SAO:time   作:窓風

3 / 23
EPISODE2 「ユメセカイ」

 

 

目が覚めた。周りが明るいということは、朝がきたのだ。

 

「ん〜っ‼︎気持ちよく寝れたな。さて、顔洗って学校……って、あ。」

 

伸びをしてジャージに着替えようとすると自分の服装がこの世のものとは思えなかった。頭をフル回転させてすぐ気づいた。昨日の出来事は、全て現実だと。心のどこかで夢オチを願っていたが、どうやら天にはその願いが届かなかったらしい。

 

「……やっぱり、全部本当のことだったんだな。これから俺、どうなんだろ。」

 

よく考えて見るとこの世界の草、風、石、動物……といったものが全て現実にそれに酷似していたのだ。しっかりと肌で感じ、目で見て、耳で聞いて、人々と話し合い、手を動かし、足で移動する。全てが本物といっていいものだった。さっきまで寝ていたベッドも、布の感触とかすかな温もりがあった。それに、寝る前に決めたことをずっとこの世界で貫き通すと誓ったのだ。

 

「俺は、この世界で生きてやる‼︎」

 

右手をギュッと握りしめて振り返るとそこにはベッドに腰を下ろしてこちらを見ている少年がいた。昨日、記憶喪失の俺をここまで連れてきてこの世界の説明をしてくれたキリトだ。

 

「おはよう、キリト。」

「おう。お前もこの世界が生きているって思うのか。」

「なんか、俺は今ここで生きているんだけど、同じようにこのアインクラッド全てが生きているって気がするんだ。へ、変かな?」

「変なわけないさ。どっかのGMがこのSAOをデスゲームへと変えてくれたおかげでね。」

 

そう。このVRMMORPGのSAOは昨日、誰もが楽しめる普通のゲームから生と死が隣合わせのデスゲームへと変わったのだ。視界左上に見える緑色のバー《300/300》の数値が俺の命。この数値が《0/300》となった時、俺はこの世界と現実の両方から永久退場する。つまり、体力が0になればゲームオーバーとなり、死ぬのだ。さっきのキリトの言葉にも、憎しみが少なからず含まれていた。

 

「よし‼︎まずはソーマに戦闘のレクチャーだ。昨日は走りながらだったからな、フィールドに出て実践形式でやるぞ。」

「分かった。」

 

◇◇◇

 

フィールドに吹く風を肌に感じながら左腰にある剣『スモールソード』をゆっくりと抜く。刃が太陽の光に照らされ銀色に光っているこの片手用直剣は、はじまりの街から移動するときに買ったものだ。そして目の前にいる猪型モンスターは『フレンジーボア』。SAOの第1層にいるモンスターはだいたいどっかのRPGのスラ○ムと同じレベルだろうと思ったが、ここで死んだら話にならないと気持ちを切り替えて例え雑魚モンスターが相手でも集中力を切らさないように戦った。2、3匹倒したところでキリトから『ソードスキル』を教えてもらった。

 

「次からはソードスキルを使ってみよう。」

「ソードスキル……となると、必殺技みたいなものか。」

「そんなとこだな。ソードスキルを使うことによって戦闘の幅が広がる。フィールド戦はもちろん、フロアボス戦でも十分に使えるけど、敵も同じようにソードスキルを使うやつがいるから気をつけろよ。」

 

キリトはそう言うと石を投げてフレンジーボアのタゲを自分へと切り替えるとスモールソードを構える。すると、剣に青白いエフェクトがかかり、襲って来たボアを斬ってボアはポリゴン片となって消えた。

 

「ソードスキルを発動させるにはこうグッと『溜める』ようにして、所定のモーションを起こすとさっきみたいに光る。あとはシステムが命中させてくれる。」

「モーションねぇ。」

 

既にポップしていた別のボアのタゲをとり、剣道の中段の構えから足を少し開いて剣先はボアに向いたまま腰を少し落とした。そして『溜めた』。すると、

 

キィィィィン。

 

剣が光り、次の瞬間にはボアを捕らえて真っ二つにした。コツがなんとなく分かった気がする。

 

「そうそう、それだよ。」

「オッケー、なんとなくだけど感じ掴んだよ。もうちょっとだけやってていいか?」

「この後クエストを受けようと思ってるからあと3、4匹くらいなら。」

 

キリトの了承を得ると次のボアへまたソードスキルを放つ。

 

「はぁぁぁぁぁぁ‼︎」

「あ、あとソードスキル使った後はー」

 

キリトが何か言ってたけど気にしないでボアを次々と斬っていく。

ヤベ、コレ癖になりそう。と思った時。

 

プギィィ‼︎

「ぐおっ⁈」

 

ソードスキルを使った後、身体が硬直したように動かせなくなったと思ったら別のボアの体当たりを背中がもろに受けた。まぁ、問題なくそのボアも斬ってやったが。

 

「技後硬直があるから使用後は気をつけろよー(棒読み)」

 

◇◇◇

 

「んで、そのクエストってのはどういった内容なんだ?」

 

レモン、に似せた味がするポーションー回復薬を飲みながらキリトに尋ねる。

 

「リトルネペントっていうモンスターを倒してドロップする胚珠を持って帰ると『アニールブレード』っていう剣をもらえる。お前のレベル上げも込みでやるぞ!」

「(一瞬キリトが鬼に見えた気がする……)死なない程度に頑張るよ。」

「ここで死んだら本気で笑えないぞ。」

「……すいませんでした。」

 

その後俺とキリトはリトルネペントを倒して「アニールブレード」を手に入れた。クエストの途中にある1人の男によりMPK(モンスタープレイヤーキラー)されたが、キリトがネペントの特性を知ってたおかげでHPバーをイエローゾーン、半分以上減らされながら胚珠を持って帰ってきた。俺達を殺そうとした奴は……ネペントの大群に殺された。この世界に囚われた人の中にはPK、殺人を平気でやろうとする奴が少なからずいることを知った。そして、俺がこの世界に来て1カ月が経った時の全生存者数は、7,800人程であった。つまり、このデスゲームが始まって1カ月で2,000人余りが死亡した。

 

 

◇◇◇

 

目の前に開かれた、果てないセカイ。

例えユメでもいい。

 

 

7、8年前の歌にこういう歌詞があった気がする。ふとそれを思い出しただけ。

 

夢かもしれない。けれど、現実とほとんど何も変わらないこの世界で、これから色々と大変なことに巻き込まれていくのと、共に過ごす時間をくれる戦友達と出会うことを、この時の蒼葉 誠ことソーマは思いもしないだろう。

 




どうもSAO・東方中毒です。

よく考えたら学年末テスト真っ只中で小説投稿する奴。
いい加減勉強せぇ。留年すんぞ俺。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。