DOG DAYS 大空の勇者   作:ポーカー

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かなり久しぶりの投稿です。
久しぶりに書いたのでうまく書けず、時間がかかりました。
それでは、どうぞ。


鎧武者と忍者

エクレール達はゴーレムと死闘を―――

 

「ぎゃああああ! 無理無理無理やっぱりこんなにでかい相手と戦うのは無茶すぎるわ!」

「今すぐ逃げ出したい……」

 

―――繰り広げてはいなかった。

 

「そこのバカ二人、逃げてばかりいないでちゃんと戦え!」

 

ノワールとジョーヌはゴーレムの攻撃をかわしながら、ゴーレムから逃げ回っている。

 

「あほ! こんなのとまともにやれるか!」

「エクレ一人でやればいい」

 

二人は走りながらエクレールに抗議する。

 

「それができるなら最初からお前らなどに頼ったりせん! 悔しいが一人じゃ無理だから言っているんだ!」

「だとしても、なんでうちらが前線なんや!」

「しかたないだろ、前線で戦う者がいないと、後衛が機能しないんだから」

 

そう言うと、エクレールは後ろに目線を促した。

そこには、リコッタとベールがそれぞれ、砲撃と弓矢でゴーレムを攻撃している。

 

「はぁ~、分かったやればいいんやろやれば」

「ファイト、二人とも」

「「お前もな!」」

 

ノワールがまるで他人事のように親指を立てるが、二人に一蹴された。

 

「にしても、どうするんやこいつの装甲硬い上に、壊せたとしてもすぐに直ってしまって、実際打つ手なしや」

「別に倒す必要はない。あくまで私たちはこいつを操っている術者を沢田達が倒すまでの時間稼ぎだけでいいんだ」

「なんやそれやったら、別に戦わなくてもええんやないか!」

「そうだそうだ」

「例え時間稼ぎでも、騎士が逃げ回るなどできるわけなかろう!」

「そうだそうだ」

「「お前はどっちの味方だ!」」

「あっ」

 

ノワールは、そんな二人を気にすることなく、二人の後ろに指を差す。

二人は指を差された方を振り返る。そこには今にも拳を振り下ろそうとしている、ゴーレムがいた。

 

「だぁぁぁぁ!」

「のぁぁぁぁ!」

 

エクレールとジョーヌは危機一発でゴーレムの一撃を回避した。

 

「危なかった! ほんま危なかった!」

「ノワール! 貴様もっと早く教えろ!」

「そんなこと言ってる暇があるなら逃げた方がいいよ。次来るから」

 

その言葉と共に二人はまた慌ててゴーレムの攻撃から逃げる。

そんな姿を少し離れているベールとリコッタは苦笑いしながら見ていた。

 

「くそ、早くどうにかしろ沢田ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

この場にいない人物の名前が広場に木霊した。

 

 

 

 

 

「……うっ、ここは……」 

 

ユキカゼは誰もいない場所で目を覚ました。

 

「……っ!」

 

ここがどこなのか調べるため立ち上がろうとしたが、引きずり込まれた時、地面に叩きつけられたため、体中に痛みが走り少しよろけた。

 

「おっと」

 

バランスを崩しかけた時、誰かが後ろから支えてくれた。その本人を確認するため振り返ると、ユキカゼはすぐにその人物から離れた。

 

「な、なんでお主がここにいるでござるか……」

「私がここにいるのがそんなに不思議ですか?」

 

今ユキカゼの目の前にいる者は昨夜ユキカゼが対峙したアイゼンであった。

 

「そんなことを聞いてるのではないでござる!」

 

ユキカゼは目の前の不敵な笑みを浮かべてる者を睨みつける。

 

「ふふっ、そんなにお怒りにならないでくださいよ。私は今あなたに危害を加えるつもりはありません」

「だったら、何故に拙者をここに連れてきたでござる」

「私は別に貴方に用などありません。用があるのは沢田綱吉ですよ。そのために貴方にはエサになってもらいます」

 

アイゼンは今だその笑みを崩さず、ユキカゼに言った。

ユキカゼは少し驚いた表情をすると、すぐさま先ほどと同じくアイゼンを睨みつける。

 

「沢田殿に……、一体何の用でござるか」

「貴方には関係のない事ですよ、隠密隊筆頭ユキカゼ・パネト―ネさん」

「……だったら、お主を倒して無理にでも吐かせるでござる!」

 

ユキカゼはそれだけ言うと、アイゼンの方に駆けだした。

 

「やれやれ、しょうがないお人だ」

 

アイゼンのその言葉を合図に、アイゼンは輝力を目の前に展開させると、突然一体の鎧武者が現れた。

ユキカゼは、それにひるむことなく、鎧武者めがけて蹴りを入れた。

だが、鎧武者はそれをものともせず左腕で受け止め、右手に握っている刀でユキカゼを払いのけた。

ユキカゼは、かわす事は出来たが、刀の刃が頬をかすめてしまい、血が流れている。

 

