DOG DAYS 大空の勇者   作:ポーカー

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今回はツナの初戦です。
タイトルで大体誰と戦うのかわかるでしょうか?
それではどうぞ。


初陣と天下無双

『さぁさぁパスティアージュの勇者レベッカも加わり盛り上がってきましたよ~! レオ閣下に空中から挑んだクーベル様ですが、力及ばず武装を破壊されてしまいました!』

『このままガレットが押し切るのか! ビスコッティが巻き返すか! はたまた途中乱入のパスティアージュが大逆転を果たすのか! 一瞬たりとも目が離せません!』

 

熱く実況を二人の司会者がこなしていると、何か緊急の連絡が入ったようで、一枚の紙が横から渡される。

 

『え~、ただいま入った情報ですが、空からとんでもなく強い奴が降ってきたとあります!………なんだこれ。何かの間違いじゃないの?』

『どうでしょうか……あ、カメラつながりました!映します!』

 

空中に浮かぶモニターには、炎の遠心力を利用し空を飛んでるツナが映った。

 

『どうやら情報は本物のようだ!それにしても誰なんだこの少年は!突如として戦場に現れ謎の炎で空を駆けているぞ!』

 

他の者達もモニターを見上げている。誰なんだ?と言葉が飛び交う。

 

『それにしてもこの少年のこの速さは一体何なんだ!』

『しかし、このまま進むとガレット本陣!つまり天下無双と相対する事になります!』

 

 

 

 

 

ツナは常に一定の速さを保ち飛び、目的地に近づいていく。

ツナが城に近づくに連れ、一つの影が見えた。

影を通り過ぎるか少し迷ったが、念のためと思い、ツナは両手の炎を緩め着地する。

 

「なんじゃ、お主がこの戦に乱入したという者か?」

「乱入なんかしていない、少し事情があるだけで、俺に戦うつもりはない」

 

ツナは今回戦いに来たわけではない。右も左も分からない状況、早くアクアがいると思われる城を目指しただけだ。

目の前の威厳のようなものがある女性は、笑みを浮かべたまま続ける。

 

「ここまで、戦場をかき乱しておいて、それはないんじゃないかのぉ」

「そんなつもりはなかった。すまない」

「やれやれ。素直に謝るのはいいことだが、もう少し張り合いがほしいもんじゃ」

 

もう少し張りつめた空気が良かったのか体から力が抜けたのか、少し肩を落とす。

しかし、すぐに先ほどと同じ自身たっぷりの表情に戻る。

女性は傍にある自分と同じくらいでかい斧を軽々と地面から抜く。

 

「まぁなんじゃここまで来れた褒美としてわしが相手になってやろう」

「いや、だからそういうわけじゃ―――」

「ガレット獅子団領主レオンミシェリ――――――いや、これ以上は言うまい」

 

どうやら相手はやる気満々らしく、取り付く暇もないようだ。

ツナはしかたないと思いながら、

 

「沢田綱吉」

 

自らの名を名乗る。

レオは名を聞くや嬉しそうそな笑みを浮かべる。

 

「そうか、沢田綱吉、やはりか。面白い」

 

その目は獲物を見つけた狩人のようだった。

ツナも身構えるように拳を前に出し、戦闘態勢に入る。

レオもそれに応じ手にもつ斧を構える。

 

「いくぞ」

『レオ様とこの少年いきなりの展開に我々も同様の色を隠せません!』

『ですが!なにやら二人ともやる気満々!なら私たちはその戦いを全力で見守る、もとい実況しましょう!』

 

両手の炎を瞬間的に爆発させ、一気にレオに迫る。

そのままレオに拳を入れようとするが、レオはひるむ様子はなく斧を正確に振り下ろす。

ツナは再び掌の炎を爆発させ、今度は背後に回りこむ。

 

「遊んでいる暇はないだ。これで終りだ」

 

ツナはこのまま勝負を終わらせるため、そのまま手套をいれようとする。

しかし、レオは前のめりに屈みツナの攻撃は空を切る。

レオはそのままの状態で馬が人を蹴るかのように、ツナの体を力強く蹴る。

不意の攻撃にツナはたじろぐが、レオはさらに追撃する。

斧を全身を軸にツナめがけて振りぬく。

 

