DOG DAYS 大空の勇者   作:ポーカー

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前の投稿から随分と経ちましたが、また読んでくれると嬉しいです。


大剣と急変

はー先に動いたのはツナだ。

一瞬で間合いをつめ、右腕をあごめがけて振り上げる。

レインはそれを、難なく右に避け、左足でツナを蹴りあげた。

ツナはその攻撃を受ける前に、後ろに後退する。

 

「小手調べと言ったところか?」

 

レインは蹴りあげた足をゆっくり下ろしながら、言った。

 

「それはお前もだろ」

 

右腕をレインに向けた。

 

「Ⅹカノン」

 

死ぬ気の炎で作った球をレインめがけて放った。

だが、レインはその球を大剣で難なくかき消した。

 

「まだだ」

 

ツナはさらに連続で何発もⅩカノンを放つが、レインはそれら全て一つ残さず斬り落とす。

 

「無駄だ。何度やっても当たりはせん」

「だったら……」

 

Ⅹカノンを地面に当て、砂埃を起こす。

 

「ふん、煙幕のつもりか、この程度」

 

レインは今までとは違い、大剣を力強く振り、剣風で煙幕を吹き飛ばした。

 

 

「それを待っていた」

 

今までレインと十メートルは離れていた距離を、一瞬で懐に入り込み、いつでも拳を打ちこめる態勢になっていた。

そう、ツナはこの状況をあえて作ったのだ。

 

 

(速い!)

 

レインはツナの動きに反応しようとしたが、ワンテンポ遅かった。

レインが大剣を戻そうとすると、腹に強烈な一撃を叩きこみ、上空に吹っ飛ばした。

空中で態勢を立て直そうとするが、ツナのスピードの方が速く、背後に回り込まれ、かかと落としを繰り出すと、レインは地面に激突し砂埃で見えなくなった。

 

「眠るのはまだ早いぞ」

 

ツナは見えなくなっても、攻撃の手を休めなず、レインを落とした方にⅩカノンを連続で放った。

 

「さ、沢田殿少しやりすぎじゃ………」

 

遠くから見てるユキカゼはツナの怒濤の攻撃に苦笑いを浮かべる。

しかし、同じく二人の戦闘を見ているアイゼンは、そんな風には思っていなかった。

 

「いえ、あれではまだレインを倒せません」

「え、いやでもあれだけやれば、相当なダメージのはず」

「いえ、駄目です」

 

アイゼンは険しい表情で二人の戦闘をじっと見ている。

砂埃が少しずつ晴れていき、レインの姿が見えてきた。

 

「なっ!」

 

レインは悠然と立っていた。

 

「あの程度では倒せません。レインは私の知る限り最強の戦士ですから。………さぁ、どうしますか、ツナさん」

 

ツナは空中でホバリングしながら、じっとレイン見据えている。

あれくらいじゃ倒せていないのは分かっていたようだ。

 

「なるほどな、確かにお前は強い。だが、この程度では俺には届かない」

 

砂埃を払いながら、ツナに威圧感を与えながら言う。

 

「………」

「? どうした」

 

ツナが構えることなく見据えたままであるから、レインは不審に思った。

 

「……アクアはどこにいる?」

「そのことか。教えるわけがないだろ。何のために戦いを始めたと思ってる」

 

分かりきっている答えが帰ってくる。それでもツナは戦いの最中でもアクアの事が心配なのである。

 

「……アクア姫に危害は加えていない。だが、お前が負けてしまえば、アクア姫も無事では済まなくなるぞ」

 

その言葉にツナはレインを睨みつけ、拳を構える。

 

「お前のスタイルは大体わかった。次は俺の番だ」

 

レインは大剣を肩に乗せ、飛び上がった。

大剣で斬りかかった。それをツナは、Ⅹグローブを付けた手の甲で防御する。

だが、大剣はあまりに重く、防ぎきることはできないと、判断すると、ツナは一瞬で背後に回り込んだ。

 

「甘い」

「がっ…」

 

しかし、ツナの来る位置を正確に予測したように裏拳を顔面に放った。

そして、ツナはよろめいたす隙に大剣で斬られ地面に落ちていく。

 

「沢田殿!」

 

ツナは地面ギリギリで、両手の炎を使ったホバリングで何とか地面にぶつからずにすんだ。

 

「っ……これは?」

 

斬られた箇所を抑え気ずく。

 

「耐えたか、大概は今ので終わるのだがな。傷の心配は必要ない、この剣に刃はない、だから斬られたところで死にはしない」

 

確かに斬られてはいない、だが何度も受ければ身体の骨はばらばらに砕けてしまうだろう。

レインは静かに着地して、ツナにゆっくりと歩み寄る。

 

「どうした、この程度が」

「なんだとっ……」

 

ツナは挑発の乗り、レインに突っ込んだ。

 

(至近距離でなら、あの大きな大剣も使えないはずだ)

 

