ドゥーチェ異世界にて戦うようです 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
戦車道・・・大学が終わると戦車道をしていた人は4つの選択しから進路を決めていく。
1、プロリーグもしくは社会チームに進む
行ける実力があれば行けば良いと思う。
私はあえてしなかった。
2、結婚もしくは婚活
戦車道自体が良妻賢母や大和撫子を育てる目的なので道的には一番あっている。
まぁ私にはそんな相手はいなかったがな。
3、戦車道の指導者になる
これが大半である。
指導者が学園艦ならともかく、本土では深刻な指導者不足であり、本土で枠がなくても隣国に行けば職が無いことはない。
なってもよかったが、別のに魅力を感じた。
4、就職
戦車道のチームの隊長は引く手あまたである。
例えそれが弱小高校でも隊長だったという実績だけで大企業に入れる。
私の場合は高校時代に強豪のマジノ高校を破った、大学選抜チームに勝った等の実績もあり、大学でも隊長をやっていたので、自動車会社である名古屋自動車のイタリア支部に送られた。
初年度の年収950万・・・来年には1000万を超えるため勝ち組である。
何故就職を選んだか・・・それはアンツィオ高校により良い戦車を寄付するためである。
P-40を購入したため、次は史実でイタリア軍が滷獲した過去があり、それに乗って戦闘したこともあるT-34を購入して後輩たちの励みになればと働いていた。
かれこれ10年イタリアで働いた後、本社に戻され、欧州販売部門の役員となり、エリートと・・・いや、幹部候補と呼ばれる程になっていた。
イタリアにいた時にはエンジンの整備、開発に関わり、自分で造ったエンジンが動いた時には感動した。
そんな幸せな日々も突然終わりを迎える。
青砥駅
30後半になった私はハガキで送られてきた過去の仲間達の結婚報告や第何子誕生報告を眺めていた。
ドン
「あ・・・。」
たまたま誰かとぶつかりそれで体勢を崩した。
ちょうど電車が通る。
無駄だが腕をクロスにして衝撃に備える・・・が、いつまでたっても衝撃が来ない。
『信仰心の薄い現代人よ。』
!?
時間が止まった。
『貴女は他者への共感力は溢れている。しかし神への信仰心を知らぬ。』
『現代人は物事の理から外れすぎている。』
『物事には容量がある。虫の70億と70億の人類では人類の方が管理が難しい。この数の管理は神ですら厳しすぎる。』
何を?ん?
白い動物が目の前に現れる。
『お困りのようだね。』
・・・キュウべぇ?
『さっき喋っていたのは僕の部下の君達からは神と呼ばれる存在だよ。今君がキュウべぇと言ったこの体はただの借り物であり、君の中で神と呼ばれる存在がこのようなのだったら良いのにという思いを具現化しただけだ。』
『僕の手を見てごらん。綺麗だろ?』
そこには白と紅の混じりあう宝石があった。
『君・・・にはソウルジェムと言えば分かりやすいかもしれないけどあれとは違い絶望ではなく、その人物の人生が詰まっているんだ。これは3回目の転生で精神を消耗し尽くして亡くなった女の人生が詰まっているんだ。』
『君にこの宝石をあげるよ。きっと役に立つよ。』
『ただ、神にはナイショだよ。僕は君の味方だ。じゃあまたね安斎千代美。』
なんだったんだ?今のは?
『君には神の信仰心を取り戻してほしい。次なる絶望のような来世のなかで。』
「ま、まって!!」
バン
安斎千代美死亡 没39歳