「ぐっ……」

 

ツナは両腕を交差して耐えるが、ガードしたにも関わらず、ツナの口から血が流れる。

あまりの斧の貫通力に、顔をしかめる。

だが、レオはまだ攻撃の手を緩める事はなく、斧を構え直し力を溜め始める。

周りの空気がピリピリと音を発しているようにも聞こえる。

レオの周りに青い色をした鬼のようなものが出現する。

 

「輝力解放!獅子王烈火爆再斬!」

 

斧を力強く振りかぶると、斧から火の鳥が飛びだしてツナを襲う。

ツナはとっさに上に逃げるが、火の鳥はなお追って既にツナの俄然まで迫っていた。

ツナはしまった!と思う。火の鳥はツナにぶつかるとそのまま爆発する

 

「……わしと戦う事が遊びじゃと………言いよったな小童が!!」

 

レオの怒号が周囲に響き渡る。自分との戦いを遊びと言われ、今は怒りをあらわにしている。

上空ではまだ爆煙が上がっていて、ツナの姿は見えない。

レオは爆煙を見上げたままだ、斧を一度構えなおす。ツナ本人が落ちてこないという事は、いつ何をするか分からなく、気は緩めずにいた。すると、爆煙が晴れていくと共に、

 

「………遊びと言った事は謝る。だから、ここから俺も本気で行く」

『なんとっ!この少年ほとんど無傷!なんてタフなんでしょう!』

『ですが、レオ様の方が優勢に見えます!このまま押され続けるのかぁ!』

 

ツナが顔の前で交差していくる両腕を下ろしながらレオに言い放つ。

服は今ので大分汚れているがツナ自身のダメージは見た目程ではないようだ。

ツナは先ほどと同じ方法でレオに近ずく。

 

「またその手か、芸がない」

「ナッツ!」

「ガゥ!」

 

ツナの呼び声にそれまでどこかに隠れていたナッツがレオの目の前に現れる。突然目の前に小さい何かが現れレオは驚き少し身をのけぞる。

その隙をつき、ツナの得意とする拳のラッシュを仕掛ける。

 

「くっ!こざかしい!」

 

しかし、レオは手に持つ斧を盾代わりにツナの拳を全て防ぎ、ツナを払いのける。

ツナはそれを避けるように、一旦レオとの距離をとる。

 

「ふん、目くらまししなどせこい手を使いおって。男なら真っ向からこんかっ!」

 

再びレオが吠える。そうとう威厳のある声で、普段のツナなら何を言われようと従ってしまいそうだ。

レオは先程と同じく背後に鬼の姿が現る。再び何か大技を使おうとしている。

 

『むむっ!この構えはレオ様一番の威力を持つ輝力技!防御不能のその技は味方まで巻き込むのがたまに傷!』

 

「小細工などわしの前では無駄じゃ!輝力解放!獅子王炎陣大爆破!」

 

レオを中心に周りの地面がひび割れ、中心を除く周りが瞬間的に大爆発を起こす。もちろんツナも巻き込まれてしまい、その威力は先程の技の比ではない。

 

『出たぁぁぁぁああっ!レオ様の獅子王炎陣大爆破!以前使った時は勇者シンクと親衛隊長に避けられてしまったが、今回乱入者には避けようとする動きはなく、直撃!これで決まりか!』

 

レオの周りは爆発の影響で何も見えないと言ったところだ。レオ自身これで決まったと思い斧を地面に立て、戦闘隊背を解く。

しかし、それがいけなかった。爆煙が晴れていく中、レオはツナの姿を捉えるが、それは地面に横たわる姿ではなく、黒いマント―――一世のマントを纏い先程の爆発を防いでいた。

 

「なっ!」

 

一つの傷がついていないツナに驚愕する。マントから顔をだしツナは三たび両手の炎を瞬間的に爆発させレオの目の前に迫る。

一瞬反応が遅れたレオは、ツナの接近を簡単に許してしまう。

 

「これで終りだ」

 

ツナはそのまま拳をレオに振り下ろし、レオの顔前で止める。

 

「………何の真似じゃ…」

 

レオはツナの行動に気に食わなく、ギロリと睨む。

だが、ツナにとってはこれでいいのだ。

 

