DOG DAYS 大空の勇者   作:ポーカー

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テストも終りまた投稿を開始していきます。
今回は風月案での合宿の場面にオリジナルの話を加えていきたいと思います。
それではどうぞ。


合宿と迷子

ツナは約束通りシンク達と一緒に風月案に来ていた。

これには若い騎士たちの交流や訓練などを名目にしている。ここに居るのもツナやシンク、エクレールにユキカゼ、ノワール、そして何故かムラサメが来ている。

 

「やっぱ綺麗でのどかなとこだよな~」

 

自然溢れる森からは鳥のさえずりが聞こえ、河の方では日の光が反射しながらも流水が小さなせせらぎを奏でている。ツナは目を閉じてゆっくりと深呼吸すると、まるでそれらが体に染み込んでいくように感じた。こんなにいい場所なら、いつまでだって居たいとも思った。

そして、今は何をしているかと言うと、

 

「ツナ、そっちは終わったの?」

「えっと~、まぁ一応は………」

 

ツナは歯切れの悪い返事を返す。何が終わったのかと言うと、ツナ達は今の今まで戦闘訓練をしていた。

ツナは断ったのだが、どうせだからと言われ、参加したのだ。

訓練はそれぞれ二人一組を作ってやるのだが、シンクはユキカゼとエクレールはノワールと、それで消去法でツナはムラサメと戦う事になったのだが……。

ムラサメは「この時を待っていた!」と興奮していて、戦いが始めると足場が濡れていたのか足を滑らせ、そのまま川に落ちどんぶらこと流れて行った。

ここまで不幸なことが続くと、ムラサメには何か悪霊でも憑いているのではないかと本気で心配をするツナだった。

その後は、なんとかムラサメを河から助けたが、目を回していて続行不可能と思い、ツナは岩場でゆっくりと休憩していた。

 

「あれ、エクレール達は?」

「そういえば見てないな。まだ終わっていなのかも」

 

二人を身に行くと言うのでツナも同行した。

少し離れた場所で水しぶきが上がる。その場に着くと、案の定エクレールとノワールが肩で息をしながら岩に倒れ込んでいた。

 

「はぁ、はぁ、いい加減にしろ……この負けず嫌いが……」

「はぁ、はぁ、やめない。勝つまでは……」

 

状況からして、二人は既に戦う体力は残ってなさそうが。それでもノワールは根性とでも言うべきか執念と言うべきか、よろよろとしながら立ち上がる。

 

「もういい分かった……私の負けだ……」

 

付き合いきれないと思い、エクレールは半場投げやりに負けを認める。確かにどれだけ時間を費やそうとも、今のノワールは勝つまでやめないだろう。

ノワールってこんな子だったんだ、と心の中でツナは苦笑する。

本人は「勝ったぁ」と満足して力が抜けたかのように、石に座り込む。

 

「ノワールの負けず嫌いとど根性の勝利でござるな」

「ガレット魂……」

 

ノワールは小さくガッツポーズをとる。それほど勝負事が好きなのか、それともエクレールに負けたくなかったのだろうか。

エクレールはため息をつきながら、シンクの手を借り立ち上がる。

 

「だから、こいつとはやりたくなかったんだ」

「まぁまぁ、そんなこと言わない言わない」

 

戦闘訓練も終り、少しの休憩を挟む。次は水難救助の訓練とのこと。戦興業では水を使ったステージもあり、どんなアクシデントが起こっても冷静に対応できる為とのこと。

リボーン達と行った海水浴では、水難救助をした事があるが、あの時は結局死ぬ気弾に頼る形になったからな、とツナは昔の事を思い出していた。

ツナとシンクはすぐさま海パンに履き替え、河で水の冷たさを味わっていた。

 

「ん~!この冷たさ。最高!」

「確かにいいよね。そういえばナナミとレベッカはどうして来なかったの?」

「ナナミはガレットにベッキーはパスティアージュにそれぞれ帰って行ったよ。なんでも向こうで街の探索やいろんな人と話したいことがたくさんあるらしいとか」

 