「くっ、その鎧武者といい広場の土人形といい、やはりお主が人形達を操っていたでござるか」

「ふふっ、さすがに気付きましたか」

「お主が操っているという事は、お主を倒せば人形たちを止める事が出来るという事でござるな」

「そうですよ。ですが、それは倒せればの話です」

「それだけ聞ければ十分でござる!」

 

ユキカゼは、もう一度鎧武者に向かって走り出した。

鎧武者の鎧はとてつもなく硬く、直線的な攻撃ではびくともしない、ユキカゼは先ほどの攻撃でそれを悟り、唯一鎧がない、首の隙間を攻撃しようとした。

相手は重い甲冑を身に纏っている。だとしたら素早い動きにはついてこれないと考え、最大の速さで、一瞬で武者の懐に潜り込んだ。

 

「ここだ!」

 

ユキカゼは、自らの小刀を抜き鎧が薄い隙間を斬った。

 

「なっ!」

 

決まったと思ったが、武者には傷一つなく、逆にユキカゼの小刀が折れてしまった。

武者は自分が攻撃された事を気にも留めず、刀を振り上げ、素早く振り落とした。

ユキカゼは、一瞬の気の緩みのせいで、その攻撃をかわす事が出来ず、とっさに両腕の籠手でガードをした。だが、刀の衝撃があまりに強く、その衝撃を伝い地面にひびが入った。

 

「ぐっ………」

 

ユキカゼから苦しみの声が漏れるが、武者はそんなこと関係なく再び刀を振り上げ、振り下ろそうとする。

次の攻撃は、なんとかかわす事が出来た。

 

「甘いですね。あの隙間はわざと作っているんでよ。あそこは一番狙われやすいため、一番強度なものでつっくているんです。そのようなもので斬れるわけがないでしょう」

「はぁ、はぁ、迂闊だったでござる……」

「どうします。このままおとなしくしてくださるのなら、これ以上の危害は加えませんよ?」

「そんなの……知れた事!」

 

ユキカゼは見るからに辛そうだ。先程の一撃はガードしたもののかなりのダメージがある。もう一度くらえば、終わりだろう。それでも、その目は死んではいなかった。

 

「………そうですか。………残念です」

 

武者はガシャ、ガシャと甲冑は音を立て歩いてくる。

ユキカゼは少し考えて、口を開いた。

 

「……一つ尋ねたいことがあるでござる」

「何ですか?」

「お主らはアクア姫を使って、何をしようとしてるのでござるか」

「………さぁ?」

「さぁ、ってふざけてるでござるか」

 

アイゼンの答えにユキカゼは、納得できないようだ。

 

「ふざけてなどいないですよ。本当に私は知らないのです。ただ私たちは、あいつを手伝っているだけですよ」

「あいつって、クロノスの事でござるか」

「違いますよ。あいつは仲間で、そうですね…………私たちのリーダーみたいなものですよ」

 

アイゼンは笑った。その笑みは今までの笑みとは違い、心からは微笑んでいるようだった。

 

「だったらなぜ、その者の目的をお主が知らないのでござるか」

「それは、私から目的は教えなくていいと言ったからです。あいつはその目的を重く感じて辛そうだった。だから、私はあいつの為戦うのです」

 

アイゼンはしっかりとした眼つきで、ユキカゼを捉えていた。

アイゼン自身の心の中にある。仲間への信頼それはとても純粋なものだった。

そして、数秒の間の後。

 

「お主の仲間への想いは、凄いでござる。でも………でも、やっぱり納得できないでござる!」

 

アイゼンはユキカゼの言葉に、初めて見る驚きの表情をしていた。

そして、元の不敵な笑みを浮かべユキカゼを見た。

 

「………別に貴方に納得してもらう必要はありませんよ。ユキカゼさん」

「そうでござるな。拙者が納得する必要などなかった―――」

「ですが、私が勝ったら、その理由をお聞かせ願いたい」

 

ユキカゼの言葉を遮り、アイゼンは不敵な笑みではなく、先ほど見た心からの微笑みでユキカゼを見ていた。

その言葉と表情にユキカゼもたまらず口元に笑みを浮かべてしまう。

 

「承知!」

 

ユキカゼはそう言うと、武者の方に振り向き、右腕を掲げた。

 

(あの甲冑に弱点などない、それに生半可な攻撃では、逆にこちらがダメージを受けてしまう。だったら今拙者が出せる全力をこの拳に込める!)

 

「地に眠りし琥珀の魂よ、天狐の名の下今集え!」

 

そう叫ぶと、ユキカゼの右拳に蒼い光が集まっていく。

 

「輝力全開放!ユキカゼ式奥義!」

 

そして、ユキカゼは全力の踏み込みをし、光の速さで一直線上をかけ、武者めがけて、思い切り右を叩きこんだ。

 

「龍蓮大破!」

 

武者はその一撃により、後ろにもの凄いスピードで吹っ飛び、石の壁を何枚か突き抜けて行った。

そして、ユキカゼは息を切らしながら、アイゼンの方を見て笑った。

 

「拙者の勝ちでござるな」

 

 

 

 

 

 




どうでしたでしょうか。
楽しんでいただけたなら幸いです。
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