。
魔理沙「うーーん...これ以上戦いたくないんだが...」
咲夜「...ここは私にお任せあれ。」
その突如咲夜は魔理沙の傍に瞬間移動したかの如く現れた。
いきなりの現象にビクリと魔理沙の肩が震える。
魔理沙「驚かすなよ..。
それで、異変解決を手伝ってくれるのか?」
咲夜「手助けしてあげるわ、あなたは先に行きなさい。
さっさとこの異変を終わらせないと、お嬢様が外に出られないのよ、、、。」
咲夜ははぁ..とため息を吐き、俯く
魔理沙「恩に着るぜ!!」
その言葉に魔理沙はに箒に跨り、全速力で妖夢の隣を抜き去った。
妖夢「ッ!?逃がすか!」
妖夢は抜刀し魔理沙に向かって銀色の刃を向けようとする。
しかし妖夢の刀は、咲夜の銀色のナイフで弾かれた
咲夜「あなたの相手は私ですわ。」
咲夜と妖夢はギリギリと互いの刃を交じわせ、一旦両者ともに後方へと退避する。
妖夢「...まぁいい、貴様の春度を全て頂き開花させるまで。
妖怪が鍛えたこの楼観剣に斬れぬものなど、少ししか無い!」
そして、もう1度お互いの銀の刃が衝突しあった。
妖夢「フッ!!」
妖夢は物凄い力で地を蹴り、長刀の楼観剣を咲夜の首目掛けて薙ぎ払うように何度も振るっていく。
妖夢は弾幕より近接戦闘が得意のようだ。
その刀さばきは見事なものである。
咲夜「...」
咲夜はその妖夢の剣を、体力を消費しないようギリギリで躱しつつ、隙を見計らって時止めの能力を使い、妖夢に目掛けて大量のナイフを放つ
妖夢「ハッ!!」
妖夢はその手数に危険を感じたのか、短刀白楼剣を取り出し、楼観剣と共に二刀流の構えで、数々のナイフを全て弾き返す。
咲夜「...(やるわね)」
咲夜「なら、これはいかが?『幻符 殺人ドール』」
咲夜のスペル宣言後、咲夜の周りにはさらに大量のナイフ型弾幕が展開され、妖夢に向かって一直線上に降り注ぐ。
変則的な動きではないものの、その数はかなり多い。
妖夢「っならば!『餓王剣「餓鬼十王の報い」』
そして妖夢もすかさずスペルを宣言する。
そのスペルは咲夜の弾幕を横一文字の斬撃で薙ぎ払いつつ、周りには弾幕が展開される。
そして隙が見えれば、すかさず妖夢は咲夜との間合いをつめ、積極的に攻撃してくる。
咲夜「.....(このままでは...何か考えないと)」
恐らく技術でいえば妖夢はまだまだ半人前。
咲夜が妖夢に勝つことは簡単なはずである。
しかし冥界に来るまでに霊力を咲夜は少なからず消費している。さらに妖夢とは種族も違い、体力の差はやはり現れているようだ。
そのような原因で、咲夜は体力を消費した咲夜は一旦距離を取り、息を切らしている。
戦況はら若干妖夢に勝利は傾いているように見えた
妖夢「っ!隙あり!!『天界剣「七魄忌諱」』」
妖夢はその隙を見逃がさず、さらにスペルを宣言する。
妖夢の前からは七色の弾幕が大量に展開された。
今の体力がギリギリな咲夜にとっ、てそのスペルはかなり厳しいはずだ。
だが咲夜は必死にそのスペルを時には時を止め、なんとか躱しつくした。
妖夢「....!」
スペルが終了すると、妖夢は猛スピードで駆け出した。
間合いは急激に縮まる。
妖夢「ハァッ!!」
そして妖夢は楼観剣を咲夜に向かって思い切り振り下ろし、そこで決着がついた
そこで、つくはずだったのだ。
咲夜「かかったわね!時符『プライベートスクウェア』」
その瞬間、一瞬だがスペルの影響で妖夢の動きが急激に遅くなる。
しかし時止めとは違い、昨夜の周囲の時間も動いている。
妖夢「ッ!?」
妖夢は急に体が重くなる感覚に襲われ、目を見開いた。
なんとか手足を動かそうとするが、まるで水中にいるように動きが鈍い。
咲夜「今っ!」
ーーー咲夜は数本のナイフを二つの刀に向かって物凄い勢いで放ったーーー
勝敗からいえば、咲夜の勝利で終わった。
最後の咲夜の放ったナイフで、妖夢の手から楼観剣、白楼剣が弾かれ空を舞った事が勝因である。
ただし両者力、体力を使い果たしボロボロの状態。
お互い切り傷からは血が溢れており、致命的な傷では無いもののもう動けないようだ。