二人ともこの世界を満喫してるようだ。

アクアも今回の合宿に来たそうであったが、領主陣と大切な話があるとかで、やむなく諦めていた。

アクアのことを考えていると、そういえば、と何か思いだしたかのように口を開く

 

「シンクって一度この世界から元の世界に帰ってるんだよね?」

「うん。そうだよ。あの時はいろいろ大変で、帰る方法が見つかっても喜べなかったけど」

「……聞いてもいい話し?」

 

少し遠くを見て昔を懐かしむような横顔で、ツナは遠慮がしら尋ねた。もしも聞いてはいけない部分だったら気まずさが半端ない。だが、聞きたくないと言ったら嘘になる。

しかし、シンクは特段気にするようもなく笑う。シンクのはいつもニコニコだからだろうか、この笑顔はすごく親しみやすさを感じさせるものがある。

 

「全然大丈夫だよ。今となっちゃそんなに大変な事じゃなかったし」

 

シンクが口火を開こうとすると、今まで岩の上で寝かせていたムラサメが、機械的に起き上がる。

二人の目線があることに気付いたのか、ムラサメはこちらに首を回す。

すると、ツナ達の方に歩み寄りツナの手を掴み、小さな小屋へと足を向ける。

突然のことで困惑するが、シンクはただ茫然とツナが連れていかれる様子を眺めている。

掴まれているツナ本人ははムラサメに声を掛けるが反応がない。

自分はどこに連れていかれるのか考えていると、ムラサメガ向かう場所にツナは目を疑う。

 

「む、ムラサメさん、こっちはユキカゼ達が着替えてますから駄目ですよ!」

 

本当に更衣室に向かってるか分からないが、さすがにこれ以上近ずくにはまずいと思い、ムラサメを止める為に足に力を入れ踏みとどまろうとする。だが、ムラサメの力が今まで感じた事がないほど尋常ではなく止まらない。

 

「今は駄目ですって、皆が着替えてるんですよ!」

「…………んじゃないか……」

「えっ」

「だから行くんじゃないかぁ!」

「なに言ってんのこの人!」

 

ムラサメはバカであり、不幸者であり………変態でもあった。この合宿に連れてきたのは間違いだったと今更ながら感じていた。

アクアはこんなムラサメのどこを慕っているんだろうか。

 

「駄目ですって!見つかったら冗談じゃ済みませんよ!」

「そんなのは百も承知だ!だが、お前には何の為に足が付いているんだ!」

「少なくてもこんなことをするためじゃありません!それになんで俺まで巻き込むんですか!」

「そんなの決まっているだろう。さすがに紋章術を使われたらやばいからな」

「盾に使う気ですか!」

 

ムラサメとコントまがいのことをしてると、いつの間にか小屋についていた。

ムラサメはツナの首に腕を絡ませる。このままじゃ共犯だと思っても、態勢が悪いのかうまく

力が入らない。

ムラサメは表情にとても嫌な笑みを浮かべて、そっと小屋の隙間を覗こうとすると、

 

「こんのアホがぁぁぁああ!」

 

エクレールの怒りの声が聞こえるや否や小屋の屋根を何かがつら抜けていき、小屋の中に日の光が入る。

後ろの方では何かがシンクのいる河の方へと落ちていく。シンクと激突した何かは大きく水しぶきを上げる。あまりのことに、ツナとムラサメは思わず振り返ると、ノワールがあられもない姿でいた。

 

「……い…ってて、の、ノワ!?」

「あ、ごめんシンク」

「そ、それよりも、服!服!」

「そうだった。こっち見ないでねシンク」

 

ノワールは顔を赤らめているが、そこまで焦っている様子はなく、シンクから離れ小屋へと走っていく。

しかし、小屋に戻ってくると言う事はツナ達を否応なく目に入る。つまり……

 

「あれ、ツナにムラサメ何してるの?」

 

見つかるというこだ。

だが、見られたのはノワールだけ言い訳をすればまだ……

 