持ち主より大きな剣は確かに威力はあるが、小回りはできないと踏んだようだ。

狙い通りレインの懐に入り、レインが大剣を振るうタイミングに合わせ、何とか避け拳を叩きこもうとする。

 

「なっ…!」

「だから甘いといっただろう」

 

だがその拳は難なく避け、生まれた隙に頭突きを入れる。

ツナは頭突きの衝撃で怯むが、何とか左足でレインの顔を蹴りあげる。

しかしまた、読んでいたかのように左足を掴み、地面に叩きつけ大剣を振リかざし。

 

「沈め」

 

振り下ろした。

 

「くっ」

 

振り下ろされた剣によって、地面に大きなひびが入った。

しかし、剣の下にツナの姿はない。

 

「こっちだ」

 

ツナは炎の逆噴射により、瞬時に上空へと上がっていた。

そして、拳を振りかざし、今度こそ拳が入ると思った。

 

「知っている」

 

レインは冷静にその場から離れる。

ツナの拳は空をきる。

 

「またか……」

 

ツナは自分の攻撃が先程から当らず、顔をしかめる。

 

「お前の攻撃はもう俺には届かない」

「……やってみないとわからないだろ」

「分かるんだよ。俺には見えるお前の未来が」

「どういう意味だ」

 

その問いに答えるかのように、レインは地面に剣を刺し上半身の服を引きちぎり脱ぎ捨てた。

 

「「「!?」」」

 

そこには、水晶玉くらいの大きさの赤い球体が、胸部に埋め込まれていた。赤黒くその色は血を吸い取っているにも見えた。あまりにも不気味なそれは、今もなおレインの心臓と共に脈を打ち、ツナとユキカゼ、アイゼンさえ言葉を失った。

 

「こいつがその理由だ」

 

それを見せても、レインは平然としている。

ツナはその物体が、良いように働くとはとても思えなかった。

 

「お前にはこれが異様に見えるかもしれないが、お前の攻撃が当らないのは、こいつの力を借りているからだ」

 

赤い球体をトントンと軽くつつく。

 

「人間の限界以上の身体と未来予知能力。それが、こいつが俺に与えた力だ」

「………」

「だからこそ、お前に勝ち目はないここで引け勇者」

「……さっきもいったはずだ。やってみないと分からないって」

 

再びツナは構えた。肉体強化と未来予知能力。未来予知では自分の動きが読まれてしまう。それならなば先程まで攻撃が当らなかったのも説明がつく。

 

「そうか、ならやってみろ」

 

レインはため息交じりに言い、剣抱え駆けだし斬りかかった。

ツナは剣筋を見極めようとする。

だが、その考えも読まれていて、剣は囮で代わりに蹴りが飛んでくる。

それはギリギリでかわす事が出来たが、次は大剣を回し斬りをする。

 

(次にこいつは上に逃げる。そこで決める)

 

レインは未来を予知して、勝負の決着を既に知っていた。

しかしツナは、上に逃れる事はなかった。

腰を落とし剣はツナの頭の上を過ぎ、レインに大きな隙ができ、右腕を顔面に力いっぱい振りぬいた。

 

「なっ!?」

 

レインは対応する事ができず、後方に吹き飛ばされた。

今のは確かに手ごたえがあった。

レインは倒れそうになっていたが、何とか踏みとどまる。

        

「……どういうことだ。俺の予知が外れた……」

 

痛みよりも、自分の予知が外れた事にレインは動揺していた。

 

「お前の予知が外れたのは、俺が危険だと直感したからだ」

「直感だと!? そんなもので未来予知を覆したというのか……」

 

レインはツナを睨む。

ボンゴレファミリーボスにだけ現れる、特殊な能力ブラッドオブンボンゴレと言われている。通常の直感を大きく凌ぐ直感力があり、ツナにもその力が備わっている。

 

「これで条件は同じだ」

「……確かにこれでは予知能力は使えないな。だが、まだここからだ」

 

レインの言うとおり、予知能力が使えなくても、レインは十分過ぎるくらい強い。ツナが今まで戦って来た者達に引けを取らないくらい。だからこそ本当の勝負はここからのだ。

二人は駆けだし、拳と剣がぶつかる。激しい衝撃が二人の周りに起こる。

 

「うぉぉぉぉぉぉおお!!」

「はぁぁぁぁぁぁああ!!」

 

どちらも一歩も引かない。その場での力比べはいつまでも続くのではないかと思われた。

だが、終りは突然やってきた。

 

ドゴォォォォ!!

 

何かがコロシアムに入ってきたのである。入口からではなく、観客席を突き破りそれはやってきた。

 

「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!」

 

とてつもない迫力、巨大さ、そして邪悪さを兼ね備えたものであり。

その化け物はまるでファンタジーに出てくる、魔物そのもであった。

 

 




やはり、戦闘描写はうまくできていないと自分でも思ってしまいます(T_T)
後2話でティラミス城も終りです。せめてそこまで付き合っていただけると幸いです。
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