咲夜「...はぁ。もう動けないわ...。」
咲夜は地に倒れ伏せ、腕を目にあててふと呟く
妖夢「....お嬢様は強い。きっと貴方達では勝てはしないわ」
咲夜「.....あら、私のお嬢様だって強いわよ。幽霊風情に負けないわ」
妖夢「あの方は本気であの桜を咲かせようと考えている。
もし、もしも幽々子様が負けても、西行妖が咲き誇れば、博麗の巫女にだって止められはしない。」
咲夜「あら、私は博麗の巫女になんてはなから期待なんてしていないわよ」
妖夢「...?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
in 白玉楼
魔理沙は咲夜と分かれた後、妖夢がついてこないのを確認すると箒からおりて、また階段を上り頂上へとたどり着いた。
冥界の入口付近とは違い、周りの空気がさらに暖かくなった気が魔理沙はしていた。
それは幻想郷中に春度を集めていることを表している。
魔理沙「...それにしてもどの桜も満開だな..」
魔理沙は満開の桜達を見つめつつ、見事に飾られた屋敷の庭を歩いていると、とある人物を見つける
???「まだまだ……あと少しなのよ」
魔理沙「!?」
魔理沙は扇子を持った女性に目を向け、箒に乗り警戒する。
幽々子「後少し春があれば、この西行妖も満開になるのよ。」
幽々子は傍にある大きな巨木の桜木を見つめている。
魔理沙「そのなけなしの春度とやらならここにあるぜ。」
魔理沙はニヤリと笑い挑発する
幽々子「あら...あなたは妖夢の後継ぎか何かかしら」
魔理沙「まさか。私はこんな辺鄙な屋敷で一生を終えたくないぜ。それに、私はまだ生きてる」
幽々子「じゃ、代用品?」
魔理沙「話を聞いているのか?」
幽々子「聞いてるわよ。死ぬ時はこの桜の木の下がいい...って話でしょう?」
魔理沙「何を訳分らんことを言っているんだ?」
魔理沙は?を頭上に浮かべる。
幽々子「とにかく、どうしてもこの桜の封印を解きたいのよ。紫も教えてくれないし...」
魔理沙「だからさせてやるぜ。何か私にいい事があれば、な。ただじゃ渡せないな」
幽々子「花見なんてどうかしら?
うちの花見は賑やかで楽しいわよ」
幽々子はどこか紫に似た胡散臭さで、扇子を口元に当てる。
魔理沙「ちょっと前にその賑やかな連中を倒した様な気がしないこともない...」
幽々子「なんにしても、この冥界の桜は人間にとってどう見えているのかしら、気になるわー」
魔理沙「この辺は死臭だらけだな。最悪だぜ」
魔理沙は早く戦いたいのか、またじれったいのか、足を小刻みに動かして戦いたい意思を表している。
幽々子「あら、あなたは目で匂いを嗅ぐのね」
魔理沙「ああ、よく臭うな。こんな辛気くさい春は生まれて初めてだぜ」
幽々子「失礼ね。ここはあなた達の住む幻想郷の春と同じはずだけれど」
魔理沙「失礼な!誰が目で匂いを嗅ぐ!」
幽々子「会話がずれてるわよ〜」
魔理沙「まぁ、ついでに」
幽々子「でも、折角だし..」
魔理沙「辛気臭い春を返して貰うぜ!死人嬢」
幽々子「なけなしの春をいただくわ!黒の魔」
ーそして戦いの火蓋が、切って落とされたー
はい皆さんおはこんばんにちわ、ゼロです。
今回は將信のプロフィールを紹介します。
波城 將信
身長:約165
見た目:体格は峡と同じ細身で、髪は男性としては長め。髪色は水色。中性的な顔立ちで、若草色の着物を纏う
性格:若干人見知りだが、1度仲良くなれば信頼関係を築く事が得意で、仲間を救うためには自己犠牲も問わない、善良な性格。
ただしその分人を信じやすいため裏切られた時の怒りは3人で最も強い。
「状態変化を操る程度の能力」
→「五感を操る程度の能力」
スペル:合力「マジックテクノロジー」
気が向いたら私のイメージで絵を書こうと思います。
今回から春雪異変スタートですね。
現実でも三月末なのに雪が降ったりしましたが、大丈夫なんでしょうかね。
寒いですが、次回も一週間以内に投稿できるように頑張ります。
誤字脱字等ございましたらご報告下さい。
それでは、また。