「言葉通りだ。これで俺の勝ちだ」

「勝利宣言はその拳をわしに当てて初めてするものじゃ」

「最初に言ったはずだ。俺は争いに来たんじゃない。俺が用があるのはそこの城だ」

 

両者しばし目を離さず譲らないと言ったところ。ツナにとってかここで勝つ事に何の意味を持たない。

だからこそ、ここでレオに引いてもらいたいのだ。

数秒してレオはやれやれ、と言って目を瞑る。

 

「分かったわしの負けじゃ」

 

どうやらレオの方が先に折れたようで、どこから取りだしたのか小さな白旗を振る。ツナはほっと胸をなで下ろす。

煙も晴れていき周りも大分見渡せるようになると、

 

『おおぉぉぉっと!煙が晴れると何故かレオ様が白旗を上げている!これはどういうことだ!』

『』

 

ツナが死ぬ気を解こうとした時、上空から活発で元気のいい声が聞こえてくる。

 

「ちょぉぉっと待ったぁぁあ!ガレットの危機、もといレオ様の危機と聞いてはこのガレットの勇者ななみが黙ってないよ!」

「え?」

 

空を見上げたその先には一人の少女がいた。少女は楽々と着地をして、ツナを見て喜々して言った。

 

「さぁレオ様の代わりに私が相手になるよぉ!かかってきなさい不法侵入者!」

 

一難去ってまた一難。とても元気で活発なまさに天真爛漫という言葉が当てはまる子だ。

突然の事であっけにとられていたが、ツナは彼女が言った事に反応する。

 

「勇者……」

 

 

 

 

 

 

所変わって、ツナを途中戦場を捨ててきた?アクアとムラサメはちょうどビスコッティの城。ヒィリアンノ城に到着したとこだ。

 

「ミルヒ久しぶり!元気だった!」

「アクア突然どうしたんですか!?」

 

飛竜から降り一人の少女に駆け寄る。そうこの少女こそビスコッティミルヒオーレ・ヒィリアンノ・ビスコッティである。

ミルヒは驚いた様子でアクアを見る。

 

「この前の件でお世話になったし、そのお礼に。それと、私の国の勇者に戦興業を見せて上げようと思って」

「それだったら連絡くらいいれてくれてもよかったのに」

 

当然の反応だ。アクアはほとんど勢いで飛び出してきたからそんな暇はなかったのだ。

誤魔化すように笑っていると、ミルヒはアクアの後ろを覗き込む。

 

「そちらがアクアの国の勇者様なんですか?」

「うん。この人がアトラティカ王国の勇者沢田綱―――」

 

アクアが大手を振るって後ろにいる人を紹介しようと、そこにはムラサメしかいない。

アクアはあれ?、と困惑しながらツナの姿を探すがどこにも見当たらない。

 

「む、ムラサメさん……ツナは?」

「落ちた」

 

ムラサメの回答に首を傾げもう一度問う。

 

「えっと……ツナは今どこに?」

「たぶん、いや確実に戦場だろう」

 

アクアの思考が有無言わせず止まった。そして、すぐに時が動き始めると、

 

「ええぇぇぇぇぇぇええ!!どうしてそんなことに!!」

「飛竜で飛んでいる時、一人で落ちて行った」

 

この証言には嘘がある。正確には落とされただ。ムラサメは少なからず自分の罪をなかったことにしようとしてるのだ。

 

「なんでその時教えてくれなかったんですか!」

「問題無いと思ってな」

「大ありですよ!」

 

まくしたてるように問い詰めているアクアを見て、ミルヒも何となく状況を理解したようだ。

 

「アクアは勇者様と来る途中ではぐれたんですか?」

「う、うんそうみたい」

「よかったなアクア姫!これで勇者の戦いっぷりが見れるぞ!」

「ムラサメさんは黙っててください!」

 

無駄な横やりにアクアはすっぱりと切り捨てる。

ちなみに、ムラサメはまったくわびた様子はない。

 

「どうしよう………」

 

ツナが今戦っていると知らずアクアはただただツナの心配をしていた。




どうでしたでしょうか?
これからは更新が少し遅れるかもしれません。
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