「ノワ、大丈夫でござるか?おや、ツナにムラサメこんなとこでどうしたでござる?」

「き、きききき貴様らまさかっ!」

 

終わった。ジ・エンドだ。

無罪を主張した所で、怒り狂っている今のエクレールはまともに話を聞いてはくれないだろう。

 

「ひぃぃぃぃいいい!」

「お、落ち着け親衛隊隊長!話せばわかる!」

「うるさい!聞く耳持たん!」

 

ムラサメは逃げを試みようとするが、いつの間にか水着姿のノワールに立ち塞がれる。

 

「覗きは駄目。ちゃんとお仕置きしなと」

 

この後、とっても痛いお仕置きをくらいましたとさ。

 

 

 

 

 

お仕置きや水難救助が終り、そろそろ日が落ちてくる。

合宿では自給自足なので、食料の調達をするためシンク達はそれぞれの役割分担を決めている。

 

「それじゃ、僕とエクレが食料で、ユッキーが薪、ノワが火を起こすってことで」

「あれ、ツナとムラサメは?」

 

ノワールが二人の姿を探すがどこにも見当たらない。

 

「奴らには反省の色が見えるまで、そこらへんの木に吊るしてある」

「ツナは本当に巻き込まれただけだよエクレ」

 

怒りがまだおさまらない様子のエクレールをなんとかなだめ様とシンクは言う。

 

「だとしても、断り切れなかった沢田も悪い」

 

どんな理由があってもエクレールにとってはツナも同罪らしい。

怒りの色が消えていないエクレールにこれ以上言っても無駄かなとシンクは思った。

そして、どこかで吊るされているツナに心の中で手を合わせて力になれず謝る。

 

「これ以上話していては本当に日が暮れてしまうでござるから、そろそろそれぞれの役割をこなすでござる」

 

それぞれが自分達を役割を果たすため移動する。

 

 

 

 

 

「これだけあれば十分でござるな」

 

薪をある程度拾い、ユキカゼは一息をつく。

森に入ってそこまで時間は過ぎていないが、籠一杯に入っているので、ここいらで区切りを付けるところだ。

あまり経っていないとは先程よりも日は落ちてきている。

これ以上は皆に心配を掛けると思い、戻ろうとすると、

 

「あ、あの~………」

 

ユキカゼは後ろからの声に不意に振り向く。

そこには、白い耳をした幼い顔立ちの小学生くらいの少年がいた。

少年は困り事でもあるのか、少し戸惑った様子だ。

 

「どうしてこんなとこにいるでござるか?」

「え、えっと、散歩してたら、いつの間にかこんなとこにいて、その、あの……」

「用するに迷子でござるか」

「えっと、その………………はい…」

 

少年は恥ずかしそうに俯く。迷子になった事がよほど恥ずかしいらいい。しかしこの年だったら迷子になってもさほど恥ずかしがる事はないだろう。

なんにしても、このまま放置しておくのは心が痛む、当然ユキカゼが取る選択肢は決まっている。

 

「だったら拙者が出口まで送っていくでござるよ」

「えっ!いいんですか!」

「最初からそのつもりで声を掛けたんじゃないでござるか?」

「そ、そうなんですけど。そんなに簡単に引き受けてもらってもいいのかと……」

「気にする事は無いでござるよ。困った時はお互いさまでござるよ」

 

ユキカゼは満面の笑顔で答える。すると安心したのか少年は緊張が解け、嬉しそうな表情を浮かべる。

 

「ありがとうございます!えっと……」

「ユキカゼでござるよ」

「僕はココです。ユキカゼさんよろしくお願いします!」

 

ココは先程までおどおどした様子がまるで嘘のように、はきはきと話す。どうやら、本来の性格は人懐っこいものなのだろう。

 

「それじゃココ。しっかりと付いてくるでござるよ!」

「はい!ユキカゼさん」

 

こうしてマキ拾いから一転して、何故か迷子案内となった。

 

 




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